





アメリカをはじめ、海外の大学で必ず行われるのがプレゼンテーションです。
多くの人の前で、自分の行ったプレジェクトなどについて発表するプレゼンテーションは、日本の中高ではあまり行う機会がないため、留学した際に緊張し、戸惑う方も多いようです。
一方、海外の人たちは、堂々とプレゼンテーションに取り組んでいるように見えますが、当然のことながら全員が最初からあのように行えるわけではありません。
中学生の頃から学校で練習を積んでいった結果、大学生になるころには多くの人がプレゼンテーションを上手に行えるようになっているのです。
今回は、アメリカの中学校に通っている娘が、実際に学校で教わっている、プレゼンテーションのときに意識すべきポイントについてご紹介していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
この記事の著者:MIZUKI
アメリカで中学生と小学生、2人の娘を育てているMIZUKIです。我が家は日本人家族で、夫も私も英語はあまり得意ではないですが、子どもたちはバイリンガルへと成長中!アメリカでの子育てや学校を通じて知った、さまざまな英語教育についての情報をお伝えできればと思っています。
英語のプレゼンは才能よりテクニック!

娘の通う中学校では、さまざまな授業で、自分が行ったプロジェクトについてのプレゼンテーションをする機会があります。
多くの場合、発表の内容とパワーポイントの完成度、そしてプレゼンテーションを総合して評価されますが、唯一英語の授業では、プレゼンテーションのみに特化して評価をされる機会があります。
今回は、このプレゼンテーションの評価内容について特に注目していきたいと思います。
プレゼンテーションは、以下の6項目について、それぞれ5点満点で評価され、その結果は成績に大きく影響します。
- Professional appearance(身だしなみ)
- Facial Expression(表情)
- Eye Contact(アイコンタクト)
- Posture(姿勢)
- Gestures(ジェスチャー)
- Movement(動き)
合格ラインは70%以上となるため、ほとんどの項目で4点以上を取る必要があります。
娘は緊張しやすいタイプのため、初めてのプレゼンテーションではかなり厳しい評価を受けましたが、その後回数を重ねるにしたがって、徐々に高い評価を得られるようになってきています。
それを見ていて思うのは、英語のスピーチに必要なのは、テクニックであるということです。
娘は、今も変わらず緊張しやすいですが、それでも、基本的なテクニックを用いることで、落ち着いて見せることができるようになってきています。
また、落ち着いて見せる行動につられて、気持ちのほうも落ち着くという相乗効果もあると、実感しているそうです。
プレゼンの評価項目:話し方とコツ
ここからはプレゼンテーションの評価項目について、どのような点が重要視されるのか、そしてどのように取り組んでいけばいいのかを詳しく説明していきます。
Professional appearance(身だしなみ)

最初に気を付けたいのは、身だしなみです。人前で発表するのにふさわしい格好であるのかを意識しましょう。
身だしなみを細かく確認
娘の学校は、決められた色のポロシャツとズボン、もしくはスカートを着用すること、という服装の規定があります。
その規定通りの格好をしたうえで、スピーチのときには以下のことを確認するそうです。
- ポロシャツのボタンは一番上まで留められているか
- ポロシャツの襟がきれいに折られているか
- ポロシャツの裾がズボンやスカートの中にきっちりと収まっているか
- ズボンやスカートの裾が曲がっていないか
上に挙げた項目以外にも、例えば普段羽織っているパーカーやカーディガンなどは、カジュアル感が出るため、プレゼンテーションの前には脱ぐようにしているそうです。
好印象を与えるように
きちんとした格好は、聞いている人たちに好印象を与え、良い評価にもつながりやすくなります。
発表者の見た目よりも、発表の内容の方が重要というのは当然ですが、それでも、発表者の与える印象がプレゼンテーションへの信頼度や興味を左右する可能性は十分にありえるからです。
また、身だしなみを整えることは、自分に自信や勇気も与えてくれます。
大学では特に服装について言われることはないかもしれませんが、ぜひ、プレゼンテーションにのぞむときには、小奇麗で好印象を与える服装を心がけましょう。
Facial Expression(表情)

