



<うちの本棚>

今日は、私が絵本選びの際に参考にしている無料な絵本サイト等や、読み聞かせ方を学ぶためにいつも使っている無料な読み聞かせサービスを紹介します。
バイリンガル・トリリンガル教育やおうち英語に興味があるけど、
- 「英語の絵本って本当に効果あるの」
- 「どれを買うか、選び方が分からない」
- 「買っても読み聞かせ方がよく分からない」
と悩んでいるお父さんお母さんに、少しでもお役に立つような情報を提供できたらと思います。
この記事の著者:Mengshan
1児の母。大人になってから英語と日本語を勉強するその苦労と限界を味わっていたので、出産前から言語の習得に関して大量にリサーチし、子どもが0歳の時からトリリンガル教育を試行錯誤しております。私のトリリンガル育児経験や、我が家で使っているリソース等を共有します。
目次
英語教育は0歳から?
YouTubeは一定の年齢になってからでないと良くありませんが、絵本であれば、0歳の子どもでも楽しめるものがあるので、どなたのおうちでもきっと絵本があると思います。



赤ちゃんが言語の天才です。彼らにとっては、日本語、英語、フランス語、ドイツ語の区別はなく、どんな発音や言葉を聞いても、頭の中に積極的に蓄積されていきます。
しかし、8ヶ月前後から、いらない発音や言葉をどんどん捨てられます。
例えば、Rの発音が日本人にとって難しいとよく言われますが、6〜8ヶ月の日本人の赤ちゃんはアメリカ人の赤ちゃんと同じぐらいRとLを区別できたんですよ。

出典:Phonetic Learning as a Pathway to Language: New Data and Native Language Magnet Theory Expanded (NLM-e)、ワシントン大学
それから3、4ヶ月で、日本語環境で育った12ヶ月の日本人赤ちゃんのRとLの識別力はアメリカ人赤ちゃんよりずっと下手になります。
日本語の中にあまりないRの発音がだんだん捨てられるんです。


英語絵本が言語学習に最適な2大理由
絵本の以下のようなメリットは、どなたもご存知かと思います。
- 分かりやすいストーリー、豊富な語彙
- 子どもが引かれるカラフルで想像力豊かなイラスト
- 行動や情緒管理、価値観や人格形成に
- 文化の理解を促す
ここで言語学習の視点から絵本の強さを考えてみます。
文脈とイラストで有効なインプットを自然に吸収
中学生から今まで、あれこれ20年間英語を勉強してきて、英語で仕事やアメリカ在住の経験もありますが、子どものために英語絵本を初めて開いた時の感動と衝撃を覚えています。
「感動」は、英語学習者の立場から見て、「こんなにいい学習材料があるんだ」と思ったからです。
分かりやすいストーリーを、画像・イラストと同時にインプットできるので、母国語に変換して理解する必要がありません。日本語も英語も同じですが、文脈にそった言葉のインプットは最も有効です。
例えば、「The three little pigs(三つのこぶた)」を子どもと一緒に読む時、「Then I’ll huff, I’ll puff…」という文がありますが、huffやpuffって何だろうと分からなくても、イラストを見たら一瞬で理解できますね。
これを読みながら、子どもと一緒に「ふーーー」と狼の真似をして、自然に覚えちゃうのですね。(子どもも私も)

