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大学のサイトで年間学費までは調べられたのに、「結局、卒業までにいくら用意すればいいのか」で手が止まっていないでしょうか。
総額は安くありません。ただ、同じ修士号でも、期間・専攻・都市・住居の選び方で数百万円の差がつきます。
だからこそ、比べる単位は年間学費ではなく「卒業までの総額」です。
この記事では、オーストラリアの大学院の留学費用を、学費から生活費、奨学金やアルバイトの扱い方まで整理しました。
読み終わるころには、自分の場合の総額を自分で概算できるようになります。まずは、いちばん差が出る「期間」から見ていきましょう。
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル。英語圏への留学経験がない状態からIELTS 8.0、TOEFL 104、GRE 322を取得。コロンビア大学、ペンシルベニア大学、ニューヨーク大学、メルボルン大学教育大学院などへの合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。株式会社MAGEEEK代表として、海外大学・大学院の出願支援や進路設計に携わる。
記事の調査方法
本記事は、オーストラリア内務省、Study Australia、Fair Work Ombudsman、各大学の2026年留学生向け公式情報をもとに編集しています(2026年8月19日調査)。
日本円は、税関が公表した2026年8月2日~8日の週間為替レートである1豪ドル=114.08円で概算しました。
- 総額の目安:1年制約900万円、1.5年制約1,300万~1,600万円、2年制約1,450万~1,800万円。年間学費が低くても、期間が長ければ総額は逆転する(本文で3校の実例を比較)
- 差がつく要因:修業期間、専攻別授業料、都市、住居タイプの4つ。複数大学を比べても専攻・コースによる差が大きい
- 渡航前:学費デポジット、留学生健康保険、学生ビザ、航空券、住居初期費用を先に払う
- 資金計画:ビザの生活費基準は最低要件。奨学金とアルバイト収入を入れない基本予算から作る
- 比較方法:気になる3コースについて、年間学費より卒業までの総額を同じ条件で並べる
目次
オーストラリア大学院の費用は1年・1.5年・2年でいくら?
卒業までの総額の目安は、1年制で約900万円、1.5年制で約1,300万~1,600万円、2年制で約1,450万~1,800万円です。
最初に、都市・大学・専攻・修業期間が異なる3コースを比べます。
いずれも2026年の公式授業料に、学生ビザの生活費基準、単身者向け留学生健康保険(OSHC)、学生ビザ申請料を加えた試算です。
| 大学・コース | 卒業までの総額 | 都市・期間 | 授業料 |
| クイーンズランド大学(UQ) Master of Applied Linguistics | A$78,840 約899万円 | ブリスベン 1年 | A$45,792 約522万円 |
| シドニー大学 Master of Commerce | A$140,901 約1,607万円 | シドニー 1.5年 | A$92,550 約1,056万円 |
| University of Southern Queensland(UniSQ) Master of Information Technology | A$127,335 約1,453万円 | トゥーンバ 2年 | A$63,680 約726万円 |
※2026年の留学生向け授業料を使用。シドニー大学は年A$61,700、UniSQは年A$31,840として修業期間分を計算しました。生活費は学生ビザの最低基準である年A$29,710です。
※OSHCはMonash Universityの2026年7月以降の単身者料金、学生ビザは2026年7月1日以降の申請料A$2,500を使用。航空券、住居初期費用、教材、奨学金は含みません。複数年コースの実際の学費は改定により上振れする可能性があります。
3校を比べると、年間授業料が低い地方大学の2年制コースは、シドニーの1.5年制コースより総額を抑えられました。
ただし、UQの1年制より約554万円高くなります。「地方だから安い」「年間学費が低いから安い」と判断せず、修了までの期間を掛け合わせることが大切です。
シドニーなどで実際の住居費が基準を上回れば、都市間の差はさらに広がります。
まず、大学とコースが選択可能な修業期間を設定します。その中から希望する期間へ出願し、過去の学歴、専攻、成績、関連職歴をもとに大学がEntry Pointを判定する仕組みです。3つの期間をすべて設けていないコースも多くあります。
UQのMaster of Applied Linguisticsでは、学士号の専攻を問わない2年Entry、関連分野の学士号または関連職歴などを求める1.5年Entry、関連分野のHonoursなどを求める1年Entryがあります。
希望期間の条件に届かない場合、UQはより長いEntry Pointでも自動的に審査します。費用を計算する前に、自分の経歴で利用できる期間をコースのEntry requirementsから確認してください。
