


英語教室に通わずに、自宅で学ぶ「おうち英語」。
送迎の手間もなく、いつでも気軽に始めることが出来るため、我が家でも!と思っている方は多いのではないでしょうか。
しかし、いざ始めようとすると、どんな教材を選べばよいのかわからない、と困ってしまう人も。
また、買った教材の使い方がわからない、といった声もよく聞かれます。
そこで今回は、英語知識ゼロのパパ、ママでも楽しく取り組める、おうち英語教材の選び方、そして使い方を年齢別に紹介します。
この記事の著者:maria
イギリス大学院卒、J-SHINE小学校英語指導者資格、保育英語検定1級。子育てをする中で幼児教育に興味をもち、幼稚園免許と保育士資格を取得し、幼稚園教諭として働く。現在は、我が子に家庭でできる英語教育を実践中。
目次
英語教材の選び方

本屋さんの英語コーナーに行くと、その教材の多さに驚かされますよね。
CD、DVD、絵本、知育玩具と種類も実に様々で、各社、子どもの興味をひく工夫を凝らした商品も多く、いざ選ぼうと思うと迷ってしまいます。
教材を選ぶ際の、大事なポイント。それは、続けられるかどうかです。
英語は、繰り返すことで「定着」につながるため、継続できるかどうかが重要なのです。
まさに、継続は力なり!長く英語学習を続けるためには、以下の3つのことに気をつけながら、教材を選んでみてください。
子どもの興味にあったものを選ぼう

おもちゃ屋さんで、プラレールと、恐竜のおもちゃがあったとします。電車好きな子どもなら、間違いなくプラレールを選びますね。
英語の教材も同じです。
絵本、カード、歌など、いろいろな教材があります。日ごろの子どもの様子をみて、よく遊んでいる道具の教材を選ぶことが、継続学習の秘訣です。
本屋さんの英語コーナーに行くと、手に取ることの出来る英語の教材がたくさんあります。
お試し用の教材で遊べたり、DVDや曲が流れていたりすることも。
少しその場所で過ごしてみて、興味があるものを購入するのもよいかもしれませんね。
親子で楽しめるものを選ぼう

パパと一緒、ママと一緒に過ごす時間は、子どもにとって一番嬉しいプレゼントです。
親子で英語の教材を使って楽しむことで、子どもはパパやママともっと一緒に遊びたい気持ちから、繰り返し、その教材に触れようとするでしょう。
しかし、仕事をして、家事もして、英語も付き合って…となると、特に忙しいママは、楽しむ余裕なんてありません。
ママが楽しんでいないと、子どもの意欲が減ってしまうことも。
家事のすきま時間など、わずかな時間を使って、無理なく、一緒に遊べる教材を選びましょう。
我が家で実践している声かけで、特におすすめなのは、「褒める」こと。
例えば食器を洗いながらでも、一言でよいのです。good/great/excellent/amazing/lovelyなどの言葉を使って、Good,(子どもの名前)と、呼びかけてあげてください。
笑顔で、抱きしめてあげてもいいですね。子どものやる気もupして、英語が好きになること間違いなしです。
年齢や発達にあったものを選ぼう

子どもの能力は、段階的に発達しています。
特に乳児期の子どもは、2、3ヶ月違うだけで、興味や遊び方、出来ることが大きく変わってきます。
また、同じ月齢であっても、個人差が大きく、発達は、年齢だけで決まるものでもありません。
子どもが今、どんな動きができるのか、どんな遊びが好きかなどを見ながら、1人1人の発達にあわせた教材を選びましょう。
年齢別おすすめ教材と使い方
とは言っても、なかなか発達にあわせた教材を的確に選ぶことは難しいですよね。
ここでは、年齢に合わせた、おすすめの教材と使い方をご紹介します。繰り返しになりますが、発達には個人差があります。
あくまでも1つの参考として、我が子にあった教材見つけのヒントにしてくださいね。
0歳~1歳のおすすめ教材
中学や高校で英語を勉強した時、英語のr とlの発音に苦労したことはありませんか?
英語には、日本語にはない音がたくさんあります。この英語独特の発音を習得する能力が一番高いのが、0歳~1歳ごろだと言われています。
この時期の子どもは、五感をフルに使いながら、外部からの刺激をそのまま吸収していきます。英語特有のリズムや発音を、無理なく感じることが出来るのです。
子どもの成長は、あっという間です。時期を逃さずに、ぜひ、良質の英語をたくさん聞きかせてあげてください。
アルク 「あかちゃんとママのはじめてえいご」

