



TOEIC® Listening & Reading Testを受ける人の共通の悩みと言えば「時間配分」。
初めて受ける人から860点、900点を目指す上級者まで「問題を最後まで解き終わらない」という声は多いです。
特にリーディングセクションは75分間で200問答えなければいけませんが、開始から終了まで時間の案内は一切なく、自分で管理する必要があります。
この記事では、まさに「時間配分」に最後まで悩まされながら、独学・留学経験なしで925点を獲得した著者の経験を踏まえ、初心者~上級者まで対応した2022年最新のTOEIC対応の時間配分をお伝えします。
著者について:あきこ
妊娠・出産を経て35歳から一念発起して英語を学び直し。TOEIC710点からスタートしましたが、留学なし・完全独学で2022年に925点獲得しました。現在翻訳家として修業中。
目次
TOEICの時間配分を設定する前に
そもそもTOEICとは?

「TOEICは英語による情報処理能力を測る」テスト。理由は以下の通りです。
- 時間に対して設問数、読む英文の量が多い
- 他の多くのテストと違い、難易度による得点の傾斜がない
これはTOEIC講師、900点ホルダー等複数の人が言っていることで、私もそうだと考えています。
TOEICは扱う単語や文法の難しさだけではなく、読む文書の量や難問の位置などでも難易度調整を行っています。
そのため、時間配分を考えて各設問に使う時間を自分で調整し、優先順位をつけて最後まで解き切ることが自分の最高スコアを更新するために必要です。
TOEICの構成と当日の時間割
TOEICは大きく①リスニングセクションと、②リーディングセクションに分かれます。
①リスニングセクション 計100問 45分間
Part1 | 6問 | 写真描写問題 |
Part2 | 25問 | 応答問題 |
Part3 | 39問 | 会話問題 |
Part4 | 30問 | 説明文問題 |
②リーディングセクション 計100問 75分間
Part5 | 30問 | 短文穴埋め問題 |
Part6 | 16問 | 長文穴埋め問題 |
Part7 | 29問 | 1つの文書(シングルパッセージ/SP) |
25問 | 複数の文書(マルチプルパッセージ/MP) |
また、TOEICは現在毎月1回のペースで開催されており、午前・午後と受験時間帯を選べます。
当日の流れは下記のとおりです。
午前実施 | 午後実施 | |
受付 | 9:25~ 9:55 | 14:05~14:35 |
試験の説明・音テスト | 9:55~10:20 | 14:35~15:00 |
試験開始~試験終了 | 10:20~12:20 | 15:00~17:00 |
問題用紙・解答用紙の回収 | 12:20~12:35 | 17:00~17:15 |
解散 | 12:35(予定) | 17:15(予定) |
自分の現状を知る
目標スコアを決める前にまずしてほしいことが、模試を解いてみて自分の現状を知ることです。
自分は現状の英語力でリーディング、リスニングのそれぞれでおよそ何点くらい取れるのか、模試を解けば一目瞭然に分かります。
このように、まずはTOEICの試験問題を一通り解いてみて、自分の得意や苦手をおおまかに把握することから始めましょう!
時間配分の前に得点戦略を持つ
次にTOEICの時間配分を考える前に、みなさんに考えてほしいことがあります。
それはできる限り具体的な目標のTOEICスコアと得点戦略を持つことです。
得点戦略は言い換えるとリスニング、リーディングそれぞれ何点取るか、そのための必要正解数、そして間違えられる問題数とそれに合わせた戦略を考えるということです。
以下にそれぞれの目標点と個人の得意不得意に合わせた目標正解数の例を表にしました。
目標スコアと目標正解数の一覧表(L,R) | 目標得点 | ||||
600点 | 700点 | 800点 | 900点 | ||
得意セクション | RよりLが得意 | 70,50 | 80,60 | 90,70 | 95,85 |
どちらでもない | 65,60 | 75,65 | 85,75 | 90,90 | |
LよりRが得意 | 60,70 | 60,80 | 80,85 | 85,95 |
目標点によって必要な勉強方法も変わりますし、本番のテストの解き方も変わります。自分の得意不得意と照らし合わせ、自分に合わせた目標正解数を決めましょう!
そして以下のように、より深堀りして試験の戦略を立てましょう。
より具体的な目標設定の例
- 例① 800点が目標
Part7シングルパッセージに頻出で難易度が高い傾向が強い新聞記事(article)問題は捨て、他の問題に時間を使うことが有効になる可能性が高いです。
- 例② 900点が目標
リスニング、リーディングそれぞれ9問程度は間違えても大丈夫です。あらかじめその意識を持っていると、分からない問題があった時に気持ちを切り替えて次に進むという戦略が選べます。
このように“目標”と“戦略”を持つことで、具体的にどうやってそれを達成するのかという戦術の幅が広がり、効率性を考えることができます。
得点戦略を練ることは、TOEICの学習と本番でのふるまい方を俯瞰で考えることになります。
物事を俯瞰で見ることはいろいろな勉強や仕事にも応用できる力なので、「TOEICをきっかけに語学力だけでなく総合的な力が磨けてラッキー!」くらいの気持ちでぜひやってみてください。




