MBA留学経験者が語る、「真の」英語学習法とは?四技能編

ねこ君
はー、英語できるようにしたいなぁ。英語できるようになった人ってどうやって勉強してたんだろ?
ねこ君
良くわかんないから、毎日聞き流すだけで話せるようになるなんとかラーニングでもやってみようかなぁ。。
にゃんこ先生
そういう質問は、実際に英語をできるようにした人に聞くのが一番だよね。
ねこ君
そうだけど、身近に英語ぺらぺらの人なんていないし・・。いても帰国子女ぐらいで参考にならないよ。。
にゃんこ先生
だと思った。今日のゲストは、ちょっと年上のおじさん。海外経験なしから、約10年前にMBA留学を達成し、今は英語を使って仕事をしているんだ。
にゃんこ先生
そんな彼が考える「真の」英語学習法とは!?

 

この記事の著者: Tempest

  •  横浜在住、40歳台前半の男性
  •  米国でMBAを取得、専攻は金融
  •  投資銀行マン等を経て、財務・法務系の翻訳家として独立(言語は英語・タイ語)
  •  Tempestの英語学習の記録

初めに: 英語学習遍歴のご紹介

皆さん、初めまして! 横浜在住、40歳前半の中年男性です。

英語は小学校高学年の頃にスタートしてから、実に30年以上もほぼ毎日勉強している、或いは触っている(一番触ったのは悪夢のMBA時代です)のですが、まだ完璧からはほど遠く、良くて「5合目」ぐらいだろうか、と首を傾げながら止めてはイカンと続ける日々です。

漢語で言いますと、少年老いやすく学成り難し、「40にしてなお迷う」という感じでしょうか。実際時ばかりが経ってしまいましたが、以下簡単に私の英語学習歴をご紹介したいと思います:

 

# 揺籃期:

小学校5年の時親に「公文」に放り込まれて、文字通りabcの手習いから始めました。平仮名のローマ字表記と違い、スペルに規則性が無いのに大いに戸惑いました。ただこのお陰で中高の英語の成績はまずまずでした。

 

# 大学時代:

ESSに入りスピーチを専攻しました。初め発音が日本人発音でボロボロだったので苦労しましたが、卒業する頃にはましになりました。

ただ、スピーチと言っても用意した原稿を読み上げるだけなので、器用にコミュニケーションが出来るようになったかというとそうでもありません。一方、後述の英語の大家「松本道弘」氏の著作に出会い、個人で真剣に英語学習を開始。

 

# 20歳台後半:

一般企業に就職した後、企業奨学金(授業料の半額)を得てMBAを志します。GMATの点は苦労しながらもまずまず(600中盤)でしたが、大学の頃のGPAが中途半端(3.3)で、職務経験がやや足りないため入学許可が中々おりず苦労しました。

最後イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校という所(学校自体はエンジニアリングで超一流ですが、ビジネススクールは1.5流 = 全米トップ50にはいつもかろうじて引っ掛かっている程度)が拾ってくれて、オーラル面で非常に苦労しながらも辛うじて学位取得。

 

# 30歳台:

専攻が金融でしたので、颯爽と投資銀行マン(M&Aのアドバイザー)に転職し、ある程度実績も残しましたが、日々終電・休みは月2日の暮らしにストレスを覚え段々とノイローゼ気味になって行きました。一方で英語の勉強だけはコツコツと続けています。

 

# 40歳:

もう組織人はいい、とのことでフリーランスの翻訳家として独立(英語と、何故かタイ語)。産業翻訳家と呼ばれるもので、物語や映画ではなく政経法商に関する様々な文書(学術論文や財務諸表、契約書等)をチクチク訳す、というものです。

稼ぎはさほどでもありませんが、自由な日々です。少なくとも読み書きでは英語で稼げるぐらいのレベルにはなりました。

 

学問に王道無し

さてやや陳腐ですが、「学問に王道無し」或いは「継続は力なり」とは言います。

昭和の時代から長く所謂「英会話学校」或いはスピードラーニングのような速成教材がもてはやされて来ており、「楽してすぐにペラペラ」を謳っております。天才ならともかく、私を初めバイリンガルでもなく才能も無い人間が、たかだか週に1, 2回英会話学校に通って1時間ほど外国人とおしゃべりをするだけでそんなにペラペラになれるものでしょうか?

