



2026年1月21日より、TOEFL iBTのWritingセクションがリニューアルされ、新たに「Build a Sentence(文作成)」と「Write an Email(メール作成)」の2つのタスクが導入されます。
ただでさえ時間との戦いであるTOEFLで、「また新しい形式が増えるの?」「過去問もないのにどうやって勉強すればいいの?」とプレッシャーを感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、安心してください。
この完全新規のタスクが測ろうとしているのは、誰も知らないような難解な学術的知識ではありません。
私たちが普段の生活や学校で使っている「基礎的な文法のルール」と、相手に適切に用件を伝える「実践的なコミュニケーション能力」です。
つまり、高度な英単語をひたすら暗記しなくても、ブレない「型(テンプレート)」と「時間の使い方」さえ身につければ、海外経験のない受験生でも確実にスコアを稼げる大きなチャンスなのです。
この記事では、過去問が少なくて困っているあなたに向けて、本番でパニックにならずに7分間でメールを書き上げるタイムマネジメントや、並べ替え問題の時短テクニックを徹底解説します。
目次
2026年新形式ライティングセクションの全体像
まずは、新しくなるライティングセクション全体で「何を、どれくらいの時間で解くのか」を整理しておきましょう。
ライティングセクション全体の制限時間は「最大23分」と短く設定されています。この限られた時間の中で、以下の3つのタスクをこなす必要があります。
- Task 1: Build a Sentence(文作成)
バラバラに配置された単語やフレーズを、文法的に正しい文や疑問文になるように並べ替える問題です。合計10問出題されます。 - Task 2: Write an Email(メール作成)
提示されたシチュエーション(大学や日常生活など)に合わせて、メールを書く問題です。1問出題され、7分間で回答します。 - Task 3: Write for an Academic Discussion(学術討論)
オンラインの授業掲示板で、教授の質問や他の学生の意見を読み、自分の意見を書き込む問題です。1問出題され、10分間で回答します。
これらのタスクを通してETS(テスト開発機関)が測定したいのは、単語や文法といった「基礎的な言語の知識(lexical and grammatical competence)」だけではありません。
それに加えて、メールやディスカッションといったさまざまな具体的な場面で、実際にどう英語でやり取りをするかという「実践的なコミュニケーション能力」を総合的に評価しようとしています。
「たった23分で3種類もやるの?」と不安になるかもしれませんが、裏を返せば、1つひとつのタスクは短時間でサクサク進められるように設計されています。
それぞれのタスクで「何が求められているか」をあらかじめ知っておけば、十分に対応できる内容です。



採点官はここを見ている!公式ルーブリックの徹底分析
効率よく高得点を狙うには、採点官(AIと人間の採点者)が「どこを評価しているか」を正確に知っておくことが近道です。
ETSが公開している「Write an Email」の公式ルーブリック(採点基準)から、最高評価であるScore 5を獲得するための条件を分かりやすく噛み砕いてみましょう。
- Elaboration(目的を支える十分な肉付け)
メールを書く目的(要求や謝罪など)を達成するために、十分な説明が加えられているかが見られます。例えば「締め切りを延ばしてほしい」とだけ書くのではなく、「なぜ延期が必要なのか」「いつなら提出できるのか」といった具体的な状況(肉付け)を添えて、説得力を持たせることが大切です。 - Syntactic Variety & Word Choice(多様な構文と的確な語彙)
「I want…」「I think…」と同じような単純な文の繰り返しになっていないか確認しましょう。接続詞を使って文と文を繋いだり(多様な構文)、場面に合った自然で正確な単語を選んだりすることで、英語の基礎力をアピールできます。 - Social Conventions(TPOに合わせた社会的慣習)
メール作成タスク特有の非常に重要なポイントです。相手(教授、友人、企業など)との関係性にふさわしい丁寧さ(politeness)や言葉のトーン(register)が使えているか。そして、情報の順番や、「依頼」「断り」「批判」といったアクションの伝え方が、社会的なマナーとして適切であるかが評価されます。
ミスの許容範囲:完璧主義にならなくて大丈夫
「7分しかないのに、スペルミスをしたらどうしよう…」と心配になるかもしれませんが、安心してください。
公式ルーブリックには、時間制限がある中で書く際に想定される軽微なエラー(一般的なタイプミスや、thereとtheirの混同など)であれば、最高評価のScore 5でも許容されると明記されています。
完璧な英語を目指して途中で手が止まってしまうよりも、まずは「相手に失礼のないトーンで、伝えたい要件を最後まで書き切る」ことを優先して取り組みましょう。



