



皆さんは英作文、お好きですか?
なかなか「はい!」と即答できる人は少ないかもしれません。これはおそらく、学校時代の「英作文」で苦労した記憶の影響ではないかと思います。
文法の誤りやスペルミスをしないよう神経をすり減らしながら、「以下の文を英語に訳しなさい」といった指示どおり日本語から英語に置き換える作業が、面白いはずはないと思います。
ただ、TOEFLや英検など、英語の各種試験で求められる「エッセイライティング」は、学校での「英作文」とは全くの別物です。
もちろん文法やスペルは正しく書く必要はありますが、単に「正しい文章が書けるだけ」ではエッセイは書けません。
ここでは、私が試行錯誤しながらライティングのコツを会得し、英検1級に合格した経験と、その際非常に役に立った添削サービス「IDIY」のご紹介をしたいと思います。
この記事の著者:モリ―
アラフォーから英検1級合格を志し、2度の不合格に一度はやさぐれるも、試行錯誤の末3度目の正直で合格した2児の母。英語圏滞在は人生で5日間のみ。Podcastと洋書とベネディクト・カンバーバッチが大好き。上の子が高校留学準備中。
目次
IDIY(アイディー)の特徴

IDIYとは、日本人の講師だけでなく世界中のネイティブの講師による添削が受けられる英文添削サービスです。
特筆すべきはその使い勝手の良さですが、詳しくは機能ごとに以下ご紹介していきます。
スマホからも利用できてスキマ時間を勉強に活用

IDIYは、スマホからもパソコンからも利用することができます。
これはつまり、別に机に座って「さあ、英作文の勉強をするぞ」なんて構えなくても、スマホ片手に通勤通学の間やソファでねそべりながらでも使えてしまうということ。
これは、スキマ時間もライティングの勉強にあてられるということです。
ただでさえ心理的なハードルの高いライティングの勉強が、スマホ片手にできるなんて素晴らしいですね。
もちろん数百ワードもあるような長いエッセイをスマホで入力するのは大変ですが、まずは英作文に慣れたい、というような場合ならスマホからでも充分です。
また、スマホで入力した文章を保存しておいて、後からPCで修正することもできます。
このため、例えば通勤途中の電車の中で、スマホを使ってエッセイのキーワードだけ書いておき、昼休みや帰宅後にPCから仕上げる、といった使い方も可能です。

ネイティブ講師の表現重視か日本人講師の解説重視か
IDIYのもう一つの魅力は、世界中の講師400人以上(2022年7月時点)から講師を選べること。
また、このおかげで添削の返ってくるスピード感も、他の添削講座と比べて格段に向上しています。
答案返却までの所要時間は講師によって異なりますが、私が利用していた頃は、入稿してから数時間で添削が返却されてくることもよくありました。
朝出勤前に原稿を送っておくと、夕方帰宅するころには講師からの添削が返ってきているのです。
また、添削をしてもらう講師は、好みに応じてネイティブ講師か、英語専門家(日本人講師・バイリンガル講師)か、を選ぶことができます。
どちらも同一料金で、ネイティブ講師だからといって追加料金がかかることはありません。
文法の解説を日本語でしてもらいたい場合は日本人講師、ネイティブに表現のナチュラルさを見てもらいたい場合にはネイティブ講師、という使い分けが可能になります。


多彩なメニュー「日替わり英作文」「写真描写」ほか
IDIYのメニュー(入稿設定)には、何を題材に作文するか、多彩なメニューから選ぶことができます。
具体的には「持ち込み英文」「英語日記」「日替わり英作文」「自由英作文」「和文英訳」「写真描写」「英文Eメール課題」などですが、私はその中の「日替わり英作文」を利用していました。


この「日替わり英作文」のトピックには、「上級者向け」と「初級者向け」があり、自分の好きな方を選べます。
上級者向けは、トピックの背景の説明などを含む200ワードほどのお題を読み、それに対する自分の考えを述べるもの。初級者用は、ワンセンテンスの質問に対して回答する形になります。
この上級者向けのお題にはかなりタイムリーかつ興味深いものが多く、利用期間中は毎日楽しみにしていました。

「ライティング講座」も無料で視聴可能
英語教室や英会話学校はたくさんあっても、ライティングに特化した講座を開講しているスクールというのはなかなかありません。
しかし、IDIYならライティングに関する講座の動画が無料で視聴可能です。これはさりげなくメニューの中にあるのですが、実は大変なお値打ち教材だと私は思っています。

