”Change is the only constant” 「変われないものには明日はない」を信条に、仕事もプライベートも、絶えず新しいことにトライする中年オヤジ。英語に関しては、20代に独自のやり方で、TOEIC300点代から6年でトップMBAスクール合格。その経験をなるべく多くの人にシェアしてお役に立てたら光栄。英語の学習歴。
目次
人生設計&英語力アップにおすすめの本2冊
私は、TOIEC300点台からのMBAチャレンジで、年食ってMBAホルダーになりました。
結婚、MBA、子供の誕生、ポストMBAのキャリア、親の闘病など、めまぐるしい環境変化の連続でした。
ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授の本(「Innovator’s Dilemma」と「How will you measure your life?」 )から得た助言には、身につまされることの多いこと。
今回のブログが、皆さんが本著二冊に触れるきっかけとなりますことを願っています。
人生設計に必読の本:「How will you measure your life?」

まずは、クリステンセン教授が充実した人生(キャリア形成や幸福な家族関係)の実現について書いた、2012年の本「How will you measure your life?」 Harper Collins Publishers出版社からの、キーメッセージを紹介します。
訳本は出版されていないので、私の邦訳になりますが「人生の成功を図るものさし」の様なタイトルになります。
私の経験から、日本人で海外MBAを目指す方は、社会人経験、MBAの受験準備、資金の手当てに要する期間を考えると、アメリカ人よりは平均年齢は高く、MBA取得と結婚、子供の誕生のイベントを、ほぼ数年間にいっぺんに経験される方が多い様です。
本書がもっと早く出版されていたら、自分自身が役に立てたと思ったくらいです。ですから、未来のMBAとしてみなさんに紹介します。
本書も、クリステンセン教授のクリアなコンセプト、わかりやすい文章で、リーディングの教材としてお薦めします。私の住む街の図書館はそんなに大きくないのですが、蔵書として揃っていました。
皆さんも、わざわざ購入しなくても、図書館で借りて勉強できると思います。
キャリア形成と人生設計のガイドに

プレMBAの準備時期から、MBA期間の熾烈な競争と勉強、私費留学した場合は投下した資金や、その間の逸失機会(収入)は多大なものです。
そして、周囲からの評価の目。私の知る限り、多くのMBAホルダーは、自分を証明するために、MBA後はっきりギアチェンジして働きます。
実績、昇給、昇進、いわゆるFast Trackを目指して猛烈に働くのです。
著者のエピソードは少しショッキングですよ。卒業5年後の同窓会では、羨む様な出世を手にいれたり、素敵な伴侶と結婚したり、ハイクラスな生活を手にいれた卒業生も出てきます。
しかし、卒後10年、15年、20年の同窓会では様相は、徐々に変わってきます。キャリアの追求に傾きすぎたために、ワークライフバランスを崩したのが原因です。
離婚した同期生、子供達との関係が冷え切った寂しい人生を送っている同級生、キャリアで失敗してFast Trackから外れた同期生が増えてくるのです。
没落の例では、法令遵守で犯罪に手に染めで懲役刑に服した、Jeffrey Skilling(クリステンセン教授と同年にハーバードMBA卒、マッキンゼーで最年少でパートナーに上り詰めた、エンロンのCEOとして100億円以上の報酬を得ていた、12年の牢獄生活の後、今年釈放※)の様なエグゼキュティブまで出てきます。
なぜ、その様な事が起きてしまうのか?深遠なクリスチャンである著者の価値観と分析は、クリスチャンでない私たちでも、またこれからMBAを目指す人たちに対して、良いガイドになると思います。
この後紹介する「イノベーションのジレンマ」で紹介されたコンセプトが、本書ではキャリアや家族関係作りにも関連付けてあてはめています。
この本は220ページで、馴染みのコンセプトと文体ですから、読破はとても楽です。
「How will you measure your life?」の概要
かっこ内の数字は、本書での該当ページです
Section I 〜キャリアで幸せをつかむために〜
What makes us tick/何が私たちの働く意欲を駆り立てるのか?
