海外の大学院留学を達成するために必要な戦略とスケジュール

著者について

初めまして。現在イギリス、ロンドンに在住中のコロンビアコーヒーです。日本の大学&大学院理学部を卒業後、博士課程に進めるべくオックスフォード大学に入学し、その後卒業。現地就職をしイギリスと日本で職務経験を積みました。 本当にやりたかった仕事をするために必要な学位を取得するため、2018年秋から再度イギリスの大学院に通う予定です。 その時の勉強方法、体験談、イギリスの大学院等について紹介できればと思います。

はじめに

なぜ海外大学院へ留学するのか?

海外の大学院を受けようとする経緯は人それぞれであろう。今までの人生経験、体験、仕事の内容、出会った人からの影響、など色々な要素が加わっている。そしてそれぞれの異なる理由で海外の大学院受験という人生でとても大きな自分への投資を決意する。

一方、ただなんとなく海外大学院に行って海外体験をしてみたい、という人ももちろんいるだろうし、通った大学が英語教育に力を入れていて留学を大学が全面サポートしてくれる環境にいる人もいるであろう。

いずれにしても海外の大学院へ行ってみようと決意し行動に移すことは、日本在住の日本人からすれば結構エネルギーがいることだと思う。なんせそのようなことをする日本人はあまりいないからだ。

 

孤独な留学準備

そもそも日本では多くの学生は大学院に進学しない、まして海外となるとますます小数派になる。従って結構孤独な状況で筆者は多大な時間とエネルギーを使い、1人で海外の大学院入学に向けてコツコツ準備してきた。なんだかんだ、計2年は要したと思う。

今でこそ、海外大学院留学の準備ブログなどは充実してるものの、今から10年前、ちょうど筆者が海外大学院の準備をしているときはブログなどはそこまで多くはなかった。自分なりに参考になりそうなブログをやっと見つけ、実際海外大学院に行った人をmixiで見つけてメールをして色々聞いたりした。

 

戦略は人それぞれ

何が言いたいかというと、海外の大学院を受験する、といえども受けるプログラムもコースも人それぞれ。

受ける人の人生背景も学力もそれぞれ。自分の経験と学力の状態と希望大学院のプログラムにどれほど差があるのか、合格するためにはどのようなことをすればその差を埋めることができるのか。それを見極めて早い段階から準備すると成功を勝ち取ることが出来ると思う。

筆者にとって2年間の準備期間は海外大学院に合格するための戦略を練ってた期間。誰にも教えてもらえなかったからこそ2年間はかけた。どのような戦略・方法を取ったか以下のとおり紹介したい。

 

出願準備のスケジュールと必要書類等

出願準備の時間軸(著者の場合)

修士1年目春~秋 研究したいテーマの方向性を決め(A-1)、そのような研究をしている教授を探し出す(A-2)

修士1年夏 CVの準備(B-1)、教授陣にメールを送り来年以降の大学院生の受け入れ等質問する(B-2)

修士2年5月 エッセイの準備(C)

修士2年7月 ドイツへサマースクールへ行く(D)

修士2年8月 推薦状の準備(E)

修士2年11月 オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、インペリアルカレッジ大学等 出願

修士2年1月  試験の一環として面接を行う

 

結果:オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、インペリアルカレッジ大学 博士課程条件付合格

修士2年2月から卒業後の4月 TOEFLiBTの試験を受け条件に見満たすスコアに到達する。筆者は研究実績の方が教授の目に留まると思い研究に没頭しており、TOEFLiBTの準備を出願前疎かにしていた。そのため合格後、真剣にTOEFLiBT対策をした。

一般的には、エッセイの準備を始める前あたりまでにTOEFLの基準をクリアしているとその後のプロセスに集中できるだろう。

 

出願に必要なもの(イギリス)

  • 英語のスコア(TOEFL/IELTS)
  • CV
  • エッセイ
  • 推薦状
  • 学業成績書
  • 面接

面接は一時審査の書類選考後に行われる。主に今まで自分が行った研究のプレゼンだが口答試験と捉えたほうが良い。

 

海外大学院に合格するために必要な戦略

海外の大学院で学びたいテーマを明確にする(A-1)