発表をしながら、豊かな表情を作るというのは、緊張していると特に難しいものです。
しかし、どのように顔を動かせばいいのかということを知っていれば、行いやすくなるのではないでしょうか。
ずっと同じ表情をしない
プレゼンテーションのときに気を付けたいのが、ずっと同じ表情をし続けないということです。
無表情なのはもちろんよくありませんが、反対にずっと笑顔でいるというのも、よくありません。
話している内容などに合わせて、適度に表情を変えることを意識しましょう。
表情の作り方
プレゼンテーションは、基本的に真面目な顔で行い、そこに表情の変化をプラスしていきます。
学校では、大げさに表情を作るのではなく、ちょっとした変化で十分だと教わったそうです。
先生が挙げてくれたという例が以下の3つになります。
笑顔
英語のスピーチの中では、スパイスとして、軽い冗談や皮肉を入れることも求められます。
みんなを無理に笑わせる必要はありませんが、そのときに自分自身が笑顔を見せることで、場を和ませることにつながります。
目を見開く
特にポイントとなるような点を話すときには、目を見開くことで聞いている人の注目を引くことができます。
眉毛を上下に動かす
話しているときに、ときどき眉毛を上げ下げすると、それだけでも表情は豊かに見えるそうです。試してみてください。
Eye Contact(アイコンタクト)

プレゼンテーションを聞いている人たちとのアイコンタクトも、ぜひ積極的に取っていきましょう。
もちろん、一人一人とアイコンタクトを取るというのは不可能ですが、視線をしっかりと動かすことで、その場にいる人たちに向かって話していると、実感してもらうことはできます。
話しかけられているという意識は、より集中して聞こうという聴衆の気持ちも引き出してくれますよ。
視線を部屋全体に動かす
プレゼンテーションのときは、視線を部屋全体に動かす必要があります。
聴衆席の前から後ろまで、そして一番端に座っている方たちにも、しっかり視線を送るようにしてください。
スキャンするようにゆっくりと
視線を部屋全体に動かすと言っても、せわしなく動かしてしまうと落ち着きのない印象を与えてしまいます。
視線の動かし方としては、聴衆席を端からいくつかのエリアに分け、それぞれのエリアを順に目でゆっくりとスキャンしていくようなイメージで行うのが良いそうです。
ずっと聴衆席に視線を送り続ける必要はありませんが、プレゼンテーションを終えるまでには、すべてのエリアを見終わるように心がけましょう。
Posture(姿勢)

プレゼンテーションを行うときに、美しい姿勢を保っていると、それだけでもより堂々として見えます。
ここでは、娘やそのクラスメートが、先生に実際に注意されたポイントについてご紹介していきます。
背中を伸ばす
背中を伸ばすことは、良い姿勢の基本です。見た目が良くなるのはもちろんのこと、胸を張ることで発声しやすくなり、聞いている方たちに声をよりはっきりと届けることができるようになります。
足癖を出さない
緊張していると、立った姿勢で足をクロスさせたり、片足をブラブラとさせたりといった、足癖が出てしまう人も多いようです。
子どもっぽく見えてしまうため、そのような動きを自分がしていないか、気にかけるようにしましょう。
ゆらゆらしない
話しながら、上半身を左右にひねるようにしたり、前後に動かしたりしてゆらゆらとするのも、落ち着きがない印象を与えるため、避けたい動きの一つです。
体の軸を常にまっすぐに保つように意識すると、無駄な動きをおさえることができますよ。
背中の後ろで手を組まない
プレゼンテーションのとき、意外に行ってしまいがちなのが、背中の後ろで手を組むことだそうです。
自分にそのつもりがなくても、聞いている人に尊大な印象を与えるため、気を付けたいですね。
また、手はプレゼンテーションを行うときに、活用したい部位でもあるので、組んだりすることなく常に動かせる状態にしておきたいものです。
Gestures(ジェスチャー)

