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CR難問解説 数学的センスが問われる例題

今日はGMAT CRの難問の一つにチャレンジしてみよう。まず、下記の問題を解いてみよう。

Clearbell Telephone provides slow-dialing (SD) service to customers for a low fee, and fast-dialing (FD) service to other customers who pay a somewhat higher fee. FD technology, however, is so efficient that it costs Clearbell substantially less per average call to provide than does SD. Nonetheless, accountants have calculated that Clearbell's profits would drop if it provided FD to all its customers at the current low-fee rate.

Assume that installation costs for FD are insignificant if the customer already has SD service. Which of the following, if true about Clearbell, best explains the results of the accountants' calculation?

(A) The extra revenue collected from customers who pay the high fee is higher than the extra cost of providing SD to customers who pay the low fee.

(B) The low fee was increased by 6 percent last year, whereas the higher fee was not increased last year.

(C) Although 96 percent of customers regard FD service as reliable and more convenient than SD, fewer than 10 percent of them choose to pay the higher fee for FD service.

(D) The company's competitors generally provide business customers with FD service at low-fee rates.

(E) Profits rose slightly each month for the first three months after FD was first offered to customers, then fell slightly each month for the succeeding three months. 

 

本文の概要

ある会社はSDを低い価格で、FDを高い価格で売っている。FDのコストはSDのコストよりかなり低い。しかし、FDをSDと同じ低い価格で全ての客に提供した場合、利益が減ると会計士が予想した。

客が既にSDに加入していれば、FDに切り替えるための設置コストはほぼなし(insiginificant)。下記の選択肢から会計士の予想を適切に説明できるものはどれか?

状況の整理

この問題は、VerbalというよりもMathの問題。ややこしいのでまず最初に状況を正確に整理する必要がある。問題文から、以下のように簡単にメモを取るとわかりやすくなるだろう。

 

まず、既存のSDとFDの売上とコストの状況をメモする。現在はSDとFDでそれぞれ異なる価格とコストが存在する。

売上(単価)コスト
既存SDLowHigh
既存FDHighLow

次に、全ての客にFDを現在の低い価格で提供した場合〜(つまりSDの価格で提供した場合)と言っているので、それを新規FDとして表現した。FDを現在の低い価格で提供した場合、全ての顧客はFDになり、単価は低くなり、もちろん全員のコストも低くなる。

売上(単価)コスト
新規FD(すべての客に適用)LowLow

その後、その変化が利益に影響を与える要因を考える。変更後と変更前の違いは、以下の2点のみだ。Diff①とDiff②の箇所だね。「変わらず」と記載した部分は、なぜ利益に影響がないか各自で考えてみよう。

売上(単価)コスト
既存SD⇒新規FDLow(変わらず)High⇒Low (Diff ②) 
既存FD⇒新規FDHigh⇒Low (Diff ①)Low(変わらず)

Diff①:既存のFDの単価を下げた(売上減少=利益にはネガティブな影響)

Diff②:SDの客がFDに変えたことでコストが下がった(コスト削減=利益にはポジティブな影響)

つまり、Diff①が②より大きくなると、売上の減少分(利益にネガティブ)がコスト削減(利益にポジティブ)を上回り、利益が下がる。

逆に、Diff②が①より大きくなると、コスト削減(利益にポジティブ)が売上の減少分(利益にネガティブ)を上回り、利益が上がる。

 

ここで、上記Diff①と②を計算するためには、既存FD⇒新規FDの「売上単価の差額」と既存SD⇒新規FDの「コストの差額」及び、それぞれの「顧客数」を知る必要がある。この情報が各選択肢から得られるかどうかが本問のポイントだ。

 

選択肢の吟味

(A)の選択肢は、既存FD⇒新規FDの「売上単価の差額」は既存SD⇒新規FDの「コストの差額」よりも大きいと言っている。つまり、既存FDと既存SDの「顧客数」が同じ、あるいは既存FDの「顧客数」が既存SDより多い場合は、Diff①>②となり、会計士の予想した状況を説明できる。

もちろん、本選択肢は「顧客数」の情報を提供しておらず、「顧客数」によっては①<②となるため、他の選択肢も吟味する必要がある。

(B) は、Diff①と②を計算するための情報を一つも提供していない。

(C)も、Diff①と②を計算するための確かな情報を一つも提供していない。また、「既存SDのカスタマー数が90%以上、既存FDのカスタマー数が10%未満」、つまり、既存SDから新規FDに切り替える顧客が多いと、削減できるコスト(Diff ②)が売上の減少分(Diff ①)より多くなり、利益が上がるパターンとなるため、会計士の説明と逆となる。

(D) は、Diff①と②を計算するための情報を一つも提供していない。競合の話は当社とは関係ない。

(E)は、Diff①と②を計算するための情報を一つも提供していない。

 

こうしてみると、(A)は完全に会計士の予測を説明できるものではないが、少なくとも差額を計算するための情報を一部提供している。 (B)~(E)は「売上単価の差額」も「コストの差額」も、「顧客数」もわからないため、会計士の議論を説明しようがないのだ。そのため、今回は(A)が正解だ。

この問題は、古い過去問からのもので、Verbalのロジックよりも数学・会計のロジックが必要になってくる難問だ。また、問題文も正確に理解しづらくなっている。基本的な数学的センスが問われる問題はVerbalでも出題されるが、本問のレベルの問題が頻出されることは考えにくいため、間違えてもそこまで気にしないで良いだろう。