Hopefully, you’ve had experiences in your life that have satisfied Herzberg’s motivators. If you have, you’ll recognize the difference between that and an experience that merely provides hygiene factors it might have been a job that emphasized doing work that was truly meaningful to you, that was interesting and challenging, that allowed you to grow professionally, or that provided opportunities to increase your responsibilities. Those are the factors that will motivate you – to cause you to love what you’re doing. (p34) …
Herzberg’s work sheds some light on this. Many of my peers had chosen careers using hygiene factors as the primary criteria….It was not an unreasonable argument. The pressures we all face – proving for our families, meeting our own expectations and those of our parents and friends (p35)…
著者は、ハーツバーグの動機づけ・衛生理論(用語の説明はこちら)を紹介します。
理論は、人が働くのは2つの目的があって、それはHigiene Factos 衛生要因とMotivators 動機付け要因とします。前者は給料の額や勤務の条件。満たされないと人は不満を持ちます。後者は、仕事自体がもたらすやりがいです。
Higiene Factorsが満たされたことイコールやりがいの実現ではありません。もちろん、Higiene Factosが満たされることは大事、しかしMotivatorsが存在しないと、仕事を愛せない、つまり幸福感は味わえないのです。
著者は、MBAホルダーのうち、華やかなキャリアの成功から転落する人は、年収、ポジション重視(Higiene Factors)のキャリアを選択し、Motivatorsへの思慮が二番手になってしまうことだと言っています。
私はこれはMBAに限らず、日本人全般に言えることですが、宗教的な価値観の基盤や、家族感を持たずに、収入が全てを解決する、だから一家の大黒柱は家庭を犠牲にしても、給料を家に持って来れば良いと言った価値観が問題だと思います。
みんなで、変えていけないといけませんね。
The balance of calculation and serendipity/計画と偶然の出会いのバランスがかぎ
If you found an outlet in your career that provides both requisite hygiene factors and motivators, then a deliberate approach makes sense…..But you haven’t reached the point of finding a career that does this for you, the, like a new company finding a new its way, you need to be emergent. (p48)
Ian MacMillan and Rita McGrath called it “discovery-driven planning”(p53)…Instead, ask the project teams…”Which of the assumptions need to prove true in order for us to realistically expect that these number will be materialize?”(p56)…find ways to quickly , and with as little expense as possible, these the validity of the most important assumptions.(p57)
キャリアには、計画にきっちり沿って積み上げていくやり方と、目の前に現れるチャンスを掴んでいくやり方とあります。
著者は、hygiene factorsとmotivatorsを満たした仕事に出会えたならば、計画に沿っていけばいいが、そうでなければ目の前に現れるチャンスをしっかり分析して、軌道修正していくことも恐れてはいけないといいます。
新しい機会の評価に使える理論として、ハーバードのMacMillan and McGrathの“discovery-driven planning”を勧めています。これは、新規事業の失敗を避けるために有用なツールです。
新規事業を成功するために、必要な前提条件を考えつくだけ洗い出し、それをなるべく時間や費用をかけない手段で、スピード感を持って検証していくアプローチです。
これをやることで、リスク(ここではユーロディズニーの失敗例、客のホテル滞在日数をという外してはいけない前提条件を検証せず、精緻な事業計画を立て派手にこけた!)を減らせます。
当理論へのハーバードサイトのリンクをつけますので、参考にしてください。
Your strategy is not what you say it is./あなたの戦略は、必ずしもあなたが言っていることとは一致していない
Unless you manage it mindfully, your personal resource allocation process will decide investments for you according to the “default” criteria that essentially wired into your brain and your heart….The danger for high-achieving people is that they’ll unconsciously allocate their resources to activities that yield the most immediate , tangible accomplishments.(p72)…
正しい戦略を持つことはもちろん良い、しかしそれが絵餅になっている、ちぐはぐな戦略実行をしているビジネスはよくある例です。
インテルの元CEO Andy Groveも”To understand a company’s strategy, look at what they actually do rather than what they say they will do” 「企業の戦略を知るには、彼らが何をやると口で言うのを聞くのではなく、実際に何をやっているかを観察すればいい」と言っています。
MBAホルダーで、しかもファストトラック(出世街道)を登る人材ほど、短期で目立つ成果のでることに飛びつく傾向があり、中期長期の正しいキャリア戦略から逸れてしまうことが危険だと言っています。
Section II 〜幸せな人間関係(家族、友人)のために〜

The ticking clock
The theory of good money and bad money explains that the clock of building a fulfilling relationship is ticking form the start.(p98)
MBAをとってからの数年は、投資対効果とハイクラスを目指して、プライベートを犠牲にしがちです。配偶者も家族も辛抱強く支えてくれるでしょう。
しかし、特に子供のしつけなどは、その時にしかできないこと、時期を逸したネガティブな影響は間違いなく、将来表面に出てきます。
マスターカードのテレビCMのコピーそのもの、家族との時間は、Pricelessなのです。
What job did you hire that milkshake for?/何のためにミルクシェイクを買うのか?