上記にも記載したが、海外大学院留学を目指す人は色々な人がいるし、目的としているコースも様々だと思うので、まずは筆者のことを紹介する。筆者が超本格的に海外大学院を目指したのは修士の1年目。目的としたのは海外大学院の博士課程の入学。自分が属していたのは理系、理系でもバイオサイエンス系。

モデル生物を使用して遺伝子組み換えなどし、画像やデータを日々作る実験するバイオ系。筆者が書く内容はバイオ系の博士課程留学になるので少し偏っているかもしれないが、バイオ系で留学した人は当時周りにいなかったので、もしバイオ系や博士課程の留学を目指している人に少しでも参考になったらとても嬉しい。

 

自分の研究テーマにあった教授を探す(A-2)

さて、自分が修士1年目で博士課程留学を意識し出した時。まず出願スケジュールを頭の中でざっくりと考えた。大体出願開始が翌年の11月くらいで1月までが期限だったと思う。出願は早いのに越したことないので11月出願を目処にした。

十分時間はあるものの、なんせ海外の大学院を受けるということで、どこからどのようにして動き出せばいいかわからない。博士課程留学についてネットで調べてみてもあまり情報はない。

しかし研究で海外に行った人のブログは沢山見つけ読ませて頂いた。色々かいつまんで読んでみて共通して書かれていた内容を発見した。

 

どこの世界も「コネ」が重要

それは、海外の大学院に行くには「コネ」が重要とのこと。

例えば、自分のスーパーバイザーが海外の大学院の教授とコラボレーションをしていた場合。そのような場合は自分のスーパーバイザーに自分のことを先方に紹介してもらう。このような場合は既に上の者通しが知り合いなので、自分のスーパーバイザーが受け入れ先に依頼をすればスムーズに事が進む。

ならば自分も!と思ったものの自分の、大学院のスーパーバイザーはなんだか頼りないし博士課程で研究したい内容は修士課程で研究していた内容とは別の内容の研究をしてみたかった。従って、筆者には多くの理系日本人が海外へいくときに使っていた「コネ」留学は使えそうに無かった。

 

教授にメールをして質問(B-2)

コネはないし、どうしようかと思ったが、どうにかして自分を受け入れてくれそうな海外の教授達に自分のことをアピールしなければならない。超凡人だから自分の履歴書やエッセイはそこまで他の受験者と変わらないだろうと思っていた。そこで、何とかして自分を知ってもらうために、またこんな自分でも拾ってくれそうな教授を自ら探し出すために、直接大量の世の教授陣にCVを添付してメールしてみた

このメール作戦は修士1年目の夏くらいから開始した。きっと返事なんてこないだろうと思っていたが意外とレスポンスはよく、どの教授も丁寧に返事をくれた。そして、返事を貰ったら、今の大学院生はどのような研究をしているのか、来年の受験を考えているが来年以降大学院生は受けているのか、など意欲が見られる質問メールを送る

 

これらの作業をすると、相手が積極的に大学院生を受けいれているか、相手が優しそうな人なのか、が解るし、先方もこちらのやる気を買ってくれる。特に博士課程だと自分のスーパーバイザーとの関係が非常に重要となってくるので、事前にスーパーバイザーにコンタクトするのは絶対必須。

修士課程留学を目的としている人でもコースダイレクターなどにCV付きでコンタクトして何らかの質問をし、自分の存在をアピールするのは大事だと思う。

 

CVの準備(B-1)

初めての英語でのCVの作成は苦労した。筆者はバイオ系なのでCVには学部、修士で行った研究について2,3行でまとめた文をCV内にいれ、かつ実施した実験や取得した実験テクニックを箇条書きにして記載した。また学業成績をGPAに換算して記載した。研究実績はこの時は学生だったのでほとんどなかった。

上記の経験からして今思うことは、教授は忙しい人たちで毎日沢山のメールを見ている。従ってどこかの学生のCVをそこまで丁寧に何度も読むことはない。恐らく彼らがさーっとCVに目を通して判断することは、外国人学生でもきちんとした英語で書けているか(支離滅裂な英語であれば最後まで読まないであろう)、成績が高いか低いか、どのような実験スキルがあるか、今まで勉強した内容が彼らの研究テーマの範囲内か、であることだろう。

