



「TOEIC Part1&2の正答率がなかなか上がらない」
「なんとなく聞き取れている気はするのに、回答できない」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
TOEIC Part1&2の問題音声は他のパートと比べて短いですが、一部分の聞き逃しが命取りになることも多く、
難易度は決して低くありません。
この記事を読むと、
- TOEIC Part1&2の攻略ポイント
- TOEIC Part1&2の効率的な勉強法
がわかります!
この記事の著者:かおり
大学生になってから英語学習に目覚め、TOEIC L&R 420点→910点を達成した理系大学院生です。英語に対する苦手意識がなくなったことで、英語論文が読めるようになり、研究の進捗もスムーズになりました。現在は国際学会での英語発表に向けて猛特訓中です!
目次
TOEICパート1の概要

TOEICのリスニングセクションは、Part1~4の4つのパートで構成されています。
その中でPart1は写真描写問題です。問題数は6問と少ないため後回しにされがちですが、TOEICで高得点を狙うためには必ず対策するべきパートです。
写真描写問題では、問題用紙には写真のみが印刷されており、その問題に対応する問題音声が一度だけ流れます。読み上げられた4つの選択肢から、写真の内容を描写しているものを一つ選んで回答します。

Part1写真描写問題の例
リスニングパートの中で最も簡単と評されがちなPart1ですが、紛らわしい選択肢や独特な単語が多く、満点を取るためには対策が必須です!
攻略ポイント 独特な単語を記憶
Part1で高得点を獲得するには、Part1内で頻出の単語や表現の知識を付けることが大切です。
Part2以降の会話はビジネスシーンを想定したものがほとんどなのに対し、Part1は日常的な風景の写真が問題の対象です。それゆえ、「wipe off(~を拭く)」「put on(~を身に着ける」「assemble(~を組み立てる)」など、人間の日常動作に関係する表現が多く登場します。
動詞だけではなく、名詞でも「reading material(読み物)」「railing(手すり)」「sign(標識)」など、後のPartではあまり出てこない単語が頻出します。
これらの単語を知らないとそもそも選択肢の意味が分からないため、正解を選ぶことができません。
つまり、Part1攻略のポイントは、日常会話でよく登場するような英単語の知識を付けていくことなのです!
TOEIC パート2の概要

Part2の問題形式は応答問題です。
問題音声として短い質問と3つの選択肢が流れ、質問への応答として適当なものを三つの選択肢から選びます。
TOEICのリスニングセクション全100問のうち、Part2は25問を占めます。約9分間という短い解答時間にも関わらず、約125点と配点が高いため、確実に正解しておきたいところです。
他のパートとの大きな違いは、問題用紙に写真も選択肢の記述も一切無いため、すべての情報を耳で聞き取る必要があることです。
問題文の内容を素早く脳内で処理し、直後に聞こえてくる選択肢と照らし合わせ、次の問題にうつるまでの5秒で問題に回答するのは簡単ではありません。
しっかりと演習を積み、正答率を上げていくことが大切です!
攻略ポイント① 文頭の聞き逃し厳禁
Part2の場合、問題音声の冒頭に、問題を解く上で最も重要となる情報が流れます。具体的にはその質問の目的を示す疑問詞(何が、誰が、いつ、どこで、どれが)や、助動詞などです。
このような問題文の冒頭を聞き逃すと、文脈が理解できなくなってしまうため、正答するのはかなり難しくなります。
例として、下の問題を見てみましょう。
こちらの問題の冒頭を聞き逃してしまうと、質問の目的が「いつ」という情報だとわからないので、正解を選べる可能性はかなり低くなってしまいます。

文頭の疑問詞は絶対に聞き逃さないように!
前の問題が解き終わっていなくても、すぐに頭を切り替えて、次の問題の文頭をきちんと聞き取ることにしましょう!
攻略ポイント② ひねくれ問題への対処
ここでのひねくれ問題とは、正解の選択肢の応答が、質問文へのダイレクトな答えになっていない問題のことです。
例えば、「今日このレストランは開店していますか?」という質問文に対して、正解の応答が「はい、開いています」なら話は簡単です。
しかし、正解の応答が「水曜日は定休ですよ」「隣の店の方がおすすめですよ」「先月閉店しました」あたりだとしたらどうでしょう。
通常の日本語での会話だと問題ないかもしれませんが、テストという特殊な状況で聴くと迷ってしまうかもしれませんよね。
このような、質問文に対する応答が曖昧な問題を私はひねくれ問題と呼び、対策していました。
以下はひねくれ問題の例です。

ひねくれ問題の例
慣れていないうちは、回答に時間がかかったり、正しい応答を選べないかもしれません。
しかし、これから紹介する勉強法を実践すれば、少しずつ慣れてきて、落ち着いて対処できるようになります!
TOEICパート1&2の勉強法

