【日本人の英語力】なぜ英語が話せないのか?【苦手の4つの理由】

・・・・語学学校で修行中のねこ君。日本、中国、韓国、南米・・様々な国からやってくる仲間たちと共に切磋琢磨する日々・・。

ねこ君
ハァ・・。いくら勉強しても英語話せるようにならない・・。隣の中国人やチリ人ってなんであんなに喋れんの?
ねこ君
スタート地点は一緒だったはずなのに、この差はなんなんだ・・?日本人はミスをしたくないから英語が話せないとか、そういうレベルでは説明がつかないぞ・・?
にゃんこ先生
一つ、勉強法が異なるということはあげられるよね。学校以外での英語と触れる時間や勉強法で差がつくことはある。
にゃんこ先生
二つ、言語的な意味で、母国語によって他の言語が習得しやすい、しづらいということはあげられる。
にゃんこ先生
三つ、これは国籍と関係ないけど、英語との向き合い方が異なるということはあるだろう。マインドセットは一番大事だよね。
にゃんこ先生
今日は、日本人の英語力を分析したあと、言語的な観点から、なぜ英語が難しいのかを考えていこう!

 

この記事の著者: Tempest

  •  横浜在住、40歳台前半の男性
  •  米国でMBAを取得、専攻は金融
  •  投資銀行マン等を経て、財務・法務系の翻訳家として独立(言語は英語・タイ語)
  •  Tempestの英語学習の記録

英語は苦手?日本人の英語力

そもそも英語力とは?

英語力だけでなく、全ての語学力を測る際に、下記四つの能力を測定する必要があります。

  • 読む・読解力(Reading)
  • 聞く・聴解力(Listening)
  • 話す・会話力(Speaking)
  • 書く・作文力(Writing)

英語力を測定するには、TOEIC、TOEFLや英検等様々な試験があります。試験のスコアから、日本人の英語力を分析してみることにしましょう。

 

TOEICの統計データから見る英語力

TOEICは日常生活上・業務上に必要な英語力を測定するためのテストです。通常のTOEICテストはリーディングとリスニングのテストを指す。毎年約12万人がこの試験(TOEIC R&L)を受けます。

主催者のIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)の統計によると、平均点が580点前後で、満点990点のうち900点以上取れる人は、なんと上位4%に入ります。

では、この上位4%の英語達人の英語力は実際どれぐらいなのでしょうか?

 

TOEIC900点に必要な単語量は約7、8千程度で、ネイティブの8歳の子供より少ない、TOEIC 700点に必要な単語数は約5,000程度で、それはネイティブの4歳の子供のレベルと同じです。

  • Most adult native test-takers range from 20,000–35,000 words
  • Average native test-takers of age 8 already know 10,000 words
  • Average native test-takers of age 4 already know 5,000 words

出典:Economist

つまり、上位4%に入る日本人の英語力はネイティブの7、8歳の子供と一緒です。

 

スピーキングとライティングは別のテストになるため、この上位4%の会話力と作文力はどうでしょうか?

入社後の実体を聞いてみると、TOEICのスコアは高いが英語でビジネスメールが書けなかったり、英語圏の外国人と英語で話せないことが多いらしく、企業の人事担当者も頭を抱えているそうです。

出典:SankeiBiz

まだ子供だから仕方ないですね。。

 

TOEFLスコアから見る日本の英語力ランキング

ネイティブと比べても仕方がないので、同じ外国語として英語を学んできたアジア諸国の英語力と比べてみましょう。

TOEFLは海外の大学・大学院に進学するための英語力試験で、読む・聞く・話す・書くという4セクションがあります。

また、読む・聞く・話す、或いは読む・聞く・書くという複数の能力を一つのタスクでテストされる総合的な試験問題もあるので、難易度はTOEICよりずっと高いです。

出典:ETS

先進国の日本のTOEFLスコアの平均点は、アジアにある数多くの発展途上国(ネパール、ベトナム、モンゴル、カンボジア等)よりも低く、アジアでは三番目という結果になりました。(2017年ETSの統計データより)

経済的に豊かで、インターネットに制限もなく、東京のような国際大都市もある日本ですが、なぜ英語力の面においてこんなに「貧乏」かつ「苦手」でしょうか?

 

海外の反応

データから見て日本人の英語力が低いことが分かりますが、海外の人はどう受け止めているのでしょうか?

