




「アメリカの大学院で学びたい。でも、この円安では……」
Webサイトに表示された学費を、手元の計算機で「×150」した瞬間、目の前が真っ暗になった経験はないでしょうか。
年間授業料だけで600万円、900万円。生活費を含めれば、2年間で2,000〜3000万円近くが消えていく計算になります。
しかし、「額面通りの金額」をそのまま支払って留学する人は、実はそう多くありません。
アメリカの大学院費用は、まさに「ピンキリ(ピンからキリまで)」です。 選ぶ「場所(都市)」、選ぶ「期間」、そして現地で「ドルを稼ぐ」という視点を持つかどうか。
この戦略の有無だけで、最終的な自己負担額には数百万円単位の差が生まれます。
この記事では、大学の公式サイトに載っている教科書的な概算費用だけではなく、実際に現地で生活して初めて分かる「隠れコスト」を含めたリアルな総額を包み隠さず公開します。
目次
アメリカ大学院・MBAの費用相場(都市ランク別)
「アメリカへの留学費用は年間いくらか?」という質問に対する唯一の誠実な回答は、「住む場所で家一軒分変わる」です。
アメリカは国土が広大であり、ニューヨークのような「特級都市」と中西部の「地方都市」では、同じ国とは思えないほど物価が異なります。
中国の留学コミュニティでは、このコスト差を「都市ランク(City Tier)」として整理し、「一線都市・二線都市・三線都市」のように分類したうえで、「この予算なら、どの都市・どの大学群が最適か」を逆算して進学先を選ぶのが一般的です。
重要なのは、大学のブランドだけでなく、学費・家賃・就職機会まで含めた「投資効率」。
ここでは、その分類を日本人の感覚に落とし込み、1ドル=150円換算でのリアルな資金シミュレーションを提示します。
エリア別総額シミュレーション(学費+生活費)

【表:エリアランク別・年間費用目安(1年あたり)】
| エリア(代表都市) | 年間費用目安(総額) | 生活のリアル |
|---|---|---|
| 特級都市 NY / SF / ボストン | 1,200〜1,600万円 学費:600〜1000万 生活費:600万〜 | シェアハウス前提。家賃$2,500でも築古・狭小。外食は基本ぜいたく品。 |
| 一級都市 LA / シカゴ / シアトル | 800〜1,000万円 学費:450〜550万 生活費:350〜450万 | 質素な1人暮らし可。家賃$1,800〜2,200。自炊中心で生活水準維持。 |
| 地方都市(中西部・南部)(例:OH, IN, TX郊外) | 500〜700万円 学費:300〜400万 生活費:200〜300万 | 住環境は非常に快適。家賃$1,100前後で広め。※車必須(年50〜80万円)。 |
※1ドル=150円換算。生活費にはOff-campusの家賃、食費、光熱費、保険料を含む。
「特級都市」と「地方」の決定的な違いは「家賃」

総額を最も大きく左右するのは家賃です。
- 特級都市(NY・SF)の現実:
月30万円($2,000)出しても、マンハッタンやベイエリアの中心部では、洗濯機もついていないような築100年のアパートをルームメイトとシェアするのがやっとです。
「プライバシーを買うには月45万円($3,000)必要」と覚悟してください。
- 地方都市(中西部・南部)の現実:
一方、テキサスや中西部では、月18万円($1,200)も出せば、プール・ジム付きの築浅高級アパートメントを一人で借りられます。
ただし、ここでは「車」が必須です。車の購入費と維持費(ガソリン・保険)が年間100万円ほど上乗せされる点を忘れないでください。
それでも、総額ではNYより圧倒的に安く済みます。


MBA vs 専門職修士(STEM等)の費用対効果と「3年の壁」
生活費だけでなく、選ぶ「学部・プログラム」によって、初期投資額と「元を取れる確率」が劇的に変わります。
特に私費留学(自腹)の場合、この選択は戦略的に行う必要があります。
トレンドは「STEM MBA」
かつて「MBAは文系だから就労ビザ(OPT)は1年だけ」というのが常識でしたが、ここ数年で状況は一変しました。
