




学校で習った英語は、英会話において役に立たない。
これは、私がアメリカに留学した時に痛感したことです。
学校の授業では単語や文法を勉強し、テストや受験のために暗記します。
しかし実際の会話では、正しい文法を使わずとも伝わる上に、テストに出てくる様な難しい学術的な単語は使いません。
私は初めの頃、正しい文法にとらわれすぎて自信を持って話せなかったり、文を作るのに時間がかかったりしていました。
また、学校で習ったのとは違う単語ばかり会話に出てくるので、何を言っているのかわからない状態が続きました。
これらの経験から、英語で話すことができるようになるためには、学校で習った単語や文法よりも大事なことがあると気づきました。そして自分の英会話力に足りないものを洗い出し、それらを身につけるための方法を試行錯誤しました。
そして自分なりに英会話の勉強を進めた結果、3ヶ月後にはネイティブとの会話に困らなくなりました。
もちろん私は海外という英語にあふれる環境にいたので、英会話の上達も速かったと思います。しかし私が試した勉強法は、日本にいてもできるものです。
今回はそんな私の独学英会話勉強法を紹介したいと思います!
この記事の著者:ra
国立大理系の大学生。大学1年生の時に初めて海外へ行き、長期留学を志す。現在は1年間のアメリカ留学中。
目次
独学英会話のメリット

まずは独学英会話の魅力についてお話しします。
独学英会話のメリットは3つあります。
- 自分のペースで進めることができる
- お金がかからない
- 自分に合った勉強法を適用できるので効率的
英会話の勉強で大事なことは、毎日続けることです。
最近は英会話教室に限らずオンライン英会話も人気ですが、金銭的な面や時間的な面で毎日通うのは難しいです。
私も留学前はオンライン英会話を受講することを考えましたが、大学生の自分には授業料を支払う余裕はありませんでした。
一方で、独学英会話はYoutubeやインスタグラムなどの無料のツールを用いてできます。
また、講師と時間を調整する必要はないので、空いた時間にコツコツと毎日進めることができます。
英会話でまず最初に身につけるべきなのは、「リスニング力」です。
相手が言っていることが聞き取れなければ、受け答えをすることができません。そのため、独学英会話ではまずリスニング力を身につけます。
その後、ある程度聞き取れるようになってきたら、今度は日本語を経由せずに英語が出てくる脳をつくります。
以上が、独学英会話の流れです。
ではここからは、上記の目標を達成するために私が行ったことを項目別に紹介していきます。

まずはリスニング力!ネイティブ英語を聞き取れる耳を作る

先述したように、英会話を楽しむためには相手が何を言っているのか理解しないといけません。
相手が言っていることを聞き取れれば、英語で話すことが苦手だったとしても、相づちやリアクション、簡単な受け答えができるので会話を楽しむことができます。
そのため、まずはリスニング力を向上させるトレーニングをしましょう。
ここではレベル別にリスニングトレーニングの方法を2つ紹介します。
フォニックス(初級編)
フォニックスとは、海外の幼稚園や小学校でよく使われている正しい発音を身につけるための教材です。
a-apple, b-bear のように、各アルファベットごとに単語が割り当てられており、それらを順に声に出して読んでいきます。
Youtubeには色んなフォニックスの動画が上がっています。
私が使っていたのは、10分英会話 with Reikoさんの動画です。
私はイギリスに短期留学をしていたとき、初日からホストマザーの言っていることが全くわからず苦労しました。その時にフォニックスを使った学習法を見つけました。
5分程度あればできるので、毎朝動画を使って発音練習をしました。
すると、2週間ほどで聞き取りやすくなったことを実感し、1ヶ月後には簡単なことであれば聞き返すことなく会話できるようになりました。
フォニックスは発音のための教材ですが、英語が母国語でない日本人にとっては英語の音に慣れるための最適な勉強法です。英語と日本語の音は全く違います。
そのため私たちは、英語を聞き取るのに苦労します。
例えば英語の発音で特殊な、LやRの発音などに私たちの耳は慣れていません。
また、実際のネイティブの会話で、語尾の”T”は「ティー」ではなく「ッ」となりほぼ発音されません。
フォニックスで繰り返し練習することで耳を慣らすことで、上記のような特殊な音に耳が慣れて英語が聞き取りやすくなります。
また、フォニックスは1回5分程度でできるので毎日やることが苦になりません。
英語が全く聞き取れないという人は、まずフォニックスから始めましょう。
YoutubeやSNSを活用(上級編)