リーディングセクションの時間配分
一般的なTOEICの時間配分は上の画像のとおりです。
初めてTOEICにチャレンジする人やこれから勉強を始める人は、まずは上記の時間を目安に勉強に取り組んでみましょう!
時間配分に最適解は存在しない!
時間配分の例を紹介しましたが、全員がこの通りに解くべきということではありません。
実はそもそも、時間内に全ての問題を解ききることができる人はかなり少ないです。
実際、TOEIC900点以上を取っている人でも、最後は塗り絵(※問題を見ずに当てずっぽうでマークすること)をしたという人もいます。
要するに、「全問解き切れなくても高得点獲得は可能」ということです。
ところで、ネットにはTOEIC攻略法があふれており、なかなか目標点に届かない人ほどこういった記事を読み比べる機会が多いと思います。私もそうでした。
もちろん、時間配分の例はたくさん紹介されているため、まずはそれを参考に勉強すると効率は良いです。
しかし、本番で自分の実力を出し切って最高得点を更新したいと考える時には、自分にあったやり方を見つけることが大切です。
結論を言うと・・・
万人に共通する時間配分はありません。
特にPart7は適切な時間配分に個人差が出やすいので一度じっくり考え、できれば書いて整理することをおすすめします。
ではどうやって自分にとっての時間配分の最適解を見つければいいのでしょうか?私は以下の4つの手順に沿った方法をおすすめします。
- 一般的な時間配分を目安に、本番と同じ時間で公式問題集を解く
- 自分の得意・不得意を分析する
- 目標得点と得点戦略に基づいて時間配分を考える
- ③で考えた時間配分で公式問題集を解く
これを繰り返すことで、確固たる得点戦略と時間配分が作れます。
面倒に感じると思うのですが、ほとんどの人にとっては母国語で物を考える方が新しい言語を使えるように勉強するよりもはるかに楽です。
自分の苦手を把握せず漫然とTOEICの勉強をする方が結果として時間がかかり、そして運に頼ることになります。
特に留学なしでTOEIC900点を超えたい人、目標点数や期限がはっきりとある人は避けて通れないと考えてください。
また、時間配分の悩みでよくあるのが、決めた時間配分通りに解けないということです。この悩みを解決するためには
- 捨てる問題を意識し、戦略的に間違える
- 体に覚えさせるために繰り返し練習する
ことが有効です。
下記に、各Partの具体的な解説と早く解くコツと学習のポイントをまとめました。