同じコースでも、半年延びるごとに約436万円増える
大学・専攻を固定し、期間だけの影響も確認しておきましょう。ここでは上の補足で紹介したUQのMaster of Applied Linguisticsを使います。
| 卒業までの総額 | 期間 | 授業料 | 生活費・OSHC・ビザ |
| A$78,840 約899万円 | 1年 | A$45,792 約522万円 | A$33,048 約377万円 |
| A$117,039 約1,335万円 | 1.5年 | A$68,688 約784万円 | A$48,351 約552万円 |
| A$155,239 約1,771万円 | 2年 | A$91,584 約1,045万円 | A$63,655 約726万円 |
※授業料、生活費、OSHC、学生ビザの前提は上の3校比較と同じです。
半年延びると、授業料に加えて家賃、食費、健康保険も半年分増えます。このモデルでは、1年から1.5年で約436万円、1.5年から2年でも約436万円増えました。
また、A$29,710は学生ビザで求められる生活費の最低額です。都市部で一人暮らしを選ぶ場合は、住居費を実額に置き換えて再計算しましょう。


学費・生活費が変わる4つの要因
オーストラリア大学院の総額は、主に専攻、大学、都市、住居の組み合わせで決まります。
予算は、志望コースの授業料と実際に選ぶ住居から作ってください。
1.専攻|複数大学を見てもコースごとの学費差は大きい
大学院の授業料はコースごとに設定されます。UQだけでなく、シドニー大学とUniSQにも範囲を広げて、2026年の年間授業料を見てみましょう。
| 大学 | コース・分野 | 年間授業料 | 日本円 |
| UQ | Master of Business | A$58,056 | 約662万円 |
| Master of Applied Linguistics | A$45,792 | 約522万円 | |
| Master of Counselling | A$45,792 | 約522万円 | |
| シドニー大学 | Business | A$54,100~61,700 | 約617万~704万円 |
| Arts and Social Sciences | A$49,700~57,300 | 約567万~654万円 | |
| Engineering and Computer Science | A$57,900~63,400 | 約661万~723万円 | |
| UniSQ | Master of Information Technology | A$31,840 | 約363万円 |
| Master of Counselling | A$32,480 | 約371万円 |
※いずれも2026年の留学生向け年間授業料。UQとUniSQはコースの公表額、シドニー大学は分野別の公表範囲です。履修期間、追加費用、将来の学費改定はコースごとに変わります。
同じUQでもBusinessとApplied Linguisticsの差は年A$12,264、約140万円です。
さらに大学をまたぐと、上の例では年300万円を超える差も出ました。
専攻名が似ていても、必要単位数、実習、認証、修業期間が異なるため、大学全体の平均額より、コースページの数字を優先しましょう。
2.大学|Go8かどうかより志望コースの総額を見る
オーストラリアには、研究力の高い8大学で構成されるGroup of Eight(Go8)があります。
Go8には高額なコースも多いものの、学費を決めるのはあくまでコース単位です。非Go8でも、専門職コースや設備を多く使うコースは高額になることがあります。
Go8の価格帯をつかめるよう、ビジネス・マネジメント系を中心とした代表的な授業型修士の年額をまとめました。
Go8の代表的な修士課程と年間学費を見る
| 大学 | 代表コース | 年間学費 |
| Australian National University | Master of Management | A$56,120 約640万円 |
| University of Melbourne | Master of Management | A$60,992 約696万円 |
| Monash University | Master of Business | A$56,800 約648万円 |
| UNSW Sydney | Master of Commerce | A$62,000 約707万円 |
| University of Queensland | Master of Business | A$58,056 約662万円 |
| University of Sydney | Master of Commerce | A$61,700 約704万円 |
| Adelaide University | Master of Accounting | A$52,200 約595万円 |
