



TOEICのスコアアップには単語学習がカギになります。
そして、効率的に英単語を習得するためには、“適切な単語帳を選ぶこと”がとても大切です。
本記事では、TOEICのスコアアップにオススメの単語帳を5冊紹介します。
私は約3年間かけ、600点台から930点までスコアを上げることができましたので、単語暗記のコツなど私の経験も交えてご紹介します。
私自身、留学経験は全くないうえに、会社員としてフルタイムで働きながらスコアアップを達成しました。
忙しくてあまり勉強の時間が取れないという方にも再現性のある方法を共有できるかと思います。
この記事の著者:Sisiza
関西の大学を卒業し、現在は都内で会社員をしながらWebライターのお仕事もしております。英語学習について、もともと英語が苦手ではなかったものの留学等の海外経験はありません。社会人になってから本格的にTOEIC対策を開始し、約3年間かけてTOEIC930点を取得することができました。
忘却曲線を実装しており、スキマ時間の単語学習に最適です。App Storeでダウンロード!
目次
TOEICのスコアアップに単語学習が大切な2つの理由

以下では、なぜTOEICにおいて単語学習が大切なのか、理由を2つご説明します。
理由1 TOEICには“よく出る英単語”が数多く存在する!
実際に受験された方、TOEIC対策をされている方はご存知かもしれませんが、TOEICの問題に出てくるのは、日常生活やビジネスの場面に限られています。
そして、問題の中で使われる単語も傾向が決まっています。
さらに言えば、TOEIC向けに作られた単語帳で覚えた単語は、実際に試験で出る可能性がとても高いです。
したがって、幅広く単語を勉強するのではなく、“TOEICに特化した単語学習”をすることで効率的なスコアアップを実現することができます。
TOEIC頻出単語の例
- reimburse(動) 払い戻す
- complimentary(形) 無料の
- extension(名) 内線
また、上記例のようにそのままビジネスで使える単語も多いので、仕事で英語を使う方にとってTOEIC対策はとても有益です。
理由2 単語の意味を知っているだけで解ける問題が多い!
TOEICでスコアが伸びない大きな原因の1つに、本試験で時間が足りないことが挙げられます。
語彙力を伸ばすことで問題を解くスピードを上げることができますが、特にリーディングでは、以下のように単語の意味を知っていればすぐに解ける問題があります。

設問190は、continue(続ける)の意味を知っていれば即答できる問題です。
上のようなPart7の長文読解問題においても単語の知識で即答できる問題があるため、語彙力強化が解答時間の節約につながります。
また、語彙や文法の知識を問われるPart5では、もちろん語彙力が威力を発揮します。
長文読解問題で時間が足りなくなる方が大半かと思いますが、日常生活に関する問題が中心のため、実は時間の余裕さえあれば解ける問題が多いです。
知っている単語数を増やして、読解にあてる時間を出来るだけ増やせるようにしましょう。

