



皆さんは単語学習にはどのように取り組んでいますか?
むかーしむかし、私の学生時代は紙の単語カードの表側に英単語、裏に日本語を書きこんで、パラパラめくって覚えていく…なんていうのが定番だったのですが、最近はそんなことをせずとも便利なスマホアプリがたくさんありますね。
今回はその中でも特に、40代の私が、2度の不合格を経て一度はあきらめた英検1級に逆転合格した際、最も役に立ったアプリiKnow!のご紹介をしたいと思います。
「40代で記憶力に自信がなくなるお年頃」でも、「非体育会系のゆるめな意志力」でも、無理なく継続して自然に覚えられた、とっておきの活用方法もご紹介しています。
この記事の著者:モリ―
アラフォーから英検1級合格を志し、2度の不合格に一度はやさぐれるも、試行錯誤の末3度目の正直で合格した2児の母。英語圏滞在は人生で5日間のみ。Podcastと洋書とベネディクト・カンバーバッチが大好き。上の子が高校留学準備中。
忘却曲線を実装しており、スキマ時間の単語学習に最適です。App Storeでダウンロード!
目次
iKnow!の特徴

スキマ時間に手軽に学習できる
iKnow!の学習モードには、
- 穴埋めや二択、聞き取りなどいろいろなパターンを取り混ぜた「iKnow!」
- 2択クイズ形式の「スピードクイズ」
- 単語の理解度を「忘れた」「難しい」「OK」「やさしい」の4つに分類していける「自己診断」
- 音声を聞いて単語を並べ替える「Sentence Trainer」
- 学習中の単語の例文をどんどん再生していってくれる「リスニング」
と、多彩なモードがあります。

学習コースについては、「英会話マスター」「旅行・趣味」「留学準備」「TOEIC対策」「英検対策」「大学受験」「ビジネス英語」…などなど、合計で300近いコースの中から選ぶことができます(2022年3月時点)。
留学準備だけでも49コース。


これだけの内容を、いつも持ち歩いているスマホひとつで利用できるのですから、単語学習の強力な味方になるのは間違いありません。
また、学習が途中で中断されてしまっても、学習状況は保存ができるので、どんな細切れ時間であっても取り組めます。
通勤通学電車の中はもちろん、電車やバスの待ち時間、さらにはコンビニのレジの待ち時間すら、学習時間に変えることができるのです。
忘れたころにすかさず復習‐脳科学に基づいた学習

もうひとつiKnow!の大きな特徴は、脳科学に基づいた計算で「記憶が定着するベストなタイミングで繰り返し出題」してくれることです。
アプリを開いて「スタート」ボタンを押すだけで、自動的に、ちょうど忘れそうになっている単語を、絶妙なタイミングで出題してくれるのです。
また、例えば「スピードクイズ」であれば、学習モードを「おまかせ」「復習のみ」「新規のみ」の3つから選ぶことができます。
この場合、「おまかせ」であれば、新しい単語と復習の単語をちょうどよいバランスでミックスして出題してくれますし、「よし!今日は復習だけやってみよう」と思えば復習に特化して取り組むことも可能です。

英単語は、一回覚えたとしても、その後忘れてしまっては何もなりません。iKnow!はこの点、定着するまでを考えて設計されてます。
いったん忘れ(かけ)て、また思い出す、というプロセスを何度も繰り返すことで「定着」させていくのです。
これは私たちが日本語を覚えてきたプロセスを思いだしてみても、納得できますね。
私たちが日本語を忘れないのは、日ごろ使っているから。スキマ時間を活用して「日ごろから」英単語に触れる習慣を作ってしまえれば、英単語も自然と定着していきます。

スマホでもPCでもタブレットでもシームレスに活用

iKnow!はスマホだけではなく、同じアカウントでPCやタブレットからも連携して使うことができます。
スマホより広い画面とキーボードがあると、タイピングが非常にやりやすくなります。スマホでタイピングは非常にしづらいものがあるので、タイピングモードはPCでの利用がおすすめです。
スピードクイズの2択だけではスペルまでなかなか覚えられない!ちゃんと覚えたい!という場合などは、タイピングを活用して徹底的に学習してみても良いでしょう。

iKnow!おすすめの使い方

以下にご紹介するのは、私が実際に英検1級合格まで続けられた、継続にあたってのハードルをとことん下げた「続けやすい」方法です。
人それぞれこだわりポイントは違うかもしれませんが、自分なりの「続けやすさ」を考える際のヒントにしてください。
スピードクイズの2択方式がベスト
いろいろな学習モードの中で、ダントツでおすすめなのが、2択でテンポよく進めていく「スピードクイズ」です。この際の「クイズ設定」は、「意味を選択」を選択しましょう。
何故これがおすすめかというと、選択肢2つのうち1つを選ぶだけで良いので、ぶっちゃけ当てずっぽうで回答できてしまうから。
「え、そんなことをして単語が覚えられるの?」と思うかもしれませんが、大丈夫。覚えられます。
そして何よりも、当てずっぽうでいいくらいなので、取り掛かるのが楽なのです。ここが重要。

