語源のすゝめ 英単語を効果的に覚えるためのヒント

ねこ君
覚えても覚えても、切りがないよ。。英単語って。次から次えと忘れるし、無理なんじゃないかな。。
にゃんこ先生
どうやって単語の勉強してるの?
ねこ君
まぁ、基本は単語帳。書いたり読んだり口に出したり・・。こういうのは結局は暗記だよね。
にゃんこ先生
語源って聞いた頃あるかな?全ての英単語に当てはまるわけではないけど、単語をパーツに分けて考えると、覚える量がぐっと減って、意味を推測したり、暗記するのも容易になるんだ。
にゃんこ先生
語源と何かを知り、普段の勉強から意識をすることで、単語学習がずっと効率的になるはずだよ。

 

この記事の著者: Tempest

  •  横浜在住、40歳台前半の男性
  •  米国でMBAを取得、専攻は金融
  •  投資銀行マン等を経て、財務・法務系の翻訳家として独立(言語は英語・タイ語)
  •  Tempestの英語学習の記録

語源学とは

昔から英語の語彙をどうやったら増やせるか、という点は英語学習における永遠の課題です。電車に乗っていると「ターゲット」等の単語帳にかじりついている学生さんが今でもよく見られます。私も学生の頃にはあれこれと大変な苦労をしたものです。

英語の学習を開始した当初思ったのは、一度覚えてしまえば組み合わせで色々造語が出来る漢字(個々の字に意味があるため)と違い、英語は一語一語「ランダム」な(スペルの)ものを逐一全て覚えなくてはいけないのか? ということでした。しかし、時が経つにつれ英語にも一部漢字のような特性があると気付いてきました。

 

さて、英語の語彙を効率的に増やす方法の一つに「etymology(語源学)」というものを利用するというやり方があります。語源学とは語の由来や起源を探る学問で、複数の語に跨って共通している「パーツ」の元の意味を知っておくことで、単語を覚えるのが容易になる / 見たことのない単語に遭遇しても意味が分かる場合がある、というものです。

例を見た方が分かりやすいので、以下いくつか挙げてみたいと思います。既にご存知のものもあると思いますが、一見関係なさそうだがつながっていた、というものもあり興味深いと感じられるかもしれません。

 

なお以下、若干暗い・ヤバい単語も出て来ますが、単なる一例で他意は御座いませんので予めお断りしておきます。「少し不思議な」例となるとどうしても変わった単語を挙げる必要があるためです。

 

語源学の例

「切る」の”sec”

「sec」自体では何の意味もなしませんが、単語の中に「sec」というパーツが見えたら、「切る」という意味を含んでいます。

 

# section: セクション・切開

日本語にもなっていますがそのまま「セクション」で、パーティションなりで仕切られているためです。また医療における「切開」という直接的な意味もあります。帝王切開は「Caesarean section」で、シーザーがその方法で産み落とされたということに由来していると言われています。

 

# second: 秒

最小単位に切り分けれた時間の幅、ということです。

 

# insect: 昆虫

さて、これは何故でしょうか? 虫の「節足」(関節のような部分)が肢の部位を分けているためです。

 

# vivisection: 生体解剖

ビビッドな切開です。

 

「殺す」の”cide”

昆虫のことを書いていたらこれを思いつきました。”~cide”とすると「~を殺す(もの)」という意味になります。

 

# insecticide / pesticide: 殺虫剤

insect / pest + cideです。ペストはそのままペストで、害悪のあるものを意味し病気以外に害虫という意味もあります。

 

# herbicide: 除草剤

herb + cideです。

 

# suicide: 自殺

“sui”の部分は「自分」を意味します。

 

# genocide: ジェノサイド

“geno“の部分はゲノムと通じているかと思われます。「根」絶やしにする感じでしょうか。

 

「血肉・心臓・中心」の”car”

以下に見られるように守備範囲はかなり広範です。

 

# carnival: カーニバル

華やかなパレードのお祭りを想起しますが、何故「血肉」と関係しているのでしょうか。日本語に訳すと「謝肉祭」だからです。元々宗教的儀式として一定期間肉を食べることを絶ったことに由来しています。

 

# cardinal: 枢機卿(すうきけい)

キリスト教の「中心」を担う僧侶の役職です(最近どうもスキャンダルが多いようですが・・・)。

 

# cardiac disease: 心臓病

心臓病は単に“heart disease”とも言いますが、専門的にはこのような表現をします。

 

# cannibalize: 共食いをする

上記と比べると少し形が遠いですが、仲間です。「共食いをする」という意味で、ビジネス用語でも「カニばる」(自社支店のロケーションが近く、売上を取り合いしてしまうこと等)として日本語でも用いられています。

 

「鬼面」の”demon”

# demon: 悪魔

こちらはそのままです。

 

# demonstration: デモンストレーション

さて、この「デモ」を表す言葉は実は”demon”と関係しております。「鬼面人を驚かす」つながり、とご説明したら納得が行きますでしょうか。

 

「足」の”ped”

# pedal: ペダル

こちらは想像に難くありません。

 

# peddler: 行商人

こちらは何故でしょうか。行商人(セールスマン)は「足で稼ぐ」から、です。

 