留学生を呼び込みたい大学側がカリキュラムを改定し、MBAであっても「STEM学位(科学・技術・工学・数学)」として認定されるプログラムが急増しています。
- STEM MBAのメリット: 経営学を学びながら、卒業後に最大3年間の就労許可(STEM OPT)が得られます。「ブランド力(MBA)」と「滞在期間(3年)」の両取りができる最強の選択肢です。
- 注意点:
- すべてのMBAが自動的にSTEMになるわけではありません。
- 特定の専攻のみ: 「Management Science Track」や「Business Analytics」など、数理系の専攻(Concentration)を選んだ場合のみSTEM認定されるケースが多いです。
- 大学による差: 地方の州立大学などでは、まだSTEM化されていないMBAも多いため、必ず募集要項の「STEM Designated」という表記を確認する必要があります。
「STEM MBA」vs「STEM MS」 究極のコスト比較
では、どちらも「3年働ける」とした場合、社会人はどう選ぶべきでしょうか? 答えは「予算」と「専門性」にあります。
- 【Aプラン】STEM MBA(ハイリスク・ハイリターン)
- 費用: 2年で 3,500万〜4,000万円。
- 特徴: 経営全般を学ぶため、キャリアの潰しが効く。GAFAのPMやコンサルなど、高給職種への切符が得やすい。
- 戦略: 資金に余裕がある、またはトップ校(M7など)に受かる実力があるなら、迷わずこちら。
- 【Bプラン】STEM MS(高コスパ・ミドルリスク)
- 費用:1.5年で 1,500万〜2,000万円(MBAの半額程度)。
- 特徴: ビジネスアナリティクス(MSBA)や情報システムなど、専門スキルに特化。
- 戦略: 「4,000万は出せないが、米国就職はしたい」という堅実派向け。職種はテック系やアナリストに絞られますが、「半分の投資額で、同じ3年間の就労権利を得る」ことができます。


見積もりが甘い?日本人が見落とす「5つの隠れコスト」

「学費と家賃は計算した。貯金でなんとかなるはずだ」
その見積もりは、おそらく甘すぎます。
実際に留学した多くの社会人が、渡航後3ヶ月以内に「想定外の出費でキャッシュフローが危ない」と悲鳴を上げます。
ここでは、確実にあなたの財布を直撃する5つの隠れコストを公開します。
強制加入の医療保険(Health Insurance)
「年間45万〜75万円」が、授業料とは別に請求されます。
「海外旅行保険に入っていくから大丈夫」は通用しません。
ほとんどのアメリカの大学は、大学指定の医療保険(Student Health Insurance Plan)への加入を義務付けており、これが驚くほど高額です。
- 費用の現実:多くの大学で年間$3,000〜$5,000(約45万〜75万円)かかります。しかも、これは学期ごとの授業料請求に「自動的に」上乗せされます。
- 注意点:これだけ払っても、歯科(Dental)や眼科(Vision)は対象外であることが一般的です。虫歯一本の治療で$1,000(15万円)請求されるのがアメリカです。日本にいる間に親知らずの抜歯と眼鏡の作り直しを済ませておくことは、立派な節約術です。
初期セットアップ費用(家具・デポジット・車)
「到着初月」だけで、現金が100万円以上消えます。
アメリカの賃貸アパートは、基本的に「家具なし(Unfurnished)」です。
ベッドや机はおろか、天井の照明(ライト)さえ付いていない部屋も珍しくありません。
- 家具・生活用品: IKEAやAmazonで最低限のベッド、机、椅子、照明、食器を揃えるだけで$2,000(約30万円)は飛びます。
- デポジット(敷金):入居時に家賃1〜2ヶ月分を預ける必要があります。
- 車の購入(地方の場合):もし留学先がNYやボストン以外の都市なら、車は「足」です。中古車価格は高騰しており、故障せず走る車を買うには最低でも$7,000〜$10,000(100万〜150万円)のキャッシュが必要です。
教科書・教材費