| University of Western Australia | Master of Business Analytics | 公式Fee Calculatorで個別に確認 |
※大学平均ではなく、2026年に確認できた代表コースの留学生向け年額です。コース、履修量、Entry Pointによって変わります。UWAは公式コースページ上に金額を表示せず、Fee Calculatorでの確認を案内しています。
オーストラリア大学院の特徴やコースの探し方は、オーストラリア大学院留学完全ガイドで詳しく紹介しています。
3.都市|住居費を日本円でも確認する
生活費の中で差が出やすいのは住居費です。大学や都市が公表している例を、日本円の週額と4週間分に直しました。
| 都市 | 公式情報の週額例 | 週額の日本円 | 4週間の日本円 |
| シドニー | A$335~515 | 約3.8万~5.9万円 | 約15.3万~23.5万円 |
| メルボルン | A$399~445 | 約4.6万~5.1万円 | 約18.2万~20.3万円 |
| ブリスベン | A$345程度から | 約3.9万円から | 約15.7万円から |
| パース | A$555から | 約6.3万円から | 約25.3万円から |
| アデレード | A$300~600 | 約3.4万~6.8万円 | 約13.7万~27.4万円 |
※1豪ドル=114.08円で概算。大学住居、シェア、カレッジなど住居タイプが異なるため、都市の平均家賃や安い順を示す表ではありません。候補都市で探し始める際の公式例としてご覧ください。
シドニーやメルボルンは高額な住居が多い一方、地方都市でも食事付きカレッジやスタジオを選べば月25万円を超える例があります。
生活費を左右するのは都市名より住居です。希望する住居の週額を日本円へ直して予算に入れましょう。
4.住居|家賃と交通費を合計する
家賃が安い物件でも、大学から遠ければ交通費と移動時間が増えます。
週A$20安い部屋を選び、通学でそれ以上かかれば節約効果は残りません。
住居を比較するときは、次の項目を年額に直します。
- 週あたりの家賃と契約週数
- 光熱費・インターネットの有無
- 大学までの交通費
- 家具、寝具、調理器具の購入費
- 予約金、契約料、保証金
キャンパス近くの少し高い部屋が、年間では安くなるケースもあります。家賃だけで結論を出さず、住居費+交通費+初期費用で比べてください。

学費・生活費以外にかかる費用
学費と毎月の生活費を計算しても、渡航準備の費用が抜けていると最初の支払いで資金が足りなくなります。
とくに学生ビザ、OSHC、学費デポジット、住居初期費用は、渡航前にまとまった金額が必要です。
| 分類 | 主な費用 | 金額例 |
| ビザ・保険 | 学生ビザ、OSHC、健康診断など | ビザA$2,500 OSHC 12か月A$838の例 |
| 大学への支払い | 学費デポジット、出願料、学生サービス費 | 大学・コースごとに異なる |
| 渡航・住居 | 航空券、仮住まい、住居予約金・保証金、家具 | 渡航時期と住居により変動 |
| 学習準備 | PC、教科書、教材、実習・フィールドトリップ | 専攻・コースごとに異なる |
学費デポジットは授業料の一部の前払いです。支払時期が早いお金として、渡航前の資金に組み込みましょう。
OSHCは滞在予定期間をカバーする留学生向け健康保険で、保険会社と家族構成によって保険料が変わります。
英語準備コースで授業料と生活費が増えることもある
英語スコアが入学条件に届いていない場合、条件付き合格(Conditional Offer)を受け、大学が指定する英語コースを修了してから修士課程へ進む方法があります。
進学の可能性を残せる一方、英語コースの授業料と、その期間の家賃・食費が加わります。
たとえばUQ Collegeの2026年Bridging Englishを10週間受講する場合、授業料、教材・学生サービス費、登録料の合計はA$6,860(約78万円)です。
ここへ学生ビザの生活費基準を10週間分にした約A$5,713(約65万円)を加えると、追加予算は約A$12,573(約143万円)になります。
早稲田大学を卒業後、UQのMaster of Applied Linguisticsへ進学したYuki Ausさんは、出願当初、IELTSのスコアが入学基準に届いていませんでした。
そこで条件付き合格を活用し、渡航後に大学提携の英語コースを受講。必要な条件を満たして修士課程へ進みました。
Yukiさんは、条件付き合格がなければ留学を諦めていたかもしれないと振り返っています。英語コースは追加費用を伴いますが、進学の機会と、必要な英語力を準備する期間を得られました。
詳しい留学経験は、オーストラリア大学院留学完全ガイドで紹介しています。
いつ、いくら必要?渡航前から在学中までの支払時期
卒業までの総額を払える計画でも、合格後のデポジットやビザ申請時の資金が足りなければ、手続きを進められません。
資金計画では、支払うお金、保有して示すお金、渡航後に使うお金を分けます。
| お金の種類 | 主な項目 | 必要になる時期 |
