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言語の習得は「耳」から「楽しんで」

みなさんは、学校の授業で「英語」を習うとなると、イコール「勉強」ととらえてしまいがちだよね。でも、英語は、さまざまな文化圏で話される言葉と同じく、コミュニケーションのための「生きた言語」。
赤ちゃんの頃に、授業を受けたり、英語教材を与えられたりすることは、ないよね。
例えば、日本語であれば、「あいうえお」や「私は○○です」等、1つひとつ教わることもなく、いつの間にか言葉を話せるようになってきただろう。
それは、日々の暮らしの中で、家族など周りの人たちが話す言葉を「耳から」聞いて、身につけていったからだ。
言語を習得するには、さまざまなアプローチがあるし、個人によって合う方法は異なるが、まずは「耳から」「楽しんで」取り組むことが、英語を習得する近道だと思う。
子供向けの英語動画に切り替えよう

小さい子供のいる親へ
今の時代で、「子供に英語を教えたい」、「バイリンガルの子供を育てたい」という気持ちを持っている親が多いのではないだろうか。
教育のために作られた高価なCDやDVDを、「子供のためだから」と思ってついつい買ってしまうよね。
実は、子供に英語を馴染ませるには、高価なCDやDVDを買う必要は一切ない。
ユーチューブには、ネイティブの親が子供に見せるようなアニメや英語ソングがたくさんアップロードされている。問題は、どの動画が子供にとって最適なのかわからないことだろう。
そこで、ニューヨークやボストン在住のママたちに聞いてみた!2歳~6歳児の子供が大好きで、親も認めている動画10選!ぜひ参考してみてほしい。いつでもユーチューブから、英語に聞き流しに使えるよ。
英語教育にアニメを活用する方法
子供にアニメを見せる時、いくつか気を付けなければならないことがある。
- アニメ選び
アニメ選びは親がいくつかリストアップしたものを子供に最終決定してもらおう。子どもが興味を持ってくれるものではないと楽しくやっていけないので、子どもの好みを尊重しよう。
- 時間管理
30分ぐらいは適切な時間設定。それぐらいであれば、目も悪くならないし、飽きないように興味が保てる。


- 子供と一緒に見る
アニメは基本キャラクターの表情や動き等を見て大体のストーリーは分かるけど、子どもの英語力によって分からないところもちょこちょこあるはず。
あまりにもストーリーを理解できないと、子供が抵抗を感じて続けられないので、親は横で子供の反応を見て適宜簡単な説明をしてあげよう。
- アニメを見終わった後の会話
見終わったら子供とストーリーを話し合ったり、面白い会話・セリフを親子で言ってみたりする。できれば英語で。
英語が苦手な親は、子どもと一緒に見る前に見ておいて、ストーリーや単語等把握しておくのがおすすめ。
子どもの英語教育は子供に押し付けるものではなく、一緒に学び・上達していくという姿勢だと楽しめるはず。
字幕は必要なの?
基本は字幕なしの英語アニメを見るのがおすすめ。字幕ないので、子どもはキャラクターや聞くことに集中できる。
でも、例えば小学生のお子さんで英語力があまりない(就学前にあまり英語を触れていない)場合、字幕なしでストーリーをまったく理解できないのであれば、日本語字幕付きのものを見せよう。
なぜなら、英語字幕を見せても理解は深められないし、例え英語が読めても、外国語を読むスピードより、母国語を読むスピードはずっとはやいので、限られた時間内で字幕を読み切り理解するには母国語が一番だ。
大人の英語学習者へ
我々は、英語の勉強となると、書店で本を買い、机に向かってひたすら音読をしがちである。しかし、教科書を使って勉強する英語は、つまらない。
さらに、テキストの英語は、実際の会話で使われないような表現ばかりで実用的ではない。皆さんもきっと気づいたと思う。
ここで、英語を始めたばかりの初心者におすすめなのは、子供向けの動画である。子供向けのアニメは発音もはっきり、単語もシンプル、繰り返しのセリフも多く、英語学習に最適だ。
インターネットを使えば、たくさんの子供用のビデオを見つけることができる。
今日紹介する番組を活用すれば、無料で楽しくリスニング力を上達させ、ネイティブが実生活で使う会話表現を学ぶことができるだろう!
歌(0歳〜幼児向け)