英検などのエッセイ対策をしたい人に特におすすめしたいのは「エッセイライティング基礎講座」。
ライティングというのは基礎知識のあるなしでうんと差が付くものですので、気軽に質の高い講座が視聴できるのは非常におすすめです。
講座は他にも「ビジネスEメールライティング実践講座」など実践的なものもありますので、ぜひ気にチェックして見てみてください。
充実度の復習機能-スマホから、PDFダウンロード、読み上げ機能まで
IDIYは、見直しについての機能も驚くほど充実しています。
「添削結果」の画面では、訂正前と後の文章が上下に並び、訂正された部分がハイライトで表示されるので、講師が「どこをどう直したか」が一目瞭然。
一昔前の添削講座では、添削後のワードファイルを開いてコメントを見て修正点を確認して…と、かなり面倒でしたが、IDIYでは、スマホのメニューをタップするだけで確認できます。

また、添削結果をすぐ見直せるよう保存しておきたい!という人には、PDFのダウンロード機能もあります。課題と自分の書いた文、添削結果、添削解説が見やすくレイアウトされています。
さらに、私が「そんなことまでできるのか!」と驚いたのが「添削の読み上げ機能」。
例えば修正後の完成形の文章を繰り返し聞いて覚えたい、というような場合に活用することができます。
これは「スタンダード定期券」利用者のみですが、とことんまで使い倒したい方にはおススメです。

IDIYの料金プランー選ぶポイントは3つ

気になる料金プランについて。IDIYの定期券(月額利用)のプランは、一見するとややこしいのですが、選択ポイントは以下の3つとなります。
- 一日何ワードまでの英文を添削してもらいたいか(50ワードか、100ワードか)
- 添削の解説はして欲しいか、結果だけ返して欲しいか(「学べる添削」と「お手軽添削」)。
- 使用メニューの多さ(持ち込み英文対応か否かなど)(「ライト」と「スタンダード」)
ちなみに私は、1日100ワード、添削の解説なし(お手軽添削)の「ライト」コースを利用していました。
このコースだと、添削はしてもらえますが詳細な解説はありません(講師からの修正理由の簡単なコメントはあります)。
また「持ち込み英文添削」は利用できませんので、日替わり英作文を活用していました。

ちなみに、スタンダードプランのみで利用可能になるメニューは、「持ち込み英文添削」「写真描写」「Eメール課題」など。
また、添削結果の音声ダウンロードも、スタンダードプランのみ利用可能です。
エッセイライティングの心構え

さて、ここからはIDIYの機能から一度離れて、エッセイライティングをしっかり勉強したことはない、という方のために、「書き始める前に知っておいていただきたいポイント」をご紹介します。
私が英検1級一次試験に2度不合格になったときは、恥ずかしながらこのポイントが全く抑えられていませんでした。
今思えばそんな状態で受験するなんて受験料がもったいない!と思うのですが、当時はエッセイライティングを「英作文の延長」くらいにしか思っていなかったのです…。
私見ですが、英語の4技能の中で、ライティングが短期の試験対策で一番「伸ばせる」技能だと思っています。
リーディング、リスニング、スピーキングの3技能は、残念ながら一朝一夕に伸ばせるものではありませんが、ライティングに関しては比較的「型」を覚えることで対応できます。
そのコツを、今からご紹介していきます。
まず「型」から入ろう

まず、エッセイライティングの基本の基本は「構成がパターンどおりであること」。
私が失敗した時の致命的な誤りは、「構成=導入、本論、結論」のことを、「単なる段落のまとまりの順番」くらいにしか思っていなかったことです。
これの何がダメだったかというと、導入(Introduction)、本論(Body)、結論(Conclusion)と、それぞれのパートごとに明確な役割がある、ということ理解していなかった点です。
野球で言えば「ピッチャー」「キャッチャー」「野手」くらい、それぞれ求められている役割が違うのです。
これがわかっていなかったため、不合格だった時のエッセイは、「導入で知っていることや経緯をとりあえず書き始めて、本文でポイントを3つ並べながらもだんだん不安になって主張がぶれていき、最後の結論でなんとかまとめようと試みるも反対意見へも突然触れてみたりしながら無理やり結論。」といった流れになっていました。これではダメダメです。
ではどうすればよかったかというと、書き始める前からきちんと、それぞれの役割に応じて「何を書くか」を決めていくことです。ではそれぞれの役割と、その書き方の「型」をご紹介していきます。
ここでは特に「英検1級一次試験のライティング」対策を念頭にご説明します。英検1級の筆記問題で求められるエッセイの長さは200~240ワード。
エッセイの長さは試験により異なりますが、この構成の部分は基本的に同じですので、参考になれば幸いです。
導入(Introduction)