Thinking about your relationship from the perspective of the job to be done is the best way to understand what’s important to the people who mean the most to you. It allows you to develop true empathy.(p119)
ミルクシェイクの販売促進のためのマーケティング分析の事例を、プライベートの関係に展開ができるとして紹介しています。
これはアメリカでミルクシェイクの販売は、早朝の時間帯の集中、単品購入、車で買いにくる人がほとんどという調査結果でした。
当初、販売増にはシェイクの味のバリエーション追加などが検討されますが、購入者が求めているものは、実は違っていることがわかりました。
それは①退屈な通勤運転のお供になる(安全に)、②ランチまでの程よい腹持ちになる、だから、細いストローで、厚みの食感のシェイクを時間かけて飲み干すのが、ニーズにぴったり合っていたことが明らかになりました。
手やハンドルが汚れるドーナッツ、アメリカ人には腹持ち感が足りないバナナは脱落して、ミルクシェイクが売れていたのです。
つまり、人は①②の目的を果たすために選んでいて、それはバリエーションを増やすとか、もっと小さいサービングサイズは、さっと飲み干すことができる食感のシェイクではNGであったことわかります。
家族との関係、親友との関係にもミルクシェイクのエピソードは示唆があり、相手にとって今自分が求められている役割は?思い込みを当てはめず、よく考えて人間関係を大切にすることを勧めています。
Sailing you kinds on Theseus’s ship/テセウスのパラドックス
The Resource, Process, and Priorities model of capabilities can help us gauge what our children will need to be able to do, given the type of challenges and problems that they will confront in their future.(p129)
Children need to do more than learn new skills. The theory of capabilities suggest they need to be challenged. They need to solve hard problems. They need to develop values….you are not equipping them with the process they need to succeed in the future.(p139)
The school of experience/経験の学びの舎
McCall has a very different view of the “right stuff”.While (Tom) Wolf’s fighter pilots may indeed have been the best of the best, McCall’s theory explanation of why. It wasn’t because they were born with superior skills. Instead, it was because they had honed them along the way, by having them experiences that taught them how to deal with setbacks or extreme stress in high-steaks situations….In terms of the language of the capabilities from earlier, it is a search for process capabilities.(p143)
「テセウスのパラドックス」と「経験の学びの舎」の2つのチャプターでは、子供の教育において塾や◯◯ジム通いに任せて、自分は関わりが浅くなるのは良くないと言っています。
Cpabilities 能力理論は、Resource(持って生まれた能力), Process(やり方), Priorities(優先順位)が組み合わさって、人生を生きる力が身につきます。
出来上がったハウツーを与えられる教育法は良くなく、家事の手伝いを親と一緒にやらせる、一人でやらせる、手間はかかるが親が率先垂範して、教えて聞くことが重要なのです。