専門書は「1冊3万円」が当たり前の世界です。
シラバス(授業計画)を見て、指定された教科書を大学の書店(Bookstore)で新品購入するのは、情報弱者のすることです。
アメリカの専門書はハードカバーで1冊$200〜$300(3万〜4.5万円)します。1学期に4科目取れば、それだけで$1,000近くになります。
対策:
Amazonの「レンタル機能」や、Cheggなどの教科書レンタルサイトを活用してください。デジタル版(Kindle)や中古品を探すことで、出費を半額以下に抑えるのが現地の常識です。
ネットワーキング・交際費
MBAにおける飲み会は「遊び」ではなく「必須科目」です。
特にビジネススクールや公共政策大学院では、教室外でのネットワーキングがキャリア構築に直結します。
「金がないから行かない」と断り続けることは、就職のチャンス(Referral)を自ら放棄するのと同義です。
- Coffee Chat: 1回$5〜$10(奢ることも多い)。週に数回。
- Happy Hour: ビール1杯$8〜$10+チップ。食事もすれば1回$50〜$80。
- Trek(スタディツアー): 休暇中に同級生と行く海外視察や企業訪問。数千ドルの出費。
為替手数料と送金タイミング
銀行選びを間違えると、送金ボタンを押すだけで20万円損します。
学費や生活費として、日本から1,000万円を送金するとしましょう。
大手銀行の窓口から送金する場合、為替手数料(スプレッド)で「1ドルあたり1円〜2円」抜かれることがあります。
1,000万円分なら、手数料だけで10万円〜20万円が消えていく計算です。
対策:
Wise(旧TransferWise)などのFinTech系送金サービスを活用してください。
手数料が格段に安く、ミッドマーケットレート(実際の為替レート)に近い金額で送金できます。
この「金融リテラシー」の差が、最終的な総コストに大きく響きます。
【ROI】「高い学費」をどう回収するか?社会人の戦略
2,000万円近い留学費用を前にした時、日本人の9割は「どうやって節約するか(コスト削減)」を考えます。
しかし、中国やインドの留学生は違います。彼らは「どうやって稼いで、最短で元を取るか(売上最大化)」を考えます。
ここでは、具体的な回収シナリオを3つのフェーズで提示します。
在学中にドルで稼ぐ(CPTインターンシップ)
「夏休み」はバカンスではありません。稼ぎ時です。
アメリカの大学院には、夏休み(約3ヶ月間)に企業で働くことで単位認定されるCPT(Curricular Practical Training)という制度があります。
これを活用し、2年目の生活費を稼ぎ出すのが鉄則です。
収入のリアル
アメリカのインターンシップは、日本のような「無給の職業体験」ではありません。即戦力としての労働です。
- テック・金融・コンサル: 月給 $6,000〜$10,000(約90万〜150万円)
- 一般企業: 月給 $3,000〜$5,000(約45万〜75万円)
もしMBAやCS(コンピュータサイエンス)専攻で、Tech企業のインターン(月給$8,000)を獲得できたとします。
3ヶ月働けば総額$24,000(約360万円)。これだけで、翌年1年分の家賃と食費がほぼ賄えます。
卒業後のリターン(OPTと現地就職)
「ドルで借金し、ドルで返す」のが最強の回収術です。
卒業後、F-1ビザのまま一定期間アメリカで働けるOPT(Optional Practical Training)を活用し、現地企業に就職するルートです。
特に「STEM学位(科学・技術・工学・数学)」認定されたプログラムであれば、最大3年間働けます。
- 給与水準:
トップスクールのMBAや工学修士修了者の初任給(ベースサラリー)は、$120,000〜$160,000(約1,800万〜2,400万円)が相場です。
サインボーナス(入社一時金)だけで数百万出ることさえあります。
- 回収スピード:
- 手取り月収:約$7,000〜$9,000(税・保険控除後の目安)
- 生活費:-$3,000(比較的質素な生活を想定)
