



就活を控えた大学生や転職を考えている社会人の方など、TOEIC800点、あるいは860点を目指して勉強している人は多いのではないでしょうか。
あるいはどうせTOEICを勉強するなら「なんとなく800点」を目指す人も多いかもしれません。
この記事ではそんな人たちのため、TOEIC800点はどのくらいのレベルなのか、どんな勉強法が良いのか等まとめました。
著者について:あきこ
妊娠・出産を経て35歳から一念発起して英語を学び直し。TOEIC710点からスタートしましたが、留学なし・完全独学で2022年に925点獲得しました。現在翻訳家として修業中。
TOEIC800点のすごさは?難易度を知る

英語力レベルから
TOEIC800点は、英語上級者レベルの入り口と言えます。
英語の試験は数多くありますが、その試験のレベルやその資格を持つ人の英語運用能力を相対的に比較した国際的な指標があります。
それがCEFR(セファール)です。※正確には英語だけでなく他の言語も含まれますが、今回は英語の話だけします。
CEFRはA1~C2までの6段階に分かれています。この内TOEIC Listening & Reading Testの800点はB2レベルに相当します。

(参考)TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表(ETS)
B2レベルは、上から3番目(C1の上にC2がある)で、「自立した言語使用者」レベルと言われています。
具体的には「自分の専門分野である技術的な議論も含め、抽象的または具体的な話題で、複雑な文章を理解できる。母語話者とお互いに緊張せず、普通にやり取りできるほど流暢で自然である。また、幅広い話題について、明確かつ詳細な文章を作成することができる。」レベルだとされています。
他の資格試験との比較を見てみましょう。このB2レベルに属するのは、英検では準1級~1級、IELTSでは5.5~6.5、TOEFLiBTでは72~94です。

(参考)各資格・検定試験とCEFRとの対照表(文部科学省資料)
TOEICを開発しているETSも、800点以上を高得点と考えているようです。
というのも、昨年、「TOEIC800+」という、800点以上を目指す人向けに難問を中心にした参考書が出ています。
ちなみに英検は2級が高校卒業レベル、準1級で大学中級レベルと言われています。
得点分布から
TOEICは毎テストごとに得点分布を公表しています。過去1年分その分布表を見てみると、TOEIC795点以上は上位14~19%程度に収まっていて、概ね上位15%程度です。

第299回平均スコア、スコア分布
正規分布の偏差値でいうと、60程度になります。
TOEICを受ける人は社会人や大学生が多いので、その中で上位15%というのは十分高いと言えるでしょう。
また、個人的な経験を踏まえた見解ですが、TOEIC800点は英語を生かした転職ができる1つの目安だと思います。もう10年程前ですが、転職する際にTOEIC800点で、英語使用の仕事に就いたことがあります。
もし就職や転職を目指すなら、TOEICは800点程度を目標にして後はスピーキング・ライティングに力を入れた方が良いと思っています。
基本的にはビジネスはアウトプットをすることで成り立っています。私はこのスキルが低かったので、入社後結構苦労しました。
ただし、翻訳、通訳、英語教師、講師はまた違います。こういった仕事は純粋な英語スキルが必要なので、TOEIC900点、もしくは950点以上を求められる傾向が強いです。

語彙レベルから
英語資格の勉強と言えば、単語帳などで語彙を強化することがポピュラーです。各試験の難易度を計る時に語彙レベル〇〇〇〇語レベルという表現をすることがあります。
TOEIC800点では、語彙レベルは8,000語前後という意見が多いです。
ちなみに英検準1級は7,500~9,000語と言われています。ただし、出題される内容が違うので、覚える単語は違います。
ちなみにTOEIC900点で10,000語、英検1級で10,000~15,000語と言われます。


