






子どもが英語を学習していると、子ども向けの英語資格について耳にすることがあると思う。
「一体どんな内容なのか」「そもそも子どもの頃から資格試験を受けた方がいいのか」「もし受けるとしたらどれがいいのか」など、疑問に感じていらっしゃる保護者の方も多いのではないだろうか。
というわけで今回は、子ども向けの英語資格について見ていこう。
目次
子供が英語試験を受けるメリット

子どもに英語の資格試験を受けさせるかどうかには、様々な見方があるだろう。
試験を受けるのは学生になってからで十分と考える保護者の方もいるだろうし、楽しく英会話教室に通い成果も感じているので資格は必要ないと感じている方もいるはずだ。
特に幼児期においては資格取得が英語学習の主要目的ではないので、必要性を感じなければ無理に受けさせることもないだろう。
では、子ども向けの英語資格を受検するメリットは何だろうか。
英語力を測る目安に
その1つに、子どもの英語力を測る目安になるということがある。子どもに英語を学ばせてはいるけれども、本当に身についているかどうかがよく分からないと感じてはいないだろうか?英会話の先生は子どもが教室内できちんと英語を話していると言うのだが、家に帰って保護者が英語で話しかけても恥ずかしがって何もしゃべらないという子は多い。
他にも、小学校の外国語活動できちんと学んでいるかが不安という方もいらっしゃるだろう。こういった場合、資格試験の成績を見ることで学習成果を客観的に知ることができる。
効果的に英語学習を
また資格によっては受験者の成績の平均値などが分かるものもある。資格試験から得られる情報が英語力の全てではないが、身についていることや不得意な分野を把握することで、より効果的な英語教育が可能となる。さらに、これらの英語資格を上手に活用すれば、子どもの英語学習に対するモチベーションを上げることも可能だ。
集中力アップ
それだけでなく、幼児期においては試験を受けるという行為そのものも、よい学習の1つである。
試験を受けるためにはある程度練習が必要なので、その過程で「静かに待つ」とか「指示を聞く」といったことが身につくし、一定時間集中力を保つこともできるようになるだろう。
どの資格を受けさせるべき?子供向け英語資格7選

では、こうしたことを踏まえた上で資格試験を受けさせようと考えた場合、どの資格を受けさせればいいのだろうか。
最近では子ども向けの英語資格の数も増えてきた。それぞれの資格に特徴があり、試験内容も様々である。受験させる際には、「子どものどんな英語力を測りたいのか」という目的によって資格を選ぶとよいだろう。
そこで今回は、子どもを対象にした7つの資格を以下に比較してみた。どんな場合におすすめなのかも記載しているので、ぜひ参考にしてみて欲しい。
英検Jr

ホームページ
http://www.eiken.or.jp/eiken-junior/
試験内容
リスニング力を測るテストとなっており、CDを聞いて内容に合ったイラストなどに○をつける解答方式をとっている。合否が判定されるわけではなく正答率がでる。グレードはBRONZE、SILVER、GOLDの3つ。
SILVERとGOLDのテストでは一部の選択肢がイラストではなく文字で書かれている。英会話教室などで実施されるペーパー版は年3回行われ、この他にいつでも受講できるオンライン版もある。
こんな方におすすめ
問題用紙の大部分がカラフルなイラストで構成されているので、低年齢での資格受検を考えている方にはおすすめだ。一番短いBRONZEのテストでも約30分あるので、幼児がその間きちんと座って集中する練習にもなる。
また、合否判定がないので子どもにかかるプレッシャーも少なくてすむのではないだろうか。不便な点を挙げるとすれば、ペーパー試験はそれを実施する団体に属していないと個人では受けられないことである。
JAPEC児童英検
ホームページ
https://www.japec.jp/hp/?page_id=6
試験内容
昭和54年から続く、日本で最も長い伝統を持つ児童英検である。CDを使用したリスニングと、個人面談方式の英問英答のスピーキングのテストによって、コミュニケーション能力としての英語力を評価する。グレードは1級から6級まである。
10月1日から翌3月31日までの間で申込団体が設定した日に試験が行われる。
こんな方におすすめ
子どもが実際にどれだけ英語で会話できるのかが分からなく不安で、英語で会話する能力を客観的に知りたいという方におすすめの試験である。試験となると緊張もあり、普段の英語力と全く同じとはいかないだろうが、それでも学習成果を知る判断材料の1つとなるだろう。
英検Jr.と同じく、試験を実施する団体に属していないと受講できないのが難点だ。
JET
ホームページ
試験内容
TOEICのジュニア版といった試験であり、TOEICの問題をモデルに作成されている。TOEICとは違い、JETではカラーイラストが多く使用され、出題内容も友だちからのメールやイベントの告知文章などから出題されている。
級はStarter(9-10級)からAdvanced(1-2級)まであり、その後、高校生くらいを対象としたTOEIC Bridgeという試験を経てTOEICへ続くという流れになっている。
アメリカで開発された試験で、すでに中国や韓国でも実施されている。2018年度は4回実施され、個人でも団体でも受験可能。
こんな方におすすめ
将来的にTOEICを受験することを見越して幼いうちから問題に慣れていってほしいという方や、国際的に認知された試験を受けさせたいという方にはぴったりの試験である。公開会場があるので、個人でも受験しやすいところが嬉しい。
級も細かく設定されており、合格して上の級に上がっていけばモチベーションアップにもつながりそうだ。TOEIC同様、スピーキングの試験はないので、会話力を測るという面では難しい。
ヤングラーナーズ英語検定