こうやって、絵本の読み聞かせは、単語と単語の組み合わせではなく、赤ちゃんが聞いた文章と絵本の絵を組み合わせ、英語をそのまま筋道を立てて理解し、言語習得を加速させることができます。
絵本の特徴の一つは、同じ表現を何回も繰り返して使うことが多いです。
例えば上記のLet me come in、huff/puff、 by the hairs on my chinny chin chinなど、何度も出てきていますので、同じ表現を聞くことで、自然と英語を覚えることができるんです
「衝撃」は、20年英語を勉強しても、赤ちゃんの絵本の中に読めない単語や説明できない文法がいっぱいあるからです。
絵本で出会った、wiggle, wobbly, smudge, Oink‐oinkとか、ネイティブの子どもにとって当たり前のような身まわりの生活に関する言葉は、学校の英語教科書等では習うチャンスがありません。
また、「by the hairs on my chinny chin chin」のような、日常生活で自分からあまり使わないような言葉や表現も、絵本で出会えますので、触れる語彙の量が増えます。
絵本多読は有意義な親子タイム
日本語の絵本と同じ、イラストやストーリーを楽しみながら、自然に言葉を理解・吸収できるのが絵本の大きな魅力の一つです。
そしたら、ネイティブの絵本読み聞かせのYouTube動画や、英語のアニメをずっと流せば、自然に覚えるのか、と思う方もいるかもしれません。
確かにYouTube動画等から、受け身で聞いても少し頭に入って覚えることもありますが、赤ちゃんにとって効果的な言語習得には、インタラクションが大事です。
普段、私たちと子どものインタラクションは、「ご飯」「お風呂」「公園」など、実は使っている言葉が限られていることがあります。
絵本の読み聞かせは、親子のインタラクションの幅と深さを広げてくれる有意義な時間になります。
もちろん、ここでの読み聞かせは、親が一方通行で読むのではなく、身振り手振りを使ったり、ところどころ質問を投げかけたりして、子どもの興味を引いて、その反応や理解を確認しながら進めていく必要があります。


英語絵本の活用が難しいのはなぜ?
読み聞かせ方が分からない、しかも英語で!
絵本の読み聞かせ、誰でもできるように見えますが、誰でも上手くできるわけではないです。特に幼児向けの絵本は、文字数が少ないので、保護者の説明に頼ることが多いです。
うちのパパの場合も、得意な絵本なら良い感じに読めますが、苦手な絵本になると、いろいろな癖が出てきます。
- 自分が見たものをパラパラ話すだけ。例えば、「ほら、サルはここ、これ、ウサギ、あ、ペンギン、太陽もだ」
- 擬声語等に頼りすぎ。「ボール、トーンって、バン」
- 早口で話してしまう。
等々。子どもが頭の中で断片的な情報しか残らなく、目の前にあるイラストの理解が難しくなります。
親の心掛けとしては、より多くの語彙(名詞、動詞、形容詞、副詞等)とより完全なセンテンスで、イラストをロジック的に・順序よく(位置関係、人物の感情や関係など)説明する必要があります。
例えば、「太陽がある」ではなく、「空に太陽があって、ポカポカって暖かそうな天気だよね」というふうに絵やその気持ちを描写したりして、子どもは言葉と絵を照り合わせながら、「太陽」だけでなく、「太陽」がもたらす感覚も併せて覚えていきます。
もちろん、ストーリーを楽しむことも大事なので、全てのページをこんなに細かく説明したら、ストーリー感を失ってしまうので、バランスを取りながら進めていきましょう。
きっと、ほとんどの親は日本語でこのように読み聞かせてあげているでしょう。
しかし、英語でそこまで説明するとなると、非ネイティブの私たちにとって、なかなか難しいですね。
高い&子どもに合うかはわからない
平均単価1000円から2000円する英語絵本。
4、5冊買うだけで1ヶ月のお稽古代がなくなりますので、出会ったものを全部買うわけにもいかないし、せっかく買うなら、子どもが喜ばれるもの、繰り返しに読むようなものにしたいですね。
私は最初に、ネットで概要を読んだり、アマゾンの星や評価を見て判断していましたが、買ってきたら娘が興味を示してくれない、という失敗は何回もありました。
英語絵本を売っている本屋さん、例えば、洋書専門店のBooks Kinokuniya Tokyoに行けば、買う前に手にとったり、内容を確認でき、子どもと一緒に選べます。
- 所在地:〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 タカシマヤタイムズスクエア 南館6F
- 営業時間:日・月・火・水・木・金・土・祝 11:00〜19:00
- 日本最大級の洋書専門店と言われています。英語のほか、フランス語、スペイン語、中国語等の言語の書籍も取り扱っています。
しかし、そういう本屋さんは少なく、近くにないと日常的にはいけません。
そこで、私が絵本選びや読み聞かせの際に、活用しているいくつかのサービスを紹介します。
無料で英語絵本に触れ合う3つの方法
英語絵本の多い図書館:国際子ども図書館

- 所在地:〒110-0007 東京都台東区上野公園12-49
- 開館日:火〜日(月曜、第3水曜、祝日、年末年始は休館)
- 開館時間:9:30-17:00
- 海外図書:10万冊以上
海外の絵本は、「世界を知る部屋」にあります。私はいつも他のところに寄らず、直接に「世界の知る部屋」にいきます。