もちろん論文や実績があるほうがベターだが、学生なので実績はなくて当然であり教授も学生に実績はあまり期待していない。従ってこの段階では実績よりも学業成績のほうが重視されるのではないかと思う。

 

エッセイの準備(C)

これらのコンタクトを修士1年目の夏から行い、修士2年目の夏前には出願用のエッセイを書き出していた。そしてエッセイ内にはもちろんコンタクトしたスーパーバイザーの名前を書き、メールで話し合った研究内容のテーマ・・・などを記載する。

 

そして、エッセイ作成時や出願直前にはそのスーパーバイザーに再コンタクトする。「去年博士課程の件でコンタクトした○▲です。今年、出願します、よろしくお願いします」のような内容でメールしてリマインダーをする。

筆者の場合は、とあるスーパーバイザー自らが「出願するエッセイの添削してあげるから出願する前にエッセイを僕に送って」と言ってくれた方もいる。生憎その大学院には受かったものの進学しなかったが、何気にスーパーバイザーとの出願前からの関係作りが非常に役立ったのは言うまでも無い。

 

スーパーバイザーに自分のことを覚えてもらったら結構有利である。英語もまだまだ上手くなかったからこそ、出願の大分前から多くの教授陣に時間をかけてメールを送り、返事を貰ってからも時間をかけてメールを書いた。時間をかけてとった行動が後に、非常にためになった。

修士受験の方は受験前にコースダイレクターにコースの内容に関する質問メールを送り、出願後もお礼メールを送ると一応名前は覚えてもらえるかもしれない。メールで質問のアクションはとっておいて後悔することはないはず。

 

ライバルに勝つための経験作りは買ってでもするべき

次の戦略はいかに自分が他の学生と違うことをアピールするか。超凡人日本人の自分が世界中のライバルよりも目立つには。筆者は特になにもない、超凡人日本人である。でも何かしなければ!ずっと日本で頭を悩ませるより出願前に行動に移すことは出来ないだろうか。何かCVに少しでも付け加えることは出来ないだろうか。と考えとった行動!

 

海外サマースククールに参加!(D)

それは、海外の大学のサマースクールを受けてみた!

サマースクールは最近世界各地で行われており、全て英語で授業が行われている大学が設けている外部生に対する短期間のコースである。筆者はドイツの結構有名な大学がバイオ系(筆者は免疫学)に特化したサマースクールを開催しているのを偶然ネットで見つけ受けた。

見つけ方はいたって簡単で、単純にグーグルにSummer School (興味のある研究テーマ)とタイプしたら色々あったのでタイミング的に間に合いそうで面白そうな研究をしている教授と話せそうな機会がセッティングされているサマースクールプログラムを選んだ。

必要書類を準備し何故サマースクールに参加したいかエッセイを書き申請した結果、なんと飛行機代全額補助、+2週間分の生活費まで頂ける奨学生に選ばれとてもお得にドイツの大学に行くことが出来た。 サマースクールは結構色々各大学で行われている。検索する際、興味のある研究テーマが割りとしっかり定まっている方がヒットしやすいと思う。恐らく世界の有名大学もサマースクールやプログラムを実施している。

 

他国の奨学生の中には、もちろんそのドイツの大学に入学することを目的に来ていた学生も多々いたので、彼らは将来のスーパーバイザーにも会いに行き挨拶したりプレゼンをしたりしていた。このサマースクールは個人的にとてもお勧めする。

筆者は、大学院受験のエッセイにはもちろんサマースクールに行き、学んだ内容を記載した。とりあえずただ日本の大学で行っていた実験の内容や勉強してきたことをエッセイに書くだけでは普通すぎると思ったからである。

エッセイに、奨学生として、はるばるドイツまで行って新たな知識を得てきた、とアピールしたのは超凡人日本人としては大きかったと思う。近頃サマースクールは世界各地多くで実施されている。もし海外大学院留学を本気で目指していて、かつ少し時間に猶予があるならば、是非行ってほしい。エッセイやCVに加えられそうなことが出来るのであればやったほうが絶対良い