内容
英語学習に定評のある、アルクから出ているCD。
親子で楽しめる歌のCDと、童話などの読み聞かせが収録されたおはなしCD、おはなしCDに対応した色彩豊かなブックレットのセットです。
CDには、胎教にも良いとされる、モーツアルトのBGMが収録されています。静かな環境で、親子でリラックスして聴くことで、お子さんも心地よく英語に触れることができます。
使い方のポイント
継続しなければ、効果は出ません。そのためには、聴かせなければ!と一生懸命にならないことがポイントです。
食事やお昼寝前のBGMなどとして使ってもOKです。毎日、インプットする時間を作ることを心がけましょう。
ベネッセコーポレーション 「だいすきえいごのおうたえほん 0さいからきいておぼえる!」

内容
メリーさんのひつじ、おおきなくりのきのした、など、乳幼児期に親しんでほしい歌の英語版20曲が収録された歌絵本。1歳以降も、親しめる歌絵本です。
使い方のポイント!
最初はママと一緒に、とにかく歌を楽しむことがポイントです。楽しく続けることで、耳で聞こえた英語を口ずさみながら、歌って、踊る場面が少しずつ出てくるでしょう。
我が家でも、娘が0歳の時から、英語のうたえほんを愛用しました!1歳ごろには、自分でスイッチを押して、ノリノリで踊りながら、とてもきれいな発音で英語の歌をうたっていました。
書店には、たくさんの英語のうたえほんが並んでいます。どれを購入するか悩んだときは、テレビの子どもの番組などでもよく流れる定番曲が、より多く収録されているものを選ぶことを、おすすめします。
日本語の曲と、英語の曲を一緒に聴くことで、メロディにすぐに馴染み、より英語の響きに興味をもって遊べるようになるからです。
2歳~のおすすめ教材
この時期の子どもは、好きな人のまねをよくするようになります。いつの間にか、パパやママのしぐさや口癖をまねしているなんてこと、よくありませんか?
それはパパやママが大好きで、よく見ているからです。そして、同じ事をしながら、出来ることを広げていっていると言われています。
また、2歳ごろになると、母国語と外国語の違いがわかるようになるようです。
いつも聴いている日本語とは違う、英語という認識が生まれるため、日英の聞き比べをすることで、響きの違いなどに興味を持つかもしれません。
そんな“まねっこ2歳”には、日本語と英語の両方で、まねっこできる教材をおすすめします。
東京書籍「にほんごえいご なまえずかん」

内容
動物や花、身の回りのものなどの名前を、絵と音声ペンで学べる絵本。
絵に付いているマークを、付属のタッチペンでタッチすると、英語の発音を聞くことができます。
日本語に切り替えると、日本語の発音も再生できます。まねっこしながら、日本語と英語の両方の言葉を覚えることができます。
使い方のポイント!
CDと違って頭出しがいらず操作が簡単なので、ママも手間いらず。すぐに使い方に慣れ、自分から、遊び出す子どもも多いようです。