Invisible hand inside your family/家族の中の「見えざる手」
As people work together to solve challenges repeatedly, norms begin to form. The same is true in you family…It’s not just about controlling bad behavior; it7s about celebrating the good.… This is what is so powerful about culture. It’s like an autopilot.(p172)
強烈な文化を持つ企業は強い(映画のピクサーの企業文化を紹介)、同様に家庭でも、価値観をきちんと日々の生活の中で教え込んでいく家庭で育った子供の生きる力、道徳、モラルはしっかりするといいいます。
このintegirityに関わる道徳心の植え付けが、最後のチャプターで、エグゼキュティブの不正や不祥事のトピックに繋がっていきます。
Section III 〜刑務所のお世話にならない様に〜

Just this one/どうせ一回こっきりだから
This is almost always how it plays out. Because failure is often at the end of a path of marginal thinking, we end up paying for the full cost of our decisions, not the marginal costs, whether we like it or not.(p183)
マージナルコストという経営用語で説明されます。ビジネスだと、優良企業が、イノベーション(創造的革新)が出てきても、コアビジネスを捨てきれない理由が、マージナルコストに起因するものです。
つまり、すでに抱えているインフラ(設備、人、投下された資本)を使い回すことほど、優良企業にもたらすマージナルリターンは大きく、イノベーションに舵をきれない理由になってしまいます。
不正の場合には、違った意味で、ほんの一回こっきりだから、バレないだろうという軽い気持ちで手を染めて、取り返しがつかなくなることを警鐘しています。
クリステンセン教授の「自分のモラルの境界線は100%守る、98%は守るなんてことの方が難しい」との言葉には、ビジネスguruのインテグリティの考え方がひしひしと伝わってきます。日本でここまできっちり言ってくれる先導者がいるでしょうか?
MBAで必読の本:「イノベーションのジレンマ」

みなさんが、英語をブラッシュアップする⽬的が、留学や学位取得後のキャリアップであれば、 語学学習プラスアルファを目指したいものです。
そこで、私が紹介したいのは、リーディン グの題材としての、クレイトン・クリステンセン著の「Innovator’s Dilemma」、 邦訳は「イノベーションのジレンマ」です。
The Innovator's Dilemma: The Revolutionary Book That Will Change the Way You Do Business
この名著は、優良企業や優秀な組織ほど、イノベーションを阻むリスクを抱えているといいます。
これを認識して対処していくことが、企業や組織が優位性を保つために必要だというのがメッセージです。もちろん、ベンチャーや、新規分野に参⼊を図る企業にも福⾳の本です。
イノベーションは、日本の競争力維持や、豊かで安⼼できる社会を創っていくための鍵です。
その理由もあって、英語や留学という目的はもちろん、将来の日本や世界を背負っていくみなさんに、ぜひこの名著に触れて欲しいのです。
イノベーションは、技術だけでなく、サービスも含まれます。決して理工系やエンジニアリングに限ったトピックではありません。
「イノベーションのジレンマ」の概要

クレイトン・クリステンセン⽒はハーバード⼤学の教授です。
この本が出版されたのは、1997年。90年年代半ばのWindowsのリリースや、インターネットの急速な普及で、世の中の動きが一気に加速していくタイミングです。
クリステンセン⽒は「イノベーションのジレンマ」の中で、イノベーションの登場による業界激変がなぜ起きるのか? それを避けるために、企業は経営者は何をしなければいけないか、卓越した分析と処⽅箋を提供します。
この本を読んで、どうしても記憶にとどめたいのは、下記のイメージ図です。これに全てが詰まっています。 ぜひ意識して、本を読んください。

ケーススタディに使われているのが、PCなどに使 われるハードディスクドライブ(HDD)の業界です。なぜ、クリステンセン⽒の研究に、HDD業界が選ばれたか?