ホームページ
https://cambridgecentre.jp/exams/yle/
試験内容
ケンブリッジ大学英語検定機構が開発した試験で、ケンブリッジ英検への第1歩にあたる。幼児、小・中学生を対象としている。レベルはスターターズ、ムーバーズ、フライヤーズの3つがあり、それぞれリスニング、リーディング・ライティング、スピーキングの試験で構成されている。
試験に合否の判定はなく、各項目を5段階で評価した成績証明書が授与される。試験日程は全国の試験センターによる。
こんな方におすすめ
リスニングだけなど特定の分野だけではなく、子どもの英語4技能全てのレベルを知る指針にしたいという方におすすめの試験である。スターターズでは3種類の試験時間を合わせても最大45分ほどなので、4技能全てを測るといっても、それほど子どもに負担をかけずにすみそうだ。
このヤングラーナーズ英語検定から徐々に段階を踏んで、ケンブリッジ英検やIELTSを受験させたいとお考えの方にとっても有効な試験である。
TOEFL Primary

ホームページ
https://gc-t.jp/about_test/primary/
試験内容
TOEFL PrimaryはTOEFLにつながる第1歩である。結果は合否ではなく、スコアとバンドレベルと呼ばれる段階別評価で表され、このスコアは国際的な評価基準とされる「ヨーロッパ言語共通参照枠」や英語読解力を示すLexile指数と連動している。
試験はリーディングとリスニングセクションで構成され、英問英答である。現在、世界47か国以上で活用されている。個人受験と団体受験があり、個人受験の場合は公開会場で年2回試験が行われている。
TOEFL Primaryの次のレベルとして、主に中・高校生を対象としたTOEFL Juniorがある。
こんな方におすすめ
将来子どもを海外に留学させたいと考えている保護者の方は多いのではないだろうか。TOEFLといえばその海外留学の際に英語能力を証明するために広く使われる試験なので、その準備をさせたいという方にはおすすめだ。
将来的な留学に限らずとも、国際的に認められた資格なので英語力の証明に役立つ。また、スコアからLexile指数を導き出すことができるので、子ども用に洋書を選ぶ際の基準にもなる。難点は、個人受験の公開会場が札幌・東京・名古屋・大阪・福岡にしかないことだ。
英語コミュニケーション技能検定試験
ホームページ
試験内容
2002年から始まった試験であり、小学校の「外国語活動」で扱われる内容をもとに、英語でコミュニケーションを図ろうとする姿勢を判定する試験である。
受験対象者は小学1年生から6年生まで。正答率によってABCで判定される。試験は内容によって5級から1級まである。試験はリスニング中心で、3級以上では筆記問題もある。団体受験のみ。
こんな方におすすめ
小学校の「外国語活動」に沿った内容となっているため、学校での学習効果を確認したい方に特におすすめである。それぞれの級に到達目標が設定されているので、何が理解できているのかが明確になり、今後の学習計画に役立つことだろう。個人で受験できないことが難点。
GTEC Junior

ホームページ
https://www.benesse.co.jp/gtec/
試験内容
ベネッセが行っている英語試験。GTEC Juniorは小学校の外国語活動で学んできたことをもとに、タブレットを使用して英語4技能を測る。
レベルはJunior1、Junior2、Junior Plusの3つがあり、それぞれ小学5年生レベル、小学6年生レベル、中学1年生レベルである。試験は合否判定ではなく、Junior1・2の受検者には「できたこと」が分かるようなスコアレポートが与えられ、Junior Plusの受検者にはより具体的な達成度が分かるスコアレポートが与えられるようになっている。
学校単位での受検となっているため、個人用の公開会場はない。
こんな方におすすめ
小学校で行われる外国語活動がどの程度身についているのかを見ることができる。ただ、学校単位で行われる試験であり、小学5年生からでないと受検できないので、保護者が受検を選択することはできない。
この記事の著者:May先生
みなさん、こんにちは。Mayです。 これまでに、留学したり、独学で勉強して英検1級を取得したり、幼児英語教育に3年間携わったりしてきました。 英語はなかなか短期間で身につくものではありません。 でも自分に合った学習方法を見つけてどんどん上達していく人を、たくさん見てきました。 みなさんが英語をより楽しく身につけられるように、私の経験や知識をお伝えできればと思っています。
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