TOEICスコア別の必要単語数

上記のように“TOEICによく出る単語”を覚えることが大切ですが、一方で、スコア別にどれくらいの単語数が必要なのか、一般的な目安をご紹介します。
まず、平成29年改訂の「中学校学習指導要領」および平成30年改訂の「高等学校指導要領」によると、中学卒業までに学習する英単語数は約2,200~2,500語程度、高校卒業までに学習する英単語数は約4,000〜5,000語とされています。
そして、TOEICのスコア別に必要だとされている単語数は以下の通りとなります。
TOEIC600点
TOEICで600点を取得するためには、約5,000語を覚える必要があります。
高校卒業までに学習する単語数とほぼ一致しますので、大学受験のために英語を勉強された方は、単語数という観点だけで言えば600点レベルを達成していると言えます。
ただし、実際には600点を目指すレベルからTOEIC向けの単語帳を使うべきだというのが私の感覚です。
一般的には履歴書に書けるラインが600点と言われているので、最初の目標として600点突破を目指しているという方も多いのではないでしょうか。
TOEIC700点
TOEICで700点を取得するためには、約7,000語を覚える必要があります。
700点レベルからは、基本的な英単語の習得からTOEIC向けの対策へと切り替えていく必要があります。
一方で、東京大学の学部生の平均点が688点というデータがあるので、難関大学を受験された方や、英語がもともと得意であるという方は、力技で700点を突破できる可能性もあります。
TOEIC800点
TOEICで800点を取得するためには、約8,000語を覚える必要があります。
800点レベルからは、明確にTOEIC向けの単語帳を使った勉強を始める必要があります。
また、単語学習だけでは不十分なので、リスニング、リーディングの各種対策も必要になってきます。
また、TOEICを運営するIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が2013年に実施した調査では、国内上場企業の人事部門が国際部門に期待するスコアの平均が750点でした。
そのため、会社で海外部門へ異動したい方や海外に関わる仕事へ転職を考えている方は目標とすべきスコアです。
TOEIC900点〜
TOEICで900点を取得するためには、約10,000語を覚える必要があります。
900点を突破するには、TOEIC向けの単語帳に収録されている中でもハイレベルな単語を習得していかなければなりません。
TOEICのスコアアップを目指す方の中には、最終的な目標を900点突破とされる方も多いですが、根気強い努力が求められます。

TOEIC単語帳選びの3つのポイント

本記事の冒頭で、“適切な単語帳を選ぶこと”が大切と言いました。では、“単語帳を選ぶ基準は何か”、について以下ではご説明します。
自分のレベルに合っているか
TOEICの勉強を進めるにあたって最も重要なのは、漠然と勉強するのではなく、まず目標のTOEICスコアを決め、そのうえで自分の現在地を把握することです。
例えば、目標スコアを800点とし、現在のスコアが600点だったとします。
上記 スコア別の必要単語数に当てはめると、600点レベルでは高校までに学習する単語をすでに習得しているので、TOEIC向けの単語帳を選ぶべきです。
しかし、現在のスコアが400〜500点である場合は、基礎レベルの単語から習得していくことがスコアアップへの近道です。
著者のTOEICへの知識
“TOEICによく出る単語”を習得するためには、TOEICへの豊富な経験と深い知識のある著者が作った単語帳であることが重要です。
また、現在はほとんどの単語帳が対応していますが、2016年5月から試験内容が一部変更されているので、新形式に対応しているかを確認する必要があります。
見た目でやる気が出るか
単語学習の最重要ポイントは、“どれだけ反復できるか”です。
1日に10個の単語を確実に覚えようとするより、50個、100個と量を増やして、かつ1日で2周、3周と反復する方が遥かに定着のスピードが速く効率的です。
反復回数を増やすためには、手に取るのが嫌にならない見た目であること、持ち運ぶのに苦にならないサイズ感であることが意外にもとても重要です。
「どこにも持っていけるし、スキマ時間に眺めてもいい!」と思える単語帳が見つかれば、それがあなたにとって最高の単語帳です。
TOEICにおすすめの単語帳5選

目標スコア別にオススメの単語帳をご紹介します。
ただし、単語帳は1冊を繰り返し勉強するのが最も効率的なので、よく吟味して選ぶことをオススメします。
基礎レベル単語帳(500点〜600点)
Duo 3.0
オススメ度 ★★☆
TOEIC用に作られた単語帳ではありませんが、基礎〜標準レベルの英単語を習得するのにとてもオススメなのが、Duo 3.0です。
重要単語1,600語と重要熟語1,000語が560本の英文にまとめられています。
実際に使える例文と合わせて、単語を覚えることができるため効率が良く、英語力そのものを上げることができます。
縦 約18cm x 横 約12cm x 厚さ 約1.5cmと、持ち運びに適したサイズになっています。