例えば全く知らない単語が出題された場合、2択で適当に選んだ答えが「×」であれば、消去法で逆が正解ですね。そして次に別の2択が出てくるわけですが、この時は正解を知っています。
一度適当に解いただけではまたすぐ忘れてしまうでしょうが、iKnow!は定着するまで何度も何度も出題してきてくれます。
しかも、一回の学習の中で間違えた単語は、繰り返し出題してきて、正答するまで終わらせてくれません。こうして2択を繰り返すことで、気が付けば正しい意味を覚え、自然に単語が定着していきます。
これが「4択」だったらどうなるでしょう。まず2択のような「当てずっぽう」だけでは解けません。選択肢をすべて見たうえでしっかり考えないと解けないため、解答に時間がかかります。
実際の試験であれば仕方ないのですが、効率面からするとこの「考える時間」は実は勿体ない。
さらに、なかなか正解できないとクイズを解くこと自体が苦痛に感じられてしまでしょう。
そうすると次第におっくうになって、いずれは学習をやめてしまいがちです。これでは意味がないですね。
そういった点で、気楽に取り組めて自然に正答を覚えられる2択方式は、非常に優れているのです。
音声をシャドウイングしながらクイズを解こう
iKnow!の「スピードクイズ」モードの「意味を選ぶ」の学習設定では、音声を再生しながら解答していくことができます。
ネイティブの音声を聞きながら解いていけば、単語の意味を覚えるころには、同時にヒアリングもできるようになっています。
語彙対策とヒアリング対策が同時にできてしまうなんて、アプリならでは。使わない手はありませんね。
さらに音声は、「なんだか気が散って集中できない」という時にも有効に使えます。
こんな日には、シャドウイングのように、iKnow!の音声にかぶせて自分でも発音をしながら解いてみてください。
こうすると、より問題に集中しやすくなります。
音声なしだと、他のことを考えながらでたらめに2択を解いてしまうことも、やろうと思えばできてしまいますが、単語を音読しながら解答すると、さすがに全く関係ないことは考えにくいのです(一度試しにやってみてください)。
また、記憶を定着させるという意味でも、「視覚」「聴覚」両方を使うほうが効果的。
まずはiKnow!のアプリを立ち上げて、とりあえず最初に表示された単語を読み上げてみましょう。すると、とりあえず10問くらいはすぐ解けると思います。
その時点で既に脳にちょっとしたスイッチが入っているので、「せっかくアプリを立ち上げたんだし、あと10問」「今日はもうちょっといけそうだから、20問」「今週中にこのコース終了したいから、50問がんばるか!」といった「もうちょっと」が、うんと楽になります。

継続が最大のカギー仲間とシェアして習慣化

これまでにも紹介してきましたが、単語学習は「短期集中」よりも「長期継続」が効果的です。
学校の定期テスト対策くらいであれば、「ここからここまでがテストに出ますよ」と教えてもらえるため短期集中型も有効ですが、目標が入試やTOEIC、英検、留学…となってくると、そうはいきません。
こうした目標をクリアするのに必要なレベルの語彙力をつけるためには、短期集中型からは切り替えて、日ごろから繰り返し学習する習慣をつけることが、最も強力な武器になります。
この時におすすめなのが、「単語学習仲間」を作ること。
Study Plusなどがこうした学習習慣の形成のためのプラットフォームの例ですが、私はアプリ「みんチャレ」を利用しました。
こうした場で、日々の学習状況をシェアすれば、自分一人でがんばるよりも俄然やる気がでます。他にもツイッターなど既に利用しているSNSでシェアしてみる、というのが可能ならそれも良いでしょう。
iKnow!自身にも、連続学習日数のカウントや一週間ごとの学習時間のグラフ化、学習時間の目標設定など、継続しやすくするための機能もあります。