そこに、英語だけでなく、フランス語、中国語、韓国語等、様々な国の絵本が置かれています。小さい子どもも届く高さの本棚と、子どもが絵本を読むスペース(長机と椅子)が用意されています。


パッと見て、英語の絵本が少ない!と思う方もいるかもしれません。そこにあるのは所蔵のほんの一部で、ほとんどの英語絵本は書庫にあります。
読みたい絵本があれば、国際子ども図書館子どもOPACで検索して事前に申請すれば、書庫から出してくれます。もちろん、貸し出しはできませんので、その場で読んで返すことになります。
メリット:
- 絵本を手に取って内容を確認できる
- 検索システムを活用すれば、本屋さんよりずっと多くの絵本に触れ合える
- 他に読書中の子どもや親子もいるので、図書館の雰囲気を馴染むことができる
デメリット:
- 近くに住んでいないと、普段から活用することが難しい
- 欲しい絵本がその場ですぐ読めないこともある
無料の英語絵本サイト:Oxford Owl

オックスフォード大学出版社が作った電子図書サイトです。3〜11歳の子ども(ネイティブ)向けの児童書200冊弱が読めます。
もちろん、全てOxfordに出版された本になり、それ以外の出版社の図書は取り扱っていません。
こちらの登録ページから簡単な登録手続きを済ませれば誰でも使えます。
- Step 1:名前、メールアドレス、PW
- Step 2:Newsletterの受け取りの可否、子どもの生年月(必須ではないが、入力したら年齢に合わせた絵本をすすめてくる)
- Step 3:メールで確認ボタンをクリック
正直なところ、うちの娘(現在2歳1ヶ月)に合う絵本が少ないので、私がこのサイトを使う頻度はあまり高くありません。
4、5歳以降になればもっと活用できそうだと思い、お気に入りで保存しています。
メリット:
- Oxford出版社の本なので、クオリティは高い
- 学年に合わせた学習ができる
- 絵本に合わせたゲームやクイズあり。
デメリット:
- 全てOxford大学出版社の本なので、チョイスは少ない
- 幼児(3歳以下)向けのが特に少ない
- 「年齢別」のフィルターはあまり当てにならない
無料の英語絵本サイト:Open Library (K-12 Student Library)

Open Libraryは2006年から始まり、出版された全ての本を網羅するウェブサイトを目指している非営利プロジェクトです。
現時点で2千万冊以上の所蔵があると言われ、そのうち140万冊がスキャンされ、デジタルレンタル可能だそうです。
デジタルレンタルというのは、図書館のように、該当の本が世界中の誰かに「貸し出し」中であれば「返却待ち」(Join WaitlistまたはNot in library)の状態になり、返却されてから次の人が閲覧・貸し出し可能になるのです。
利用方法はとても簡単で、読みたい本のページに入って、貸し出し可能であれば「Borrow」(借りる)ボタンをクリックするだけです。一回で借りられる本は10冊までです。

読み終わったら、すぐ返却(Return now)するか、14日間借りる(Borrow for 14 days)も可能です。

私はプリスクール(Preschool)とキンダー(Kindergarten)のカテゴリーをよく使っています。
ネット上で他の方がおすすめの絵本、またはアマゾンやBook Depositoryとかで気になる絵本を見かけたら、Open Libraryで内容を確認したり、娘に読み聞かせてあげたりしています。
メリット:
- 所蔵が多く、ほとんどの絵本は見つかる
デメリット:
- 読み上げは自動音声のため、あまり使いにならない
- 在庫と他の方の利用により、読みたい本がすぐ読めないことがある
私が使っている無料の英語絵本読み聞かせサービス
動画のクオリティが最高:Storyline Online