# pedestrian: 歩行者(の)

こちらもそのままです。

 

# pediatrics: 小児科

何故でしょうか? やや迂遠ですが、「よちよち歩きの子を診察する」という意味で実は足つながりです。

 

「言語」の”dict”

# diction: 語法

少し硬い単語です。

 

# dictionary: 辞書

こちらは有名どころです。

 

# dictator: 独裁者

さて、これは何故でしょうか? 日本にもある「ディクテーション」の”dictate”は「口述筆記をさせる」という意味で、転じて「自分の命令を(言うがまま)書き取らせる人」ということでこの意味になります。

 

「息吹」の”spiration”

こちらは「息吹」系で、何かモヤモヤしたものが出たり入ったりすることを示します。

 

# inspiration: インスピレーション

霊感が宿る(入って来る)という感じです。

 

# perspiration: 発汗

エジソンの「天才とは、1%のひらめきと99%の努力(発汗)である」(Genius is 1 percent of inspiration and 99 percent of perspiration.)という言葉は有名です。

 

# aspiration: 熱望

こちらもモヤモヤ系です。

 

# expiration: 発散・失効

元は“inspiration”の反対の語で、何かが出て行くことを示しています。ここから転じて、法律用語で(契約等が)「失効」することという意味でよく用いられます。

 

「頭」の”cap”

# cap: キャップ・帽子

野球帽の形をした帽子です。

 

# captain: キャプテン

メンバーの中のヘッド、です。

 

# capital: 首都・大文字・資本

「主要なもの」「元になるもの」という意味で”cap”につながっています。

 

# decapitate: 首をはねる

さて、この語を見たことはありますでしょうか(すこしエグイですが)。変わり種です。ギロチンなどで「首を切る」という単語は、一般には”behead”ですが、このような単語もあります。

よく見ると”cap”が含まれており、分離を示す”de”がくっ付いています。昔RPGの「ウィザードリー」を英語版でプレーしていて(ファミコンです)、「忍者」が敵の首をはねる時の表現でこの語に出会いました(当時はこのような語源的側面には気付かず)。

 

又、ドイツ語ですが(英語にも取り入れられています)、収容所のチーフという意味の”Capo”(カポ)もこれ系です。

 

「全て」の”omni”

オムレツみたいな響きですが。

# omnipotent: 万能の

神のことを示すのによく使われます。全てを示す”omni” + ポテンシャル(潜在能力)つながりの”potent”です。

 

# omnivore: 雑食動物

何でも食べるためです。ちなみに肉食動物は”carnivore”、草食動物は”herbivore”です。前出の”car”や”herb”ともつながっており、点が線になって来ている感じです。

 

「二つ」の”ambi / amphi”

# ambivalence: あいまいさ・躊躇

「アンビバレンス」とはカタカナ語で日本語にもなっているようです。”ambi”が二つを示し、後ろの部分が「価値」というような意味ですので、「両面性」「二面性」という意味を全体として形成しています。

 

# amphibious: 水陸両用(の)

この語は軍事的に水陸両用車を示したり、生物学的に両生類を表したりするのに用いられます。

 

さて、このような例は無数にあり挙げようと思えばいくらでも挙げられるのですが、10例でキリが良いため、ここで切り上げたいと思います。冒頭で何を言わんとしていたかはこれらの例でよくお分かり頂けたかと思います。

 

知らない単語の意味を(辞書を用いずに)推測出来た例

さて、この語源学の知識を生かして自分にとって初出の単語でも辞書に頼らずに意味が推測出来た経験はかなりありますが、以下一つご紹介します。

「“hemophilia” で苦しんでいる」、というような文章があり、病名だろうとは思いましたが、何だろうと考えていました。”hemo / philia”と分けると、後ろは「フィロソフィー」(哲学、知を愛す)や「フィルハーモニー」(交響楽団、音楽を愛す)の「愛する」だとすぐ分かります。

では前の部分は??あぁ、ヘモグロビンのヘモで「血」だから、総じて「血友病」かと分かりました。日本語は逆にこれを直訳しているものでしょうか(あまりいい訳ではありませんが)。

 

終りに

以上の例で、英語の「パーツ」の意味を知っておくと語彙を増やしやすい、時に知らない単語でも意味が推測出来ることがある、とお分かりになったかと思います。

一方で、残念ながらこれは万能の・網羅的なレシピではなく、部分的にしか適用出来ません。単に丸覚えしなくてはならない単語が多いのも事実で、そちらの方が多数派です。

 

又、学術書は別に市販のテキストで語源学に関する良い本は思い浮かばず、私の場合辞書を引く度に注釈に載っているのを見て知識を重ねて行ったという感じです。

ただボキャビルをする際にこの語源学という点も頭の片隅において進めると、長期的に何がしかの効果は出るものと思われます。

 

にゃんこ先生
語源を本で学びたい人向けに、たくさんの参考書が出版させている。
にゃんこ先生
また、掲示板にも語源一覧(計427個!!)があるので、興味のある人はダウンロードして使ってみてほしい。
にゃんこ先生
どんな語源があるのかざっくり知って、難しい単語を分解して考えるようになれば、英単語の学習が少し楽しくなるのではないだろうか?

 

にゃんこ先生
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