



外資系企業の就職面接を受ける方、おめでとうございます。
厳しい書類選考の道を通り抜け、面接まで呼ばれたということは内定はもうすぐそこ!!
ただし面接の準備はどのようにすれば良いのか、外資系企業の面接はどのような感じなのか、さらに全て英語でとなると不安になってしまうかもしれない。
筆者は英国の大学院卒業後は数々の現地企業の面接を受け現地で働いてきた。
その筆者が毎回面接の前に行っている面接対策をまとめたのでこれから英語での面接に及ぶ読者様の参考になればとても嬉しく思います。
著者について:コロンビアコーヒー
初めまして。現在イギリス、オックスフォードに在住中のコロンビアコーヒーです。日本の大学&大学院理学部を卒業後、博士課程に進むべくオックスフォード大学に入学し、その後卒業。現地就職をし、イギリスと日本で職務経験を積みました。 その後、脱サラしロンドンの大学院に通った後、イギリスの政府機関に就職しました。在英歴は今年で11年目。イギリスの大学院出願、大学院生活、就職活動、については結構経験を積んできました。現在は2児の母で産休中。来年からフルタイムで仕事復帰予定です。
企業や面接官について調べる:相手に合わせた回答を

面接官の下調べ
面接官がどんな人なのかを知る
企業面接の案内が送られたら、まずすることは、自分の受ける企業のこと、特に面接官のことをググっておこう。
大抵人事担当者から面接案内のメールが送られ、そのメール上に面接官の名前が載っていることが多い。または、ベンチャー企業などの場合は自分の上司となる人から面接の連絡が来ることがある。
大体linkedin、論文、何らかの記事、Twitter、で面接官の情報は得られる。
面接官の経歴、職歴、学歴を見ると自分より年上か、似たような経歴なのか、相手がゴリゴリのサラリーマンか、または転職を沢山してきた人か、海外経験が長いかどうか、などが分かると思う。
相手がどんな人間かある程度知っておくと面接に対する心構えが変わる。
知っている相手と知らない相手だと知っている相手に対して話をするほうがリラックスをして色々と話ができると思う。
それと同じで相手の経歴を少しでも掴んでいるほうが精神的にも余裕を持つことが出来るはずだ。
筆者の場合、一番最近受けた企業面接で面接官が全員女性で何となく自分と同世代と事前に知ったことで事前に安堵感を覚えたことがある(ちなみに筆者は女)。
面接官の記事、論文などは目を通しておく。
面接官が受けたインタビューの記事、面接官の書いたコラム、論文、卒業論文のタイトル、学会発表抄録など近年インターネットで調べると、面接官の仕事について様々な資料を得ることが出来る。
面接の前にはそれらに目を通しておこう。なんとなくざっと読むことで面接官の仕事の意義や倫理、何の分野に強いのか、専門分野は何か、現場によく出ている人か、など何となく掴むことが出来ると思う。
面接官のタイプに合わせた回答を。(相手はアカデミア?自分より若い?同じ出身大学?)
ここまでやって面接官の情報はなんとなく分かった。そこで重要なのはなるべくメインの面接官の経歴に合わせて面接では話をすることである。
例えば面接官が大学を卒業してから新卒採用されずっとその道1本の営業マンであったのに対し、自分は大学院に数年通い社会経験は少ないが大学院での研究経験は長い場合。
面接官に研究の話をどれだけ頑張って話をしても、面接官からしたら無縁の世界であるから心に響かない。
一方で面接官と似た経歴がある場合、例えば同じ国で仕事、または留学をしたことがある、お互い理系、などの共通点がある場合はポイントが高いので自信を持ってその内容について話すと良いかもしれない。要は相手に親近感を持ってもらうことだ。
筆者が英国で初めて採用された仕事は、当時数年間の社会経験を必須としていた。筆者は新卒だったので面接には呼ばれないだろうと思っていたが、意外にも面接に呼ばれた。
筆者は会社の社長のことを事前に調べており、偶然にも社長が面接官の一人であった。面接では社長の出身大学院と同じであること、社長の卒論にも言及し、いかに卒論を書くのがしんどいかなど雑談程度だが話をした。
意外にその話で盛り上がり共通のテーマを持ったことで親近感は持ってもらえたと思う。筆者はその面接に合格した。
短時間でも社長と楽しく話をできたことで合格に近づけたのではないかと思っている。
企業の下調べ
当然のことであるが、自分が受ける企業が掲げている社会における使命やValueについてはしっかりと調べ、頭に入れておくこと。
各企業が抱えているValueは、世間に対して、
うちの企業はこのようなことして社会貢献してます。このようなことをして社員一人ひとりが充実した毎日を送れるように努めています。このような取り組みをして社員が成長できるようにしています
と、提示し、いかにその企業が社員を大切にし、かつ社会に貢献しているかアピールしているものである。
筆者が一番最近受けた機関のValueは、”職員を互いに尊重しオープンに話が出来、互いに切磋琢磨しながら共通のゴール(イギリス国民の健康を守る)を果たしましょう”というようなものであった。
面接前には、自分がどのようにその使命を果たすことができるか、自分はそのValueについてどう思うか、話せるように準備しておくことが大切である。
企業の下調べで得た内容は、” Do you know our company’s value” や” Why do you want to work for us” 系の質問に対して対応できる。
仕事内容を調べる:理解する姿勢をアピール

