



TOEIC300点代にも関わらず、大学卒業後、甘い気持ちで外資系企業に就職したところから始まり、米国でランキングトップ20のビジネススクール合格までの、サラリーマンオヤジの英会話力やビジネス英語力向上の記録です。
90年代前半~半ばまでの話ですので、SkypeやYouTubeやスマホでの便利な学習方法はおろか、インターネットが普及する前の話です。それでも、こんなに達成できるといった視点で読んでもらえると嬉しいです。
自分はTOEIC300点台からMBA合格まで6年強費やしましたが、今日のリソースが揃った環境だったら、少なくとも2年はカットできたでしょう。
”Change is the only constant” 「変われないものには明日はない」を信条に、仕事もプライベートも、絶えず新しいことにトライする中年オヤジ。英語に関しては、20代に独自のやり方で、TOEIC300点代から6年でトップMBAスクール合格。その経験をなるべく多くの人にシェアしてお役に立てたら光栄。
目次
ゼロから始めるMBA受験の勉強時間

MBA留学への準備時間は多説ありますが、留学予備校などでは1年から2年程度と言われています。
一方、この数字は留学経験があったり帰国子女が準備をした上で、受験スケジュール通りに進んだ場合であることがほとんどで、我々一般人にとっては現実的な数字ではありません。
私のようにTOEIC300点レベルの底辺からスタートするとなると、MBA受験までそれ相応の努力と勉強量が必要になることを覚悟しましょう。
最初に時間がかかるのは英語力をつけることですが、それ以外にTOEFL、GMAT、推薦状やエッセイなど、準備すべきことは山盛りです。

海外MBA受験の勉強時間の例
- 基礎の英語力(TOEIC900点以上目安)をつける:1年(平均5時間✖️300日=1500時間)
- TOEFL、IELTSの準備:1年〜2年(平均5時間✖️300〜600日=1500〜3000時間)
- GMAT、GREの準備:半年〜1年(平均5時間✖️300〜600日=1500〜3000時間)
まず、一日どれぐらいの時間を英語の勉強に費やせるかも重要になります。
この勉強時間は机に向かって勉強する時間だけでなく、通勤時間や隙間時間も含めていただいて結構です。
平均3時間〜5時間、数年間勉強に費やしてスタート地点に立てるのがMBA受験。
最後までやり切れる人は多くはありませんが、脱落者が多い分、諦めなければ確実に成果を出せる勝負だと言っても過言ではないでしょう。
私の英語バックグランド
私のバックグランドとして、以下を念頭に、読んでください。
- 社会人になるまで、外国の方と全く接点がなかった田舎もの(当然、海外生活、留学なし)
- 大学卒業後に勤めた外資系企業で、国内営業職で出張が多く、英会会話学校や予備校にも通える時間はなかった
当時はインターネットは使えなかった時代
大きく、①TOEIC300点時代、②TOEIC600点時代、③TOEIC900点時代(いよいよMBA受験へ)の3つの時期に分けて、お話したいと思います。
TOEIC300点時代の勉強方法(2年間ほど)

TIMEやNewsweekを多読

語彙なし、グラマー、リスニング、スピーキングが、全てがまるで貧弱な時期です。海外からのビジターと話す機会があっても、全く太刀打ちできませんでした。
そこで今から考えるとすごいことをしたと思いますが、TIMEやNewsweekを多読する学習法を選びました(グローバルなビジネスマンになりたいんだろと、自分に発破をかけて!)。
多読と言っても、TOEIC300点台の読解力ですから、ひどい理解度です。
わからない英単語ばかりですから、はじめは辞書を引いていましたが、そんなことをしていたら、一月たっても薄っぺらな一冊分も読破できないのは明白。
細かいことにはこだわらないと割り切り、辞書を引くことはせず、写真や見出しを見て、内容を想像しながら読み進めました。
英語ニュースの良さは、話題の時事ニュースであれば、日本の報道でも扱います。読んでいる時は全くに近いくらいわからなくても、テレビを見たりや新聞を読んで、点と点が繋がっていくことはよくありました。
この勉強法は、根性が必要ですが、量稽古のおかげで、英語表現で高頻度で出てくる表現や単語に、体で馴染めるようになったことが大きいと思います。
TIMEやNewsweekは英語教材としては多少難しいですが、逆にTOEFLのリーディングなどは相対的に優しいなという感覚を持ったのがこの頃です。この時期に2年ほど費やしています
MBA受験では壁が多いですが、この機会にMBA志望者必読の本を読み、人生について深く考える(ついでに読解力をあげる)ことをお勧めします。
TOEIC600点時代の勉強方法(2年間ほど)

多読で始めた英語学習の旅ですが、スコアはTOEIC600点まで上がってきました。
海外との読み書きでのやり取りは、向上してきました。一方、ヒアリングの出来が悪いのもはっきりしてきました。
海外からのビジターから言われていることが聞き取れず、コミュニケーションとしてはなり立ちません。電話でのやり取りは散々でした。この時期に新たな方法を採用しています。
アルクを多聴

先輩からアルクのヒアリングマラソンのテープのお古をもらいました。確か2年分とかもらったと思います。それをとにかく聴く、聴く、聴くの繰り返しです。
多読の時期と同じように、テープを止めて聞き直すとかはせず、とにかくスルーでテープの両面を通勤中に繰り返し聞いていました。
リーディングマラソンには、取材を文字起こしたテキストが付いていましたが、それとヒアリングを付き合わせることは敢えてしませんでした。
とにかく、自分に聞こえるがまま理解しようと努めました。
2年間分、24本のテープを、2年間ほど通勤で聴かない日はなかったと思います。自分でもはっきりと、ヒアリング力がついてくるのを感じました。