【Task 1】Build a Sentence(文作成):パズル感覚で10問を乗り切る
「Build a Sentence」は、画面上に表示された2人の会話の流れを読み取り、バラバラになった単語やフレーズを投下し、並べ替えて、文脈に合った正しい1つの文(または疑問文)を完成させるタスクです。
このタスクでETSが測定しようとしているのは、英語の「文の構造(Sentence structures)」を正確に理解し、組み立てる能力です。
これは、自分でメールを書いたり意見を述べたりするための、最も基本的な土台となる力と言えます。
相手:What was the highlight of your trip?(旅行のハイライトは何でしたか?)
あなた:The __________________________ fantastic.
[ were / the / was / old city / showed us around / who / tour guides ]【正解】
The tour guides who showed us around the old city were fantastic.
攻略のコツ:パズルを瞬時に解くための3つのステップ
制限時間内で素早く語順を組み立てる最大のポイントは、「前から順番に単語を当てはめようとしないこと」です。
以下の3つのステップを意識して、ブロックを組み立てるように解いていきましょう。
コツ1:前後の文脈から「主語(S)」と「動詞(V)」の骨組みを見つける
まずは、文の中心となる主語と動詞のペアを最初に見極めます。
上記の例題であれば、空欄の直後が「fantastic(素晴らしい)」という形容詞で終わっているため、その直前には状態を表すbe動詞(was または were)が入ると予測できます。
次に、「何が素晴らしかったのか?」と文脈から考えると、「tour guides(ツアーガイド)」が主語の候補に挙がります。
コツ2:意味のまとまり(チャンク)を先に作ってしまう
バラバラの単語を1つずつ見つめるのではなく、意味を成す小さな塊(チャンク)を探します。
選択肢の中の「showed us around」や「old city」といった単語から、「旧市街を案内してくれた」という状況が思い浮かびます。
また、冠詞の「the」は「old city」にくっつくはずだ、というように、明らかなペアを先に作っておくことで選択肢を減らすことができます。
コツ3:「繋ぎ言葉」を使ってブロックを合体させる
SとVの骨組みと、意味のまとまりが見えたら、最後は接着剤となる「who(関係代名詞)」や前置詞などの繋ぎ言葉に注目します。
「tour guides」と「showed us around the old city」を「who」で繋ぐことで、「旧市街を案内してくれたツアーガイド」という大きな主語のブロックが完成します。
あとは、先ほど見つけた動詞「were」と一緒に枠に当てはめるだけです。