Part5の時間配分

Part5の戦略とコツ
Part5の時間配分:合計10分目標。1問20秒。苦手なら12分までOK
Part5は短文穴埋め形式の30問。
問題文→選択肢の順で把握して、直感的にわからない問題だけまた問題文に戻って精読するという解き方で、1問あたり20秒・Part5全体を10分以内で解くというのがセオリーです。
文法・語彙・英文の処理スピードと、TOEICリーディングセクションで求められる英語力が凝縮されているのがPart5です。
そのため、Part5を10分で解いて自分の目指す正答率を取れるようにすることがTOEICリーディング全体の点数を底上げすることにつながります。
900点目標なら27/30問、800点目標なら24/30問は少なくとも正解しましょう。
私はPart5が苦手でした。20秒以内というのを意識すると、どうしても細かいミスが減りませんでした。
焦りから本番でマークミスをしてしまったこともあります。そこで、10分を目標にはするけれど、12分以内なら大丈夫と楽観的に考えることにしました。
初心者で目標点数が~700点の人はもっと時間をかけても良いでしょう。
文法が得意、長文読解が苦手、文章をざっと見て必要な情報を取り出すいわゆるスキャニングが苦手な人は、Part5をじっくり解いた方が結果につながる場合もあります。
自分の得点戦略に基づいて本番の時間の使い方を組み立てましょう。
もう1つ大切なことは、切り替えです。満点を目指すのでなければ全問正解する必要はありません。
自分の苦手な問題はあえて捨てて戦略的に間違えることが全体のスコアを高める秘訣です。
例えば私は過去完了、未来完了、完了形の分詞構文等「have」が入る問題が苦手でした。
こういう問題は最悪正解しなくても良いと割り切り、時間を使いすぎず、とにかく気持ちを切り替えるようにしました。

このように、何度も解くと自分の苦手は見えてきます。
Part5早く解くコツ
- 「すぐに解ける問題」と、「時間がかかる問題」を区別し、前者は数秒で解答。
- 難しい問題は捨て、切り替えて次の問題に進む。
- マークシートは最後にまとめて塗る。(私の場合)
すぐ解ける問題と時間がかかる問題を区別し、前者は数秒で解答して時間を短縮。
Part5は特に問題の難易度と並び順に相関がありません。
そのため、しっかりと出題傾向を把握して、すぐ解ける問題か時間がかかる問題か一瞬で判断する必要があります。
幸い「文法問題出る1000」という素晴らしい参考書が出ています。この1冊やり切れば必ず900点取れる実力はつきますので信じて勉強しましょう。
自分が苦手な問題は「間違えても良い」捨て問と考えて引きずらない。
母国語ではない言語を高速で読み、問題を解くことはそれだけで脳に大変な負担のある作業です。
今解いている一つの問題に集中し切ることが、正答率を高く保ちながら時間を圧縮するコツです。そのためには小さなことでも不要なことは削りましょう。
TOEIC(特にPart5)では、前後の問題の正誤は解答時に不要な情報です。必要な情報にだけに集中することが自分の最高得点を取ることにつながります。
マークシートは1問ずつ塗らず、最初は印だけつけてまとめて塗る。
TOEICは時間との勝負。全部で100問あるリーディングセクション、1問1秒ずつ時間を削れば100秒です。これはpart5では5問分、25点分です。
少しのことを積み重ねることが点数に大きく影響します。
また、Part5は特にスピードが問われるのでマークミスが起こりやすいです。そんな時に修正しやすくするためにも、後からまとめて塗ることをお勧めします。
Part5学習のポイント
- 10分間の制限時間内に30問を解く練習をする。
- 全文暗記するくらいまで「出る1000」をやりこむ。
Part5はTOEICリーディングセクションの縮図です。
Part5を10分で解いて、自分の目指す正答率を取れるようにすると、TOEICリーディング全体の点数がアップします。繰り返し10分で30問解く練習をしてください。
具体的には「文法問題出る1000」をやりこむこと。
特に文法模試13セットで時間を計って解く練習をし、全文暗記するくらいやり込むことがおすすめです。