ジェスチャーは、日本人が苦手とするものの一つではないでしょうか。しかし、基本としては手を動かすだけなので、それほど難しいものではありません。
あとは、海外の学生たちがどのようなジェスチャーを行っているのかを観察し、できるものから取り入れていくと良いでしょう。
手の位置は胸と腰の間
プレゼンテーションをするときには、肘を軽く曲げ、手の位置を胸と腰の間くらいに保つようにします。
そうすると、手の動きが自然と出やすくなり、肩に力が入りすぎていない、落ち着いた印象を与えることができます。
言葉に合わせて手を動かす
手の動きには特に決まったものはありませんが、例えば疑問を投げかけるときには、聴衆のほうへ向けて両手を差し出したり、自分の意見を言うときには自分の胸のあたりに手をあてたりといったジェスチャーを取り入れると、より伝わりやすくなります。
それ以外のときには、体の前の空気をゆっくりと上下にかき混ぜるように手を動かすと、自然な感じに見えるのでおすすめですよ。
Movement(動き)

プレゼンテーションのときには、自分自身も移動しながら話しましょう。そうすることで、ここまでに挙げてきたアイコンタクトやジェスチャーなどが、より効果的に使えるようになります。
一か所に立ち続けないように
日本だと、発表をするときには基本的に同じ場所にとどまって行うことが多いのではないでしょうか。
しかし、海外でのプレゼンテーションでは、一か所に立ち続けることなく、できるだけ広い範囲を移動して話すことが求められます。
端のエリアにもアピール
移動するときには、端の方に座る聴衆の方たちの前にも行くことを心がけましょう。
同時にアイコンタクトもすることで、よりプレゼンテーションへも注目してもらいやすくなるはずです。
せわしなく動きすぎない
移動するといっても、ずっと歩き回っていては、せわしない印象を与えてしまいます。
娘たちは、1回のプレゼンテーションで、真ん中、左、真ん中、右、真ん中というように、両端にそれぞれ1度ずつ行けるようにタイミングを計算して移動するそうです。
それぞれの位置でいったん立ち止まり、それからまた動くというように、緩急をつけることも必要です。
パワポの作り方

次に、プレゼンテーションのときに使う、パワーポイントの作り方についてご紹介していきます。
アジェンダ(目次)を入れる
10分〜の少し長めのプレゼンを準備しているのであれば、冒頭で目次を入れると良いでしょう。
アジェンダがあると、聞いている方も最初にアウトラインを掴めるので内容を理解しやすくなります。目次を入れることで、プレゼンする方も話の流れやストーリーを意識することができます。
プレゼンの際はアジェンダは流す程度で良いですし、時間が無いときはスキップして直ぐに本題に入っても構いません。
パワーポイントは補足として使う
プレゼンテーションの中で話す内容を、スライドに書くことは基本的にNGです。
文章で書かなければ大丈夫というわけではなく、箇条書きでまとめたとしても、それをパワーポイントに載せるのは避けましょう。
なぜなら、スライドは、あくまでも口頭で説明する内容をヴィジュアルで補足するものだからです。
そのため、パワーポイントは、説明の中で使われる重要な単語を載せたり、図や写真を載せたりするという使い方が主になります。
娘の印象としては、パワーポイントはポスターを作るのと同じような感覚だそうです。
デザインにこだわる
パワーポイントは、目を引きやすく、かつ見やすいということが大切になってきます。そのため、デザインにはぜひこだわって作りましょう。
また、一つのパワーポイントに、たくさんの情報を詰め込むと見にくくなるため、できるだけ余裕を持たせた作りにすることも肝心です。
字やイラストも大きめにし、会場の後ろのほうの人からもはっきりと見えるように心がけてください。
テンプレートはパワポやGoogleのスライドを使うと綺麗です。イラストはGoogleで画像検索して関連するイメージを探しましょう。