英語を習得するための近道、「耳から楽しんで」という点で、効果的でおすすめなのは「英語の歌」。どのようなことに取り組む場合でも、子どもにとっては「楽しい」ということが大切。
リズム感、イントネーション、発音、どれをとっても、ネイティブスピーカーによる英語の歌は、「生きた言語」として英語を習得するのにうってつけだ。
子どもたちはいつの間にか覚えて、驚くようなネイティブの発音を身につけていく。そこから、意味も覚えて、コミュニケーションにつながっていく。
様々な歌から、アルファベットや動物や色、乗り物、フルーツなどの単語をリズムと共に楽しく学ぶことができる。今日は、アメリカで人気、Youtubeでも3,000万回以上再生されている動画とシリーズを紹介したい。
ちなみに、子供用の歌を、大人が英語学習に使うのにはちょっと物足りないかもしれない。小学生以上の英語学習者は、アニメの項目に行ってみよう。
Cocomelon
ABCや数字、形などを童謡で子供に教えている教育系のチャンネル。
Super Simple Songs
タイトル通り、とてもシンプルな歌/童謡集となる。このまま家でバックグラウンド音楽として流しても良い。
Mother Goose Club
このチャンネルもアメリカの子供の中で大人気。キャラクターに人が多く出演しており、簡単な英会話もあるので、英語学習初心者の大人が見ても学ぶことがあるはずだ。
LittleBabyBam
この番組は、単語というよりも簡単なセンテンスを音楽に乗せて歌っている。
Pink Fong
Pink Fongは、カラフルなイラスト・アニメーションと共にアルファベットや単語を学ぶ番組。
Jack Hartmann Kids Music Channel
体を動かし、ダンスをしながら体感的に単語を学んでいけるチャンネル。

アニメ(2歳以下)

さて、少し成長して単語を発するようになって来たら、歌を卒業して簡単なアニメを見させるのはどうだろうか。
日本でいう3チャンネルのような、愛と希望と友情、子供のクリティティブティを刺激するような番組を紹介したい。
お子さんと一緒に見るのがおすすめだ。
大人の英語学習者も、英語学習用のCDやDVDを聞き続けるのを止め、ネイティブの小さな子供が見るようなアニメを使うことで、実際の生きた英語を学ぼう。
Yakka Dee!
ストーリーはないが、アニメとリアルの画像・動画を組み合わせて、様々な単語を繰り返しインプットしてくれる番組。
1歳ぐらいの子供は音のマネを結構するので、その時期にぴったりの番組。4、5歳の子供にとっては退屈かもしれない。

Maisy Mouse
Maisy Mouseはイギリスの有名な絵本作家Lucy Cousinsの絵本から生まれたアニメ。一つのエピソードは5分程度で、主役のネズミMaisyと友達が遊んだりする簡単なストーリー。子どもに親近感を持たせやすい。
Maisyの画面はとてもシンプルでカラフル。セリフが少なめで、使う言葉もベーシックで実用的なものばかり、話すスピードも丁度いいので、英語力ゼロの幼児も見れる。
Maisyからスタートして、少しずつ英語に慣れてきたらPeppa Pig等に移行しよう。
The Bumble Nums
三人の仲間が何かの秘密食材を探して料理する物語。とても簡単なストーリーで、一話一話が5分〜7分程度で短め。1歳ちょっとの子供でも楽しめる内容。
チャンネル名はSuper Simple TVで、同じチャンネルに他のシリーズのシンプル動画もたくさんある。男の子が好きそうなCarl’s Car Washとかもおすすめ。

Peppa Pig
Peppa Pigはイギリス出身の人気アニメ。豚の家族の日常を描く。身の回りの日常会話を学ぶのに適している。
発音はイギリス英語のため、アメリカ英語に慣れている人にとっては少し聞き取りづらいかもしれないが、はっきりゆっくり喋るため、ヒアリングの初心者にも使いやすい。
Little Princess
主人公は典型的なプリンセスではなく、かわいくて自信満々、時々いたずらもする。この年の子供と同じ、未知への好奇心がいっぱい。
話のスピードは丁度よく、センテンスも割と簡単。でもストーリーが面白くて、エピソードごとにLittle Princessが経験から何かを学んで成長していく。
アニメ(3~5歳)
64 Zoo Lane
BBCが2-6歳の子供のために作った番組で、2000年から放送されている。就学前子供向けのアニメ最優秀賞やイギリスでたくさんの賞を取った。
一つのエピソードは一つの小さな冒険で、色んな国や地域がバックグラウンドになっている。英語教育だけでなく、動物、地球や自然環境のことも学べる。
Super Wings
Super Wingは、飛行機の主人公が仲間と共に世界を飛び回り、人々に幸せを届け、問題を解決していく物語。
対象年齢は2、3歳前後であり、英語の発音も綺麗なアメリカ英語でわかりやすい。
子供だけでなく、英語を学習し始めた大人にも、ナチュラルな英語を学ぶためにおすすめである。
Paw Patrol
アメリカやカナダだけでなく、世界中の子どもが魅了されている大人気アニメPaw Patrol(パウ・パトロール)。一人の少年Ryderとそれぞれ特技を持っている子犬だちが人助けをするストーリー。
2019年から日本にも上陸していて、日本語の吹き替え版もあるが、せっかくなら元の英語版で楽しんでも良いのでは?
YouTubeでは断片的なものしか見れないが、Netflixならシーズン1と2で合計52話が英語・日本語で見ることができる。

