





文法や単語をしっかり学び、聞き取りもそれなりにできるのに、いざ話してみるとなかなか通じないという声。
今回は、そんな悩みを解消するため、発音の基礎から教材、練習法までまるっと解説しよう。
目次
英語の発音が難しい理由
なぜ、英語の発音は難しいのか?まず一つは日本語と英語の持つ音の数の違い。日本語にない、口や舌の動かし方がたくさんあるからだ。
日本語は主に5つの母音と、14種類の子音(か行〜わ行・濁音・半濁音)で成り立っている。
一方、英語は15種類の母音の音と、24種類の子音があり、さらに音の組み合わせになると日本語の持つ音に比べると倍以上の数の音があることになる。
母音を例にすると、日本語では5つしかない。あいうえお。

(引用元:wikipedia)
しかし、英語は母音だけで発音方法がやたらいっぱい(20個以上)あり、日本語にある5つの発音方法で英語を発音しようとしても、意味がない。

引用元:dialect blog
つまり、普段使い慣れた日本語の音では表すことのできない音があるため、英語の発音が難しいと感じてしまう。
一旦、カタカナ英語(日本語の発音)は全て捨てよう。英語の音声を一つ一つ知り、口や舌の動かし方を体で覚える必要がある。子音も一緒。
発音矯正を始める前に
発音練習の必要性を理解

コミュニケーションを円滑に
なぜ発音がそんなに大事なのだろうか?
カタカナ英語は、海外に住んでいる外人に通用しない。日本人と話す時、嫌そうな顔をする外人もたくさんいる。なぜなら、私たちの英語が理解しづらいからだ。
自分のしゃべっていることが相手に伝わらない限り、会話の意味がない。英語のスピーキングは、英語のコミュニケーションのために学ぶものだ。
相手にもっと理解してもらい、英会話を楽しむため、発音を学ぼう。
英語にはカタカナで表せない発音が多く存在するので、無理やり日本語の発音にした英語を話していると、聞く方は発音が悪いとは言いづらいので相手に困った思いをさせてしまうこともある。
発音練習は自分のためでもあり、相手のためでもあると言えるだろう。
リーディング・リスニング力向上に
スムーズに発音できることは、リスニング・リーディングでも重要な意味を持っている。
多聴や多読をやる上で、発音練習が十分でないと、聞き取れるスピード・読むスピードが上がっていくのには限界がある。自分が話せるスピード以上には、聞き取れないし、読み取ることができないからだ。
また、正しい発音方法を知らないまま、リスニングの勉強をしても、日本語にない音がなかなか聞き取れるようにならない。RとL、thとs、wなどは、正しく聞き取れるようになるまで時間がかかる。
最初に全部学ぶというよりも、継続的に勉強・意識しながら、リスニングの練習も行うことをおすすめする。
多聴・多読の英語学習効果アップ
正しい発音を意識して、洋書を読む、ドラマを見る、英会話をすることによって、英語学習の全ての時間が、リスニング力アップや、スピーキング力アップに繋がる。
カタカナ英語で洋書を読んでも、それはリーディング力のアップにしか繋がらない。洋書を読むとき、声に出して発音をする必要はないが、口・舌を正しい位置に動かしながら、発音を意識して洋書を読めば、スピーキング力・リスニング力アップも期待できる。
英語をきちんと理解して聞く・読むためにも、発音を身につけるのは重要であり、必須項目になる。
イギリス英語 VS アメリカ英語

発音矯正を始める前にもう一つ注意することがある。それは、どの英語を学びたいか。
日本語にも標準語、関西弁など訛りがあるように、英語にも色々な訛りがある。英語ネイティブ圏での訛りとして基本的に大きく分けて、イギリス英語、アメリカ英語がある。
アメリカ英語、イギリス英語、両方の訛りを学ぶというのも素敵だが、音やイントネーションなど異なってくるので、どちらかに集中すると発音は学びやすい。


発音の重要な要素を知る(発音記号・ワードストレス・イントネーション)
発音記号(IPA)

