



こんにちは。医師になり10年が過ぎました。長年の夢であった臨床留学を実現し、今アメリカで医療を行っています。こちらにきても英語は日々勉強であることを痛感しています。帰国子女でもなく、英語の勉強もそれほどして来なかったため、英語では大変苦労しました。苦労したからこそ、どのように克服していくか、みなさんの英語学習に役立つ情報を発信していけたら良いなと思っています。
目次
医療英語の勉強法―概論―

グローバル化にともない、日本でも外国人の患者さんに接することも多くなってきました。
また、道端で体調が悪くなったり、事故にあっている外国人がいて、たまたま通りかかった場合、最低限の会話ができたり、単語がわかるとこころ強いと思います。
一般的に難しいと思われがちな医療英語の勉強法について解説していきます。
医療英語、といっても基本的にはどのレベルをもとめるかで勉強法は変わってきますが、一般的な英語の学習と同じで、
- 絶対外せないphraseと単語を覚える
- 繰り返し自分で音読してみる
- 実際に使ってみる
というSTEPになります。
①はもちろん多ければ多いほど良いですが、これは最低限おぼえてあとは徐々に増やしていけばよいでしょう。
あとのChapterで、「絶対に覚えておくべきフレーズ20選」、でとりあげていますので参考にしてみてください。
教材については「おすすめ教材」で紹介していますのでこちらも参考にしてみてください。
職種別学習法ー何をどれだけやればよいのかー

医師の場合
求めるレベルはさまざまだと思います。外国人の患者さんが来た時に最低限コミュニケーションが取れるレベルから、USMLE(アメリカ医師国家試験)のStep2 CS、という実際の患者さんを医療面接する試験の合格を目指している人まで、求めるレベルはいろいろだと思います。
最低限のコミュニケーションをマスター
仕事で最低限の英会話が必要な場合、4章の最低限必要なフレーズを覚えてから、3章で紹介したおすすめ教材を使って、使えるフレーズのバリエーションを増やしていきましょう。ここまでがStep①ですね。
そして、Step②の繰り返し音読までは自分でやるしかありません。
何となく意味が分かるレベルから不自由なく使えるレベルに移行するにはこのStepが非常に大切ですので、ここはがんばりどきです。そして、日本にいると難しいのがStep③です。
実際の患者さんを医療面接
筆者は前述のUSMLEのStep2 CSを受験したので、英会話教室やオンライン英会話を利用してロールプレイをしました。
先生に患者さん役になってもらい、いつからどんな症状があるのか、既往歴や家族歴などのフレーズを詳細に聞けるようにするために繰り返しこの練習をしましょう。
リスニングの練習にもなります。特にオンライン英会話はおすすめです。比較的安くてクオリティの高いオンライン英会話を3章で紹介します。
看護師向け
看護師さんも医師ほどではないにしても問診を行うにあたって、仕事上ある程度英語力が求められると思います。
また、外国人の患者さんが来て、だれもしゃべれないときにコミュニケーションをとってくれる看護師さんがきたらこころ強いことでしょう。
患者さんは医師よりも看護師さんに身の回りの話をするので、医師よりもより一般英会話に近い練習も必要ですね。3章に紹介する教材とオンライン英会話で練習しましょう
その他の医療職
一般英会話プラス4章のフレーズを使えるようにするとよいでしょう。
おすすめ教材

看護師さん、コメディカル向け
あまり専門的すぎず、それでいてポイントをついており、看護師さんのみならず、コメディカルも最初に勉強すべき教材でしょう。
医師向け
初級編
CDで学ぶ 外国人患者が来ても困らない 外来診療のための英会話−CD2枚付
CD付きで、かつ対話形式で学べるので、初心者にはもってこいの教材だと思います。まずはこの本からスタートするのがよいでしょう。
上級編
これは先述のUSMLE、アメリカ医師国家試験受験対策本です。
様々なシチュエーションが記載されており、それぞれのシチュエーションで何を聞くべきなのか、また診断だけでなく、患者さんを安心させるコツやおこりだしてしまった患者さんへの対応法など、かなりバリエーションが高いです。
USMLE受験者にとっては必須の1冊ですが、かなりの良本なので、受験者でなくてもおすすめのテキストです。
番外編になりますが、もしUSMLEを受験する方は、USMLE forumというwebsiteにいくと、世界中のnon-nativeの医師たちがskypeで練習できる相手を探していますので、この教材を使って練習しあうとよいでしょう。
筆者はロシア人、ドイツ人、日本人、インド人とskypeで練習しました。
おすすめ英会話スクール