程度の問題であり、簡単な日常会話や旅行会話はじきに出来るようになると思いますが、その程度ではMBAのクラスでネイティブを相手に高度な論戦を張るレベルには遠く及びません。イーオンのマスコットガール、石原さとみは個人的に好きですが・・・。

 

さて昭和の英語教育の大家に「松本道弘」氏という方がありご存知の方も多いかと思いますが、「TIMEを読む」「FENを聞く」等の新書がベストセラーになりました。

これは前段落の高いお金さえ払えば楽して短期に上達! という安易な考えに真っ向から反対するもので、お金は掛からないが最難関の教材に挑戦(平成語でいうと「ガチに勉強」)し、長く粘り強く続けて本物になる、というものです。

表題で学習内容或いはレベルは想像に難くないかと存じます。

 

英語の四技能

英語に限りませんが、外国語学習においては所謂四技能「読む・聞く・書く・話す」ということが言われます。最初の二つが「インプット」に関わるもので、後ろの二つが「アウトプット」です。どれが一番重要ということはなく、バランスが大切なのは言うまでもありません。

ただ、一番華やか、或いは一般に最終目標と考えられているのは最後の「話す」です(英会話学校が売れるのはコレです)。一方で、一番地味で忌避されるのは「読む」ですが、実はこれが学習上の基盤としては最も重要です。

 

さて松本氏は「英語は基本独りで勉強するもの(英会話学校など行くな)」と提唱しており、また「読めれば聞ける、読めれば書ける、読めて聞けて書ければ(自然と)話せる」という趣旨のことを主張しています。

なので、本場の手強いもの(TIME)をまず読み(基盤)、手強いもの(FEN = 極東に配置されている米国兵士向けのラジオ放送)を聞き、日記を英語で日々付ける苦行に挑めと言っています。私も以下のようにこれを真似して実践して来ました。

 

各論: 私の実践した・している英語学習方法

基礎: 文法と語彙

さて、「TIMEを読む」とはカッコいいなと思った当時大学2年生のミーハーな私は、早速新宿の紀伊国屋に行って買い求めました。が、全く歯が立ちません(読めません)。そこで、一旦TIMEは措いて、基礎から徹底的にやろうと思い立ちました。

 

文法

さて、まず英語学習で文法を精密に抑えることは非常に重要です。

文法など関係無い、度胸だ! などと言う向きもありますが、旅先で「腹減った、メシ食わせ」ぐらいを伝えるなら文法的にブロークンな英語でも構わないのでしょうが、MBAで「このような理由によりこちらの経営判断を支持する」などと論理的に記述する・発表する場合に文法(言語的な論理構造)がしっかりしていないと意図が正確に伝わらなくなります。

私がやったのは、高校時代にお世話になった「ロイヤル英文法」という分厚い文法書を一から徹底的にさらうというものでした。当時水色の装丁だったのを覚えています。良い文法指南書は昔から色々ありますが、こちらは今もあるはずでお勧めの一つです(ややイギリス英語寄りですが)。後年では、GMATの文法が(ネイティブ向けで)精密なので、苦労しましたがその際も磨かれました。

 

語彙

枠組みがしっかりした所で、次に詰める「弾丸」(語彙)です。英米人で教養のある人(大卒以上)の語彙数は概ね3万5千~5万と言われています。一方、英検1級を通るのに必要な語彙数は概ね1万~1万5千とのことです。ぎりぎり英検1級レベルですと、TIMEを読むのはつらいのでは(読めるが、辞書を片手にかなり頻繁に辞書を引かなくてはならない)? と思います。

「昔の語学学習者は辞書を丸覚えして、覚えたページは引きちぎって食べてしまった」みたいな逸話を思い出し、それをガチンコでやろうと思いました。但しお腹を壊すので「食べ」はしません。

私は「ライトハウス」と「ジーニアス」を2年ほど掛けて頭から例文含めて3回全て通読する(各々6万語ほど収納)という苦行をやり、全部は記憶していないでしょうが、これで語彙数はかなり膨れ上がりました。

 

 読む

さて上記の苦行の結果、大学4年になる頃にはTIMEがさほど辞書を使わずとも読めるようになっていました。

松本氏によると、内容面も英語表現面でも、上流のものを日々「大量」に読んでインプットするのが大切だと言っています。そうするとアウトプット面でも「勝手に溢れ出て来る」そうです(なお他の技能にいかに波及するかは以下に記述)。それでTIME。相性のせいか、私はNEWSWEEKの方が日々の友でした。TIMEよりはやや簡単、というレベルです。