それは、この業界が企業の生涯のスパンがとても短く、20年ほどの期間に、3回も4回も、 めまぐるしく企業の栄枯盛衰が起き、強烈な勢力図の変化したのです。
業界トップで君臨していった企業が、あっという間に没落して、新興企業に市場を奪われました。
クリステンセン⽒が研究を始めようとした時に、知⼈から「⼈の遺伝⼦の研究をするのならば、⼀生を⼀日で終えるショウジョウバエを対象にすればいい」とのアドバイスからヒントを得ています。
そこからクリステンセン⽒が導き出す、principle=原則がすごく分かりやすく腹落ちするのです。
クリステンセン⽒は、その原則を、その他の業界にも展開します。掘削機、製鋼業界、小売、オートバイ(ホンダのスーパーカブは愉快な話です)など。これがまた上手く、起きている事象を説明していくのです。
「イノベーションのジレンマ」は、その反響の大きさから、続編や、他の著者による数多くの関連書が発刊されています。
浅薄なハウツーものをたくさん読むのではなく、「イノベーションのジレンマ」の様な名著とその関連書をテーマ性を持って紐づけて読み、腹落ちさせる⽅が、英語⼒もビジネスでの応用⼒にもリンクすると思います。
私がMBAの準備勉強していた時期に、本書がまだ世の中に出たいなかったのが、本当に惜しいです。
英語学習にもおすすめの理由
文章がシャープで分かりやすい
いくら名著でも、第⼆外国語で読む私たちに難しければ、完読を諦めるのは⽬に見えてい ます。本書はとにかく分かりやすく、ロジカルに書かれています。
私も久しぶりに読み直しましたが、通勤電⾞の隙間時間で細切れに読んでも、内容はフォローしやすく飽きるこっ となく、難解な記述もありませんでした。
日本語の⼊門書もあるので安心

もともとビジネス経験があまり無いのでやはりビジネス書は。。。という⽅には、本書のメッセージを砕いて平易に説明している本もあります。
下準備をしてから、または平行して本書を読むのもありでしょう。下のリンクの本など、参考にしてください。相当わかりやすいです。
カフェ de 読む 図解クリステンセンの破壊的イノベーションがよくわかる本 (FLoW ePublication)
良質なビジネス英語の表現
みなさんが、留学前に外資系で働いていて、ネイティブスピーカーの英語に触れる機会があればいいですが、必ずしもそうはいかないでしょう。
良書には、きちんとした文章を書くネタがふんだんに詰まっています。言葉はどの様な⽂脈で、用いるかが肝要です。英語教本の⽂例をそのまま使ったはいいが、違う文脈では刺さらないことがままあります。
エッセンスの紹介

なぜイノベーションが阻まれるのか?No.1
the pace of progress that market demand or can absorb may be different from the progress offered by the technology
「テクノロジーが進化する速度は、顧客が求める ニーズの変化や受け⼊入れられる変化の速度とは違う(それよりも早まりがち)」
これがあらすじで紹介した図が言わんとすることです。いつしか、業界のリーダー企業の、 技術やサービスはオーバー・サプライになり、顧客の価値観とずれが⽣じます。
また、顧客のニーズ座標が、市場の成熟と共に、性能→品質→使いやすさ→価格と変遷してくこと を⾒見見逃した時に、インベーションによって破壊が起きるといいます。
なぜイノベーションが阻まれるのか?No.2
managing innovation mirrors the resource allocation process…A company’s executives may seem to make resource allocation process…but the implementation of those decision is the hand of a staff whose wisdom and intuition have been forged in the company’s mainstream value network
「イノベーションは、経営資源の配分プロセスを映し出す。幹部がその判断をすると思われている。しかし、その実践は、既存事業の価値基準で動いている現場に近い社員の⼿に委ねられている。」
私は、報道を散々騒がしている、厚労省の統計問題(組織だった不祥事)を思い出しまし た。
イノベーションの本題からは逸れますが、組織が生き物で、現場では忖度も働き、トップの掛け声とは違うことが起きてしまう、共通した問題を感じます。
なぜイノベーションが阻まれるのか?No.3
if a company stretches or forces a disruptive technology to fit the needs of current , mainstream customers, it is almost sure to fail….more successful approach has been to find a new market that values the current characteristics of the disruptive technology. Disruptive technology should be framed as a marketing challenge, not a technological one