リスニングパートの後半に比べて、Part1&2は一問一問が短いため、対策が疎かにされがちです。
しかし、安定したスコアを獲得し、高得点を手にするならこれらの対策は必要不可欠。
以下の方法で勉強を進め、解き方のコツをおさえておきましょう!
シャドーイングでリスニング力アップ
私のPart1&2対策は、ほとんどがシャドーイングによるリスニング力の向上です。
詳しくは後で解説しますが、シャドーイングとは耳から聞こえた英語をそのまま繰り返して発音する学習法です。
暗号にしか聞こえなかった英文が綺麗に聞こえるようになる感動にはハマってしまいますよ!
私が取り組んでいたシャドーイング中心のPart1&2対策の手順は以下の通りです。
- 一通り問題を解く
- シャドーイング
- ディクテーション
- もう一度同じ問題を解く
- 知らない英単語を記憶
順番に説明していきますね!
手順①一通り問題を解く
まずは、一通り問題を解きましょう。英語音声の内容が聞き取れなくても、飛ばす問題があっても構いません。
現時点で自分がどの程度英語が聞き取れているのか、自分の中で感覚的に覚えておくことが大切です。
私は英語音声の内容を聞き取れたかどうかを記録するために、問題番号の横へ印をつけていました。
以下は私の付けていた印の例です。
◯→問題音声が比較的聞き取れた上、回答に自信がある
△→問題音声は半分以上聞き取れたが、回答に自信がない
✕→問題音声がほぼ聞き取れなかった

印のつけ方の例
この印を付けておくと、後で重点的に見直すべき箇所が明確になります。
手順②シャドーイング
次に、既に解いた問題をシャドーイングで復習していきます。

シャドーイングとは、聞こえてきた英語音声を、数秒遅れでそっくりそのまま繰り返して発音する勉強法です。
Part1,またはPart2の英語音声を流し、2~3秒遅れて同じ言葉を繰り返します。お手本の英語音声に”影のように”ついていって発音するので、「シャドーイング」と呼ぶのですね。
このとき、イントネーションや息継ぎのタイミング、間の取り方までできるだけそっくり真似するつもりで発音してみましょう。
リスニングで英語音声が聞き取れない大きな要因として、「自分が思っている単語の発音とネイティブの発音の乖離」があります。
例えば、importantという単語は、良く日本語で「インポータント」と表現されます。しかし、実際の発音は、「インポゥラン」に近い発音がされます。このイメージの発音と実際の発音の乖離によって、英単語が聞き取れなくなってしまうのです。
シャドーイングでネイティブの発音をそっくりそのまま真似して、自分の耳に覚えさせれば、「英語が聞き取れない!」というケースは少なくなっていくはずです!
しかし、最初からシャドーイングをしようとしても難しいのが実情です。
そこではじめは、スクリプトを見ながら何回か英語音声を聞き、音声の内容を理解しましょう。
その後、2~3行分英語音声を聞いたら、いったん音声を止めてその部分を繰り返し、もう一度英語音声を再開する、というやり方をしてみましょう。
そのような練習を何度かしていると、だんだんと英語音声を聞きながら発音できるようになっていきます!
手順③ディクテーション
全ての問題に対して行う必要はありませんが、特に聞き取りにくかった問題の克服のため取り組んでほしいのが、ディクテーションという勉強法です。

ディクテーションとは、聞こえてきた英語音声の内容を正しく書き取る(書き取ろうとする)勉強法です。
シャドーイングは、聞こえてきた音をそのまま雰囲気で繰り返すだけでなんとなくクリアできてしまいます。しかしディクテーションは自分の書き取った文言が紙に残るので、ごまかしがききません。
一言一句正しく書き取るためには相当集中して音声を聞かなければいけないので、かなりのリスニング力が身に付きます!
私が実践していたディクテーションの流れは、次のようなものです。
- 間違えた問題の音声を3回聞いて書き取る
まずは、自分が間違えた問題の音声を聞いて、紙に内容を書き出しましょう。
一回聞いただけでは恐らく書ききれないと思うので、リピート機能等を用いて同じ音声を3回聞き、書き取れたところから順に埋めていきます。