| 先に支払う | 学費デポジット、OSHC、学生ビザ、航空券、住居予約金 | Offer受諾から渡航まで |
| 保有して示す | 未払い授業料、生活費、渡航費 | 学生ビザの財務能力を示すとき |
| 渡航後に使う | 家賃、食費、交通、通信、教材、後続学期の授業料 | 入居時、毎月、各学期の請求時 |
学費デポジットとOSHCは、Offer受諾時に支払うケースが一般的です。金額と期限は大学ごとに異なるため、合格後はOffer Letterに書かれた支払条件をもとに渡航前資金を更新してください。
ビザの資金証明額と実際の生活予算を分ける
学生ビザの財務能力では、最初の12か月分の授業料から支払済みの金額を引き、本人の生活費A$29,710や渡航費などを用意します。家族が同行する場合は、その分も加わります。
この金額は申請時の最低要件です。オーストラリア内務省も、就労収入に頼らず生活できる資金を持つよう案内しています。
「ビザで求められる金額があるから生活できる」と考えず、自分が選ぶ都市と住居から12か月の生活予算を作りましょう。

オーストラリア大学院の費用を安く抑える方法
費用を安く抑える方法には、学費が安い大学の選択、奨学金、修業期間の短縮、住居選びがあります。
資金計画では、確定前の奨学金や将来のアルバイト収入をいったん外し、採用・就職後に別のシナリオを加えると安全です。
学費が安い大学を選ぶ|年間A$26,000台からの実例
年間授業料がA$26,000~40,000(約297万~456万円)の大学もあります。専攻がかみ合えば、Go8の半分近い学費で修士号を取得できます。
年間学費が安い大学と代表コースの例(2026年)を見る
| 大学 | 代表コース | 年間授業料 | 主なキャンパス |
| Southern Cross University | Master of Business Administration | A$26,000 約297万円 | ゴールドコーストほか |
| University of New England | Master of Education | A$30,480 約348万円 | アーミデール |
| University of Southern Queensland | Master of Information Technology | A$31,840 約363万円 | トゥーンバ |
| Charles Sturt University | Master of Professional Accounting | A$35,280 約402万円 | ワガワガほか |
| Charles Darwin University | Master of Information Technology | A$36,440 約416万円 | ダーウィン |
| Flinders University | Master of Education | A$38,100 約435万円 | アデレード |
| Federation University | Master of Professional Accounting | A$39,600 約452万円 | バララットほか |
| University of Tasmania | Master of Information Technology and Systems | A$39,950 約456万円 | ホバートほか |
※2026年の留学生向け授業料(各大学公式)。履修科目数で変動し、毎年改定されます。コース名は費用例で、同じ大学でも専攻ごとに金額は変わります。
安い大学の多くは地方都市にキャンパスを持ち、生活費も抑えやすく、卒業後のビザで地方優遇の対象になる可能性もあります。
ただし、同じ大学でもシドニーやメルボルンの都市キャンパスは地方扱いになりません。学費の安さとキャンパス所在地はセットで見てください。
大学独自の奨学金
日本人が授業型修士で検討しやすい2026年の例を見てみましょう。
| 大学 | 奨学金 | 主な支援 |
| クイーンズランド大学 | UQ International Excellence Scholarship | 対象コースの授業料を在学期間中25%減免 |
| 西オーストラリア大学 | UWA Global Excellence Scholarship | 授業型修士で2年間最大A$24,000 約274万円 |
| UNSW Sydney | International Scientia Coursework Scholarship | 授業料全額、または年A$20,000を減免 |
| Australian National University | ANU Chancellor’s International Scholarship | 一般の大学院区分は授業料を25%減免 |
| Adelaide University | Adelaide Academic Excellence Scholarship | 標準修業期間の授業料を50%減免 |
たとえばUQの25%減免が決まれば、年間授業料A$45,792のコースで年約131万円軽くなる計算です。