Part6の時間配分

Part6の戦略とコツ
Part6の時間配分:合計10分目標。1問37.5秒
Part6は、4つの長文のそれぞれに4つの設問があり、この長文穴埋め問題計16問を10分で解くのが基本です。1問あたりに直すと、37.5秒で解くのが目安となります。
解き方は、まず内容を把握しながら長文を読み、設問の箇所に来たら問題文と選択肢を確認。その後必要があれば長文に戻るのが良いでしょう。
Part6のコツは時間をかけすぎないことです。私はPart5がもし長引いた場合はここで時間調整をするようにと考えていました。
Part6には、非常に難易度の高い問題や時間がかかる問題が含まれていることもあります。
そういった問題はTOEIC950点以上を目指す人以外は正解する必要がありません。わからない問題があれば思い切って捨てましょう。Part7に時間を回した方が合計スコアは高くなる可能性が高いです。
もし捨てきれない場合は、とりあえず直感で印だけつけて、最後に時間が余ったときに考えるようにして気持ちを切り替えましょう。
この後にまだ半分以上リーディングセクションは残っています!
Part6を早く解くコツ
- 長文→設問→長文(必要に応じて)
- 捨てる問題は捨ててPart7に安定した時間を残す。制限時間を厳守。
長文を読む→設問のところに来たら設問を読む→必要に応じて長文に戻って解答するようにしましょう。
全部で16問、80点程度しかないと割り切り、時間を厳守しましょう。捨てる問題があっても良いです。もしPart5で時間を使ったらここで調整しましょう。
まだ半分以上リーディングセクションは残っているので、できない問題を引きずらないようにしましょう。
TOEIC900点代後半の人でも迷う難易度の高い問題が含まれています。
Part6学習のポイント
- TOEIC公式問題集を、時間調整を意識して解く。
- Part5とPart7の対策でPart6も伸びる!
TOEIC公式問題集で本番と同じ形式で解き、リーディングセクション全体での時間調整を意識しましょう。
Part6は時間調整のためのパートと心得て、Part5で時間が長引いたらここで調整するような練習もしましょう。
どういった問題は時間がかかるのか、自分の不得意な問題は何か把握しましょう。もし本番で時間が押している時は捨てる勇気を持ちましょう。
Part6が特別苦手な場合以外は、Part5とPart7の対策をすればPart6の得点も上がります。他の2つを時間内に解けるように訓練しましょう。
Part7の時間配分