職務内容についてはある程度理解して面接を受けるようにしよう。
これは仕事によって面接の段階でどこまで理解できる内容かは様々であるし、場合によっては情報を得ることが難しい場合もある。
従って完璧に職務内容を把握することは場合によっては難しいが、出来る限りの準備や下調べはしておこう。
例えば、筆者の場合検査キットの製造販売会社で勤めていたことがあり、筆者は製品サポートの仕事をしていた。製品サポート部門を受ける候補者には必ず検査キットの使い方について面接で質問していた。
驚くことに回答できない人がかなり多く、いかに下調べをしてないことが丸わかりであった。
会社のウェブサイトを見ると”製品情報”の箇所があるので製品についてある程度事前に勉強することができる。
また自分が受ける職務内容について英語で回答するので専門用語や新しい単語、表現方法について調べたり暗記する必要性もある。
従って可能な限り下調べをしっかりとして英語で確実に話せるようにしておこう。
ここで注意点だが、自分が携わる仕事内容を完璧に理解する必要はない。
なぜならば詳しい仕事の内容は実際に採用されてから教育されるし、採用前に限られた情報のみで多くを理解することは不可能である。
大切なことは出来る限り理解しようとし、その姿勢を面接で出すことが出来ればベストである。
外資系の英語面接でよく聞かれる質問3選と回答のコツ

頻出質問① Tell me about your self ?
面接の冒頭では、自己紹介を求められることが多い。場の緊張感をほぐすためにも有効な質問だが面接官に自分の印象を残せるかどうか非常に重要な質問である。
例えば筆者の場合、履歴書を見れば日本出身であることは面接官からすれば分かることだが、筆者は必ず自分が日本出身であることを冒頭に触れるようにしている。
これだけで自分が他の候補者とは違うことを面接官に意識してもらえる。
この手の質問では自分の職務経験についてまとめて答えることが求められている。どの仕事の経験でも語っていいが、必ず応募されている仕事内容と自分のこれまでの職務経験内容を関連付けて話すこと。
例えば筆者の場合、日本の大学機関等とやり取りをする仕事の面接を受けたことがある。
過去の仕事で日本の大学機関のキーオピニオンリーダーと数々の仕事をしてきたので、たとえその経験が数年前のことでも必ず話すようにした。
また、筆者はキャリアチェンジをしたかったので数年間社会人を経験した後、大学院に行った過去を持つ。
従って、なぜ脱サラをして大学院に行ったかということも話すようにしている。もし応募した仕事が大学院で学んだことと関わるようであれば大学院で学んだことも数点加えて話すことがいいだろう。
最後に軽くプライベートについて話すことも忘れずに。筆者は大学院在学中に妊娠出産し、子供がいる話に簡単に触れている。軽く趣味などについて触れておくと場が和んで次の質問に対してリラックスして臨める。
頻出質問② Tell me about your experience in ・・・
この手の質問は新しく受けている仕事と過去の職務経験が似ている場合に聞かれることが多い。
特に転職をする場合は、即戦力を求めているので過去の職務経験を採用側は重視している。
従って企業側が求める人材をしっかり理解したうえで自分の過去の経験がいかに求めている人材とマッチしているか意識して話すようにしよう。
頻出質問③ Where do you see yourself in five years? Ten years?
数年後の(短期的・長期的な)キャリアの展望・目標についてもよく聞かれる。
回答については現実的であれば問題がない。また将来的に必ずしも同じ機関で働いている前提で話す必要はないし業界が変わっていても良い。
候補者の人間となりや、何か長期的な目的がある人間なのかを見ようとしている質問なのでよっぽど見当違いな回答でない限り、のびのびとした気持ちで回答をして良いと思う。
逆質問で本気をアピール!面接官への質問例