申請方法や対象条件は大学・年度ごとに変わるため、出願前に各奨学金の公式ページで最新の募集要項を確かめてください。
日本の公的・民間財団の奨学金
日本から海外の修士課程へ進む人を対象にした給付型奨学金もあります。
大学独自奨学金より締切が早い制度もあるため、大学選びと並行して調べておきましょう。
| 制度 | 主な支援 |
| JASSO 海外留学支援制度 (大学院学位取得型) | 2026年度は月17.7万~38.8万円、渡航支援金1万円。修士は2年間 |
| 伊藤国際教育交流財団 日本人奨学金 | 生活費・授業料を原則2年間支給。3年制コースは2年分の支給額を調整 |
| 本庄国際奨学財団 海外留学日本人大学院生奨学金 | 学位取得までの最短期間を支援。月額は通貨と支給期間で決まり、豪ドルは採用時に財団規定で決定 |
JASSOは例年、留学開始年度の前年秋に募集が進みます。民間財団も大学の合否より前に締め切ることがあるため、出願準備と並行して締切を押さえておきましょう。
ほかの公的・民間制度や併給条件を探す方法は、海外大学院の奨学金一覧で紹介しています。
Advanced Standingで修業期間を短縮する
過去に関連分野を学んでいる場合、既修得単位の認定やAdvanced Standingによって必要単位数が減ることがあります。
Monash Universityは、過去の大学教育に加え、一部の大学院コースでは関連する職歴もRecognition of Prior Learningの審査対象になると案内しています。職歴を使う場合は、職務経歴書や雇用証明などが必要です。
認定されれば、授業料と生活費を同時に圧縮できます。先ほどのUQモデルでは、2年から1.5年になると約436万円、1年になれば約872万円の差が出ました。
審査結果は大学とコースによって変わります。出願時に次の資料をそろえ、どのEntry Pointで審査されるかを確認してください。
- 成績証明書
- 過去に履修した科目のシラバス
- 職務経歴書
- 職務内容を示す雇用証明
ビザ制度の詳細は改定されるため、期間短縮を決める前に、最新の要件を調べ直しましょう。
アルバイトは生活費の補助として考える
学生ビザでは、授業期間中に原則として2週間で48時間まで働けます。コース開始前は就労できず、休暇中の扱いはビザ条件しだいで変わります。
2026年7月1日以降、オーストラリアの全国最低賃金は時給A$26.44、25%のCasual Loadingを含むカジュアル雇用の最低額はA$33.05です。日本円では、それぞれ約3,016円、約3,770円となります。
時給が高くても、仕事が決まる時期、働ける時間、課題の量、税金は人によって変わります。入学前の基本予算には入れず、受け取れた後に食費や交通費の補助へ回す考え方が安全です。


予算別に考えるオーストラリア大学院の3プラン
大学院選びでは、安い順に並べるより、修業期間と進学目的を組み合わせた方が判断しやすくなります。
次の3案は、先ほどの公式額を使った予算設計の例です。
| プラン | 費用モデル | 向いている人 | 確認すること |
| 期間圧縮プラン 1年 | 約899万円+渡航・初期費用 | 関連分野の学歴・職歴があり、1年Entryに該当する人 | 履修密度、就職活動の時間、期間短縮の正式条件 |
| バランスプラン 1.5年 | 約1,335万円+渡航・初期費用 | 費用を抑えながら、学習と現地生活に一定の時間を取りたい人 | 専攻別学費、住居タイプ、半年分の生活費 |
| 2年プラン | 約1,771万円+渡航・初期費用 | 別分野から進む人や、基礎から段階的に学びたい人 | 2年目の学費改定、住居更新、資金の余裕 |
※UQ Master of Applied Linguisticsの2026年授業料、ビザの生活費基準、OSHC、学生ビザを使った一つのコースモデルです。
ビジネス系など年間授業料が高いコースでは、さらに予算が増えます。
UQ Master of Businessの2026年授業料A$58,056を使うと、同じ生活費基準でも1.5年で約1,545万円、2年で約2,051万円です。
1.自分が利用できる修業期間を確認する
コースページのEntry Requirementsを読み、1年、1.5年、2年のどこに該当するか確認します。
2.卒業までの授業料と住居費を合計する
年間学費を比べるときは、同じ期間、同じ住居タイプにそろえます。将来の学費改定に備えた余裕も加えます。
3.基本・負担増・支援獲得の3ケースを作る
基本ケースは奨学金とアルバイトなし。負担増ケースは学費・為替・家賃の上昇を加え、支援獲得ケースでは正式に決まった奨学金だけを差し引きます。
コースの内容、期間、奨学金、出願時期は連動しています。
費用を最優先で候補を絞ると、Advanced Standingの対象外だったり、奨学金の締切を過ぎていたりと、後から気づく落とし穴があります。


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オーストラリア大学院の費用に関するよくある質問
オーストラリア大学院には、結局いくら必要ですか?