簡単な英語が聞き取れるようになったら、今度はネイティブの会話を聞きまくります。
そんなこと言っても、日本でネイティブの会話を聞く機会なんてない、、
大丈夫です。日本にいても十分にネイティブ英語を聞くことができます!
実は簡単に、YoutubeやTikTok、Instagramでネイティブ英語を聞くことができます。
私はアメリカ留学開始後から、上記の全てのSNSで英語の動画を見るようにしていました。
朝起きて最初に聴くものを英語にすると、その日は脳が英語モードになれます。逆に、日本語を聴いてから学校に行くと、英語が聞き取りにくいことがよくありました。
ここからは、実際に私が活用したものとその使い方を紹介します!
Youtubeチャンネル「This is 英会話」
このチャンネルでは、アメリカで暮らす人たちの日常に密着したり、街頭インタビューしたりする様子を投稿しています。
おすすめの理由は、日本語字幕がついている点です。
また動画の長さは、大体10分から15分なので気軽に見ることができます。
ただ聞き流すだけでも効果はありますが、時間がある方は何度も聞くことをおすすめします。
初めは字幕を見ずに聞きます。2回目は字幕を見ながら聞き、自分が1回目に聞き取って理解したこととの相違を探します。また、使えると思った会話表現はメモしましょう。
日本語と同じように、英語でも人によって同じことでも表現の仕方が違ったり、口癖があったりします。This is 英会話の動画では、会話形式でネイティブの人が話すのでその人の普段のしゃべり方を聞くことができます。
彼らの動画で色んな英語に慣れることで、どんな人の英語もスムーズに聞き取れるようになります。
Little Big Shots (Youtube/TikTok/Instagram)
こちらはテレビ番組です。
この番組では、有名司会者のSteve Harveyなどが子どもたちにインタビューをします。
アメリカ版とイギリス版があり、Youtubeで調べるとたくさん出てきます。
また、私はTikTokやInstagramに掲載されているショート動画を見るのが好きです。
”Entrepreneurfluent”という人たちが、各SNSにLittle Big Shotsのショート動画を掲載しています。
日本語訳がついているものを見つけるのはなかなか難しいです。
しかし子どもと会話をしている番組なので、話すスピードがゆっくりなことと簡単な英語を使っているのでとても聞きとりやすいです。また、笑える部分がたくさんあるので見ていて飽きません。
私は、スキマ時間の英会話学習用に使っていました。
Youtubeチャンネル「Vogue」
有名雑誌のVogueが運営しているYoutubeチャンネルもおすすめです。
実は日本版もあるのですが、海外版では有名セレブがインタビューに答えたり自宅を紹介したりしています。
また、様々な年代の人に同じ質問をする企画や、服やアクセサリー、食事などが時代を超えてどう変化してきたのかを比べる動画もあります。
Vogueの動画には字幕が付いていないので、Youtubeの字幕設定で英語を選択して見ましょう。
会話表現に耳を慣らしたい人は、海外セレブの自宅紹介やメイク動画がおすすめです。
聞き取りやすい英語でまず練習したい人は、年代別にインタビューする動画やものや文化の時代による変遷をたどる動画がおすすめです。
以上が、私がネイティブ英語に慣れるために主に活用していたツールです。
自宅にいるときは常に上記で紹介したYoutubeの動画を流し、スキマ時間ではショート動画で英語を聞くというようにすれば、日本にいても簡単に海外にいるような環境をつくることができます。
もちろん海外で生活するのが一番早いリスニング力習得法ですが、誰もが簡単に海外へ留学 や移住をできるわけではありません。
しかしそこで諦めるのは早いです。日本にいても海外で生活しているのと同じような英語に溢れた環境を作ることは可能です。そして日本にいながらリスニング力を上げましょう!

日本語を経由しない脳を作る

リスニング力がある程度ついてきたら、次は自分が英語を話すことに注目しましょう。
英語で会話できるようになるために目標とすべきことは、「日本語を経由しない脳を作ること」です!
日本語を話すときは、特に頭を使わずに言いたいことを言えます。
例えば出かけることを親に伝えるとき、頭の中で1つずつ言葉を組み合わせて文を作らなくても、すぐに「今から出かける」と言えます。
また私たちは、日本語で特殊な「を」「に」などの助詞について特に考えなくても正しく使うことができます。しかし、いざそれらの違いを問われたらわからない人が多いと思います。
一方で、間違った助詞の使い方をした文はなんとなく違和感を感じます。これは私たちが小さい頃から、日本語を聞いたり会話をしたりすることで得た日本語脳のおかげです。
この現象は、日本語に限らずどの言語でも当てはまります。
つまり、その言語の脳を身につければ問題なく会話ができると言えます。
では、どういう状態を英語の脳というのでしょうか。答えは、日本語を経由せずに英語を話せる状態のことです。
英会話に慣れていない時は、自分の言いたいことを思い浮かべてそれを英作文を作るときのように頭の中で英訳すると思います。
この状態では時間がかかる上に、いつまで経っても授業の英語の表現しかできず、会話表現は身につきません。
言葉はとても難しいので、英語にはない日本語表現もあります。そのため、自分が言いたい日本語がぴったり訳せないとそこで会話が止まってしまいます。
英語脳があれば、伝えたいことをそのまま英語に変えるので的確に自分の言いたいことを伝えることもできます。
ではここからは、英語脳をつくる方法について紹介します!