海外ビジターのアテンドでアウトプット開始

ここまではインプットの話でした。多読から始まり、多聴にシフトし、4年ほど経過。スピーキングや、会話の実践に着手で来ていないことが悩みの種でした。
そうですアウトプットの部分です。しかし金以上に、時間がない!!そこで、仕事と英語力の一石二鳥を狙う手をとりました。
外資系企業なので、海外からビジターが来ることがよくあるのですが、来日中の週末の観光のアテンドを買って出るようにしました。
業務ではないので、手当もありません。全くのボランティアです。無料で英語力のブラッシュアップだけでなく、仕事で自分を売るための絶好の機会と思い、可能な限り買ってでました。
週末に、京都や箱根を、イングリッシュスピーカーのお相手をするわけですから、逃げ場はなく、話すことも、聴くことも、自分の持てるものを全て出し切って対応しました。
ガイドとしては、最低のクオリティだったと、ビジターの方には申し訳ない気もしましたが、アテンドの間は自分がホストとして主体的に、話し、聴き、ガイドするので、度胸はつきました。
このようなアテンドを年に5~6回はこなしていたと思います。
アテンドした後に、アルクのテープを聴くと、聞き取れなかったフレーズが突然聴き取れるようになっていたり、不思議な体験をしたのもこの頃です。
言語学習は、インプットとアウトプットの絶妙なバランスが必要と痛感しました。
Root(語源)、Prefix(接頭語)、Suffix(接尾語)の切り口で語彙力を一気にアップ!

多読、多聴で、TOEIC600点に伸びてきたこの時期に、さらに1冊の優れた参考書に出会いました。
この本は、英単語のRoot(語源)、Prefix(接頭語)、Suffix(接尾語)の3つの組み合わせでわかりやすく説明しています。自分の正直な印象。
「なんでもっと早くこの本に出会えなかったんだ!」
ここで体系的に英単語を整理して、TIMEやNewsweekの多読で自分の頭の中に蓄積された「よく目にした単語、でも意味は推測でしかわからない、なぜかというと辞書引いていないから」単語が、一気に意味が腹落ちするし、使える単語になっていきました。
自分は多読で数百?それ以上?の身についていない単語を抱えてから、この本に出会いましたが、皆さんにはむしろ早い時期に、英語学習のパートナーとされることをお薦めします。
TOEIC900点時代の勉強方法(2年間ほど)

いよいよMBA準備へ
TOEIC600点時代で、語彙力、リーディング、リスニングが揃ってきたので、TOEIC900点代乗せは、あっさり達成しました。
ここから、初めてTOEFLやGMATやインタビューの対策に入りました。自分が苦労したのは、TOEFL(当時やっと500点ぐらい、Top20には最低600点以上は欲しい)とインタビューです。
この時期は会社でも新人から中堅への移行期で、これまで以上に英語学習に時間は取れません。
下手な勉強法をとって時間をロスすることは自殺行為です。自費で働きながらの準備は無理かと、気も重くなった最中、一発逆転の行動に出ました。
キャンパスビジット

そもそもTOEFLとインタビューは、英語を第二外国とする応募者が、MBAプログラムで成功するだけの語学力と会話力を備えているかを見るもの。
であれば実際海外の大学院で、英語を第二外国とする学生が、どう活躍しているか見てみようと思ったのです。
ゴールデンウィークを使って、アメリカの3校ほどビジネススクールのMBAプログラムをオブザーブさせてもらいました。
ディスカッションが多い講義ということで、StrategyやMarketingのケーススタディをやっている現場を見ました。
また学生との寮に泊まれせてもらい、普段の生活や学習スタイルをヒアリングさせもらいました。
そこで気付いたのは、TOEICはビジネス現場想定で、テスト慣れでスコアが上がる要素が強いなと。
それに比べて、TOEFLは留学して、クラスや学生生活で最大の学習体験をできるように、題材もバライティに富んでおり、語学力が問われている試験と理解しました。
海外ドラマ・洋画でシャドウイング

また、話す英語はなるべく会話体を目指すように意識しました。
学習方法としては、ビデオで映画鑑賞でリスニング学習とシャドウイング(のマネ、英語を聞きながらそれを真似して発音する通訳訓練法)を試しました。
この手法をとって2年ほどかかりましたが、TOEFLのリスニングのセクションのスコアが如実にあがりました。
またリスニングに自信がついたことで、英会話に余裕を出ました。
受験して合格したMBAプログラムは、全てインタビューが条件でしたが、難なくこなせました。
まとめ
色々と書きましたが、英語学習に限らず、第二外国語の習得のコツは、最低限の語彙や文法や表現を蓄えるインプットの要素と、それを相手や状況に合わせて的確にコミュニケートするアウトプットの要素の、順番や時期を含めたバランスだと思います。
自分の場合は、ネットの無かった時代、かといって英会話学校に通う時間も無かったため、多読、多聴、ボキャブラリー強化、観光ガイド、そしてMBA取得と独学で試行錯誤の連続でした。
しかし、20代に学習法を含め自分で考えて突破して来たことは、自信にも繋がりましたし、語学以外のスキル習得にも大変役に立っています。この投稿が皆様のお役に立てたことを期待します。
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