Part7の学習法とコツ
Part7の時間配分:合計55分。自分の得意不得意に合わせて細分化すべし
Part7は様々な種類の文書を読み、その文書に関する問題が出題されます。
「SP」が10個、設問29問、「DP」が2個、設問10問、「TP」が3個、設問15問。合計で54問の設問があり、セオリー通りだと55分間つまり1問あたり約1分で解くというのが解答時間の目安となります。
- SP:シングルパッセージ問題(1つの文書で構成された問題)
- DP:ダブルパッセージ問題(2つの文書で構成された問題)
- TP:トリプルパッセージ問題(3つの文書で構成された問題)
- MP:マルチプルパッセージ問題(DPとTPを合わせたもの)
制限時間の厳しいPart7では問題文を読んでから文書を読み、正解を見つけるようにすると良いでしょう。この解き方をすると、自然と文書をスキャニングしながら読め、時間が節約できます。
一般的にはPart7には55分使うという意見が多いです。もう少し細分化してSP25分、MP30分という人もいます。
Part7は文書の種類やSP/MPによって難しさの種類が違います。
そのため、自分の得意・不得意に合わせて優先順位をつけて時間配分していくことがキーポイントです。
TOEICは問題の並び順と難易度がイコールでないという話をしましたが、唯一Part7だけは例外で、前半の問題が易しく後半が難しい傾向が強いです。
SP、DP、TPとそれぞれの中で先にある問題は易しく、後半の問題は難しいです。
そして問われる知識の深さで比べると、SPの後半の問題(多くは新聞記事問題)が最も難易度が高いです。
DP、TPでは複数の文書の中から正解を見つけ出す力が問われるので時間をかけて落ち着けば正解できる問題が多いです。
英語の知識に自信がある人はSPを、英語を早く読み必要な情報をみつけるのが得意な人はMPを優先するようにすると自分の実力を発揮し、目標スコアに近づけます。
私は公式問題集を本番と同じ制限時間で解いて、自分の不正解の傾向を分析しました。
その結果・・・、私の場合、SPの大問7つ目(問題文1つにつき設問が3問ある問題の3番目)から不正解しやすいことに気づきました。
また、MPの方が時間をかければ正解できる問題が多かったので、SPの時間配分は25分厳守、間に合わなければSPの難問(具体的には162-170問)を捨てると決めて臨みました。
また、Part7はリーディングセクションの半分以上を占め、問題数や読む英文の量が多いです。
時間を気にしながら問題を考え、設問数を気にするのは脳に負担をかけすぎです。私は大問の中に設問が何個あるのかを目安にするようにしました。
「設問が4個ある大問を1つ解いたからあと8問でSPが終わる!」と考えてペース配分しました。
下記に実際に私が作った表を掲載しますので、ぜひ活用してください!
Part7問題構成リスト
文書種 | 設問No | 大問数 | 設問数 | 難易度 |
SP | 147-154 | 4 | 2 | 易 |
SP | 155-163 | 3 | 3 | 易~やや難 |
SP | 164-175 | 3 | 4 | やや難~難 |
DP | 176-185 | 2 | 5 | やや易~難 |
TP | 186-200 | 3 | 5 | やや易~難 |
※概ね設問数順に並びますが、まれに入れ替わることがあります
こういった小さなことを積み重ねた結果、本番では最後に見直しの時間が1分作れるくらいの余裕が持て、925点獲得することができました。
Part7を早く解くコツ
- 問題文→それぞれの文書
- スキャニングで必要な部分を見つけ出す。
- 分からない問題があれば深追いせずに捨てる勇気を持つ。
問題文を読んでから文書を読み、スキャニングするようにしましょう。
SPの最初の問題は中学英語レベル。直感で答えても大丈夫なので、とにかく早さ重視で解くことを意識しましょう。
SPの後半の問題は難問が多いです。特に新聞記事問題は最高難易度と考え、深追いせず捨てる勇気を持ちましょう。
公式問題集を使って自分の得意不得意を把握し、優先順位をつけましょう。自分の得意を生かせる時間配分を考えましょう。
問題に集中できるようあらかじめ問題構成を覚えましょう。苦手な問題を早く解かなければいけない時、脳の負担をいかに減らせるかを考えて対策をすることが高得点につながります。


Part7学習のポイント
- 制限時間を設けて通しで解く。
- 出題される文書の種類と問題形式を覚える。
- 普段から得意・不得意を意識して適切な時間配分を考える。
公式問題集を本番と同じ制限時間で解き、ペースを掴みましょう。
本番と同様のマークシートもついているので、それも活用しましょう。なるべく本番に近い環境で練習しておくと脳の負荷が減り、結果として高得点につながります。
文書の種類を知りましょう。
広告、掲示物、メール、テキストチャット、ウェブサイト、口コミ、新聞記事等ある程度型が決まっています。公式問題集で実際の難易度に近い問題を1つでも多く解くことが役立ちます。
自分の得意、不得意を把握しましょう。
文法や語彙が得意ならSPの後半の正答率が、スキャニングが得意であればMPの後半の正答率が高くなるはずです。捨て問を意識して1つの問題に集中し切るようにしましょう。