TOEIC800点獲得のための得点戦略

一般的に、TOEIC Listening & Reading Testの得点はリスニング>リーディングとなる人が多いです。
これは、リスニングで使われる語彙や文法の方が簡単なためです。例えば、先ほどのCEFR換算表でもB2レベル以上ではリスニングの点数の方が高くなります。
その他、公式問題集の得点換算表からもこの傾向は読み取れます。
そのため、全体で800点以上を目指す際は、リスニングは420点、リーディングは380点以上を目指すと良いでしょう。
また、800点以上の高スコアを目指す場合は、不正解の数や率で得点戦略を練ると考えやすいかと思います。
点数を上げる=どうやって不正解を少なくするか考えることなので、不正解にフォーカスするこの考え方をお勧めします。
リスニングでは正答率84%以上、不正解を16問までにし、リーディングでは正答率76%以上、不正解を24問までにするようにしましょう。
なお、TOEICでは各回での得点を調整するため、正答率が低い問題は得点に影響しない仕様になっています。(採点除外問題と呼ばれています。)
そのため、本番ではもう少し間違えても大丈夫な可能性があります。
自分に合った得点戦略の立て方は、公式問題集を解いて、間違えた問題を見直すことがおすすめです。不正解だった問題に自分なりに難易度順をつけましょう。
そして間違えて良い問題を見つけるようにすると良いでしょう。

リスニングセクション

ここからは各セクション、Partごとに具体的に得点戦略をみていきましょう。
まずリスニングセクションは全体で420点を取るために、1問5点とすると84問正解しなければならず、逆に言うと16問間違えてOKです。
この16問をどう割り振るかは、自分の得意不得意に合わせて考えることが必要ですが、下記に目安を書きます。
- Part1、2:5問まで
- Part3:5問まで
- Part4:5問間違えてOK
Partごとの戦略です。
Part1
Part1は、高得点を目指す人は基本的には全問正解を目指すべきでしたが、最近難化傾向が見られるので注意です。
ただ、難問は出題されても1問程度なので、明らかに難解な語彙が入っている問題以外はミスのないようにしましょう。切り替えも大切です。
Part2
Part2では、5W1Hや通常の疑問文にストレートに答えている問題はミスなく正解できるようにしましょう。
発音が似た単語の問題、付加疑問文・完了形を使った疑問文などに対応できるように訓練しましょう。
質問に対して質問を返すなどの間接解答問題、平叙文への応答問題は難問について半分は答えられるようにしましょう。
Part3
Part3はおおむね最初は簡単で、後半になるにしたがって難しくなります。最初の6セットはミスのないようにしましょう。
それ以降はなるべくConversationに集中して、全体の意味が分からなくても単語を拾って類推できるようにし、3問全部落とさないようにしましょう。
よく聞かれるのは、今もしくはこれからの行動です。そこに意識を集中させましょう。
なるべく問題文を先読みして、Conversationの内容を理解するヒントをみつけると得点アップにつながります。
Part4
Part4も概ね最初は簡単で、後半になるにつれて難しくなります。Part4でも単語を拾って類推して答えられるように問題文を先読みしてヒントを探すことが有効です。
1人の人が話し続けるので、途中で話の内容が分からなくなるとその後まったく分からないことがあります。
3問全部落としてしまう可能性もあることを頭に入れて、なるべく前半にミスをしないようにしましょう。
その点、図表入りの問題は図表から読み取れる内容のヒントが多い分、答えやすいこともあります。
リスニングパートは1回で内容を聞き取り、記憶して問題を解くことを45分間続ける、かなり脳を酷使するテストです。
間違えたことを引きずらないこと、大切なところで集中力を途切れさせないことを訓練すると高得点に結びつきます。