Storyline Onlineはアメリカの非営利団体SAG-AFTRAにより運営されているプロジェクトです。
Oprah Winfrey(プロヂューサー、慈善家)やAl Gore(元副大統領)のような有名人を招いて読み上げ、絵本のイラストを動かせながら音楽等も加え、一つ一つの動画がとても丁寧に作られ、英語学習中の大人でも十分楽しめます。
登録とかも一切入らず、ウェブサイトまたはYouTubeチャンネルでそのまま視聴できます。うちでは、時々アニメの代わりにStoryline Onlineを見せます。
メリット:
- これ以上にレベルが高い読み聞かせ動画はないであろう
- 選ばれた絵本のクオリティも良いので、知らない良い絵本に出会う機会になる
- 利用方法・視聴が簡単
デメリット:
- 丁寧に作られているため、本数がまだ少ない
- レベル別で検索できない
実生活や自然科学の内容に強い:United for Literacy

数百冊の絵本があり、内容のジャンルはフィクションより実生活に近いです。例えば、動物・植物、算数、テクノロジー、学校等。
ほとんどはオリジナルに作られた絵本のため、市販の絵本より若干雑な印象がありますが、内容として悪くないです。難しい概念も簡単な言葉で説明しています。
しかも、40カ国語の読み上げが可能なので、地球マークのNarrationをクリックして日本語を選ぶと、下記のように英語と日本語、両方聴けるようになります。日本語の意味を確認したい場合、1クリックで聞けます。
これは自動翻訳や自動音声ではなく、人間で自然な読み上げになっています。私にとって時には日本語の勉強にもなります笑。
一部日本語で対応できていない絵本もあります。

メリット:
- 日本語音声もあるので英語初心者の親にとって便利
- 自然科学や実生活の内容は良い
デメリット:
- イラストや画像はそこまで美しくない
- レベル別になっていないため、子どもに合うようなものを探すのは不便
- 読み上げはシンプル(背景音楽や音声エフェクト等がない)
多様性を感じる:Storyweaver

インドの非営利団体が作ったオリジナル絵本サイトで、4万冊以上所蔵があります。
オリジナル絵本とはいえ、プロのイラストレーターたちを起用しているようなので、様々なテイストのがあり、上記のUnited for Literacyよりもっと綺麗で、市販の絵本のイメージに近いです。
レベル別に検索できますので便利です。うちを含む多くの家庭にとってEmergent ReadersとLevel 1(合計約2万冊)で十分使えます。
このサイトは、通常の絵本選びの参考にはなりませんが、多様な文化(アクセントも)に触れ合うため時々使うのがおすすめです。
メリット:
- 絵本のPDFはダウンロード可能なので、印刷して教材としても使いやすい
- レベル別に分かれている
- 読み上げは音楽付き(Level 3以上はあまり読み上げがないが)
デメリット:
- 発音は若干インドアクセントがある(個人的にはあまり気にしないが、ネイティブ発音を求める方もいるのでデメリットに入れました)
- 欧米系の絵本はあまりない
トロントパブリック図書館発:Storytime at home

Storytime at homeは、トロントパブリック図書館のスタッフによる、5歳以下の子ども向けのオンライン読み聞かせプロジェクトです。
図書館にある絵本を使って、読み聞かせ前には歌や楽器演奏を使ってウォームアップがあり、小さい子どもの注意喚起になります。
YouTubeチャンネルはこちらです。
私は、疲れて自分で読み聞かせたくない時がありますので、そういう時Storytime at homeを一つ2つ流して見せます。
メリット:
- 読み聞かせの前に歌を歌ったり、楽器演奏をしたりするウォームアップがある
- 元々設定した年齢層が低いため、ほとんどの絵本は参考になる
- 利用方法・視聴が簡単
デメリット:
- リアルの絵本を巡りながら読み聞かせるため、絵本の内容(特に文字)は見づらい時がある
- 紹介した絵本数はまだ少ない
最後に
いかがでしょうか?
語学だけでなく、子どもの教育は、時間ばっかり経っていて効果や成長が全く見えない時期がたくさんあると思います。
そういう時、いまやっていることは正しいかどうかと、自分を疑うこともあるかと思います。
結果を出すことに着目せずに、教育の過程を一緒に楽しんで、気長く見守っていきましょう。何かありましたら、いつでもこのサイトに遊びに来て、コメント等をください。
お子さんの英語教育や絵本選び等に関して、この記事は少しでもご参考になれば幸いです。





英語の学習に行き詰まっていたので、英語の絵本の無料サイトを紹介していただけで助かりました。
ありがとうございます。
コメントありがとう!活用してもらって嬉しい〜!英語の勉強頑張ってね!!