 

推薦者との関係つくり(E)

最後の戦略は、自分の推薦者になる人との関係構築について。大学院の出願時に絶対的に必要になる推薦状。しかも、推薦状は結構比重が大きい。

 

先生に好かれそうな真面目な生徒になる

筆者は大学生の頃から何となく将来は海外の大学院に行ってみたいと思っていたので、早い段階から推薦状の必要性を知っていた。推薦状を書いてもらうには当然だが、推薦者に好かれているほうが得である。

筆者の大学では3年次から実験実習が行われていたが、この実験時には各先生と触れ合う機会が非常に増える。筆者はこの時期から将来の推薦者になってくれそうな先生との関係作りを始めた。俗にいう、先生に好かれそうな真面目な生徒になるわけだ。

 

先生に質問をしに行き、質問が終わったら世間話をする。質問といえどもしっかり事前に下調べをし自分の意見も準備し先生とディスカッションをしに行くつもりで臨んでいた。また先生達のプロフィールも調べ、若い頃に海外の大学で研究なり留学なりをしていたかどうかチェックしておく。

質問後の世間話で先生の海外体験について聞いてみて、その話のまま自分も海外に行きたいことをアピールする。

 

卒業後もコンタクトを取る

大学の先生達からすると大学3年次から就職活動に勤しむ学生が多くどんどん理系離れしていく今日、将来は海外で研究をしたい、という学生がいると非常に嬉しいみたいである。

筆者が海外の大学院に行って勉強なり研究なりをしたいことを知った先生の中には、筆者にのみ英語の論文を渡してきたり、お勧めの本を渡してくれた先生もいた。何度か交流をし、勉強を教えてもらいつつも人生相談もする。そのようにしていると、確実に先生には自分の存在を覚えてもらえる。

 

そして、大学を卒業してからも1年に1度かはメールでお元気ですかー?私は今こんな研究をしてます・・・のメールを送る。そして出願をする年に入ってからは、推薦状のお願いをする。その時、先生は絶対断れないはず。何年前からも海外の大学院に行きたいと目を輝かせて自分に頼ってきた生徒である。その生徒に推薦者になって欲しいと依頼されたのだから必然的にも承諾するであろう。

推薦状にも「この生徒は何年も前から大学院に行くために準備をしてきた努力家な生徒である。意欲的で自ら多くの論文を読んできた・・・」というような内容が過去の成り行きから書くことが出来るのである。

 

学部時代から唾をつけておく

ただし、先生といえども合わない先生ももちろんいる。筆者は5人の先生にアプローチをし強固な関係が築けたのは2名である。大学院の先生が少し微妙であったため、尚更大学時代の先生の存在が助かった。

もし今、学生で大学院受験にまだ時間のある方がいれば、周りの先生ととにかく仲良くして欲しい

 

先生のプロフィールを見て、海外留学経験のある先生がいれば特に仲良くして損は無い。先生によっては自分が大学院を受験する際に引退する先生もいるし、推薦者となることを承諾しても忙しいゆえに推薦状をなかなか書いてくれない先生もいる。

推薦者の候補を急に3-4名挙げることはなかなか容易ではないので長期間かけて将来の推薦者候補との関係性を築くほうが後々優位である。

 

出願前の行動はとって損は無し

以上が2年間の筆者の海外大学院留学のための戦略である。

書いて見るとそこまで意外に多くないように感じてしまったが、当時は結構手探りであれこれと悩みながら準備していた。自分のプロフィールに自信がなく海外の大学院に挑戦することがとても恐ろしく大変なことだと思っていたので2年間くらい時間をかけた背景もある。

 

上記の方法で筆者は受けた大学院はケンブリッジ大学やオックスフォード大学含め、ほとんどに合格した。結構悩んでいた準備期間だったが自分の戦略は正しかったと思っている。

海外の大学院に留学したい方でどこから手を付けたら解らない人、自信の経歴に自信の無い人、又は有名大学院に入学したいためにどうしたらいいか考えている人がいれば上記の内容が少しでも参考になれば幸いである。

 

にゃんこ先生
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にゃんこ先生
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