ベルリッツ

やはり質の高い英会話教室No1といっても過言ではないでしょう。筆者もだいぶ通いましたが、マンツーマンレッスンがおすすめです。
こちらの要望で何をやるかアレンジができるので、先生に患者さん役になってもらい、実際にface to faceで医療面接の練習ができるのが最大の利点です。
逆にオンライン英会話に比べると高い、というのが唯一の欠点です。
レアジョブ英会話

レアジョブは何といっても安いです。フィリピンの先生が多いですが、フィリピン人の英語はかなり聞き取りやすく、みんな講師は真面目で非常によいオンライン英会話だと思います。
フリーカンバセーションを選んで、医療面接の練習をしたい、といいましょう。筆者もよく使っていました。
ネイティブキャンプ

ネイティブキャンプも、レアジョブ同様、何といっても安いです。
フィリピンの先生が多いですが、ナイジェリア、カメルーンなどのアフリカの先生や、少ないですがアメリカやカナダの先生も見ます。これまた講師は真面目で非常によいオンライン英会話だと思います。
筆者は今はこちらを使っています。なぜかというと、あいている講師がいればしゃべり放題なんですね。
1回のレッスンは25分ですが、空いている先生がいれば次の25分もその次の25分もしゃべり続けられます。たくさんの練習をするには最適なオンライン英会話スクールでしょう。
ネイティブキャンプでもフリーカンバセーションを選んで、医療面接の練習をしたい、といいましょう。
絶対に覚えておくべきフレーズ15選

この章ではよく使う、かつ必ずおぼえておかなければならないフレーズを15個厳選しました。
医療英会話なのに、専門用語はそれほど使われていないことが分かります。まずはこのあたりからどんどん使って慣れていきましょう。
- 自己紹介
Good morning, Mr. Smith. I am Dr. XXX, a physician in this hospital. Nice to meet you.
- 今日はどうしましたか?
How can I help you today?
- もう少し詳しく話してください
Tell me more about it.
- いつからその症状がありますか?
When did it start?
- 症状はよくなっていますか?悪くなっていますか?
Is it getting better or worse?
- その症状はずっとありますか?それとも間欠的ですか?
Is it constant? Does it come and go?
- どのくらいの頻度で症状が出ますか?
How often does it happen?
- (もし間欠的な場合)1回の症状はどのくらい続きますか?
How long does it last?
- 何かすると症状が良くなりますか?または悪くなりますか?
Does anything make it worse/better?
- どこがいたみますか?
Can you show me exactly where it hurts? Please point with one finger where it hurts.
- 痛みの性状を教えてください
What is the pain like? Is it sharp or dull?
- 今まで大きな病気をしたことがありますか?
Have you had any major illnesses before?
- 何か薬は飲んでいますか?
Are you taking any medications?
- タバコは吸いますか?どのくらい吸いますか?
Do you smoke? How many packs a day?
- アレルギーはありますか?
Do you have any allergies?
- 家族で同様の症状の人はいますか?
Does anyone in your family have similar problems?
まとめ

医療英会話といってもだいぶ幅広いですが、やることは一般英会話と同じです。
- 単語やフレーズを覚える
- 音読する
- 実際に使ってみる
の3STEPです。
あとは上に書いた教材をつかって使える表現を少しずつ増やしていきつつ、英会話スクールでnativeに発音や使い方などを直していくことで自分のスタイルができてくるはずです。





学生時代に院生や外資系製薬会社や、他大学院、留学を目指して学んでいた同級または先輩がたの雄姿を、、、何十年後今いま思い出しこういった便利なツールを確認しておりました。
学生時代の参考書取っておいてよかった。(^^;そんな気分でしたありがとうございました。