リスニングセクションの時間配分:先読みがキー

リスニングパートはリーディングパートの前に45分間あります。
その間音声が流れるのをただ聞いていれば良いと思っていませんか?答えは否です。
留学なし・TOEIC高得点を目指すのであれば、リスニングでも時間配分を意識して効率よく「先読み」する必要があります。
特に先読みが必要なのは、Part3とPart4です。
このパートは、会話や説明等1度しか流れない長文を聞いて問題に答えなければなりませんが、問題文は印刷されていて読むことができます。
事前に問題文の内容を把握すると、内容を想像しながら英文を聞くことができますし、選択肢を検討する時間も確保することができます。
リスニングセクションで先読みができるのは、3つの場面です。
- リスニングセクションと各Partの説明
- 「ページをめくってください」のアナウンス
- 解答時間(次の問題音声が流れ始めるまで)
それぞれおすすめの先読みテクニックを紹介します。
各Partの先読みのコツ
試験中、活用可能な隙間時間を可能な限り活用し、得点UPにつなげましょう。その前に、まずはどのタイミングで先読みが可能なのか把握し、それぞれの時間でどこの先読みをするのか、事前に決めておく(時間配分)ことが重要です。
先読みに利用できる隙間時間とおすすめの先読みポイントは下記の表にまとめました。
時間 | おすすめ先読みポイント | |
リスニングテストの説明とPart1 | 1:32 | Part3、part4の図表と、part4各ページ2番目以降の問題文 ※part1の絵の先読みはpart1のページめくりの時間で行う。 |
Part2 | 0:27 | Part3各ページ2番目以降の問題文 |
Part3 | 0:30 | Part3各ページ2番目以降の問題文 |
Part4 | 0:29 | Part4各ページ2番目以降の問題文 |
合計約3分間あります。この時間をうまく活用し、part3、part4の問題を先読みすることが長文のリスニングへの集中力を生み出します。
最初の説明時間:1分32秒
リスニングの始まりは、リスニングセクションの説明とPart1の説明、テスト問題と解答の例が読まれます。
そして、各Partの最初は、そのPartの説明とテスト問題と解答が読まれます。
リスニングセクションでは、これらの説明部分が最長の先読み時間になります。
ここでは①Part3、Part4で難問である図表を含む問題と②ページめくりを利用して先読みができない、各ページの2問目以降の問題を優先して見ると良いでしょう。
「ページをめくってください」のアナウンス時間:毎回6秒
約6秒あります。この時間はページをめくった先の1番目の問題を把握することに使いましょう。
次の問題音声に移るまでの時間:各問題数秒
各問題の間に解答時間が数秒設けられています。各Partの最初の方は内容が難しくないことが多いので、先読みに使うことも可能です。
数秒なのでページをめくる先読みはせず、視線を動かすだけでできる先読みにとどめましょう。
解答時間は各Partで下記のようになっています。
- Part1 解答約8秒
- Part2 解答約4秒
- Part3 問題約1秒 解答約9秒
- Part4 問題約1秒、解答約7秒
たくさんやろうとして焦らない
問題文の先読みは有効な場面が多いですが、やりすぎは禁物です。
Part1は現在難化の傾向があります。Part1の間にPart3以降の問題を先読みすることは避け、Part1に集中すべきです。
そしてPart3、Part4では音声は1度だけしか聞けません。
音声に集中できないなら得点には結びつきません。先読みすることで混乱しないように公式問題集で練習して自分の先読みのペースを見つけてください。