- 返済原資:月$4,000〜$6,000(約60万〜90万円)このペースなら、3年間のOPT期間だけで、留学費用(2,000万〜3,000万円)をほとんど回収しきることも計算上可能です。


日本帰国後の年収アップ幅
「元の会社に戻る」だけが選択肢ではありません。
諸事情で日本に帰国する場合でも、留学前と同じ年収で働く必要はありません。留学経験(英語力×専門性×グローバル視点)を正当に評価する市場へ「ピボット(転換)」します。
ターゲット市場:
- 外資系企業(IT、製薬、金融): 日本支社採用であっても、Managerクラスなら年収1,200万〜1,500万円は射程圏内です。
- 総合商社・戦略コンサル: MBA採用枠があり、ベース給与が底上げされます。
回収期間の目安:
留学前年収600万円 → 帰国後1,000万円(+400万円アップ)と仮定した場合、手取り増分をすべて返済に充てるとすれば、約4年〜5年で投資回収が完了します。
それ以降のキャリア(40代、50代)での年収アップ分は、すべて純粋な「利益」になります。
投資対効果を考える際、「留学費用2,000万円」という一時的な数字に惑わされないでください。
向こう20年間のキャリアで稼ぎ出す総額(Lifetime Value)で判断するのが、ビジネスパーソンの戦略です。
アメリカ大学院の費用を賄う!社会人のための「現実的」な資金調達・節約術

「フルブライト奨学金に受かれば全て解決」——それは誰もが知っている理想論です。
しかし、倍率は極めて高く、準備には膨大な時間がかかります。
ここで提案するのは、一発逆転の宝くじを当てる方法ではありません。
日本の民間財団、国のローン、大学との交渉、そして現地での労働。使える手段をすべて総動員し、「ちりも積もれば山となる」方式で数百万、数千万を確保する「総力戦」の戦略です。
【返済不要】日本の民間財団・奨学金を総当りする
JASSO(日本学生支援機構)やフルブライトだけを見ていては、チャンスを逃します。
日本には「海外で学ぶ日本人」を支援したい民間財団が数多く存在します。特に社会人の受給実績があるものをピックアップしました。
- 伊藤国際教育交流財団: 学費と生活費を支給してくれる、非常に手厚い奨学金です。修士課程を目指す社会人の採用実績が多く、絶対にチェックすべき財団の一つです。
- 中島記念国際交流財団: 「30歳以下」などの年齢制限が設けられることが多いですが、支給額はトップクラス(月額20万円+学費など)です。若手社会人なら応募資格を確認してください。
- CWAJ(CWAJ海外留学大学院女子奨学金): 女性限定ですが、英語教育やMBA、理系分野など幅広い分野の女性リーダーを支援しています。社会人女性にとって強力な味方です。
- 神山財団、村田海外留学奨学会: 「起業を目指す人」「特定地域の出身者」など条件はつきますが、その分、競争相手が絞られます。自分が該当するか必ず要項を読み込んでください。
【最重要】勝負は「渡航の1年前」に終わっている
これらの財団の締め切りは、渡航する前年の夏〜秋(8月〜10月頃)に集中しています。
つまり、大学の合否が出るずっと前に応募を完了させる必要があります。「合格してから奨学金を探そう」では手遅れです。
大学独自の「メリット・ベース奨学金」と交渉術
アメリカの大学院運営はビジネスです。
彼らは優秀な学生(高いGMATスコア、ユニークな職歴、多様なバックグラウンド)を欲しがっており、そのための予算を持っています。
- Admission Scholarship(合格時奨学金): 合格通知(Offer Letter)の中に、「年間$10,000の奨学金を付与します」と記載されているケースです。特別な申請なしに、出願書類の評価だけで決まることが多いです。
- MBAは「交渉(Negotiation)」が当たり前: 提示された額で諦めてはいけません。特にMBAでは、奨学金の増額交渉は一般的なプロセスです。
「御校が第一志望だが、資金面だけがネックだ。
実は他校(競合校)から$20,000のオファーをもらっている。差額を埋める検討をしてくれないか?」