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プレゼンで使える英語表現・フレーズ集

最後に、プレゼンテーションの最初や最後で、どのようなことを話せば良いのを、英語表現や決まり文句とともにご紹介していきます。
大学でのプレゼンテーションで使うことをイメージした、あまり固すぎない表現をピックアップしていますが、これらはあくまでも例ですので、自分にとって使いやすい言い回しを見つけていってくださいね。
プレゼンテーションを始める前に
挨拶
プレゼンテーションに来てくれたことへの感謝、そして自己紹介を行います。
- Thank you for coming to this presentation today./Thank you for attending this presentation.
「今日はプレゼンテーションに来ていただきありがとうございます」
- My name is ○○, and I’m in the faculty of ○○.
「私は○○学部に所属する、○○です」
プレゼンテーションの目的・概要
どのような内容についてプレゼンテーションを行うのかについて説明します。
- I would like to talk to you today about ○○.
「今日は○○についてお話ししたいと思います」
- The theme of my presentation is ○○.
「私のプレゼンテーションのテーマは○○です」
- I’ll be focusing on three basic points: the ○○, the ○○, and the ○○.
「今日は、○○、○○、そして○○の3つに焦点をあててお話していきます」
- There are three things I’d like to talk on this presentation: first the ○○, second the ○○, and finally the ○○.
「このプレゼンテーションでは3つのことについて話していきます。最初は○○について、次に○○について、そして最後は○○についてです」
質疑応答について
質疑応答についても、一言触れておくと親切です。
- I’ll have a Q&A session at the end of my presentation.
「プレゼンテーションの最後に質疑応答の時間を設けます」
- If you have any questions, please feel free to ask me at the end of my presentation.
「もし質問があれば、プレゼンテーションの最後に遠慮なく聞いてください」
プレゼンテーション後の締め
挨拶
プレゼンテーションが終わったことと、参加してくれたことへの感謝を伝えます。
- And this ends my presentation./ That brings me to the end of my presentation.
「これで私のプレゼンテーションを終わります」
- Thank you for listening./Thank you all for your attention.
「ご清聴いただきありがとうございました」
質疑応答
質疑応答のときには、気軽に質問してもらいやすい雰囲気を作りましょう。
- Are there any questions?
「何か質問はありますか?」
- If you have any questions, I’d be happy to answer them.
「もし質問があるようでしたら、喜んで答えます」
- Please feel free to ask any questions.
「遠慮なく質問してください」
まとめ:英語のプレゼンを成功させよう!
プレゼンテーションについて、アメリカの中学校で指導を受ける、基本的なポイントを中心にご紹介してきました。
人前でプレゼンテーションをするにあたって、発音や文法などがどうしても気になってしまうかもしれませんが、海外の学生ということは大学のほうでも分かっているので、それによって大きく減点されるようなことは、初めの頃はないと思って良いでしょう。
それよりも、内容をしっかりと充実させ、自信を持ってプレゼンテーションできるように準備することが一番大切です。
また、できるだけ練習を繰り返し、話す内容について原稿を見なくても発表できるようになっておくと、より好印象を与えることができるのでおすすめです。
暗記するときには一字一句完璧に覚える必要はなく、プレゼンテーションの流れ、重要なポイント、また、パワーポイントを使うタイミングなどをおさえておけば、大丈夫です。
原稿をじっと見ながら話すよりも、より自然で魅力的なプレゼンテーションにすることがきっとできますよ。
十分な事前準備に、今回ご紹介してきたようなテクニックを上乗せして、ぜひ堂々としたプレゼンテーションを行ってくださいね。





アメリカのプレゼンがよくわかりました。勉強になります。ありがとうございます♪
コメントありがとう!どういたしまして〜!!
帰国子女のgrade8で今外国にいます(ちなみにオーストラリアカリキュラムです)。今週学校でプレゼンがあります。前にもプレゼンをしたのですが、自分の番が来るとすぐに自分でも感じるぐらいドキドキして詰まったり言葉が出てこない時があります。おちつくほうほうとかありますか?ありがとうございます。
Momoさん
コメントありがとう!
プレゼンは準備と練習が大切だね。
話すことは忘れないようにメモに書いて、多くの場合、本番でも、メモやノートを手元において、見ながら発表して良いんだよ。
また、緊張する理由を考えてみよう。結果について気にしている(うまく行かなかったらどうしよう、恥ずかしいなあとか思う)かもしれないので、そういったことを気にせず、全てのプレゼンをあくまで人生の一つの「経験」として考えれば良い。(中学生にとってはまだ少し難しいかもしれないけど)
練習をすること、場数を踏むことで、だんだん緊張せずに話せるようになってくるはず!頑張ってね!