日本人のカタカナ英語をうまく表現しているのはこちらのYouTubeビデオをご覧ください。

いくら日本人の発音がひどい、英語が話せないとはいえ、このように風刺されると悔しい気持ちにもなります。

 

私の実体感から見る日本人の英語力

さて、私の実体験を話してみます。私もかつて米国のとある大学のMBA学生でした。

アジアからの大きな留学生グループとしては、日本・韓国・中国・タイの4つがあり、平均的な英語力を見るとこの中では中国が圧倒的に上、次いでタイ、日本と韓国は英語下手だと気付きました。これは何故だろう、と。

 

また、何故モンゴルから来るお相撲さんはあんなに日本語が完璧になるのだろう、と思われたことはないでしょうか。

24時間365日相撲部屋で缶詰になっているせいもありましょうが、モンゴル人や韓国人以外、他の外国の方は長く日本に住んでいてもどこか日本語がおかしく、あそこまでのレベルには中々到達しません。

 

本題で、歴史的に何故日本人にとって英語の習得がこんなに困難なのか。その逆も恐らく然りで、英米人にとっても日本語の習得は非常に困難なはずです。

単に言語的に「違うから」「遠いから」と漠然と言われていますが、この点をもう少し掘り下げ、以下言語学の観点から分類・分析してみたいと思います。

 

なぜ日本人は英語ができないのか?4つの理由

文法構造

この稿で挙げる全ての要素の中でこの点が最重要となります。言語の構造自体に関するものだからです。

分類の仕方は色々あると思いますが、一般に世界の言語は文法的に以下の3つに大別されると言われています。

  • #1 屈折語(inflective language)
  • #2 孤立語(isolating language)
  • #3 膠着語(agglutinative language)

「五文型」的に大まかに文章構造を述べますと、1と2が「SVO」(I / eat / an apple)式で、3が「SOV」(私は / りんごを / 食べる)です。

このため3と比べて1と2は非常に近く、私としては以下のように分類しても差し支えないと感じます。

  • #1-1 屈折語(Inflective language)
  • #1-2 孤立語(Isolating language)
  • #2 膠着語(Agglutinative language)

さらに詳細を述べますと、

1の屈折語はSVO式で且つ「語が変化する」(go → goes 等)もので、英語を含む欧米言語が主体です。

2の孤立語はSVO式で「語が変化しない」もので、主に中華圏の言語(中国語及びタイ語・ベトナム語他インドシナの言語)です。孤立、とは語がそれぞれ独立していて、配列だけでコンテキストが決まるということを意味しています。

3の膠着語はSOV式で、助詞が「膠」(にかわ)のように各語をくっ付けます。英語の方をじっと見ると「glue(のり)」っぽいものが見て取れます。大雑把に東洋のシルクロード周辺・延長に多く見られます(トルコ語・ベンガル語・モンゴル語・韓国語・日本語等)。

 

冒頭の疑問にはこれが回答となっています。中国語は2で英語は1のため、中国語は英語に近く、一方で日本語や韓国語は3のため遠いからです。

モンゴル人や韓国人の日本語が完璧になるのは、3に属しているためです。逆に、中国人はどうしても助詞の使い方が完璧にならないケースが多いようです。

司馬遼太郎の「草原の記」というエッセーの中で、日本を一度も訪れたことがないのに完璧な日本語を話す女性にモンゴルで出会った、などという不思議なくだりがあります。

 

日本人・日本語の起源については大陸経由説と南方海洋経由説があり、両方の経路で来て混ざっているのが実態のようですが、割合はやはり前者が大きいと考えられます。

又、以前日本で働いているIT系エリートのバングラデッシュ人達(ベンガル語)が大変器用に日本語を操っているのを見て驚いた経験があります。

 

語彙

これはあまり多くの説明を要しません。言語間でどれぐらいが共有されているか、似ているかという点です。

日本語は中国から漢語を大量に輸入しているため、発音はともかく多くの語彙を共有しています。

英語は大雑把にフランス(フランク)語系とドイツ(ゲルマン)語系の語から成り立っていますので、大陸欧州の言語と多くの語彙が似通っています。

 

さて、こちらはやや余談めいておりますが・・・。私は「タイ語」にある程度通じております。日本語とタイ語は共通点が全くと言っていいほどありませんが、一点元来サンスクリットから来た「仏教用語」だけは共通しています。

 

例えば、涅槃はネパーン、地獄はナロック(= 奈落)、托鉢はタクバート、智慧はパンヤー(= 般若)など。

般若の面はコワイ顔をしていますが、欲を戒めるという意味でコワイ顔をしているだけで、元は「智慧」です。

 

文字

世界の言語の文字表記体系は大別して以下の2つに分類できます:

  • #1 表意文字(ideogram character)
  • #2 表音文字(phonemic character)

1の表意文字は、文字自体に意味があるもので、古代では象形文字などがあり、現代では代表的には漢字です。現代語で表意文字を使っているのは漢字の中国語と日本語以外思いつきません。

