これを読んでいる人はきっと読書好きの方々ばかりだろうが、みなさんはどんなジャンルの本がお好きだろうか?
小説、伝記物、ビジネス本、特定の分野を扱った専門書など。気がついたら同じようなジャンルの本ばかり読んでいた、という人もいると思う。
好きなジャンルの本を読むのはもちろんいいのだが、英語学習のために洋書を読むとなると少し話が変わってくる。
というのも、同じジャンルの本ばかり読んでいると、どうしても新しい語彙に出会う機会が減ってしまうからだ。
英語の語彙を広げ、さらには自分の知識を増やすという観点から言えば、普段は読まないようなジャンルの洋書にもぜひ挑戦してみてもらいたい。
目次
- 1 英語学習と自己成長を同時に!
- 2 自己啓発系おすすめ洋書8選
- 2.1 The Greatest Secret in the World
- 2.2 The Happiness Project
- 2.3 Learned Optimism: How to Change Your Mind and Your Life
- 2.4 Blink: The Power of Thinking Without Thinking
- 2.5 The Power of Habit: Why We Do What We Do in Life and Business
- 2.6 A Whole New Mind
- 2.7 The Power of Mindful Learning
- 2.8 Finding Flow: The Psychology Of Engagement With Everyday Life
- 3 May先生のおすすめ洋書シリーズ
- 4 洋書は聞く!AmazonのAudibleを活用しよう
- 5 Kindleのすゝめ
英語学習と自己成長を同時に!

というわけで、今回は自己啓発本の洋書を紹介していく。自己啓発本はself-help booksと呼ばれる。読者の内面的問題や仕事に対して、助けを与えることを目的に書かれた本である。
自己啓発本が英語学習にとって良い点の1つに、新しく覚えた語句が頭に残りやすいということがある。ただ本を読んでいるだけだと、新しい語句はなかなか覚えにくいもの。
このジャンルの本を読んでいると、ただ読むだけではなく、どうしても自分の状況に当てはめて本の内容を考えようとする。
そうやって考える過程において、本から学んだ新しい語句を自然と覚えていくし、別の状況で同じ語句が出てきたときも思い出しやすくなるのだ。
普段あまり自己啓発本は読まないという方もこれを読んで興味をそそられる本に出会ったら、一度読んでみてはいかがだろうか?
自己啓発系おすすめ洋書8選

The Greatest Secret in the World

Lexile指数
1010L、TOEICリーディングスコア300から400くらいまで
著者紹介
Og Mandino、マンディーノ(1923-1996)はアメリカ人の著作家。第二次世界大戦中は空軍に所属し、パイロットとして従軍した。終戦後セールスの仕事に就くが、アルコール依存症となる。
ある日、図書館で1冊の自己啓発本に出会ったことをきっかけに立ち直り、以後、著作家、講演者として成功をおさめた。
作品概要
前作『The Greatest Salesman in the World』の内容を受けて、実際にどのような行動をしていくべきかを示した本。日々の成長を記録に残し、個人的かつ経済的成功のために、永続的に人生を変える秘訣を見つける手助けを与えてくれる。
May先生のおすすめの理由
簡単な語彙が理解できるとともに中級程度の語彙もある程度分かり、基本的な文法構造の文章が読める人向けの本。
所々読み慣れない単語が出てくるが、それぞれの文はそれほど長くないので、きちんと確認しながら読めば理解できるはず。堅苦しい文章ではない反面、カジュアルな言い回しは理解しにくいと感じる方もいるかもしれない。
たいていの語句は辞書をひけば載っているはずだが、文章に当てはめてもしっくりこないと感じたら、インターネットで調べてみるのもいいだろう。
ネイティブがその語句を使用する際のニュアンスを解説しているサイトもあるので、いいヒントが得られるかもしれない。
The Happiness Project

Lexile指数
1050L、TOEICリーディングスコア300から400くらい
著者紹介
Gretchen Rubin、ルービンは著作家。アメリカのカンザス出身。かつては法律の分野で仕事をしていた。
多くの著書を執筆しており、それらは30か国語以上に翻訳され、世界中で300万部以上を売り上げている。現在ではニューヨークで夫とともに暮らしており、2人の娘がいる。
作品概要
本当の満足につながるものは何なのか――それを見つける試みを、1年間にわたって追跡した本。最新科学や伝統哲学、それらを実際どのように適応するのかが1つずつ記されている。
著者が変化していく記録は読んでいて惹きつけられ、誰にとっても極めて関係の深い内容となっている。
May先生のおすすめの理由
簡単な単語に加え、やや難しい単語も多少分かり、基本的な文法構造は理解できている人向けの本。
本の構成としては、1月から12月まで章が1か月ずつに分かれていて読みやすい。『幸せプロジェクト』として著者が実際に1か月ずつテーマを決めて取り組んだことが書かれている。それぞれテーマがはっきりしているので理解しやすく、初めて自己啓発本を英語で読むという人にもおすすめだ。
英語学習の観点から言えば、理念のみでなく実際の行動に基づいて書かれた本なので、出てくる語句も生活に即していて学習しやすい。
Learned Optimism: How to Change Your Mind and Your Life