リーディングセクション

リーディングセクションでは380点獲得を目指します。1問5点とすると76問正解、24問間違えてOKです。
- Part5:8問まで
- Part6:4問まで ※設問数が16問のため。
- Part7:12問まで
Part5
順にみていきましょう。Part5は高校中級レベルの文法、語彙問題はミスなく解答しましょう。
品詞問題のひっかけに注意して、こういった問題は落ち着いて精読して解答するようにしましょう。
意外と単数/複数、三単現のs等は難易度が高く、800点を目指すような人でもうっかり落とすことがあります。
私も自分の間違えを分析した時にこのミスを繰り返していることに気づきました。
これはスピーキングでも日本人によくみられる間違いです。複数/単数や三単現のsは英語を学習してすぐ学ぶものですが、日本語にはない概念なので、使いこなすまでに時間がかかります。
この辺りは言語学、特に第二言語習得という分野で研究されている領域です。(母語にない概念を間違えてしまうことは否定的言語転移と呼ばれる現象のようです。)
こういった間違いをした時は、みんな間違えること、意識して訓練すればすぐ改善することを覚えておいて下さい。
その他このPart5で出題される問題では、難解な語彙問題、高校英語の上級問題(過去完了・未来完了等)は捨てても良いです。
迷ったら直感を信じてその分Part7に時間を使うことが良い場合もあります。でも必ずマークだけはしてください。
1/4は正解できるとすると、10問当てずっぽうでマークしても2問10点は取れます。2択まで絞れたらさらに倍になるはず。
実際にはひっかけ問題などもありますし、計算通りにはいかないですが、最後まで諦めないことは大切です。
ですがまずは本番で確実に点数を取るために問題演習を繰り返して目標時間で必要な正答数が取れるよう練習しましょう。
Part6
Part6は全部で16問しかありません。ここでは制限時間を守りつつ、難問以外はすべて答えられるようにしましょう。
Part6は時間調整パート等と言われますが、中にはかなり難しい語彙問題や時間を使わないと解けない「NOT問題」(長文を読んで当てはまらないものを答える)があり、こういった問題はTOEIC900点の人でも答えられないものが紛れ込んでいます。
それを見分けられるようになるのがまず大切です。
Part7
Part7は正解できる問題を優先するのが良いでしょう。リーディングセクションの半分以上を占めるPart7は時間との戦いです。
ただ、800点が目標であれば、すべての問題を解き切る必要はありません。
SP、MPそれぞれの目標時間や目指す正答数を大まかに決めて、自分が効率よくそれを達成できるように作戦を練ることが1番大切です。

TOEIC800点獲得の時間配分・勉強法・勉強時間

時間配分
繰り返しになりますが、リーディングセクションでは最後まで解けなくても800点までは到達する可能性が高いです。
そのため、厳密に時間配分を行わなくても良い場合もあります。そのあたりは自分の得意不得意によって判断する必要があります。
ただ、1問5点という配点を考えると、TPの1つめ(190)までは解き終わっておいた方が良いでしょう。
一般的な時間配分はPart5:10分、Part6:10分、Part7:55分とされます。
ですが、時間配分が苦手な人や文法問題に時間をかけたい人には、下記のような時間配分でも良いのではないかと個人的に思っています。
- Part5:13分
- Part6:12分
- Part7 SP(シングルパッセージ):30分
- Part7 DP(ダブルパッセージ):15分
- Part7 TP(トリプルパッセージ):5分
筆者が初めて860点を超えた時もこのくらいの時間配分でした。
ただ、傾向的にはSPの難問、DPの難問を捨ててTPを優先した方が簡単なことが多いので、実際にやってみて比較し、自分に合った時間配分にするのが1番です。
もし本番で思った通りに進められなかった時、「最後まで解き終わらなくてもいいんだ!」と落ち着いて問題に集中できるようになれば幸いです。
最後まで解き終わらなくてもいいけれど、必ずマークはしてください。TOEICは基本的に4択なので、25%は正解する計算です。
当てずっぽうでもマークをしたら15問できなかった場合で3問・15点取れると考えましょう。
TOEICの時間配分についての記事も参考にしてみてください!