面接の最後では必ず質問をする、逆面接するくらいの勢いで。
筆者も今まで面接官として面接をしたことがあるが、この最後の面接で候補者が本気でこの面接に挑しているかどうか分かる。ここで面接官に質問が無いのは絶対にいけない。問題外だ。
質問がない場合はその仕事、企業、面接官に対して興味を持っていないことを示しているようなものだ。
候補者からしても、もし受かれば目の前にいる面接官と仕事をするわけであるので、相手がどんな人間なのか知るチャンスである。
また受けている企業が実はブラックであるか、面接官たちが楽しそうに仕事をしているのか、将来的にポテンシャルのある仕事なのか、等様々な重要点を見極めるためにも自ら沢山質問をしよう。
面接官への質問例
筆者は面接官によく以下のような質問をしている。
- もし採用された場合、どのようなスキルを身につけたほうが良いのか
- 仕事を始める前には何を準備するべきか
- どのような時に仕事が大変か
- チームメンバーは何人なのか
- 在宅勤務は可能か
- 面接官がこの仕事をしていてやりがいを感じるときはどのような時か
- 一日のスケジュールは大体どのような感じなのか
一番上2つは実際職務が開始した場合にスムーズにスタートをするためにも重要だが候補者がやる気があるかどうかが伝わる質問でもある。
聞きたいことは最後の質問で沢山聞くようにしている。
面接で合格するためはもちろん、自分が楽しく働けるためにも重要だと思うことは確認しておこう。
外資系の英語面接の練習はYouTubeを活用しよう

英語面接の質問・回答例を動画で確認!暗記するまで何度も練習しよう
インターネットで「Job interview question」と検索すると面接の質問リストと回答の例文が大量に出てくる。
例:(https://careersidekick.com/what-to-say-in-a-job-interview-questions-and-answers/)。
これらの質問リストは例え自分と無関係だと思っても必ず目を通して回答を準備すること。
大抵これらの質問リストにはHow to Answerと、回答例もついている。回答例を見てフレーズを暗記するまでしよう。
筆者はYouTubeを使って実際の面接をイメージしながら面接の練習をするようにしている。
面接のスピード感が掴めるし英語の練習にもなる。動画上の面接官が質問をしたら一旦動画を止め自分で回答をしてみる。
即回答が思いつかない場合は回答例を確認してみたり自分なりの回答を考えて英文で用意しよう。これらのステップを何度も繰り返し様々な動画で練習すると段々慣れてきて自信もついてくる。
また筆者は鏡を見ながら練習することで人に見られている感覚で話すことに慣れるようにしている。

仕事に特化した動画も確認して回答例は使わせてもらう
仕事に特化した質問の準備をする場合も動画で準備をしよう。筆者の一番最近受けた面接はイギリスの公務員的な仕事で今までとは全く異なる業界であった。
YouTubeで「Civil servant. Interview」と検索をかけたら公務員の仕事について紹介しているYouTuberがおり、彼の動画の中に幸運なことに面接対策の動画もあった。
彼の面接対策の動画を何度も見てある程度質問の内容について慣れた後、回答例も確認する。彼が紹介した面接の質問内容は今までの企業面接と多少異なり、質問例に対して回答が思いつかない質問も多かった。
こうなったらもうYouTuberが紹介している回答例を頂いてしまえ、ということで彼の回答例を暗記しておいた。
YouTuberの彼と筆者の受けた職場や職務は全く共通点はなかったが、なんと筆者が面接を受けた際、動画に紹介された質問が投げかけられた。
おそらく全機関で共通した質問リストがあるのだろう。充分準備し暗記しておいたおかげで当日はすらすらと余裕をもって答えることが出来た。
How to 本も使って練習を重ねよう
英語での企業面接で内定を勝ち取るには、練習が全てであろう。
筆者が初めて就職活動をし企業面接の案内が来た際は、図書館で企業面接How to 本を数冊借り(当時はYoutubeの存在を知らなかった)、毎日一定の時間は面接準備用に時間を費やした。
筆者が使った本は以下のとおりである。
- The Interview Book: Your definitive guide to the perfect interview technique by James Innes
- Ultimate Interview: Make a Great Impression and Get That Job (Ultimate Series) by Lynn Williams
- Job Interviews: Top Answers to Tough Questions by John Lees
なんせ初めての企業面接、しかも英国、そして英語でだ。日本のようにヨーイドンとみんなが同じ時期に一斉に就職活動をし、面接の説明会などが大学で実施されるわけではない。
英国では就職活動は完全に個人プレイなので、誰かに教えてもらえることはない。
従って、とにかく面接How to 本に書いてある質問について自分なりに回答を考え、回答の例文と見比べ、そして自分の回答を準備した。
沢山の質問に慣れていくと、表現が異なるだけで同じ回答を使いまわせることに気が付く。回答例も確認し、より良い英語の表現方法やフレーズがあれば自分の回答に取り込む。
とにかく練習を何度もすることで、だんだんと暗記するようになりスラスラ話せるようになる。
暗記出来るほど話せるようになると、当日どれだけ緊張して頭が回らない瞬間があっても口が動いてくれる。従って英語での企業面接は練習量が決め手である。
自分の英語力に不安になりすぎない