Hey Duggee
Hey Duggeeは、BBCの協力の元作成されたイギリスのアニメ。シンプルでかわいい、小さい子供が大好きなカラフルな絵が特徴。
この番組は、The Squirrel Clubという小学校に入る前の子供のためのクラブが舞台。子供たちは様々なアクティビティに参加して、冒険したりして、課題を達成してバッチを集めたりする。
内容は2-5才ぐらいの子供向けで、大人には少し物足りないかもしれない。
Creative Galaxy
Creative Galaxyは、アマゾンのオリジナル番組。この番組では、まずはアニメーションで子供が身近な材料を使い、工作をする。
その後、実際の子供たちが出て来て、アニメ学んだ材料や作り方で、工作をするというプログラム。
子供の好奇心やクリエイティビティを刺激するのにおすすめだ。
日本のアマゾンプライムでも見ることができる。
Dora
Doraは、7歳の女の子ドーラが主人公の幼児向け知育・情操番組。スペイン語が第一言語のヒスパニック系の子供が、英語を学ぶためのプログラムだ。
スペイン語はほとんど使われず、日本人の子供が英語を学ぶためにも使える。発音はきれいなアメリカ英語。インタラクティブな設定もあるので、子どもがすぐハマるアニメ。
例えば、冒険の途中に、Doraかサルは「Say “Map”」と子供(視聴者)に指示を出して、子どもは「Map」と言って数秒後マップが表示される。
Numberblocks
3歳ぐらいから、少しずつ数えるようになるので、そこから「Numberblocks」の使って数学の概念を導入して理解させよう。
「Numberblocks」は、数、形状、色やパターンといった数学の基本概念を面白く、かつ視覚的に学ぶことができるようなチャンネル。子供たちが楽しみながら学べるように、親しみやすいキャラクターと物語を通して紹介している。
チャンネルの強みは、抽象的な概念を具体的で直感的な方法で表現すること。とはいえ、見せるだけでなく、親も子供と一緒に見て、ところどころ説明を加えたほうがおすすめだよ。
うちの子どもは3歳半から「Numberblocks」が好きになり、10以内の簡単な足し算とかできるようになった。
ChuChu TV Storytime
「ChuChuTV Storytime」は子ども向けのエンターテイメントチャンネル。
童話やおとぎ話に関連した様々な動画を通じて教育的なストーリーテリングが行われ、子供たちの想像力と学習能力を育む。
話がゆっくりなので小さい子どもや英語初心者の大人にとって理解しやすい。
アニメ(6歳以上)
Wild Kratts
WILD KRATTSは、動物や昆虫の生態などの自然を学べるアニメ。2人の兄弟が変身スーツを活用して自然に入り込み、様々な問題を解決、自然のミステリーを暴いてゆく。
この番組は、自然が大好きな小さい男の子にとっては、動画を見るだけでも楽しいだろう。
さらに、これはTOEFLやIELTSで出題される自然科学のトピックでよくあるような内容が多いため、TOEFL勉強中の高校生〜大人にもおすすめだ。

» 【難易度別】YouTubeでおすすめ!子供向け英語アニメ・動画12選
ディスニー
子供用のアニメといえば、ディズニーは外せないだろう。ディズニーは、対象年齢やキャラクター別にいくつかのYouTubeチャンネルがある。
Disney
このチャンネルは、Star WarsやLEGO Friendsのような3D短編動画や上記のようなアニメ番組を見つけることができる。
話すスピードは少し早めであるが、はっきり発音するため聞き取りやすい。
Disney Channel
ディズニーチャンネルでは、ディズニーのキャラクターをシンプルなアニメーションにしたビデオをたくさん見つけることができる。
上記同様、話すスピードは若干早いが、中級者〜上級者はチャレンジしてみるのがいいだろう。
アニメーションの他、High School Musical等のMusic Clipも豊富で勉強の合間の息抜きにもおすすめだ。
Disney Junior
Disney Juniorは3Dアニメ番組が豊富。このチャンネルは特に小さな子供向けに作られた番組のため、上記のディズニー番組よりもわかりやすい英語を使う。
かなり多くのシリーズがアップロードされているため、子供のお気に入りを探して見るのはいかがだろうか。