このメール一本で、$5,000〜$10,000(約75万〜150万円)が追加提示されることは珍しくありません。
【泥臭く調達】教育ローンと「親プレゼン」
給付型(返済不要)だけで賄いきれない分は、「借りる」覚悟を決めます。
まず検討すべきはここです。海外留学資金として最大450万円まで借入可能です。
民間の銀行ローンに比べて金利が低く、固定金利であること。返済期間も長く設定できます。
- 銀行の教育ローン・フリーローン:
公庫の枠を超えた分は、民間の教育ローンを検討します。金利は高くなりますが、合格通知さえあれば借りられるケースが多いです。一時的な「つなぎ資金」として活用します。
- 親・親族へのお願い:
もしご両親に相談できる環境なら、恥を忍んで頭を下げることも立派な資金調達です。
ただし、いい大人が「金がないから貸して」と甘えるのはNGです。親御さんが一番心配しているのは「お金」以上に、「今の仕事を辞めてまで行く価値があるのか?」「帰国後に路頭に迷わないか?」という点です。
その不安を払拭し、「それなら応援してやろう」と思ってもらうために、本気の「事業計画書(ライフプラン)」を見せてください。
学費免除+給料がもらえる「GA/TA/RA」システム
これぞ、アメリカ大学院留学における最強の資金調達手段であり、多くの日本人が知らない「現地で働く」システムです。
GA/TA/RAとは何か?
- TA (Teaching Assistant): 学部生の授業の補佐、採点、オフィスアワーの対応などを行う。
- RA (Research Assistant): 教授の研究プロジェクトに入り、実験やデータ分析を手伝う。
- GA (Graduate Assistant): アドミッションオフィスや図書館など、大学の部署で事務作業を行う。
- 待遇のリアル:
週10〜20時間の労働契約を結ぶことで、以下の対価が得られます。
- 授業料の全額(または半額)免除 (Tuition Waiver)
- 生活費の支給 (Stipend): 月額 $1,500〜$3,000(約22万〜45万円) が振り込まれます。
- 医療保険の無料化: 高額な保険料が大学負担になるケースが多いです。
- MBAとMS(修士)の違い:
- 工学・理学・教育学などのMS/MA: 非常に一般的です。研究室に配属される理系学生の多くはRAとして採用され、実質無料で留学しているケースも多々あります。
- MBA: 残念ながら、プロフェッショナルスクールであるMBAではTA/RAの枠は少なめです。しかし、ゼロではありません。語学力に自信があれば、日本語クラスのTAを狙ったり、学部生のビジネス基礎クラスのTAに応募したりする猛者もいます。
【裏技】「たった$1,000」で学費が半額?テキサス州の特例
通常、アメリカの州立大学において、留学生は「州外居住者(Out-of-state Student)」に分類されます。
これは、州税を納めていないペナルティのようなもので、地元の学生(In-state)に比べて2倍から3倍高い授業料を払うのが原則です。大学側にとって、留学生はドル箱(ATM)なのです。
しかし、この大原則を覆す「バグ」のような特例が存在します。それがテキサス州の「In-state Tuition Waiver(州内授業料適用)」制度です。
- 仕組みの裏側: テキサス州法(Education Code等)に基づき、大学から「競争的奨学金(Competitive Scholarship)を年間$1,000以上獲得した学生」は、たとえ留学生であっても「州内学生(In-state)」と同じ授業料を適用するというルールがあります。
- 衝撃的なコスト差: これがどれほどの破壊力を持つか、数字で見れば一目瞭然です。 (例:テキサス州立大学のある修士課程の場合)
- 通常(Out-of-state): 年間授業料 $30,000(約450万円)
- 特例適用(In-state): 年間授業料 $15,000(約225万円)
- 差額: 年間225万円の節約(2年間で450万円!)