エッセイライティングは通常「お題」が出されます。英検1級であればあるトピックに対しAgree or Disagree?と賛否を問われることが多いです。
導入(Introduction)の役割は、「お題に対する自分の意見を明確に述べる」ことです。そうです、最初に結論を言ってしまうのです。よくある過ちは、「お題に対する知っていることや経緯を並べて、結論を書かない」でしょう。
これは英語のエッセイライティングにおいてはNG行為です。「導入」は日本の小説の起承転結の「起」ではないので、いきなり「結論」をバシッと書きましょう。
ちなみに、若干「チート技」にも思える導入部分の決めパターンがあります。
これは、「まずエッセイ中で自分が取ろうとしている立場の反対意見に触れて、However,~自分の主張の文章で受ける」ことです。
例えば、「Some people argue that …(反対意見). However, I believe (自分の主張).」の2文でおしまい。
例として死刑制度に反対する立場を取るなら、「死刑制度は必要悪だという人もいるが(反対意見)、私は次の3つの理由から廃止すべきであると考える(自分の主張)。」という形です。
このように、実は、英検1級筆記対策に限って言えば、自分の主張さえ決めてしまえば、導入部分の書き方であまり悩む要素はないのです。まずはこの基本をしっかり押さえましょう。
本論(Body)

次が最難関の本論(Body)部分です。ここには、自分の主張を支持する3つの根拠=段落、を必ず入れましょう。
ここで必須となる手順は、事前に主張するポイントを3つ箇条書きにして書き出すこと。間違っても、この作業なしにいきなり書き出してはいけません。
さもないと、「書いているうちに、今書いているポイントとさっき書いたポイントの違いが自分でよくわからなくなってくる」「反対意見の紹介だけで一段落使ってしまい、それに対する反論(=自分の主張)を書ききれない」といった悲劇が起きるからです。
また、この際、「あれ、この点とこの点って、結局同じこと言ってるんじゃないか…」などと一人で弱気になるのもあるあるですが、ここで怯んではいけません。
「無理やりでもポイントを3つに分けて並べる」ことです。他のポイントが思いつかず真っ白になってしまうくらいなら、いかに似通った論点であろうが、表現を変えて3つに分けてしまいましょう。それくらい、この「型」を外さないことは大事です。
そしていよいよ書き始める際には、事前に箇条書きにしたポイントごとにFirstly, Secondly, Lastly~と書いていきます。
英検1級の場合、段落ごとの文は2~3文が目安です。ですので、
Firstly, ___(ポイントを述べる文). For example, ____(ポイントの具体例や根拠).
がワンセットで1段落の出来上がりです。これを3回繰り返せばよいのです。
また、反対意見への処理については、このようにします。
Firstly, ____. Some argue that …(反対意見), but ……(それに対する自論を支持する事例や根拠).
つまり、「反論について触れたら即処理」が鉄則。
反論を長々と紹介して、結局どっちの立場で主張していのかわからない、なんてことにならないに気を付けましょう。
結論(Conclusion)

いよいよ結論まで来た皆さま、お疲れさまです。ヤマは越えました。ここでは、今まで述べてきたことを受けて結論をまとめます。
結論部分は、最初に明示した自分の主張を、本論を経て「ほら、だからそうだったでしょ」と再確認するのが役割なので、間違ってもここで新しい要素など持ち出してはいけません。
極端に言ってしまえば「導入で書いたことを言い換えて繰り返す」だけでいいのです。ダメ押しです。
同じ表現ばかり繰り返してしまうと拙く見られてしまう危険性はありますので、適宜言い換えはしたいところですが、基本的には導入で使った内容を繰り返し、手堅くTherefore, I believe …. と堂々と締めましょう。
ただし1文ではボリューム不足ですので、主張をぶらずにもう一文付け足すことができると良いでしょう。
IDIYを英検1級対策に徹底活用