細かい話になりますが、ここで目標時間の設定をする場合は、例えば1日5分からでもOK。「これくらいなら絶対大丈夫だろう」という、短めの設定にしておきましょう。
そのかわり「毎日必ずやる」のがおすすめです。人間、「週に3回やる」よりも、「とにかく毎日やる」方が習慣化しやすいもの。
「昨日やったから今日はいいや」「今日やる日だけど、めんどくさいな、明日にしよう」「もうだいぶ要復習の単語が溜まってるだろうな。おっくうだな…」というのは、誰しも経験したことのある負のスパイラルでしょう。
これを防ぐためには、毎日の習慣化が結局一番楽で、確実です。
また、一日のうちいつ学習するかは、なるべく午前中~昼までがおすすめ。
例えば「朝起きて布団を出る前」「友達にメッセージを送る前」「通勤・通学の電車の中」「昼休みにランチを食べた後」など。
ありがちですが、「夜寝る前」だと、「うっかり忘れてしまった」「やろうと思っていたけど疲れて寝落ちした」といった悲劇が多発します(私も幾度となく経験済み)。
ただしこれは生活リズムにも寄ってきますので、気長に自分に合った方法を見つけてみてください。
あきらめていた英検1級の語彙もこれでクリア

私は英検1級の一次試験に3回チャレンジして、3度目の正直で合格しましたが、合格、不合格を分けたのは何だったか。最大の要因は「語彙問題の正答率」でした。
「一次試験の冒頭で受験者の心を折って前に進めなくする」のが目的としか思えない英検1級の語彙問題ですが、私の初回挑戦時の正答率も、25問中たったの8問。
惨敗でした。それが3回目の合格時には25問中18問。その違いを生んだのが、iKnow!による学習でした。
その具体的な方法を、今からご説明したいと思います。
カスタム単語登録機能が凄い
はじめて英検1級対策をまじめにやろう!と決意した時に、私も英検対策で定評のある旺文社の「でる順パス単」を購入しました。そして…何を隠そう3年近く本棚に寝かせていました。
そう、あまりに知らない単語ばかりで、開いただけで挫折してしまったのです。しかも何度も。
本の巻頭の合格者の体験談に「紙に書いて書き出して覚えた」とあったのを見て、よし、私も、とトライしてみたのですが…続きません。いくら書いても頭に入らないし、そもそもやってて面白くない。
それじゃあ耳から覚えたらいいかも、と、音源をダウンロードして移動中聞いてみても…無味乾燥な例文を聞き続けるのは正直面白くないし、続きません。
そうして結局ずるずる語彙対策は後回し…。そんな状態で受験した2回とも、今考えてみれば合格するはずはありませんでした。
「でる順パス単」英検1級をカスタムコース登録
それまでにもiKnow!はたまに使っていて、英単語を「覚えられる」効果は実感していたのですが、英検対策コースは残念なことに準2級対策までしかありません。
iKnow!に「でる順パス単」があれば、私でも覚えられる気がするのに…!そんなある日、PC版でiKnow!を使っていて、あることに気が付きました。
「カスタムコース」というタブが目に入ったのです。なんだ、これ?

詳しく見てみると、どうやら自分で好きな単語を登録して、オリジナルの単語帳をつくる機能ではないですか。
いくつか試しに登録してみたところ、単語を入力して品詞を選ぶだけで、対応訳も例文も訳文すらも、自動的に作成してくれます。
なんて便利。自分で作成したコースでも、もちろんスピードクイズなどの各種学習モードは利用可能です。もしかして、これ、使えるのでは…?

そこで早速、少しずつ「でる順パス単」のリストにある単語の登録を始めました。(この作業は、PC版でないとできません。いったん登録したカスタムコースは、スマホ版で学習可能です。)
一日10個ずつ、毎朝出勤前の時間にPCで登録し、登録が済んだ単語の2択クイズをスマホで解いていく、というのを1週間ほど試してみました。
すると、紙に書いてやっていた時のように「いくらやっても覚えられない」ということはなく、2択クイズの正答率はきちんと上がっていき、次第には単語を見たらちゃんと意味を言えるようになっているではないですか。
「私、ちゃんと覚えられているぞ…。もう歳だから無理、じゃなかったんだ!」。
ここで初めて、「次の試験では合格できるかもしれない」と希望の光が差してきました。
一日の登録ペースは決めていたので、継続さえすればあとどれくらいで学習が終わるかも計算できます。
「次の一次試験までにここまでやりたいから一日20個!」などと逆算してペースを上げたときもありますが、やはり数を増やすとしんどくなって続かなくなってしまいました。
「ここで投げ出してはまた同じことの繰り返しだ!」と考え直し、目標としていた一次試験の申し込みを一度は見送りもしました。
逆に言うと。「『でる順パス単』を覚えてから受験すれば、今度は違う結果が出せるはず」という手応えを感じていたのです。
ちなみに登録は、「でる順パス単」のでる度(A~C)それぞれの「名詞」「動詞」「形容詞・副詞」の3種類、3×3の9区分に分け、ひとつの学習コースとして登録しました。
「でる順パス単」の英検1級収録の単語数は全部で2100なので、ひとつのコースが200~250個ほどの計算になります。
iKnow!では学習コースごとに達成度が表示されるので、「今日はでる度Bの動詞を繰り返そう」など、弱いところを集中的に復習したりしていました。