たった$1,000の奨学金を勝ち取るだけで、そのリターンとして数百万円が浮く計算になります。
狙い目の大学:
テキサス大学オースティン校(UT Austin)、テキサスA&M大学、テキサス工科大学などが対象となります。
特にTexas A&Mなどは学費が元々安いうえに、この制度が適用されると日本の私立理系大学院と変わらないレベルの学費になります。
注意点:
これは全米共通のルールではありません。主にテキサス州(および一部の近隣州)特有の制度です。
また、すべての奨学金が対象ではなく、「大学が指定する競争的なプロセスを経た奨学金」である必要があります。
しかし、もしあなたの専攻がこれらの大学にあるのなら、志望校リストに加えない手はありません。
「場所を変える」という戦略だけで、予算問題を一発で解決できる可能性があるからです。
1年制プログラム(Accelerated)を選ぶ
留学費用を計算する際、多くの人が見落とす最大のコストが「機会費用(Opportunity Cost)」です。 つまり、「留学していなければ稼げていたはずの給与」です。
もしあなたの年収が600万円なら、2年間の留学で「1,200万円の収入」を捨てていくことになります。
しかし、1年制プログラムなら、その損失は半分(600万円)で済みます。
「学費+生活費+機会費用」のトータルで見れば、2年制に行くよりも総コストを1,000万円近く圧縮できるケースも珍しくありません。
ここでは、単に期間が短いだけでなく、キャリアアップに直結する名門校の1年制プログラムを紹介します。
【MBA】トップスクールの1年制(One-Year MBA)
通常2年かかるMBAを、夏学期からの集中講義などで1年に凝縮したプログラムです。「2年も休職・退職できない」という社会人に最適です。
- Kellogg (Northwestern University): マーケティングの最高峰。ビジネス学部出身者などを対象とした「1Y MBA」があり、2年制と全く同じ学位が取得できます。ブランド力は絶大です。
- Cornell Tech (Cornell University): NY(ルーズベルト島)にある「Tech MBA」。エンジニアリングとビジネスを融合させたスタジオ型カリキュラムで、Tech業界への就職に圧倒的な強さを誇ります。(STEM認定)
- NYU Stern: 「Tech MBA」や「Fashion & Luxury MBA」など、業界特化型の1年制プログラムを展開。NYの中心で学び、短期間で現場へ復帰できる実践派です。(TechはSTEM認定)
- USC Marshall (IBEAR MBA): ミッドキャリア(平均職歴10年程度)向けの1年制MBA。日本人の卒業生ネットワークが非常に強く、社費留学生や私費でのキャリアアップ層に長年愛されている名門です。(STEM認定)
- Emory Goizueta: アトランタの名門。1年制MBAのランキングで常に全米トップクラスに入り、コンサルティング業界などへの就職率が高いことで知られます。
【MS】理系・専門職修士(Master of Science / Engineering)
STEM分野の修士号は、元々1年〜1.5年で完結するプログラムが多く、コストパフォーマンスが最強の部類に入ります。もちろん、卒業後は3年間のOPT(就労許可)が狙えます。
- UC Berkeley (Master of Engineering – MEng): 世界トップクラスの工学部が提供する9ヶ月〜1年のプログラム。技術だけでなくビジネス・リーダーシップの授業も必須で、シリコンバレー就職への最短ルートの一つです。
- University of Washington (MS in Information Systems): シアトル(AmazonやMicrosoftのお膝元)にあるFoster Schoolの1年制プログラム。Tech業界へのピボットを目指す社会人に最適な立地とカリキュラムです。
- Carnegie Mellon University (MISM): 情報システムの最高峰Heinz College。職務経験者向けの「12ヶ月コース」と、インターンを含む「16ヶ月コース」があり、予算とキャリア戦略に合わせて選択可能です。
注意点:
1年制は「夏休み」がないため、インターンシップをする時間が取れないことが一般的です。
未経験の業界へ大きくキャリアチェンジする場合(例:営業→エンジニア)は、インターンのある2年制の方が安全な場合もあります。
しかし、「元の業界でランクアップしたい」「既にスキルはある」という社会人にとって、これほど合理的な選択肢はありません。
大学院留学・MBAを目指すあなたへ:並走型出願サポート
仕事や研究と両立しながら、世界トップレベルの大学院合格を勝ち取りませんか?