日本語と英語で日記をつける
日本語を経由しないで英語を喋るためには、日本語→英語の練習をする必要があります。
一見矛盾しているように思えますが大切なステップです。
日本語→英語の練習で私が行ったのは、日本語と英語で日記をつけることです。
ここで私が言っている日本語→英語は、テストに出てくるような一言一句ぴったり日本語に英語を当てはめる英訳ではありません。
テストで100点を取るための綺麗な英訳をしなくても、会話では言いたいことが伝わります。つまり、同じ意味で日本語と英語の文を別々に作る練習をします。
私はインスタグラムを用いて、その日にあったことをまず日本語で書き、その後に英語で同じ内容を書いていました。
この時、先に書いた日本語の文を見て書くのではなく、日本語で書いたことと同じことが伝わることを意識して英語の文を作ります。
また、実際に人に話す時のような文章を書きます。英作文のような堅い文章である必要はありません。
例えばこんな感じです。
最初の頃↓
この頃は、「買いすぎ」の表現を調べたり、「咳が出る」の動詞がhaveでいいのかを調べたりして文を作っていました。

半年後↓
このくらいの文であれば調べることなく書けるようになりました。

このように、初めは英語の文章を作るのに苦労します。わからない単語や表現は調べましょう。
日記は自分の日常について書くので、使う英語も日常会話で使う可能性が高いものです。なんども回数を重ねる内に、日常会話に必要なボキャブラリーも習得することができます。
また会話っぽい表現を探すのにおすすめなのが、DMM英会話なんてuKnow?というサイトです。
このサイトでは、会話でよく使われる表現や流行の表現を見つけることができます。
例えば、「お疲れ様」という日本語でよく使われる表現は英語にはありません。
しかしそれに近い表現や、私たちが「お疲れ様」を使うようなシチュエーションの時にネイティブはどのようなことを言うのかをこのサイトでは知ることができます。

ネイティブで日本語が話せる人や海外滞在歴の長い日本人が回答してくれるので、会話表現を知るのに最適なツールです。
以上のように、ボキャブラリーや会話表現の知識を増やしながら、日本語→英語で日記をつけ続けることで英語脳に近づくことができます。
私は日記を始めてから3ヶ月程でほぼ調べることなく文章を書けるようになり、5ヶ月後には日本語を頭に思い浮かべなくても英語をスラスラ書けるようになりました。
実際の会話は人と対峙するので、1人で英語の文章を書くよりも難易度が高いです。
そのため、日記で日本語を経由せず英語の文を書けるようになってから1,2ヶ月は会話で同じ状態になるまでに時間がかかる場合もあります。
しかし、確実に英語脳を身につけることはできます。何事もそうですが継続が大事なので、毎日続けることを心がけましょう。

日本語を聞いて英語を声に出す
もう1つ私が英語脳を作るためにやっていたのが、日常会話フレーズを英語で声に出すことです。
Yootubeチャンネルのmochantv英会話さんが、日常英会話フレーズをまとめている動画を投稿して下さっています。
このチャンネルの動画では、日本語が最初に流れその後に同じ意味を表す英語が流れます。
これを繰り返し聞くことで、脳が勝手に「ある日本語」=「それに対応する英語」を覚えて英語表現がすぐに頭に思い浮かぶようになります。
言葉では説明しにくいのですが、英語を話す状況にいるときは先に英語が頭に浮かび、その後に日本語で同じ表現が頭に浮かぶようになります。
日本語を話す状況の時は逆です。ここで大事なのが、声に出すことです。
声に出すことは脳を刺激するので、より効果を得られやすくなります。
私は朝の支度をする時間にこの動画で勉強をしていました。
日本語パートは聞くだけで、英語パートは声に出して言いました。この時、発音練習のために、聞こえた英語をそのまま真似することを大切にしていました。毎日10分程度でしたが、しっかり効果を得ることができました。


会話表現を覚えよう

英語脳を目指すのと並行して、会話表現を習得しましょう。
This is a penという文を使うことはない。とよく言われるように、授業で習ってきた文で会話で使えるものは少ないです。
さらに、会話表現はたくさんあるので、多くのパターンを知っている方が様々ま言い回しを することができます。
ここからは英語の会話表現を覚える方法についてお話していきます。
スラングについて