まずはパパ、ママがリードしながら、ペンから聞こえてきた英語を、一緒に発音してみましょう。様子を見ながら褒めてあげることで、子どもの意欲がupします。
単語を覚えてきたら、例えば、パパやママが「What’s this? (これは何?)」と言ってイラストを指さし、子どもが答える、などのやりとりをして遊んでもいいですね。
我が家では、食べ物のイラストを使って、よく、お店屋さんごっこをしていました。
ママ:「Strawberry please.」
子ども:「Here you are.」
ママ:「Thank you.」
など、まずは簡単なやりとりから始め、親子のコミュニケーションを楽しみました。
子どもは、まねっこをしながら、タッチペンの英語、パパ、ママの英語を言うようになります。
繰り返しをする中で、出来るという自信が楽しさにつながるので、一気に会話を広げずに、同じ単語やフレーズを繰り返して遊ぶことがポイントです。
バンダイ「Peek a boo! Friendsミッキーマウス」
内容
日本語と英語でおしゃべりをする、ミッキーマウスのぬいぐるみ。おしゃべりパターンは18種類。
顔をハンカチで隠して、いないいないばぁをします。
使い方のポイント!
大好きなぬいぐるみとお話するように、英語を楽しむことができます。
はじめは、ぬいぐるみの声を聴くだけで喜ぶでしょう。そして次第に、自分からも英語を話したくなるはずです。
そのために、ぜひ実践してほしいことは、ぬいぐるみに触れる時間や場所を決めて、同じフレーズで繰り返し話しかけてみる、ということです。
おすすめは、ベッドです。
私は子どもたちのベッドに、英語を話すぬいぐるみを置き、そして寝る前に遊んだ後、毎晩、「Good night, sweet dream.(おやすみ、いい夢を)」と、ぬいぐるみに語りかけていました。
すると、子どもたちも自然と、「good night, sweet dream」と言うようになりました。
小学生になった今でも、親子で寝る前の挨拶は「good night, sweet dream」です。
場面を決め、定番の表現を繰り返すことで、英語のフレーズが定着していきます。
語りかける場面とフレーズをセットにして増やしていくことで、子どもは、ぬいぐるみとお話しながら、自然に、英語表現を習得していくことができます。
mpi「The Very Hungry Caterpillar」
The Very Hungry Caterpillar 大判英語絵本とmpiオリジナルCD付き
内容
大人気絵本、エリックカールの「はらぺこあおむし」の英語版。mpi版の英語絵本はオリジナルCDが付いています。
普通読み、リズム読みなど様々なパターンで収録されているので、成長をした後の英語学習でも、使うことができます。
使い方のポイント!
英語絵本は色々ありますが、色彩豊かなもの、日本語で馴染んでいるものを選ぶのがポイントです。子ども自身が抵抗なく、手に取りやすくなるからです。
また、ストーリーがわかっていると、内容に気を取られることなく、英語そのものを感じながら楽しむことができます。
CDで耳から繰り返し聞いているうちに、自然に英語の表現が身につきます。
特に「はらぺこあおむし」は、今後の英語学習にも応用しやすい、曜日や食べ物の名前、数が出てくるのでおすすめです。
英語のフレーズに慣れてきたら、「How many strawberries? 」と尋ねてから、「One, two three…」と一緒に数えてみましょう。
繰り返すうちに、「How many ○○?」と聞くと、数を言えるようになるでしょう。
3歳~のおすすめ教材
3歳以降は、記憶力や認識力もあがってきます。好奇心や集中力もさらに増してきます。少しずつお勉強的な英語学習を始めてもよいでしょう。
しかし決して焦らないでください。
パパやママは「アルファベットを書いてほしい」と思うかもしれませんが、椅子に座り、机で字を書くことは、「あいうえお」でもまだ難しいこと。
遊びの要素を取り入れた学習を通して、英語を楽しみながら、習得していくことが重要です。
無料アルファベット塗り絵

http://www.supercoloring.com/coloring-pages/letters-and-alphabet
内容
アルファベットのぬりえを、無料でダウンロードすることができるサイト。
アルファベットごとに、アルファベットだけ、アルファベットとイラストなど、様々なパターンの塗り絵500種類以上が用意されています。
使い方のポイント
例えばAならば、Letter A (27)と表示された絵をクリックします。27枚のAに関する塗り絵が出てきます。
ダウンロードしたい絵を選んでクリックします。絵の下にある「Print it」をクリックすると印刷ができます。
ポイントは、Aを覚えさせようとはせず、塗り絵をしている横で、Aと口ずさむこと。子どもは、不思議な形の絵の塗り絵を楽しみながら、Aという音と形をつなげて覚えていきます。
ABCソングなど、アルファベットに関する歌を流しながら塗り絵を楽しんでもいいですね。
くもん出版 「CD付き英語カード たべもの編」
内容
食べ物の英語の言葉カード。食べ物の中でも身近で覚えやすい言葉を中心にカードは38枚。
表面には、イラストとその英語単語が、裏面には英語単語のみ書かれています。
付属のCDには、発音やリズムにのって英語を口ずさむチャンツ、英語のうたが収録されています。
使い方のポイント!
まずはCDに合わせてカードをめくり、単語に親しみましょう。子どもが少しずつ覚えてきたら、カードを使ってゲームのように遊ぶことが、定着にむけたポイントです。
おすすめは、カルタ遊び。
最初はイラスト面を表にして、CDやママが言った言葉のカードを、カルタのようにタッチしていくゲームです。
慣れてきたら、単語面を表にして、アルファベットだけを読んでタッチすることに挑戦してみてください。
3枚程度から始め、少しずつカルタのカードを増やしていくと、難しさを感じずに楽しく遊べます。