ネイティブの発音をするために一番有効なのは、International Phonetic Alphabet(国際音声記号)だ。
国際音声記号とは、あらゆる言語の音声を文字で表記するための記号で、国際音声学会が定めたものである。これを学ぶことによって、英語の発音のルールはもちろん、他言語の発音も学びやすくなる。
英語の辞書などを調べた時に、英語の横にある記号が発音記号だ。
例:apple / ˈæp.əl/
根気は入るが、それぞれの音の出し方を学ぶことで、よりネイティブに近い発音が可能になる。
日本人が主に苦手とする音としては、
- /æ/と/ə/
- /l/と/r/
- /s/と/θ/
- /t/,/v/,/b/, /p/,/d/
これ以外にも苦手と言われる音があるが、主にこの違いというのが難しく、話していても通じないと感じることが多いかと思う。
語強勢(Word Stress)
言語学の文脈で使用される場合、ストレスは本質的に最も強調したい単語の音節を指す。英語を話すとき、ストレスの置く場所によって、単語は完全に意味を変えることが出来るので、これはとても重要な要素である。
この例では、音節を/で区切り、ストレスを太字で表す。
2つの音節を持つ“contest”という単語を例にあげてみよう。
con-testという風に2音節に分けることができるので、以下のように最初の音節と次の音節にストレスを置くことができる。
- /con-test/:(名詞) 競争
- /con-test/:(動詞) 反対する
このように、ストレスは単語の意味を変えるだけでなく、動詞や名詞など品詞を変える要素になる。英語のオンライン発音辞典Forvoで音声の比較を確認することができる。
他にも“present”という単語を例にあげてみる。この単語も2つの音節を持つが、何を言いたいのかによって強勢の位置が異なる。
Word Stressというサイトでは練習問題も用意してくれているので、発音の練習(特にストレス)にもってこいの無料教材だ。単語の音節を区切り、ストレスがかかる部分をクリックして正解不正解がわかる。
正しい単語の数を数えてくれるので、ゲーム感覚で練習の過程をみることができる。それに加えて、クリックするだけで単語の品詞、意味、強勢、IPA(音声記号)を知ることができる。
イントネーション
イントネーションとは、音声言語において文または発話全体につけられた音の高低(音高)のパターンを言う。 音調(おんちょう)や抑揚(よくよう)とも言われる。
出典 wikipedia
間違ったイントネーションだと、文章の意味が違ったり、ネイティブスピーカーにとってとても奇妙に聞こえたりする。気持ちを伝える、文章にニュアンスを足す場合には特に重要だ。イントネーションのルールも簡単。
まず、意味の塊、つまり文章の切れ目、の作り方を把握しよう。
- ①前置詞の前で切る
Taro met Hanako / at a cafe. - ②接続詞の前で切る
Taro met Hanako / at a cafe / and went to a theater. - ③be動詞の前で切る
The movie theater / was far / from the cafe. - ④関係代名詞の前で切る
The movie / they watched / was boring. - ⑤2語以上の主語の後で切る
My friend Taro / could not keep the relationship / with Hanako.