Disney Junior UK
こちらはDesneyJuniorのイギリス版。 アメリカのディズニージュニアにはない、オリジナルのアニメなども豊富だ。
発音はかなり聞き取りやすく、イギリス英語だから、アメリカ英語の方が良い、などと区別をする必要はないだろう。
親の心がけ
今から切り替えること。
子供が大きくなると、どこかのタイミングで英語で挫折して抵抗感が生まれてしまうことはよくある話。一旦、抵抗感を覚えたら、再びモチベーションをあげることはなかなか難しい。
それを防ぐには、0歳でも1歳でも2歳でも、日本語から英語のアニメに切り替える時期は子供が小さいほど効果が高い。まだ言葉の概念も勉強の意識も全くない時から、英語になじませる。
「そういう子供、日本語が喋れなくなるんじゃない?」と心配する親がいるかもしれない。
実は、最近読み終わった本「Growing up with Three Languages-Birth to Eleven」からもらったヒントとしては、一日30分から数時間程度英語を聞かせても、日本語への影響は極めて少ないということ。




一緒に見ること。使ってあげること。
子供がアニメを見る時、できれば親も一緒に見たほうが良い。そのアニメで出てきた言葉を日常生活の中でも時々使って、記憶を強化していく。
例えば、アニメの中puppy(ワンちゃん)という言葉が何回も使われたら、アニメを見終たあと、絵本の中でもpuppyを見つけてみたり、または道でお散歩してる時、ワンちゃんを見かけたら喜んで「puppy」って言ってあげたりする。

「英語は勉強でも罰でもない、ご褒美だ」という環境作り。
子供が大きくなると、だんだん勉強のストレスも増えてくる。
「ああ勉強疲れた」という時も、「今日は宿題早めに終わったぜ」という時も、「じゃあ30分だけ、アニメでも見な(もちろん日本語のアニメではない)」と、リラックスの手段やご褒美として、今紹介した動画を活用しよう。
ご褒美だから、無制限に見続けるのはもちろんだめ!子供がそれを楽しんで、もうちょっと見たいなあぐらいの時止めれば良い。そして、ご褒美として活用し続けよう!
その他のおすすめ英語教育リソース

たくさん子供向けのアニメを紹介してきたが如何だっただろうか?
アニメは毎日長時間に見せないほうがいいので、それ以外の時間は他の英語学習リソースを活用してみよう。
下記では、英語教育におすすめのアプリ・絵本・英会話教室(オンライン英会話スクール)を紹介する。
遊ぶ時間に英語アプリ
例えば、ゲーム感覚で英語を楽しむにはアプリも使ってみよう。無料でも使えるものも多く、いつでも手元にあるスマホは自宅の外でもすぐに取り出すことができる。
下記の記事では3児のママで英語講師の著者が、子供に人気のアプリや使い方を徹底的に紹介している。
» 子育て中のママが厳選!子供におすすめの無料英語アプリ6選
寝る前に英語絵本の読み聞かせ
例えば、寝る前に読む絵本を日本語から英語に切り替える。おすすめの絵本や、読み聞かせのポイントの実践例は下記の記事を参考してみて欲しい。
» 【年齢別】プロがおすすめする読み聞かせ英語絵本30選|0歳〜6歳
絵本はいっぱい買う必要がなく、図書館から借りて使えば無料だし、その中で子供がとても好きな本、何度も何度も繰り返して読んでほしい本があれば買ってあげるのも良い。
ネットで状態の良い中古絵本を探すと安く済ませることができる。
ここで「幼児向けの絵本」と強調しているが、実は英語を学び始めたばかりで、語彙の制限でまだそこまで多読できない小学生や中学生にとっても、とてもいい勉強になるので、本屋で立ち読みしたり、図書館から借りたりしてみよう。
週2、3回の英会話(教室orオンライン)
自宅で親子だけではなかなか発話数や内容(使う言葉)も限られているので、近くの英会話教室やオンライン英会話を使って、同世代の子供たちから・ネイティブの先生たちから刺激を受けながら、アウトプットしてみよう。
まだ小さい子、或いは英語に触れ始めたばかりの子にとっては、親子で一緒に参加したほうが安心してクラスを楽しめる。
英会話塾やオンライン英会話を利用する際に、念頭に置いてほしいのは、週一で1時間2時間やってもあまり効果がないこと。
毎日30分程度話せるのが一番理想。それができなくても、せめて週2,3回で習慣化させよう。
上記のプラクティスと一日20-30分のアニメと合わせて実践できたら、週に10-12時間ぐらいの英語タイムが確保でき、子どもにとって英語が自然に生活の一部になってくる。
「でもこのすべてのことを一年もやってみたけど、子どもはまだスムーズに英語でやり取りできない。自分たちの努力は無駄じゃないか?」と偶に焦る親もいるかもしれない。
私が言いたいのが、焦らないで!
0歳の赤ちゃんは、日本語の環境で育てて、日本語で普通にやり取りができるまで、どれぐらいの時間がかかったのを考えてみよう。
語学は他のスキルと違って、教わったらすぐできるようなものではない。焦らず、親子一緒に、子どもと英語を楽しみながら少しずつ成長していこう。