勉強法
私は、どんな試験もまず「得点戦略」を練ること大切だと考えています。
得点戦略は、その試験がどういった試験なのか、合格基準は何か、自分は今の実力でどの程度点数が取れるのか、どうやったら合格できるのかを考えることです。
幸いなことに、TOEICは研究されてたくさんの良い参考書があります。
どういった問題が出題されるのか、多くの人がつまずく問題は何か等多くのことが分かっていて、そして様々な解説があります。
ただ、自分の得意不得意は何か、どういった勉強をすれば効率よく目標点に届くかはパーソナルコーチをつけない限り、自分が考えないといけません。
下記に完全独学で900点を獲得した私が実際にやっていたおすすめの勉強法を記載します。
- まず公式問題集を本番と同じ時間で解く
- 苦手分野を補強する
- 本番でできるように訓練する
- TOEICの分野別参考書の学習から入ってもOK
まず公式問題集を本番と同じ時間で解く
得意分野、苦手分野を把握し、得点戦略を考えます。
問題形式に慣れます。先読みペースや時間配分等、自分にあった試験対策も考えましょう。
公式問題集には頻出語彙や文法も網羅されています。
苦手分野を補強する
文法ならpart5の参考書がおすすめです。TOEICで出題される文法を網羅的に学べます。さらにリーディングセクションで必要とされる英語速読も訓練できます。
私のおすすめは「文法問題出る1000問」です。SNSで使っている人が多かったので買ったのですが、TOEIC900点を獲得するまでずっと使っていました。
基本的な文法事項を忘れていたら高校英語の文法書を復習するのが良いでしょう。
私は5年ぶりくらいに英語を勉強するので仮定法や時制等が思い出せず、Evergreenを買って通読しました。
TOEICの勉強をして、解説を読んでもわからないことがあったら、高校英語の文法書を参照する辞書的な使い方もできるので、1冊持っていて損はないかと思います。
語彙を強化したいなら、TOEICの単語帳を買うのも手かと思います。ただ、私は単語帳は買わず、公式問題集と出る1000で出てきた単語を復習することで対策をしました。
そのやり方でも独学で900点に行けたので、単語帳学習はマストではないと考えています。
一方、もし単語帳を使うならおすすめは金のフレーズです。
出る1000と同じTEX加藤先生の著書で、語彙のみならずTOEICについての解説も多く、非常にためになる本だと思います。サイズ感も手ごろで移動中にも勉強しやすいのが魅力だと思います。
本番でできるように訓練する
速読や試験の形式に慣れること等、TOEICで高得点を取るためには訓練も必要です。
後述しますが、TOEICスコアを100点上げるためには250時間くらいの時間が必要だと言われています。
なるべく効率よく、少しでも苦痛が少なく(できれば楽しく!)学ぶことが、TOEICのスコアにつながると思っています。
TOEICの分野別参考書の学習から入ってもOK
今は優れた参考書が多いので、人気のあるTOEICの参考書をやるだけでも点数はアップします。
いきなり120分、本番と同じ難易度の問題を解くのは非常にハードルが高いですよね。その場合は、単語帳や文法書、アプリなど自分が続けやすい勉強から取り組むのが1番良いと思います。
もし余裕があれば、公式問題集をPart毎の制限時間通りに解くのがおすすめです。問題形式に慣れるのと、時間管理は1回でも多く経験した方が身に付きます。
ただし、長文読解や英文をスピーディーに読むのが苦手な人が800点を目指す場合、単語帳だけの学習では本番を見据えた訓練にはなりません。
TOEICのリーディングでは速読力が求められますが、訓練が必要です。本番と同じ形式でなくても、英文を早く読む訓練は意識して行いましょう。
リスニングは公式問題集の音声をとにかく聞くのがおすすめです。とにかく耳が空いている時間はTOEIC音声をかけ流ししてください。
本番と同じナレーターに慣れることが重要です。音声を聞くだけなら、abceedというアプリで無料で(アプリ内課金、公式問題集購入は必要なしで)聞けます。
多くの人がTOEICの勉強と他のことを両立しなければいけない状況だと思います。現代人はとにかく時間がありません。
効率よく目標スコアを取りたいですよね。個人的に効率・効果が高かったと思うのは音読とアプリ学習です。
音読は声を出すという運動を伴うことで記憶に定着しやすくなりましたし、内容の理解度が深まったと思います。
アプリは気づくとSNSをして過ごしている時間を勉強に使えるのと丸付けやページをめくる時間が必要ないのが革新的でした。
紙やCDで勉強するしかなかった昭和生まれは、現代の学生が羨ましくなりました(それはそれで苦労も多いでしょうけどね)。