会話表現で重要となるのがスラングです。
スラングとは若者言葉のことで、日本語でもよくみられるような時代と共に変化したり新しく生み出されたりした言葉です。
スラングは次々に新しいものが生まれています。また地域によって違ったり、流行があったりするので全てを知ることは不可能です。
特に若い人は、かなりの頻度でスラングを使います。そのためスラングを知らないと、言っていることが理解できず会話ができない可能性があります。
そのため代表的なものは覚えておきましょう。
スラングを知るために役立つツールを2点紹介します。
【Urban Dictionary】
スラングなどの現代表現をまとめたサイトです。
スラングはネイティブでも意味がわからないことがあります。このサイトはそんなネイティブ向けの辞書になっています。
スラングの意味を調べるのにも使えますが、アルファベットごとや新しいものをまとめてくれているので、毎日の勉強にも最適です。
例えばこんな感じです。

そして上の方に索引があり、アルファベットごとに学ぶことができます。

【TikTok】
TikTokではスラングを紹介している動画が多く投稿されています。#slangで調べるとたくさん動画がでてきます。
動画のメリットは、発音を知ることができる点です。また日本人でもスラングを紹介している人がいるので、日本語で調べてみるのもいいと思います。
このような感じでたくさん動画がヒットします↓

以上が私がおすすめする、スラング勉強ツールです。
スラングの意味は日本語に訳しにくいものが多いので、なるべく英語の説明を見た方が間違えることなく使えます。
またスラングは、ものによっては失礼だったり人種差別的意味を持っていたりするので、自分が使う時は注意しましょう。
おすすめ動画と動画を使った勉強法
会話表現を学ぶのにおすすめな動画と活用方法を紹介します。
私がおすすめするのは、「Learn English from TV shows」というYoutubeチャンネルです。
このチャンネルは、海外ドラマや映画、テレビ番組の一部を抜粋して使われている表現を解説してくれます。
特に「Friends」と「Big Bang Theory」は、ネイティブが使うギャグやネイティブがおもしろいと思う表現を学ぶことができるのでおすすめです。
私は動画に出てきた会話表現をメモして、最後に動画と一緒に彼らの台詞を読み上げていました。


効果がない英会話勉強法

ここまで私が独学で英会話力を上げるのに効果があったものを紹介してきました。
一方で、やってみたが成果が得られなかった勉強法もあります。
以下、効果がなかった勉強法です。
単語帳
ボキャブラリーはやっぱり大事だろうと思い、大学受験のためにつかっていた単語帳をもう一度覚えようとしました。
しかし、単語帳に載っている言葉の半分は日常会話で使いません。また記憶しても使わないのであれば、すぐ忘れるので意味がありません。
それよりもリスニング力や発音にフォーカスする方が、会話の勉強においては有効です。
ただ洋画や海外ドラマを見る
これは大学2年生のころ効果があると思って、よくやっていました。
特に、家で流すのは海外ドラマばかりで毎日2時間は部屋で英語が流れている状態でした。
これだけ英語を聞いてればネイティブの言ってることもわかるだろうと思っていたのですが、いざ留学をしてみると全くわかりませんでした。
確かに海外ドラマや洋画を見ることはいい勉強になりますが、それは使い方次第です。
ただ垂れ流しにするのでは効果がありません。
重要だと思う表現や単語をメモしたり、聞き取りにくかったところはどこが聞き取れないか確認してもう一度聞き直したりして初めて効果がでます。
文法を覚える
これは単語帳と同じですが、文法を覚える必要はありません。実際にネイティブでもよく間違えますし、間違っていても伝わります。
また、文法を気にしすぎるとうまく喋れません。
そのため、文法を覚える時間があったらネイティブの会話を聞いて、よく使われるフレーズごと文法になれた方がいいです。
以上が、効果のなかった勉強法です。
また、独学英会話で意識すべきことは、自分の英語を作ることです。正しい英語を身につける必要はありません。
日本人でも人によって言い方が違うように英語もそうです。言葉は自分の気持ちを伝えるツールであるので、人それぞれ個性が出ます。
そのため正解を求めすぎずに、世の中に溢れる英語の知識をなるべく吸収して、自分の英語を作るというのが独学英語のコツになります。
まとめ
独学英会話では、低コストで日本でも英会話力を向上できます。
まずは、リスニング力を身につけ、その後は会話力を上げましょう。
YoutubeやTikTokなどのデジタルツールをうまく活用して、毎日続けることが大切です。
そして何よりも、自信を持って自分の英語を話すことを心がけて下さい!