今ではMBAで金融が専攻だったこともあり、金融市場の情報が中心のWSJ(Wall Street Journal)オンラインが日々の友です。購読しなくてもかなりの部分を読むことが出来ますので、興味のある方は以下:

https://www.wsj.com/asia

 

聞く

さて外国語学習の一つのメルクマール(4合目)として、辞書無しで新聞が読める / ニュースを聞いて分かる、というものがあります。英会話学校通学者ならペーパーバックと映画でしょうが、MBAピープルには前者です。

ここでニュースについて、速く読めると聞いてまず分かる、ということがあります。wpm (words per minute)という概念があり、1分で内容理解度を落とさずに新聞以上のレベルのものを何語読めるか、というものです。

 

ニュースはある種新聞記事を読み上げているようなもので、英語のニュースは概してかなり速いのですが、それでも150~200 wpmです。

すると音声面の難しさを考慮しても300 wpmぐらいでニューヨークタイムズなどの新聞やTIMEなりの高級紙が読みこなせれば、聞いてもまず分かる、ということになります。当時FENは手が出ませんでしたが・・・(200 wpm超で、NEWSWEEKを読む速度が150 wpm程度だったため)。

 

FENは無理でしたが、大学の頃NHKのラジオ講座でリスニングの練習をしていました。上級英会話(大杉先生)、ビジネス英語(杉田先生)などです。教材は数百円でスピードラーニングなどよりコスパも良く、テキストを見ながら聞くことが出来、大変勉強になりました。

今でも中学程度からレベル別に類するものがあるはずです。ただメディアとしてはオンライン主体のはずで、一方古い人間の自分は本当にラジオで聞いていました(笑)。

 

今でもNHKの英語ニュースを毎日聞いています(オンラインで無料。長年お世話になっています)。テキストがあるため2回聞くようにしてり、1回目はテキストを見ながら、2回目は見ずにという感じです:

http://www.nhk.or.jp/snsenglish/

 

書く

さて、以上のようなインプットの練習のみならず、アウトプットの練習もせねばなりません。それには日々英語で日記をつけるのが一番、とのことです。トピックは日常で思ったことや起きた事なり何でも。私も毎日ではありませんが、今でも時にこれをやります。

さて、先生・査読者が居なくても(誰にも添削してもらわなくても)いいのか? という疑問はあります。それは「TIMEを読んで自分でも書いてみる、を繰り返すと、自然に正しい英語が乗り移って補正されてくる」から居なくてもOKだそうです。なるほど・・・。そう言えば自分の英語の文体も及ばないながらWSJのものに自然と似てきています。

MBA時代にグレードを確保するために大量のペーパーを書かされた(文法的に正しく、内容面で論理的に、構成を簡潔に整然と!)のがジワジワ効いてる感じもします。

 

話す

再掲ですが、「読めれば聞ける、読めれば書ける、読めて聞けて書ければ(自然と)話せる」ので、特に練習しなくてもいいそうです。私も実は「さほど」英語を喋った経験はありませんが、いざ喋る時も勝手に大抵の事は口をついて出て来るのでそれほど苦労しません。

たまに大学の頃のバイリンガルの後輩とチャットを通じて英語で会話したりします(ある種のソレです)。

惜しむらくは、MBA時代クラスやグループワークで討議したり発表したりする以外、あまり英語で喋る機会(日常会話)が無かったことです。クラスが終わったらすぐ帰ってテキストを読んで、ペーパーをひたすら書くという生活だったためです。

 

終りに

バンカーを目指して意気揚々と乗り込んだMBAプログラムですが、その職業では一流になれず結局辞めてしまったので、一体あの苦労は何だったのだろう、という感懐があります。

ですが、翻訳家としてMBAで磨かれた英語で書く力、経済・ビジネスに関する内容面という点では間接的ながら役に立っています。MBAのために英語を勉強したのか、結果英語を勉強するためにMBAに行ったのか? これは後先に関するいい問題です。

いずれにしても、英語学習自体も、虎の穴のMBAも「学問に王道無し」。技能・見識は英会話学校のように金で購うものでなく、努力と時で購うものなのは確かです。

 

にゃんこ先生
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にゃんこ先生
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