勉強時間・期間
TOEIC平均点の600点から800点を目指す場合は、500時間程度の学習が必要だと言われています。

また、一般的にTOEICのスコアを100点アップさせるには200~300時間の学習が目安ということもよく言われます。1日3時間勉強すると3か月程度という計算です。
ただし、この時間はその点数相当の英語力を身に着けるために必要な時間と考えています。
英語力を磨く+テスト対策をすることで、勉強時間をある程度は縮めることができます。
そのためには、まずは試験をよく知ることと、自分の現在位置を知ることから始めるのが王道です。
そして、目標点を取るため、一般的に必要とされている力を知る、自分には何が足りてないのかを把握する。
それを身に着けるために訓練する。こう書くとセオリー通りに見えるけれど、どの問題を間違えてしまうのか、そしてその理由は何か、どうやって訓練するかは本当に人それぞれ。
究極のオリジナリティの世界です。それを見つけられるのは自分だけです。
学習継続のための6つのコツ

私は35歳を超えてから完全独学・留学なしでTOEIC900点を獲得することができました。
あの原動力はどこから来たんだろうか?と自分でも不思議に思うことがあります。
20代の頃もTOEIC860点を目標にしていましたが、結局挫折してしまったし…振り返ってみると、無意識の内に習慣化に取り組んでいたように思いました。
上述の通り、英語を身に着けるにはとにかく時間がかかります。
人によって差はあれど、誰にとっても1日2日で劇的にできるようになるものではありません。なので、何よりも続けることが大切です。
個人的に習慣化するのに役立った考え方や方法を挙げてみます。
コツ① まず始める。短い時間で良いから毎日続ける。
人の脳の構造的に、やる気というのは行動してから出るものだそうです。
心理学用語では作業興奮と言われる現象のようです。やらなきゃいけないのにやる気が出ないのはみんな一緒です。とにかく1分で良いから始めると良いでしょう。
また、なるべく毎日続けるのが効率の良い勉強法です。
1つは、ぼーっとしている時間や寝ている間に頭が整理されるからです。
ぼーっとしている時の脳の状態は「デフォルトモードネットワーク」と呼ばれ、何かに集中している時よりも20倍も脳は働いているそうです。
今までできなかったことが急にできるようになる時は、こういう脳の情報整理によって脳がコツを掴んだからではないかと考えられています。
そして、何かを記憶するためには接触回数を増やすことが効率的です。
同じ時間勉強するのであれば、1週間に1時間勉強するより、毎日10分勉強した方が記憶に定着します。
コツ② 継続の2大ストッパー「やり始め」と「中断」
ぜひご自身の経験を振り返ってほしいと思うのですが、何か新しいことを始める時に1番辛いのっていつでしょうか?私はやり始めだったと思います。
慣れないことや分からないこと、成果が出るか分からないことを手探りで行うのは、誰しもが辛いと思います。
そして三日坊主という言葉があるように、やり始めが1番挫折のリスクが高いです。
やることが普通になるまで、つまり、習慣化するまでは1番負担がかかる時だと認識し、とにかく続けるだけでえらいと自分を褒めながら勉強しましょう。
そして、何らかの理由があって勉強ができない日があると思います。この「中断」も多くの人がつまずくきっかけのように思います。
私もそうでした。日本人の感覚なのか、やっぱり皆勤賞が1番えらいと思ってしまうんですよね。
何かを続けている人をよく見てみると、意識的に休みを取っていること、何かをやったかやらないかという0か100かではなく、今日は8割できたと帯で考えていることに気づきました。
何かをやろうと決め、それを達成しようとする心意気は素晴らしいですが、もしそれが何かを続ける妨げになるなら、別の見方を持つというのも手だと思います。
コツ③ 日常で必ず行うこととくっつける
仕事や学業が忙しい人は、気づくと時間が過ぎていて、勉強する時間がないと思うのではないでしょうか。
習慣化のコツの1つは、すでに習慣化している動作にくっつけて行うことです。
例えば朝歯磨きをするときに音声を流すとか、通勤途中でアプリ学習をするとかがおすすめです。
勉強をしよう!と思って行うことは、やりたくないことをやると決断して行動するエネルギーのいることです。やるタイミングを決めておくと、そのエネルギーも節約できます。
コツ④ 勉強のハードルを下げる
上ともつながってきますが、やりたくないことをやると決断して行動するのはエネルギーがいります。
そしてやりたくないことをやろうと覚えておくこと、思い出すこともエネルギーが必要です。
私は自分が家にいる時、1番いる場所に常に参考書を置いていました。
そうするといやでも勉強することを意識するし、やろうと思ったらすぐに勉強が始められて、「やらなきゃいけないけどやりたくない」と考えるエネルギーを無駄遣いすることがなくなりました。
勉強を長く続けるためには、少しでも苦痛を減らしできれば楽しく勉強できるようにするべきだと思います。
でも、質の高いエンターテインメントがそろっている現代で勉強がそれに勝るほど楽しいわけないですよ!
誰にとっても勉強はある程度我慢が伴います。そこで私は勉強しながら楽しめる趣味を探しました。
私は趣味がゲームなのですが、勉強中はプレイすることはあきらめて実況を聞きながら勉強したり、犬が集まるカフェに行って勉強して、時折犬を眺めて癒されたり。
効率を求めると勉強に集中した方が良いですが、長く続けることの方を優先する時があっても良いと思います。
コツ⑤ 勉強の成果を可視化する=達成感を得る
勉強自体を楽しむためには達成感を得られるようにすると良いでしょう。
私は初めの内は勉強記録表を作りました。また、1日に「文法書を1章読もう」等、自分が達成感を感じられる指標も持っていました。