3回聞き、聞き取れた部分から順に書き取っていく
このとき、一回では聞き取れなかった部分に下線を引いておくと、自分が聞き取りを苦手とする部分が自然と記録されます。
また、完璧に書き取るまで音声を聴こうとするときりがないので、大体3回くらいで次のステップに進むようにしましょう。
- スクリプトを見て答え合わせをする
次に、スクリプトと自分の書き取った内容を見比べて、答え合わせをします。
このときも、英語音声を流しながらスクリプトを確認すると良い復習になります!
もしも自分の書き取った内容が間違っていたら、赤ペン等で訂正しましょう。
- もう一度英語音声を聞いて書き取る
次に、同じ音声をもう一度聞いて書き取り、記憶に刷り込みましょう。
このときも、「さっきスクリプトを見たばかりだし合っているだろう」とは思わず、きちんと答え合わせをすることが大切です!
ディクテーションは一問分取り組むのにかなり時間がかかりますが、そのぶんリスニング力がぐんぐん伸びます!
時間がとれるときにはぜひ取り組んでみてください。
手順④もう一度同じ問題を解く
ある程度シャドーイングがなめらかにできるようになったら、同じ問題をもう一度解いてみましょう。
最初解いた時にはほとんど聞き取れなかった英語音声が、すらすら聞き取れるようになっていることに気づくはずです!
逆に、もしここで英語音声が聞き取れなかったら、それはシャドーイングが足りていない証拠です。もう一度スクリプトを見直し、シャドーイングを繰り返しましょう!
手順⑤知らない英単語を記憶
Part1&2は英文こそ短いですが、知らない単語が出てくることはままあるかと思います。
特にPart1は、ビジネス会話にはあまり登場しない、日常会話よりの単語が多く登場します。
lawn(芝生)、pedestrian(歩行者)、wheelbarrow(手押し車)など、TOEICの他のパートでは殆ど登場しない名詞が多いのです。
そこで、問題音声で自分の知らない単語が出てきたら、スクリプトや解答解説ページをみて単語の意味をチェックし、記憶しましょう。
私は、英単語と日本語の意味を5回ほどブツブツつぶやいて記憶していました。覚えにくい単語は空中に指で英単語を綴ってみたりして、五感を使って記憶することが大切です。
何度も忘れてしまう単語があれば、スマホのメモ帳に単語をメモして、空いた時間に見直すとかなり記憶に定着します!
初見の問題を定期的に解く
基本的に、英語学習で最も重要なのは復習です。一度ある問題を解いて間違えてしまったら、その問題を何度も復習することで、記憶に定着させることで英語力がついていきます。
しかし、Part1&Part2は、ある程度新しい問題を次々解いていくことも大切です。それは、Part1で多用される単語や表現、Part2の様々なひねくれ問題のパターンに慣れるためです。
特にPart2は、様々な問題を解くことで、問題文に対する応答のパターンがわかってきます。すると、ひねくれ問題に対しても冷静に対処できるようになります!
TOEICパート1&2対策におすすめの学習ツール
ここからは、繰り返しPart1とPart2の演習を進める上でおすすめの学習ツールを紹介します!
スタディサプリ TOEIC
スタディサプリTOEICは、文法の学習から英単語、もちろん問題演習まで網羅的に取り組めるアプリです。

私のPart1とPart2の演習にかけた時間のうち、80%はこのアプリによる演習でした。
アプリでかつ、1問解くごとに解説を見ることができるので、スキマ時間の活用に最適です。
解説が丁寧なのはもちろんのこと、学習時間を一分単位で記録してくれたり、間違えた問題や迷った問題を記録してくれたりと、かゆいところに手が届く機能が満載です!
私は机でPart1とPart2の対策をすることは少なく、電車の待ち時間やレジの待ち時間などのスキマ時間を最大限活用して、このアプリで学習していました。
TOEIC公式問題集
TOEICを運営するETSが発行している問題集です。問題の形式、レベルなどの全ての要素が本番のテストと同様なので、問題演習としては最適です。

私は普段のリスニング練習はアプリを使ってスキマ時間に実施していました。
ただし、本番前や自分の実力をはかりたい時にはこちらの問題集を利用しました。本番同様のマークシートが巻末についていますし、リスニング音声もスマホから簡単にダウンロードできます。
そのため、自宅で簡単にTOEICの模試を受けることができるのです。
こちらの問題集を使用する際は、できるだけまとまった時間をとって、リスニングパート全体、またはTOEICテスト全体を一気に解くのがおすすめ。
自分の集中力がどれくらい続くのか、どのパートに時間がかかっているのかなどの分析にも役立つこと間違いなしです!
まとめ
今回は、
- TOEIC Part1&2の攻略ポイント
- TOEIC Part1&2の効率的な勉強法
を紹介してきました。
Part1&2を攻略するには、多用される語彙を記憶し、問題のパターンに慣れることが大切。
また、シャドーイングによってリスニング力を上げることが必要不可欠です。
スマホアプリと紙媒体の教材を、自分の好みや勉強場所等に合わせて使いこなし、ぜひ満点を目指していきましょう!