一つの目安として、1年で約900万円、1.5年で約1,300万~1,600万円、2年で約1,450万~1,800万円を見込みます。
幅を生むのは、専攻と都市による授業料・住居費の差です。
いずれも航空券、住居初期費用、教材を含まない金額のため、ビジネス系の専攻や都市部の高額な住居を選ぶ場合は2,000万円を超える可能性があります。
学生ビザの資金証明には、いくら必要ですか?
本人分は、最初の12か月の未払い授業料、生活費A$29,710、渡航費などが基本です。すでに大学へ支払った授業料は差し引けます。
資金の示し方や家族同行時の追加要件は、申請時点の内務省情報で確かめてください。
アルバイトで生活費を払えますか?
家賃や食費の一部を補える可能性はあります。授業期間中は原則2週間で48時間までです。仕事が決まる時期や実際の勤務時間は人によって変わります。
入学前に支払う学費、OSHC、学生ビザ、住居初期費用は、アルバイト収入を待てません。
まず就労収入なしで予算を組み、実際に得た収入を生活費の補助へ回しましょう。
オーストラリアの修士を1年で修了できますか?
1年で修了できるコースはあります。関連分野の学士号、Honours、職歴など、大学が定める条件を満たす必要があります。
同じコースに複数のEntry Pointがあっても、どの期間で入学できるかは大学の判定しだいです。出願前に自分の学歴・職歴を大学へ伝え、正式な判定を受けてください。
授業料は入学から卒業まで固定されますか?
多くの大学は授業料を毎年見直します。2026年の年間授業料を2倍した金額が、そのまま2年間の請求額になるとは限りません。
大学が公表するIndicative Total Feeや、在学生向けの学費改定方針に目を通し、複数年コースでは値上がり分の余裕を持たせてください。
シドニーやメルボルンを避ければ大幅に安くなりますか?
住居費を抑えやすい都市はありますが、住居タイプの影響も大きくなります。地方都市の食事付きカレッジより、シドニー郊外のシェアハウスが安いケースも考えられます。
比べるときは、個室か相部屋か、光熱費込みか、大学までの交通費まで条件をそろえてください。
OSHCに入れば医療費はすべてカバーされますか?
OSHCの補償内容は保険会社とプランによって異なります。診療内容によって自己負担が生じ、歯科、眼科、理学療法などが対象外になる基本プランもあります。
補償範囲、待機期間、自己負担額もあわせて見ておきましょう。
終わりに:3コースの修了総額を同じ条件で計算しよう
総額1,000万円前後という数字だけを見ると、身構えるかもしれません。
それでも、ここまで見てきたとおり、総額は期間・専攻・都市・住居の選び方しだいで数百万円単位で動かせます。
まずは気になる3コースについて、公式ページの授業料と自分に使える修業期間から、卒業までの総額を並べてみてください。
数字が見えれば、期間を短くするのか、都市を変えるのか、奨学金に挑戦するのか、次の一手を自分で選べるようになります。
予算を超えていても、すぐに諦める必要はありません。1.5年Entryや別都市のコース、大学独自の奨学金まで含めれば、手が届く組み合わせは意外と見つかります。留学は、最初の1コースを調べた日から動き始めます。



オーストラリア以外も含め、一般修士の修了総額と費用が変わる理由を比較できます。
コースワークとリサーチ、入学条件、大学院選び、Yukiさんの経験を確認できます。
日本の公的・民間財団、海外政府、大学独自奨学金の探し方を整理しています。
専攻選び、出願戦略、英語試験、書類、奨学金、資金計画を一緒に進めたい方はこちらをご覧ください。