そして、一通り「だいたい覚えた」と言えるくらいになってから再チャレンジし、ついに合格。
語彙問題部分の正答率の伸びは、前述のとおりです。そう、たかが語彙、されど語彙。単語学習を今度こそなおざりにせず取り組んだのは、やはり正解だったのです。
そして、iKnow!を活用していなければ、おそらく「でる順パス単」は今も本棚に眠ったままで、合格は実現していなかったと思います。
iKnow!復習コース+多読+多聴でがっちり定着

さて、iKnow!だけでも英単語はかなり定着しますが、実際に使われている英語の中で学習した単語に触れることが、定着には非常に重要なカギとなります。
「英検1級の単語なんてネイティブでもあまり使わないよ」なんて言葉を聞かれたことがあるかもしれませんが、これは単に「日常会話ではあまり使わない」の誤り。
日頃海外ニュースや洋書に触れていれば、「でる順パス単英検1級」に出てくる語彙は実際にばんばん使われていることに気づきます。
つまり、「あ、これ、iKnow!でやった単語だ!!」という、某通信教育の漫画の一コマのようなことが実際に多発してくるのです。
すると、海外ニュースや洋書といった生の英語に触れることが面白くなってきます。こうなるとしめたもの。
単語学習も、海外ニュースのヒアリングも、洋書の多読も、「やらなくちゃ」ではなく「やっていて面白い」ものになってくるので、継続しやすくなり、どんどん語彙が定着していくのです。
まとめ―自分にとって続けやすいかどうか見極めよう

さて、最後に気になるお値段について触れておきます。2022年3月時点で、iKnow!の月額利用料は1か月プラン が月1,510円 (税込) 、12か月プランが9,530円 (税込/ひと月あたり794円)。
これを高いとみるか、安いと見るかは、皆さんのアプリとの相性や好みに依ると思いますので、一概には言えません。
ちなみに、私がiKnow!での単語学習を始めてから英検1級の一次試験に合格するまでが、おおよそ7か月。
これは、「でる順パス単英検1級」の2,100単語(熟語は除きました)を、一日10個単語登録していった場合にかかる期間ともほぼ一致しています(2100÷10=210日。210日÷30日(約1か月)=7か月)。
実際には、忙しくて登録できなかった日があったり、週末にまとめて登録したりとばらつきはありましたが、おおよそ計画通りで目標を達成したことになります。
ここからかかった費用を積算すると、7か月×1,500円=10,500円。
実際には、今はもう廃止されてしまった「ライフタイムプラン」という生涯利用可能なプランを使っていたので、月額料金を意識することはなかったのですが、今ならば12か月プランがお得ですね。
3年間「でる順パス単」を寝かせていたことを思えば、非常に良い投資だったと思っています。
ちなみに私は英検対策として「でる順パス単」にこだわったので、カスタムコースの利用というやや手間のかかることをしました(単語登録をする時点からインプットになったので、個人的には無駄ではなかったと思っています)が、iKnow!には、先にご紹介したとり既存のコースも各種充実しています。最初から使いたい学習コースがある場合は、さらにお得だと思います。
また、DMM英会話利用者の皆さんはなんとiKnow!が無料で利用できます。これを利用しない手はありません。ぜひiKnow!の自分に合うコースをチェックしてみてください。


以上、いろいろと私の経験談も含めてご紹介しましたが、単語学習アプリで一番大事なのは「自分に合うかどうか」そして「続けられるか」。
そう、単語学習は長期戦。ウサギとカメではありませんが、「勢い」「一夜漬け」で頑張る、という戦略は、長期的には「ちょっとずつ長~く続ける」という戦略に負けがちです。
ここでご紹介したポイントを参考に、自分にぴったりな、長く続けられる英単語の学習習慣を考えてみてくださいね。