時間管理と問題への集中を両立するために
TOEICは「英語での情報処理力を計るテスト」です。
短い時間の中で大量の英文、時には数字を扱わなければなりません。そしてメモなどを書くことは禁止されています。
つまり脳の中ですべての言語情報を処理しなければなりません。TOEICの問題に集中し切るためには、言語に関する脳の処理を少しでも減らすことが必要です。
時間管理には「映像記憶」を使う
そのために、言葉でなくて良いことは別の方法で記憶しましょう。
具体的には時間です。各Partの制限時間を時計の映像として覚えましょう。
そうすると、時間管理には言語に関する脳の領域を使わなくてよくなります。このためには持ち込む時計もアナログ時計にした方が良いです。
では、映像として暗記して時間管理を行うためには具体的にどうすればよいのでしょうか?
結論、私が実践した「時計を描いて覚える」です。
各Partの時間を映像で覚えるためには、時計の絵を描いてみましょう。
私はTOEICの勉強を始めて880点までは3か月ほどで到達しましたが、なかなか900点の壁を超えることができませんでした。
「こんなに勉強しているのにどうして?」と悩み、悔しい思いをしていました。原因を考えたところ、本番ではリーディングセクションを時間内に解き終わったことがないことに辿り着きました。
本番という緊張感のある中で時間管理と集中して問題を解くことを両立するために、時間管理を言語で行わないことが私には非常に効果がありました。
この方法は特に数字の苦手なザ・文系の人に試してみてほしい方法です。
そして、前日に15分程度でできる簡単な方法です。ぜひ1度だまされたと思って試してみてください。

前日に描いて本番前に見返しました。(息子の描いた絵の裏を使いました。子持ちTOEICerのリアル。)
テスト受験は午前/午後固定で受けるべし
時間管理をしやすくするためにも、テストは午前・午後固定で受けるようにしましょう。
どちらの時間帯がより集中できるか考えて決めると良いでしょう。
私は午後固定でずっと受けていたのですが、一度間違えて午前に申し込んでしまったことがありましたが、ペースが乱れて点数を落としてしまいました。



TOEICに必要な英語力底上げのための参考書

もしTOEICのための参考書を1冊しか選べないとしたら何をお勧めするか。
そう聞かれたら迷わず公式問題集と答えます。TOEICを開発しているETSが実際の試験と同じ難易度になるように作った問題集で、本番2回分の問題が収録されています。
リスニング音声も本番と同じナレーターさんが読んでいます。本番でより良いパフォーマンスをするには、なるべく本番に近い環境を体験する。
これはTOEICに限らず、スポーツや他のテスト等と一緒です。
公式問題集の最新版は2021年10月に発売された「TOEIC公式問題集8」で2022年現在の問題数や出題傾向にも対応しています。
試験の基本は過去問研究をして試験に合わせた対策をすることであると思いますが、TOEICは過去問を公表していないため、公式問題集を分析、トレーニングすること=過去問研究です。
さらにおすすめなのが充実した解説です。問題文で出ている単語の意味もすべて載っているので、とにかくこの1冊をやり切れば文法、語彙、テスト対策がばっちりできます。
この参考書の唯一の欠点は勉強を始めるハードルが高いことです。
本番のテストと同じ時間で解くことでトレーニングにもなりますが、TOEICを初めて勉強する人・久しぶりに勉強する人がいきなり120分テストを行うのは現実的ではないと思います。
そういう時は「文法問題出る1000問」がおすすめです。
これはpart5に特化した参考書ですが、基礎から応用まで対応しているのと1問が短いので自分のペースに合わせて勉強しやすいです。
さらに、abceedを使えば、隙間時間に、間違えた問題に絞って効率良く学習できます。
私もこの1冊からTOEICの勉強を始めて、まずは勉強習慣をつけるところから始めました。

さらに上の写真のように、公式問題集・出る1000で分からなかった単語を抜き出して単語帳を作っていました。
今回紹介した2冊以外にもよく研究された良い参考書がたくさん出ています。ぜひ自分に合う参考書、勉強の仕方を見つけてみてください。
今回紹介した方法が1人でも多くの方の参考になったら嬉しいです!
- 語彙力が足りない
・・・【金のフレーズ】定番のTOEIC単語帳で900点突破!金フレの賢い使い方 - 学習スケジュールの立て方が分からない
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