【Task 2】Write an Email(メール作成):7分で効率よく要件を伝える
「Write an Email」は、与えられたシチュエーションに基づき、特定の目的を果たすためのメールを7分間で作成するタスクです。
大学生活や日常生活で実際に起こり得るシーンが設定されており、学術的な知識よりも「状況に応じたやり取りができるか」が問われます。
高得点の鍵を握る「社会的慣習(Social conventions)」
このタスクの採点基準(ルーブリック)で最も特徴的なのが、「Social conventions(社会的慣習)」という項目です。
これは、単に英文として正しいかどうかだけでなく、以下の要素が適切に使えているかを評価するものです。
- Politeness(礼儀正しさ): 相手を不快にさせない配慮ができているか。
- Register(言葉のトーン): 教授や編集者にはフォーマルに、友人には親しみやすくなど、相手との関係性に合った言葉を選んでいるか。
- 要求や断りの表現: 自分の要望や批判を、状況に合わせて適切に構成できているか。
【実践】公式例題で流れを掴もう
公式の練習問題では、「新しい詩の雑誌に応募したが、システムエラーで届いたか不安なので編集者にメールを送る」という課題が出されています。
実際のテスト画面では、以下のように「誰に送るか(シチュエーション)」と「書くべき3つの条件」が英語で提示されます。
You recently submitted a poem to a new poetry magazine, but you experienced a system error. Write an email to the editor of the magazine.Your email should do the following:
- Tell the editor what you like about the magazine.
- Explain the problem you experienced.
- Ask about the status of your submission.
本番では、この箇条書きで指示された内容を必ずすべて網羅する必要があります。日本語に訳すと以下の3点になります。
- その雑誌のどんなところが好きなのかを伝える
- 経験したトラブル(エラーなど)について説明する
- 自分の作品のステータス(届いているか)について尋ねる
迷わず書ける!メール作成の「黄金テンプレート」と具体的ステップ
たった7分で書き上げるには、本番で「どう書こうか」と悩んでいる暇はありません。
画面を開いたら、「誰に送るか(フォーマルか、カジュアルか)」を瞬時に判断し、以下の「4つのパーツ」を順番に埋めていく意識を持ちましょう。
ここで紹介する定型句を暗記しておけば、シチュエーションに合わせて単語を入れ替えるだけで、評価基準の「Social conventions」を自然にクリアできます。
① Greeting(挨拶):状況と相手を特定する
まずは、誰に宛てたメールなのかを確認し、相手との距離感に合わせた挨拶を書きます。
ここでメール全体のトーン(丁寧度)が決定します。
- 【フォーマル】教授・企業・あまり親しくない人
Dear Professor [名前], / Dear Mr./Ms. [名前], - 【カジュアル】友人・同僚・クラスメイト
Hi [名前], / Hey [名前],
② Positive opening / Purpose(ポジティブな導入と目的):クッションを挟む
英語のメールでは、いきなり要求や不満(本題)から入ると冷たくぶしつけな印象を与えてしまいます。
挨拶の後は、必ずワンクッション置いてから目的を伝えます。
- 【フォーマル】
- 導入: I hope this email finds you well.(お元気でお過ごしのことと思います)
- 目的: I am writing to inquire about…(〜についてお伺いしたくご連絡しました) / I am writing to inform you that…(〜についてお知らせいたします)
- 【カジュアル】
- 導入: Hope you are doing well!(元気にしてる?)
- 目的: Just wanted to ask you about…(〜についてちょっと聞きたくて) / I’m writing to let you know that…(〜について知らせようと思って)
③ Details(詳細):指示された条件をクリアする
ここがメールのメイン部分です。問題文の箇条書きの指示を上から順にすべて文章にしていきます。
難しい単語をひねり出す必要はありません。シンプルな繋ぎ言葉で並べていきましょう。
- 情報を繋ぐ例: Also, / In addition,
- 問題の発生・逆接: However,(しかしながら) / Unfortunately,(残念ながら)
- 【フォーマルな依頼】: Could you please confirm…?(確認していただけますでしょうか?) / I would appreciate it if you could…(〜していただけますと幸いです)
- 【カジュアルな依頼】: Can you check…?(確認してくれる?) / Let me know if…(〜だったら教えて)
④ Sign-off(結び):丁寧に終わらせる
用件を伝え終わったら、メールの体裁を整えるために必ず決まったフレーズで締めくくります。
これを忘れると書きかけのような印象を与えてしまいます。
- 【フォーマル】
- 結び: I look forward to hearing from you.(お返事をお待ちしております) / Thank you for your time and assistance.(お時間を割いていただきありがとうございます)
- サイン: Sincerely, または Best regards, (改行して自分の名前)
- 【カジュアル】
- 結び: Hope to hear from you soon.(すぐ返事くれると嬉しいな) / See you in class!(また授業でね!)
- サイン: Best, または Thanks, (改行して自分の名前)
練習の段階から、この「①挨拶 → ②導入・目的 → ③詳細 → ④結び」という4つのブロックを意識してタイピングする癖をつけておきましょう。
難しい構文を凝らすよりも、まずは「相手に失礼のない定型句を使い、やるべきことをすべてやり切る」姿勢が、最高評価(Score 5)への一番の近道となります。



まとめ:コミュニケーションの「型」で新形式を乗り切ろう
新しく導入される「Build a Sentence」と「Write an Email」は、決して恐れるようなタスクではありません。
私たちが普段の生活で行っているコミュニケーションの延長線上にあります。
基礎的な文法のルールと、相手を思いやる英語の「型」さえ身につけておけば、海外経験がなくても確実にスコアを伸ばせるチャンスです。
まずはこの記事で紹介した構成やテンプレートを使って、時間を測りながら実際に手を動かして書く練習から始めてみましょう。


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