英語が多少誤って話しても問題ない
正直言って完璧な英語でインパクトのない話をするより、多少英語に誤りがあっても面白味がある候補者のほうが面接官から好かれるだろう。
面接官は限られた時間の中で数々の候補者と話すわけである。面白くて一生懸命に話す候補者のほうが好印象で印象深いはずである。
また候補者がやたらゆっくり丁寧に英語で話していると時間内に面接が終わらず”ゆっくりな人”のレッテルを貼られてしまう。
従って自分の英語力に自信がなくても気にしないでほしい。
自分の今までの経験や、スキルについて活き活きと話すと自分に自信があり前向きな人間に映るはずである。
正々堂々と面接に臨み、多少英語を間違えても毎回訂正したりパニックになる必要はない。
相手の英語が聞き取れない、質問の意味がわからない場合は?
筆者は今まで数々の面接を受けてきたが、面接官のアクセントが強すぎて聞き取れないことや言っている意味がいまいち分からなかったことがある。
そういう時は無理して回答する必要は全くない。正々堂々と聞き直すこと。
さすがに聞き直しすぎて気まずくなった場合は自分が正しく理解しているか質問する。例えば筆者はAm I correct to understand that your question means・・・?”と聞くようにしている。
国際社会の現在、英語が母国語でない人間が英語で仕事をすることは普通である。こちらは一生懸命英語で話しているわけだ。
それを理解せずネイティブでないことを馬鹿にするような面接官や企業は社会的にアウトになることは面接官自身よく分かっているはずである。
きちんと聞き直すことで、面接官が残りの質問も解り易いように話してくれたり聞き取りやすい英語で話すよう努めてくれることがある。分かったふりをして頓珍漢な回答をするよりずっとましである。
外資系の英語面接当日の心構え

笑顔と真摯な姿勢が大事
面接当日に初めて面接官と会う瞬間、必ず笑顔で挨拶して握手をしよう。面接中は面接官の目をしっかり見て相手が話し終わるまで待ってから回答をしよう。
外資系企業の場合、面接における服装などはあまり厳しくなく、欧米諸国では各自、割とリラックスした恰好で面接を受けに来る。
日本では当たり前のことかもしれないが欧米諸国はそれほど身だしなみについては厳しくない。
それでも筆者は面接を受ける際は、身だしなみに気を付けてスーツを着て面接を受けるようにしている。面接中も時折笑顔で頷いたり、アイコンタクトして好印象を残すようにしよう。
自分のベストな姿を相手に見てもらえるよう、そして真剣にこの面接に挑んでいることが伝わるよう意識することが大切である。
緊張しすぎて自分を出せなかったら?
当日緊張して上手く話せない、頭が真っ白になる、集中できない、など色々な思いがけないトラブルが起こってしまうであろう。
これは仕方がないし面接官も候補者が緊張していることは十分わかっているはずである。ただ、時々あまりに緊張していると、ちぐはぐな英語で話してしまったり、いつも以上に話せなくなったこともある。
そういう場合は英語が話せない人間、と誤解されたくないので素直に自分が緊張していることを伝えよう。
I am very nervous. Can I have a glass of water? と伝え、1,2分休息をとることを勧める。ほんの数分程度では問題はない。
焦って空回りをするより素直に緊張している旨伝え頭をすっきりしてから再度回答するよう心を落ち着けよう。
まとめ
以上が外資系企業面接を受けるにあたり、お勧めする面接対策である。
面接では緊張して当たり前である。ただその緊張に打ち勝ち、どのように面接の流れを自分のものにするかは、準備にかけた時間と質次第であろう。
たくさんの面接質問例に目を通ししっかりと英語で回答できるよう練習しよう。十分準備すると自然と自信がつき、堂々と面接に臨めるはすである。