イントネーションのルール
① 意味の塊の最後の言葉は、強調する。
- Taro met Hanako / at a cafe.
- Taro met Hanako / at a cafe / and went to a theater.
- The movie theater / was far / from the cafe.
- The movie / they watched / was boring.
- My friend Taro / could not keep the relationship / with Hanako.
② 複合単語(2つ以上の単語からなる言葉)は最初の単語を強調する
アルファベット・発音記号が分かったら、一つずつ、口・舌の位置、動かし方を覚える。以下のいくつかの教材が、発音の基礎を学ぶためにおすすめである。 まずこの教材を選んだ理由が以下になる。 特にこの教材の優れた部分は、対面では教えてもらえないスロースピードの英語を付属のCDで何度も繰り返して聞けるところだ。また、発音記号の説明もとてもわかりやすく実用的である。 最初は口の運動を10分ほどした後、アルファベットの発音から、数字の発音、そしてネイティブ独特の癖や省略された英語(例 ING/GHなど)から、日本人の苦手な英語の発音(例 R/L, THなど)を自分のペースで満足するまで練習することができるので自学に向いている。 他には、次の教材もおすすめだ。 本を読んだり、理論を覚えるだけでは、一生正しい発音は身につかない。 正しい発音は、いわば正しい筋肉の動かし方であり、筋肉の動かし方は学ぶものではなく、習慣にするものである。そのために、反復的な練習が必要だ。 1日1回1時間の練習をするのではなく、1回10分の練習を1日3回やる方が効果がある。細切れの練習をたくさんして、無意識のうちに、口・舌を正しい位置に持ってくるようにしなければならない。 上記の『超低速メソッド英語発音トレーニング』の一部分を抜き出してきた。 舌がほぐれてきた気がしない?まだ少し運動は続くけど、ここでは発音の練習を一つしていこう。 日本人が苦手とされるRの音。アー、でも通じることはあるが、やはり単語に忠実に発音できるのは一番。 コツは、口を縦に開けてA(アー)を発音した後、Rを発音するために大きく開けた口を緩めて小さくする。小さくすると同時に舌先を少し上げる。 最初はRを少しラッパ口にするとわかりやすいかもしれない。ゆっくりとARと発音する。教材ではこの後、ARの発音に沿った例文をしっかり練習することができる。 さらに詳しい説明と分かりやすい図解もついているので、一人でも効率的に学習することができる。 発音を良くするために必要なことは一つだけで、ある程度の量の英文を声に出して練習すること、つまり音読・シャドーイングを繰り返し行うこと。 同じ英文を100回音読すればいいのか、10回で切り上げてその分新しい文章にたくさん触れる事を選ぶのか、悩みどころかもしれないが、自分にとって続けられる方法であればどちらでもよいと。 大事なのは、声に出す練習を何回したかであって、教材を何回回したかではないからだ。 VOA Learning English 音読におすすめのアプリは、「VOA Learning English」のアプリ版。音源とスクリプトはHPでも利用できるが、アプリでの使用を強くおすすめする。 特に、「VOA Learning English」は初心者がやるものと思っている方、後で説明するようにアプリの倍速再生機能を使えば、上級者も使える最高のツールにもなる! この教材のいいところは、まず無料であること。また、VOAニュースが母体になっているため、今現在進行中のニュースに触れられる。 アメリカのメディアですから主に扱うのはアメリカ国内になるが、世界各国の大きな出来事はほとんどカバーしている。 学習者向けの教材でありながら、タイムリーな話題に触れられて情報収集ができるというのは、かなりのメリットではないか? さらに、アプリ版には「倍速再生(0.5~2.0)」・「5秒巻戻し」といった学習する上でとても便利な機能がついている。 倍速再生で1.2~2.0倍速にして使えば、幅広いレベルの学習者に対応できる。 「5秒巻戻し」の機能も、聞き逃した部分をタップ一つですぐ再生できるので、無駄な操作で時間がとられることがない。活用してみよう! 発音記号以外で楽しく発音を学びたいという方におすすめのトレーニングが、シャドウイングという方法。 シャドウイングとは、聞いた英語を即座陰のように口にして繰り返す勉強法。英語の意味はわからなくても、音をとりあえず繰り返すことによって、英語のリズムと発音に慣れることが目的。 リスニングにも効果的と言われるが、英語の発音にも効果的。 初めは、ディズニーやピクサーといった子供用映画を題材に選ぶのが良い。子供にもわかりやすいよう比較的はっきりと英語も発音され、難しい単語が出て来づらいので、シャドウイングには最適だ。 発音があっているか自分じゃわからない?大丈夫。スマホの音声認識を使う。 iPhoneならSiri、Androidならgoogle音声認識を使い、練習したいワードを話しかける。10回言って8-9回認識されれば、その言葉は発音できている。言語設定を英語にするのを忘れずに。 試しに「learn」を10回言ってみよう。 正しい発音の仕方を学んだら、今度は何が心配になるかというと、英語のイントネーション、リズムだ。 それぞれの音が違うのはもちろん、やはり話す際のイントネーション、リズムも英語と日本語では異なってくる。 日本語のイントネーションは、主に、平坦な傾向があるのに対し、英語のイントネーションはアップダウンが激しい言語。 シャドウイングによってある程度英語独特のリズムやイントネーションに慣れることができる。ネイティブに音を近づけていくために、アクセントと強調したい部分を意識しながら話してみることがコツ。 例えば、「私はあなたと外に行きたい」という文章を例にすると、強調する部分によって意味が異なってくる。 例)太字部分が強調される部分。 一つの文章をとってみても、強調部分がどこに置かれるかで、イントネーションが変わるとともに、相手に伝わる意味も全く違ったものになる。 ≫参考:ネイティブ向けポッドキャストで英語を学ぶ!おすすめ番組12選 ≫参考:Friendsだけではない!英語学習に最適な海外ドラマBEST10 練習をするだけでは、筋肉の動かし方を体に覚えさせるのは難しい。もっともっと、意識する必要がある。 洋書を読む時、リスニングを練習する時、英会話をする時にも、苦手なワードが出てきた際に、正しい筋肉の動き、正しい発音を意識することを心がける。 できる範囲で思い出し、長い時間をかけて少しづつ理論を実践し、正しい発音を体で覚える。 【図解】英語の母音10個の発音のコツを徹底解説!【動画で学ぶ】 【図解】英語の子音24個の発音のコツを全部解説!【動画で学ぶ】 英語の発音練習・チェックに使えるおすすめ無料アプリ”発音博士” 発音矯正ステップ1:理論を実践!おすすめの教材
超低速メソッド英語発音トレーニング (CDブック)
おすすめの理由
発音矯正ステップ2:練習する
教材にそって練習
【ar】
音読練習
音読におすすめの無料アプリ
好きな映画のシャドウイングで音を練習
自分の発音をチェック
イントネーション、リズムを学ぶ
発音矯正ステップ3:常に意識する
無料で発音練習シリーズ
発音矯正おすすめ記事