「企業がイノベーションを、既存のお客層に提供すれば、おそらく失敗する。あるべきアプローチは、イノベーションの仕様をあるがままで採用してくれる客層を見つけ出すことである。イノベーションは技術の課題でなく、マーケティングの課題として把握しないといけない」
クリステンセン⽒のリサーチがうわべででなく、深い現場の研究に基づいていることを示唆する分析です。
イノベーションを手にした企業が、まずアプローチするのは、既存の客ベースでしょう。なぜなら、新規開拓ほど不確実で、難しいことはないからです。
大きな顧客ベースを持っている、業界大手ほどこの誤謬に陥りやすいと言えます。とても含蓄が深い分析です。
なぜイノベーションが阻まれるのか?No.4
the capabilities of most organization are far more specialized and context-specific than most managers inclined to believe…All of these capabilities…are defined by and refined by the types of problems tackled in the past,
「組織の能⼒は、マネージャーが思うよりも専⾨化され特殊なものである。これら能力は、過去に組織が克服してきた課題によって、形成され、磨き上げられてきた」
私たちの周囲でも、似た様な話がありませんでしたか?⼤塚家具が、会員制の独⾃路線か ら、ニトリやIKEAなど低価格を武器にした大型店のスタイルにぶれて失敗しました。
なぜイノベーションが阻まれるのか?No.5
the information required to make large and decisive move investments the face of disruptive technology simply does not exist. It needs to be created through fast, inexpensive, and flexible forays into the market and the product
「イノベーションへの投資判断をするために必要な情報など存在しない。やるべきことは、スピードを持って、コストをかけずに、柔軟に、市場にアタックをかけることである」
私には、日本企業の「市場調査している間に出遅れた」「実績がないとやれない、他者が動いたら追従する」様な思考停止への警告に聞こえます。
なぜイノベーションが阻まれるのか?No.6
it is not wise to adopt a blanket technology strategy to be always a leader or always
a follower…Disruptive innovations entail significant first-mover advantages… Sustaining situations, however, very often does not.
「常に、業界リーダーになると か、追従の戦略で行くなど、固定的な戦略を取るのは賢明でない。破壊的イノベーション の先行者は、先行者利益にありつける。しかし、既存の延長ビジネスでは、しばしばそうではない。」
なぜイノベーションが阻まれるのか?No.7
the most powerful protection that small entrant firms enjoy as they build the emerging markets for disruptive technologies is that they are doing something that it simply does not make sense for leaders to do. Despite their endowments in technology, brand names, manufacturing prowess, management experience, distribution muscle, and just plain cash, successful companies populated by good managers have a genuinely hard time doing what does not fit their model…
「⼩さい新規参⼊者にとって防御壁は、彼らのやっていることが、業界の既存のプレーヤーにとっては、全く意味をなさない(やれない)ことである。技術⼒、ブランド力、製造能力、経営ノウハウ、物流能⼒、資⾦力に恵まれているもかかわらず、優秀な人材で占められた今の優良企業は、自分らのビジネスモデルと違うということで思考が止まってしまう」
最後に
少し難しいトピックだったでしょうか?ここまで付き合ってくれて有難うございます。
リスニングを兼ねて、超楽ちんに、エッセンスを理解したいという向けに、お薦めサイトも紹介します。これがまた良いサイトです。
» Watch & Digest the “Innovator’s Dilemma” in 4 minutes.
お気づきになった読者もいると思いますが、イノベーションは、私のペンネームにも取り入れています。⼈間も、これまでに上⼿く行った方法や考え⽅で、こり固まってはいけないと思っています。
常に、世の中や会社や客から求める座標軸の変化を見ながら、自分の殻を破って、変⾰して行くことが⼤切だと思います。おじさんもここまで頑張っているから、若い皆さん頑張ってください!
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