知ってる英語が通じない!?和製英語(カタカナ言葉)の罠 

ねこ君
日本語って便利!英語から来てる言葉も多いし、意外と英単語も覚えやすい!
外国人
Hi, what is your job?
ねこ君
えっと・・アイ、アム・・ア、サラリーマン!!
外国人
salary man・・??

にゃんこ先生
日本にたくさんある、いかにも英語から来たようなカタカナ言葉だけど、これって実際には使われないようなものも多いんだよ。
にゃんこ先生
サラリーマン、バイト、パソコンなど・・英語をとっさに使おうとすると間違えやすい和製英語も多い。
にゃんこ先生
和製英語かどうかの判断は難しいことが多いけど、英語を学習する上で頭の片隅に入れておくと、将来役に立つはずだ。

 

この記事の著者: Tempest

  •  横浜在住、40歳台前半の男性
  •  米国でMBAを取得、専攻は金融
  •  投資銀行マン等を経て、財務・法務系の翻訳家として独立(言語は英語・タイ語)
  •  Tempestの英語学習の記録

和製英語の罠

いわゆる「和製英語」(英語っぽいカタカナ語だが、日本でのみ通用して本場の英米では通用しないもの)というものは無数に存在します。外来語をカタカナで導入するのは構いませんが、「何故そのまま持って来ず、わざわざ別のものを充てるのか」という点が非常にイライラさせられます。

 

クレーム

例えば、顧客の文句を示す「クレーム」は、英語では<complaint>であり、<claim>ではありません(法律や保険の含みを持ってしまいます)。要求する、から来ていて「気持ちは分かる」のですが、最初から「コンプレイント」にしておけ、という感じです。どうしても日本語で「クレーム」というイメージが強いのでつい使いそうになり面倒です。

 

ガードマン

私が最近感じた他の例を挙げてみます。私は脱サラ後フリーで翻訳家をしておりますが、「こいつはもしかして和製英語では??」と疑念が生じわざわざ調べなくてはいけない、といったことが多々あります(やはりそうか、という時と、英語でもそう言う、という時があります)。

 

先週「警備員」を訳そうとして一瞬、<guard man>が頭をよぎり、いやいやそいつは和製英語で<security guard>だと思い直したものです。

「ガードマン」は昭和の警備員にまつわるドラマのタイトルで、撮影に協力した警備業の老舗セコムの創業者が案出したものだそうです。このように和製英語が出来る経緯は色々あります。

 

メリット・デメリット

さらに厄介なのは、「英語でもそれで通じるがあまりそうは言わない」もの(半和製英語)もかなりあるという点です。

例えば、日本語では「メリット・デメリット」とよく言いますが、英語では<merits and demerits>とはあまり言わず(通じますが)、<advantages and disadvantages>あるいは<strengths and weaknesses>などが普通です。逆に、高校の教科書などを読んでいて文法的には正しくても<merits and demerits>と見ると恐らく日本人が書いた英文だろうな、と推測出来たりします。

 

以下、MBA留学中に(知ってはいたながら)意識した和製英語をいくつか挙げ、文法的な解説も少ししてみたいと思います。

 

MBAで気になった和製英語

カンニング・ペーパー

MBAのプログラムでは<academic integrity>(学業における規範・誠実さ)ということが口うるさく言われていました。聞いた感じはかっこいいですが、要するにズルはするな、ということです。

その最たるものがいわゆる「カンペ」です。万一見つかるとその教科は自動的に「F」(不可)が付き、GPAを引き下げすぐ放校になります。私はそれが怖いのでやりませんでしたが、かなり多くの学生がやっていました。逆に勇気がある、と言いますか・・・。

 

さて日本語のカンニング・ペーパーは和製英語で、英語で正しくは<cheating paper>です。<cunning paper>では通じません。<cunning>は「ずるい」という意味の形容詞で、また何故わざわざこういうマイナーで難しい単語を持ち出してきたのか、と頭が痛くなります。

なお<cunning>は<n>が二つあるので「カンニング」とカタカナを充てていますが、実際の発音的には「カニング」の方が近いです。

 

ちなみに<cheating paper>の米口語は「チー・チー」と言う、ということも留学中知りました(余計なことばかり習得して帰って来ています)。スペルは不明です・・・。

 

文法あれこれ

さて以下本題ですが、<cunning paper>は「文法的にも間違っている」(あり得ない)ということをご解説したいと思います(やや話が細かくなります)。

 

まず一般に、動詞に<ing>がついて名詞の前に来ると、

#1 ~している・する・・・

#2 ~するための・・・

のいずれかとなります。1の方が本流で、2はあまりよろしくナイと英国ではされています。

 

#1の例としては、<running dog>などで「走っている犬」です。

#2 の例としては、<waiting room>などで「待合室(待つための部屋)」です。他には<playing ground>など。

 