歴史的にはこちらの方が古いのはご存知の通りです。「鳥」という字はトリの形から来ており、この字単独でトリを意味しています。

2の表音文字は、現在世界の多くの言語の主流で、代表的にはアルファベットです。「bird」と集まるとトリという意味になりますが、bなり個々の文字には意味がありません。

 

日本語は世界でも漢字(前者)と平仮名・カナカナ(後者)の双方を採用している珍しい言語です。

さて、この分類はやや不明瞭な点があり、表音文字でも何文字か集まってある特定の意味を示す「パーツ」を形成すると表意文字のような働きをすることが多々あります。

 

例えば、「cap」というパーツは(抽象的に)「頭」を意味し、そのままならキャップ(帽子)、「captain」はキャプテン(チームメンバーのヘッド)、「capital」は首都・大文字・資本です。

 

発音

これは学術的にそうはっきり言われれているわけではありませんが、私の見る所発音の体系は以下の3つに大別出来ます:

  • #1 アクセント言語(accent language)
  • #2 声調言語(tonal language)
  • #3 平明言語(plain language)

1のアクセント言語は、英語などアクセントがあるものです。

2の声調言語は、トーンに「高低」があるもので、代表的には中国の例の4つの声調です。タイ語もそうで、5つあります(このため、聞いた感じが中国語と似ています)。

3の平明言語は、他の二つと区別するために私がこしらえた概念で、日本語等なべて抑揚が少ないものを示します。

 

欧米言語は概して1であり、中華圏(中国 + インドシナ)の言語は概して2であるため、大雑把に文法の分類と対応していています。これは起源が同じだから、ということかもしれません。

実際、中国人がタイ語を勉強すると恐ろしく速く上達し、逆もそうです。自身、文字が違うため初め似ているとは思わず、びっくりするケースが多いようです。

中国語とタイ語は「大タイ語」という中間地点の言語が起源だとされる説があり、「項羽と劉邦」の楚(中国南方)では当時今のタイ語に近いものが話されていたのでは、と言語学者でもある司馬遼太郎は推測しています。

 

さて、もう一点マイナーな点として、単語が「子音」で終るか「母音」で終る(子音と母音が概ね交互に来る)かという点も見逃せません。

前者は代表的には英語で、後者は日本語やヒスパニック系です。

 

例えば「snack」という語を考えますと、日本語人はどうしても「snakku」と最後に母音の「u」を入れてしまうため、英語の発音が中々うまくなりません。

フィリピン人が日本語を話すのが比較的うまいのは、タガログ語がスペイン語をベースにしており、発音体系が日本語と似ているという理由もあります。

 

ケーススタディ・まとめ

以下の表は、母国語が何かにより、どの外国語がどのぐらい学び易いかということを以上の要素を踏まえて大まかに示したケーススタディです。

言語要素一覧表

言語要素文法文字発音1発音2語彙
ネイティブ言語
日本語膠着語表意&表音平明言語母音で終る
韓国語膠着語表音平明言語母音で終る日本語と似た語彙が散見される
中国語孤立語表意声調言語子音で終る日本語と多くの語彙を共有
タイ語孤立語表音声調言語子音で終る
英語屈折語表音アクセント言語子音で終る
スペイン語屈折語表音アクセント言語母音で終る

 

習得のしやすさ

習得容易度日本語韓国語中国語タイ語英語スペイン語
ネイティブ言語
日本語AACCB
韓国語ACCCB
中国語ACABB
タイ語CCABB
英語CCBBA
スペイン語BBBBA
  • A : 容易
  • B: まずまず
  • C: 困難

 

これでなぜ日本人が英語を学ぶのが困難か、英語が下手なのか、かなり科学的に分かりました。このように様々な要素で異なっているためです。単に言語的に「違うから」「遠いから」ではややぼんやりしていますよね。

 

さて、これを知ったからといって、それ自体で英語がうまくなるわけではありませんが、理由を知っておいて損ではありません。

別の言い方をすると、外国語学習上何が難しいか、と知っておくことはそこを重点的に攻めればヨイということになり、学習の一助となると思料します。英語の場合は結局全部か、と言われると何も言い返せませんが・・・。

 

このようなハンディキャップがある中で、こんな私も英語と戦い、アメリカでMBAを取得し、英語を使って不自由なく仕事ができる程度にはなりました。できないことはないのです。

 

英語が苦手、できなくて辛い人へ:

これまで、日本人が英語が苦手な理由を分析してきました。

さて、今後どうすれば良いでしょうか?日本の英語教育のせいにして、これからも一生英語が出来ない、話せなくて辛い・悔しい気持ちで生きていきますか?

或いは、何歳になってもチャレンジし続けていきますか?

肝心なのは、「英語との向き合い方」だと思います。私の英語との格闘の歴史はこちらに記録しておりますので、皆様のご参考になれば幸いです。

 

ねこ君
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にゃんこ先生
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