また、別売りですが、「Duo 3.0/CD復習用」には各例文の英語音声が収録されています。
音声での学習を行うと、耳で覚えることができるため効率が上がり、リスニング力の向上にもつながります。ぜひご検討ください。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)
オススメ度 ★★★
銀のフレーズは、TOEICに特化した単語帳で、とてもオススメです。
著者のTEX加藤氏は、長年にわたってTOEICで990点を取り続けており、著者の豊富なTOEIC知識と経験が盛り込まれた単語帳となっています。
TOEICの勉強をスタートする方や、基礎レベルの英単語帳は持っているのでTOEIC向けの単語帳が欲しいという方にオススメです。
基礎〜標準レベルの最重要単語1,000語が収録されています。
縦 約17cm x 横 約11cm x 厚さ 約1.5cmと、持ち運びに適したサイズになっています。
全ての単語に例文が付いており、暗記にも役立ちます。音声の無料ダウンロードや無料アプリにも対応しています。
TOEIC(R) TEST 必ず☆でる単スピードマスター
オススメ度 ★★☆
TOEIC向け基礎レベルの単語帳として、「銀のフレーズ」に次いでオススメです。
厳選された1,000語が収録されており、400点レベル→500点レベル→600点レベルとステップアップができる構成になっています。
全ての単語に例文が付いており、それぞれの音声が無料でダウンロード可能です。
TOEICハイスコアを目指す単語帳(700点〜)
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)
オススメ度 ★★★
金のフレーズは、最もオススメなTOEIC単語帳です。
上記ご紹介した「銀のフレーズ」の上級編ですが、600点レベルから990点レベルまでの厳選されたTOEIC頻出1,000語が収録されています。
著者の圧倒的なTOEICの受験経験、知識が盛り込まれており、TOEICお役立ち情報も豊富です。TOEIC対策としてはほぼ文句ナシの単語帳です。
縦 約17cm x 横 約11cm x 厚さ 約1.5cmと、持ち運びに適したサイズになっています。

全ての単語に例文が付いており、暗記にも役立ちます。音声の無料ダウンロードや無料アプリにも対応しています。
TOEIC(R) TEST 必ず☆でる単スピードマスター上級編
オススメ度 ★★☆
TOEIC(R) TEST 必ず☆でる単スピードマスターの上級編です。
金のフレーズ同様、厳選されたTOEIC頻出1,000語が収録されていますが、私が試験で見たことないレベルの単語も含まれているため、オススメ度は★2つとしました。
しかし、非常に使いやすいレイアウトになっており、頻出ポイントなどお役立ち情報も充実しています。
600点台→930点までスコアアップできた単語学習法

私は日本で生まれ育ち、留学経験もなく学生時代に外国語を専攻していたわけでもありません。
しかし、会社員として働きながら600点台→930点までスコアアップを達成し、今では英語を使う仕事が出来ています。
私がメインで使っていた単語帳は以下2冊です。
- Duo 3.0
- TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)
Duo 3.0は高校時代から愛用しており、大学受験の際もDuo一冊のみ使っていました。大学在学中は英語の勉強をほとんどしていなかったため、社会人になってから勉強を再開しました。
初受験時のスコアは650点でしたが、何度受験してもなかなか700点に届かなかったため、TOEIC対策が必要だと感じ、金のフレーズを使い始めました。
約2年間、金のフレーズを中心に単語学習を行い、930点に到達しました。
ここからは具体的な勉強法をご紹介します。
反復&音読
勉強法はシンプルですが、“ひたすら反復&音読”です。
1日の勉強量としては単語帳100ページ程度を2〜3周としていました。100ページ×3周で合計1時間程度に収めるイメージです。
実際の進め方を解説しますので、下の写真をご覧ください。

「金のフレーズ」の場合、
- 左ページの穴埋め部分の単語と例文の日本語訳を確認します。
- 右ページの単語と日本語の意味、補足情報を確認します。
- 穴埋め部分の単語を意識しながら英文を音読します。
ここまでの作業を1つのカタマリとして、1単語終わったら次の単語へとスピーディに繰り返していきます。
声に出して音読すると耳を通して覚えることもできるので、さらに効率を上げることができます。
ただし、音読をする際には、正しい発音で読むことを意識してください。
自分が口にすることができる単語は聞き取れるようになるため、正しい発音を習得すればリスニング力も向上します。