さて<waiting room>を例に取って解釈を考えてみます。形だけからすると#1と#2の両方の解釈が可能です。

#1 だとすると、<a room that is waiting>(待っている部屋)となり、本来意思の無い部屋が何かを待っている、というお化け屋敷モードになってしまいます(そうも使えますが一般にはあり得ません)。なので常識的に#2で、<a room for you to wait in>(待つための部屋)、つまり待合室になります。

 

ここでカンニング・ペーパーの例に戻ります。<cheat>は<wait>と同じく動詞で、「ずるをする」です。すると、<cheating paper>は#1 だと意思を持つ魔法の紙、「ずるをする紙」となりあり得ず、#2の「ずるをするための紙」としか一般には解釈出来ません。

一方<cunning>は「ずるい」という形容詞です。ここがややこしい所ですが、<ing>が付いているながら動詞から派生したものではなく(<cun>という語は存在しません)、「そのままで元々形容詞」の単語です。すると、<cunning paper>は「ずるをする紙」としか解釈出来ず、(ハリーポッターの世界以外では)間違いとなります。

 

サラリーマン

MBAの頃はよく「来る前の職業は何だ」とお互いに聞いていたものです。

MBAなんだから会社員に決まってるだろう、と日本人は思いがちですが、アメリカ人は会社員以外の前歴も多々あります。特に民間にキャリアを転じる決意をした「軍人」にかなりありました。アメリカでは元軍人は、規律があるということでビジネス・政治界でもウェルカムのようです。

その他、超優秀でフルタイムの職務経験無しで大学から直で来ている、という人も稀にありました(大学時代オールA+ぐらいのGPAで)。実家で働いていた、すでに独立している、というケースもあります。

 

さて私などが「職業は何だ」と聞かれると脳裏には真っ先に「サラリーマン」という言葉が思い浮かびます。ご存知の通りこれは和製英語で、会社員(男性)の英語は<businessman>です。

仮に言っても<salaried man>だそうです。なおこの場合、<salary>という語が「他動詞」として扱われており、サラリーを与えられている人、みたいな感じです。実際には日本の会社員を表現するのに「高名」な<salary man>を正すために出来たような語で、ほとんど使われません。

 

当時、どうも自分を評すると<salary man>で<businessman>ではないんだなぁ(ニュアンスが少し違う)・・・と感じていました。

和製英語ではありますが、「高名」なので(あるいは悪名高い)<salary man>は英米でも認識されており、英文の中で日本のビジネス界を評する(風刺する)のにそのまま使われる場合も散見されます。

 

ホームステイ

英語の中でも<homestay>とは普通に見かけるので知りませんでしたが、実は元々和製英語で、いつしか正しい英語になったものらしいです。日本発の慣習で、英語に憧れる非英米圏(主にアジア)にも広がり、ホスト側の英米もそれを(正しい単語として)受け入れるようになった、という経緯が汲み取れます。

MBA時代、いわゆる「ホームステイ + 語学留学」をしている日本人に何人か現地で出会いました。こちらが血の涙を流しながら放校にならないようGPAを追い求めている一方、楽しそうにされていて羨ましいと思ったものです。英語「を」勉強するのと、英語「で」勉強するのとの違いです(良し悪しは別に)。

 

他国の例

他のアジアの国・言語にも英語が外来語で多く入り込んでいるだろうとは思います。一つ、私はタイ語の翻訳も手掛けておりかなり同言語については詳しいですが、英語からそのまま取り入れられている(ある種カタカナのように書く)単語が多数あり、数量的には日本語以上のものがあります。

ここで、和製英語ならぬ「タイ製英語」も存在し、例えばタイ語で<fan>というと「恋人・配偶者」という意味になります。「ファンだから」、「ファンつながり」、ということでしょうが、元来の英語ではそのまま「ファン」で彼女・奥さん、彼氏・旦那という含意はありません。

但し、「タイ製」の割合は「和製」よりはるかに少なく、素直にそのまま取り入れているケースの方が圧倒的に多いです。この点、英語を学ぶタイ人はそれに惑わされるケースが少ない、ということになります(羨ましいことに)。

 

まとめ

元の英語の単語をそのままカタカナにすればいいのに何故か見当違いの語を充てて生み出されて来た「和製英語」達。カンニング・ペーパーなどは「それっぽい」ので特に凶悪です。誤解の元になり兼ねません。実に面倒ですが。

本稿は和製英語の網羅的なご紹介ではありませんが、「和製英語」とネットで調べると紹介サイトが無数に出て来ます。それらをお時間のある時に参照頂いたり、あるいは疑わしい時は都度調べて頂いて、英語を学ぶ・使う際は「和製英語のトラップに注意」という点を頭の片隅に置いておいて頂けると幸いです。

 

にゃんこ先生
質問、要望、ツッコミ、おすすめ勉強法、なんでも遠慮せずにコメントしてね。閲覧者同士でのコミュニケーションも大歓迎だよ。
にゃんこ先生
読んでくれてありがと。FacebookTwitterから、最新情報を受け取る事が可能だよ。シェアもよろしくね。
 

コメントを残す

名前、メールアドレスの入力は任意です。メールアドレスが公開されることはありません。