社会人としてのキャリアアップや、研究者としての道を切り拓くための海外大学院留学。
しかし、日々の業務や研究に追われながらの出願準備は、孤独で過酷な道のりです。
忙しい社会人でも安心。「ペースメーカー」としての並走サポート
大学院受験は、TOEFL/IELTSのスコアメイク、推薦状の依頼、そしてエッセイの執筆とやるべきことが山積みです。
当サービスは、すべてオンラインで完結。仕事の合間や休日を使い、Slackでの即レス対応や定期的なZoomカウンセリングを通じて準備を進められます。
実際に働きながらJohns Hopkins大学院に合格した受講生は、「忙しい受験期における良いペースメーカーになった」と語っています 。
SOP・PHS対策に自信あり。自分では書けない「刺さるエッセイ」を
大学院出願で最大の難関となるのが、Statement of Purpose (SOP) や Personal History Statement (PHS) です。
「今まで書いたことがなく、違いも書き方もわからなかった」という受講生に対し、メンターとの壁打ちを通じて徹底的に自己分析を深掘りします 。
あなたのこれまでのキャリアや研究実績を棚卸しし、合格するレベルまで言語化能力を引き上げます 。
大学院・MBA合格実績のあるメンター陣によるチーム支援
あなたの専門分野に合わせて、最適なチームを組成します。
MBAや教育大学院など、難関大学院を突破したメンターが在籍しており、実体験に基づいた指導が可能です 。
- Mengshan(メンシャン):コロンビア大、ペンシルバニア大、NYUなどの教育大学院に合格実績あり。自身も大学院在学中に学内奨学金を受給しており、アカデミックな申請サポートに強みを持ちます 。
- Matt:London Business School MBA卒、INSEAD合格実績あり。大手製薬会社シニアマネージャーであり、MBA面接官の経験も持つプロフェッショナルです 。
- その他、オックスフォード大学の博士課程に在籍するメンターなども。
キャリアプランに合わせた資金計画
大学院留学では、外部奨学金だけでなく、企業の休職・派遣制度や大学独自のファイナンシャルエイドなど、多様な資金調達の視点が必要です。
実際に、職場の補助制度を活用して合格した受講生のサポート実績もあります 。
「キャリアパスをどう描くか」「投資対効果をどう説明するか」といった、社会人ならではの視点で出願戦略を共に考えます 。
- 🇬🇧 英・The University of Manchester / Warwick 等(就活と迷った末、大学院進学を選択)
- 🇺🇸 米・Johns Hopkins University / UC San Diego 等(社会人5年目、働きながら合格)
- 🇺🇸 米・Carnegie Mellon University(大学四年から受講)
- 🇬🇧 英・University of Edinburgh
大学院・MBA出願は、専攻や国によって要件が大きく異なります。
基本的には「Completeプラン(制限なしフルサポート)」、またはニーズに合わせた「カスタマイズプラン」にて柔軟に対応可能です 。
理系の大学院やMBA、LLM等の出願についても、まずは無料相談でご希望をお聞かせください 。

まとめ|「高すぎる」から始まる不安は、整理すれば乗り越えられる
アメリカ大学院の費用を調べ始めたとき、多くの人が最初に感じるのは「これは自分には無理かもしれない」という不安だと思います。
円安、数千万円という金額、仕事を辞めるリスク——冷静でいようとしても、心が追いつかないのは自然なことです。
ただ、この記事でお伝えしてきた通り、アメリカ大学院の費用は 「額面=実際の負担」ではありません。
- 都市を変えるだけで、総額は数百万円単位で変わる
- MBAかMSか、2年制か1年制かで、投資額も回収スピードもまったく違う
- 奨学金・学費免除・インターン・OPTを組み合わせれば、「払うだけの留学」にはならない
- そして何より、留学はコストではなく、長期的なキャリア投資として考える余地がある
という現実があります。
まずは、自分の状況・予算・キャリアの方向性を整理するところから始めてみてください。
留学は、勢いで決めるものではありません。でも、きちんと考え抜いた人にだけ、リターンを返してくれる選択でもあります。