ではここで、具体的に英検1級のライティング対策としてのIDIYの活用法に戻ります。
他の添削サービスとの比較
英検1級の対策を初めて間もないころに、ある英語学校の英検1級の筆記対策コース、という添削サービスを一度試してみたことがあります。そして…途中で挫折してしまいました(涙)。
指定された英検1級頻出トピックに対する回答をワードで書いて送り、2週間ほどすると講師の添削結果がワードで返送されてきて、その添削の解説を読む…というものでしたが、正直、作文するのも見直すのも気が重く、続かなったのです…。
それが、IDIYでは手軽に取り組めたので、続きました。この違いだけでも、IDIYは利用価値大だったと思っています。
100語で200~240語分のトレーニング
IDIYで私が利用していたのは、「お手軽定期券ライトの100ワードコース」。
このプランは9,790円(税込/2022年4月現在)で、先ほどご紹介したように添削の解説はありません。また、入稿できるのが100ワードまで、という制限もあります。
「それでは200~240ワードのエッセイライティングの練習なんかできないのでは?」また、「トピックも日替わり英作文ではなく持ち込みで英検対策トピックで練習しないとダメなのでは…?」と思われるでしょうが、私は次のような作戦を立てて活用していました。
上で述べたように、エッセイのパーツは「導入」「本文」「結論」の3部構成です。
が、解説した通り、導入と結論は、乱暴に言ってしまえば「主張を繰り返している」部分で、書くべき内容は同じ。自分の主張を決めた時点でほぼ固まってきます。
そうすると、試験本番に向けて練習したいのは、論点整理の方法がポイントになってくる本論(Body)部分のみ。
そこで、100ワードの中に、「主張」+「3つのポイント」を詰め込んで書く練習を、徹底的にやってみることにしたのです。
この作戦に則り、100ワードの中に構成を割り振ってしまうと以下のような感じ。①~⑦の7つのセンテンスの枠組みの中に自分の思いついたポイントとキーワードを落とし込んでいきます。
- 主張 ①I believe….
- ポイント1 ②Firstly, …. ③For example, ….
- ポイント2 ④Firstly, …. ⑤For example,….
- ポイント3 ⑥Firstly, …. ⑦For example, ….
100÷7で一文あたりおおよそ14語。14ワードの文章、と考えれば、慣れれば割とすぐ書けてしまうものなのです。
もちろん、もう少し細かいセンテンスを、数を増やして書いても構いません。
いずれにしろ、これくらい細分化してしまうと、どんなテーマでもなんとか書ける気がしてきませんか?もしこれが不安なら、まずは短い文章を、不安なく書けるようになる練習から始めましょう。
最大のポイントは「3つのポイント」を考え出すことで、あとは型の中に流し込んでいく作業だけだということです。これを、毎回深く考えなくてもできるようになるまで、繰り返していきます。
継続は力なりー目指せランキング上位
ライティングの練習も、慣れるまでは多少時間がかかります。日によってはなかなか書きたいことが浮かばない、ということもあると思います。
ただ、考えているだけで一単語も書かないよりは、際に書いて慣れたほうが確実に上達しますので、まずは繰り返してみましょう。
こうした反復練習をするときに励みになるのが、IDIYのランキング機能。定期券を利用して毎日書いていると、少しずつこのランキングが上がっていきます。
私も試験前はそれを楽しみに毎日書いていました。今日もこれだけ上がった、上位〇%に入った…そうした積み重ねがさらに継続へのやる気を引き出してくれます。
そして気が付いたころにはライティングに対する自信がついてきていると思います。

まとめ― 楽しみながら作文の「瞬発力」を身につけよう

以上、かなり「割り切った」形のIDIYを利用したエッセイライティングのトレーニングについてご紹介してきました。
英検1級の場合は、エッセイの主張そのもの「正否」がジャッジされるというよりは、まずはエッセイの「書き方」、構成、パターンどおりにきちんとした英語表現で書けているか、が大事です。だって「主張の正否」なんて、言ってしまえば主観ですから。
英検1級のライティングや面接の「型」の根底にあるのは、意見が違っても議論を重ねながら合意を形成していく民主主義の考え方です。
つまり、「この意見でないと不正解」なんてことは無く、むしろあってはいけない前提なのです。
だから、どんな主張であっても「こんな主張、説得力無いかも…」なんて臆せずに、まず自信をもって文章にする練習をしましょう。
そして、その練習は、固いテーマでないとできないわけではなく、どんなテーマに対してでもできるのです。IDIYの日替わり英作文を使った練習方法は、楽しみながらこのトレーニングができるという意味で、私にとってとても優れたものでした。
今、エッセイライティングに苦手意識を持っている皆さんも、まずはこちらでご紹介した基本の「型」をしっかりおさえて練習しましょう。それと、自分の主張に自信を持つこと。そうすることで苦手意識を減らし、試験本番でも実力を発揮できると思います。
この記事はインターンのKazuによって編集されました。