短期間に何度も復習
1つ1つの単語に時間をかける必要はありません。
できるだけ多くの量をこなすことを意識してください。出会う単語の量と回数を増やすことで、確実に定着率を上げていくことができます。
また、一度記憶したことがどれだけ頭に残っているかを数値化した“エビングハウスの忘却曲線”というものがあります。人が何かを学んだ時、
- 20分後には42%忘れる
- 1時間後には56%忘れる
- 9時間後には64%忘れる
- 1日後には67%忘れる
- 2日後には72%忘れる
- 6日後には75%忘れる
- 31日後には79%忘れる
このことからも短期間に何度も同じ英単語を目にすることの重要性がわかります。
1週間のうちに、1つの英単語を2回、3回と目にすることができれば、どんどん定着させることができます。
ちなみに、例文が付いていると単語の意味を暗記する効率が飛躍的に上がるので、例文付きの単語帳をオススメします。(※本記事でご紹介した単語帳は、全て例文付きです。)
問題集の中の知らない単語をメモ
単語帳を使った学習以外でオススメなのは、一冊ノートを用意して、問題集を解く中で知らない単語を見つけたらメモしていくことです。
何度もメモした単語は、重要な単語だとわかるうえに、覚えたかどうかの確認にもなります。
毎日英単語に触れる
そして、重要なのは、やる気が出ない時でもほんの少しでいいので毎日英単語に触れることです。
単語学習を毎日続けるには、通勤、通学時間などスキマ時間を上手く活用することをオススメします。
私も仕事が忙しい時に勉強するのは苦しかったですが、通勤の電車や夜ベッドに入る前に2〜3分でも単語帳を眺めるようにしていました。
ただし、毎日勉強を続けていても、なかなか成長を実感するのは難しいです。それでも勉強を続けていれば、ある時急に実力がついたことを実感する瞬間が必ず来ます。
私の感覚では、3ヶ月→6ヶ月といったように3ヶ月周期で成長を実感できることが多かったです。
すぐに結果を求めずに、根気強く継続することが一番の近道です。

単語学習におすすめのアプリ
単語帳を使った学習の補助として、スキマ時間に使えるオススメの無料アプリをご紹介します。
単語帳を開く気分にならない時や、通勤、通学時間に上手く活用することをオススメします。
英単語アプリTANZAM

英単語をイメージと例文を利用して覚えることに特化したアプリがTANZAMです。
各単語や例文にはリスニング音声もついており、英単語を五感で覚えることができます。
忘却曲線に基づいて復習の単語も出題されるので、忘れた頃に効率よく学べることができるのも高ポイントです。
英単語アプリmikan

mikanはTOEICだけでなく、英検やTOEFLなど様々な英語学習に使える単語アプリです。TOEICでは200点〜900点までレベル別に学習することができます。
各単語の発音も収録されているのでリスニング力も身につけることができ、テストの正否や回答時間が記録されるので、効率的に復習を行うことができます。
非常に使いやすいアプリです。
TOEIC GALAXY WORD

TOEIC GALAXY WORDでは、TOEIC600点、730点、860点、990点の各レベルの単語をゲーム感覚で習得することができます。
出てくる単語は、「金のフレーズ」に収録されているものが多いです。間違えた単語が分かるようになっているので、復習にも使うことができます。
まとめ
本記事では、TOEIC対策にオススメの単語帳をご紹介し、私自身の経験も交えて単語学習法もお伝えしました。
TOEICにおいて、単語学習はスコアアップへの重要な要素です。お気に入りの単語帳を見つけ、根気強く勉強を続けていれば必ず成果は出ます。
ただし、辛いだけでは勉強を継続することは難しいので、アプリを使ってゲーム感覚でやってみたり、息抜きに好きな映画を英語字幕で見てみたりして、自分なりに楽しめる工夫を見つけることがとても大事です。
本記事で、あなたに合う単語帳が見つかることを願っております。頑張りましょう!