また、カードをフラッシュカードのようにめくりながら、何秒で単語が言えるのかの、はやさゲームもおすすめです。普段の遊びの中で、スピードや勝ち負けを意識し始めたら、ぜひ取り組んでみてください。
公文の英語の言葉カードは、食べ物のほかに、動物や挨拶などのシリーズもあります。子どもの興味にあった種類のカードから選んで始めることが、長く続けるコツです。
無印良品 「水でぬらして貼る おふろポスター ABC」

内容
水にぬらしてお風呂に貼れる、ABCポスター。B3サイズ。
大文字、小文字と、アルファベットで始まる言葉のイラストが描かれています。
使い方のポイント!
お風呂に入って、親子で一緒にABCやイラストの単語を口ずさんでみましょう。歌やリズムをつけて、言ってみるのもいいですね。
ポスターの一部に、文字を書くスペースが付いています。別売りのおえかきセットを購入すれば、お絵かき気分でまねして書いて、文字に親しむことができます。
もちろん、指でまねっこしながら書いてもいいでしょう。
ポスターには数字も書かれているので、湯船に浸かり、英語でカウントしてからあがるのも、おすすめです。
我が家では、0歳のころから「10数えて、温もったらあがるよ」と声をかけ、日本語と英語で10まで言ってから、湯船からあがっていました。
10まで言えるようになったら、20、30と数を増やしていき、日本語と英語の数字は、ほぼ同時期に認識していたように思います。
大事なポイントは、アルファベットも数字も、最初は、文字や数字を指で指しながら発音することです。
発音だけをしていると、子どもは何のことか、意味がわからないままです。言葉を耳と目で結ぶつけることで、はじめて理解し、定着しやすくなります。
注意すること

子どもの年齢や発達、興味にあった英語の教材を選んでも、それで終わりではありません。
学習は、それから始まるのです。長く続けるために、2つのポイントに注意してください。
いつでも始められる場所に教材を置こう
おうちで英語の学習を長く続けるためのコツ、それはまず、環境を整えることです。
いつでも手の届く場所に、教材を準備しておくことが、成功への鍵となります。
ふとしたスキマ時間にも、何気なく英語に触れることができるからです。
絵本であれば、多くの時間を過ごす場所、例えばリビングのソファの横に置いておきましょう。
CDであれば、プレイヤーに予めセットしておけば、ボタン1つで曲を流すことができますね。
英語を教えない

おうちでの英語の学習で大切なのは、親子で楽しむことです。
英語って楽しい!という思いを子どもがすることで、今後のさらなる英語学習につながります。
でも、英語を身につけてほしくて、ママはついつい教え込んでしまいがちですよね。
熱心になるあまりに、英語の授業になってしまうと、子どもは、「英語」=楽しくないと思ってしまいます。
教材に手がのびなくなると、続けることが難しくなり、失敗してしまうのです。
中学や高校での英語の授業とは、違います。覚えることを目的とせず、楽しむことを目指しましょう。
楽しいと、子ども自身が、聴いた英語の言葉や歌を口ずさむようになるはずです。
まとめ
いかがでしたか?
おうち英語教材は、コツさえつかめば、簡単に選んで、使って、続けることができます。
「英語で話しかけるなんて、難しそう」、「正しい発音なんて出来ない」、なんて思わなくて大丈夫です。
発音やイントネーションは、気に入った教材に任せてしまいましょう。パパやママは、一緒に楽しむだけでOKです。パパやママと一緒は、子どもにとって最高の時間です。
お子さんの世界への扉を開ける第1歩。親子で気軽に英語を楽しみましょう。