勉強記録をスプレッドシートで管理
目標を決めると勉強の達成感は得られやすくなります。ただ、できない時に自己評価を下げないことに気を付ける必要があります。
勉強することは、できないことにチャレンジすることで、それだけで精神に負担のあることです。
そんな時、自分へどんな風に声を掛けたら良いかは、子どもに対する接し方が参考になります。
今は子どもが何か好ましくないことをしたら無反応、良いことをした時には褒める(認める)という育て方があります。
これは、子どもの好奇心や自己肯定感を損なわずに良くない行動を起こさないようにする方法です。
本来人間には学ぶ力が備わっています。それを自分自身のネガティブな言葉で阻害しないことが学習を継続させることには必要だと思います。

【画像】1日の勉強予定カレンダー
コツ⑥ 仲間を見つける、繋がる
また、何かを続けるためには、目標を決めることや、その目標に届く自分をイメージできることが必要です。
そのために、ロールモデルを持つのが手っ取り早いです。私のおすすめはSNSで自分の憧れの人、仲間やライバルを見つけることです。
日本ではなぜなのか英語を勉強する人に厳しい人が一定数います。TOEIC勉強しても意味ないとか留学しないとダメとか、私も言われてきました。
でも現実ではなかなか出会えないけれど、SNSでは英語の勉強を頑張っている人はたくさんいます。
私はTwitterで「英語学習」についてのトピックをフォローして英語を勉強している人たちの情報に意識的に接触するようにしていました。

【画像】筆者はTwitterで「英語学習」トピックをフォローしていました。
仲間とつながる=SNS交流しなければいけないわけではありません。一方的に見ることでも十分に効果はあると感じます。
人とのコミュニケーションが苦手でない人はもちろん交流したり発信したりしても良いのですが、そのつながりの中でネガティブなことがあると勉強自体が嫌になる可能性もあるので、少し距離があるくらいの方が個人的には良かったです。
また、Twitterだけでなく他にもLINEのオープンチャットでTOEIC勉強のコミュニティに入ったりもしました。
私は今、日英翻訳の仕事をしていますが翻訳の勉強については翻訳家になった人のブログや翻訳者向けのFacebookコミュニティなども活用しました。
自分に合うSNSで自分に合うコミュニケーションの仕方で人とつながれば良いと思います。


おわりに
TOEIC800点を持っていると可能性が広がります。就職の選択肢が増え、英語が読めることでたくさんの一次情報に触れることができます。
コミュニケーションを取れる人も増えます。人生を左右する経験を増やすことができると考えています。
そしてそれが自分の努力の末に到達したものであれば大きな自信になります。この記事がその助けになれば嬉しいです。