Lexile指数
1050L、TOEICリーディングスコア300から400くらい
著者紹介
Martin E.P. Seligman
セリグマンは1942年ニューヨーク出身。ペンシルベニア大学で心理学の博士号を取得した。他の大学で助教授を務めたのち、ペンシルベニア大学へ戻り心理学を教えた。
1998年にポジティブ心理学を発議したため、ポジティブ心理学の父とされる。著書も多数執筆している。
作品概要
20年以上にわたって臨床研究を続けてきた著者が、楽天主義がいかに人生の質を高め、そして誰でも楽天主義を身につけることができることを示した1冊。
この本に紹介されているシンプルなテクニックは、うつ状態を断ち切り、免疫システムを押し上げ、潜在能力を呼び覚まし、より幸せになる手助けとなることだろう。
May先生のおすすめの理由
初級から中級にかけての単語が分かり、基本的な文法構造の文章が読める人向けの本。
専門的な単語も少なく、とても読みやすい文章となっており、自己啓発本に関わらず、まだあまり洋書を読んだことのない人にも挑戦しやすい本である。
この本の題名に出てくるoptimismという単語は自己啓発においてのみならず頻繁に目にする単語であり、日常生活の会話に出てくることもあるのでぜひ覚えておこう。
新しい単語を覚えるときは、例えばoptimismの反対語のpessimismや、語尾が変化したoptimist、optimisticなどをまとめて覚えるようにすると、記憶に残りやすいし思い出しやすくなる。
Blink: The Power of Thinking Without Thinking

Lexile指数
1100L、TOEICリーディングスコア350から445
著者紹介
Malcolm Gladwell、グラッドウェルはカナダ人ジャーナリストでニューヨークを拠点に活動している。1963年イギリス生まれで、6歳のときにカナダへ移住した。
1996年から雑誌ニューヨーカーの記事を書いているほか、4冊の本も出版した。雑誌タイムが選出する世界で最も影響力のある100人の1人に選ばれたこともある。
作品概要
なぜ常に正しい決断を下せる人とそうでない人がいるのだろうか? なぜ直感に従って行動して成功する人もいれば、いつも失敗に終わる人がいるのだろうか?
実は人は考えることなく考え、瞬時に下しているように見える選択も本当はそんなに単純なことではないということを教えてくれる1冊。
May先生のおすすめの理由
基礎はもちろんのこと、中級レベルの単語や普段あまり使わないような文法構造も理解できる人向けの本。
1つずつの文や段落が長いところもあるので、丁寧に読み進めるようにしよう。
この本の特徴の1つに、実例が多く記載されていて人名がたくさん出てくることがある。見たことがない名前が出てきたら、インターネットなどで性別と読み方は確認しておいた方が、読んでいて混乱せずに済むだろう。
名前について調べていると、その名前の発祥や多く名付けられる人種も分かるので、特に小説を読んでいるときはその人物のイメージを思い浮かべやすくなる。
The Power of Habit: Why We Do What We Do in Life and Business

Lexile指数
1150L、TOEICリーディングスコア350から445
著者紹介
Charles Duhigg、デュヒッグは著作家。イェール大学やハーバード・ビジネススクールで学んだ。
長年にわたりニューヨーク・タイムズのリポーターを務め、2013年にはピューリッツァー賞を受賞した。現在でも本を執筆するのみならず、様々な雑誌の記事も書いている。
作品概要
なぜ習慣は存在し、どうすればそれを変えることができるのかを科学的に説明した本。
日常的に運動し、体重を減らし、もっと生産的になって成功を収めるカギは、習慣がいかに働くのかを理解することにある。
この新しい科学を解き放つことによって、ビジネスも地域社会も人生をも変えることができるということを、この本は示している。
May先生のおすすめの理由
基本から中級レベルまでの単語が分かり、少し複雑な文法構造であっても文章を理解できる人向けの本。
英語のリーディング練習のためにこの本を読むというのはもちろんのことだが、habit(習慣)について書かれた内容は、学習を習慣化し英語を身につけたい方には非常に興味深い内容だろう。
また、この本の題にある『what we do』のwhatの使い方(文法的に言えば疑問詞の名詞節)も、洋書を読んでいると頻繁に出てくるので、理解があやふやな人はしっかり確認しておこう。
A Whole New Mind

Lexile指数
1150L、TOEICリーディングスコア350から445
著者紹介
Daniel H. Pink、ピンクは著作家。大学卒業後は政界で働き、1995年から1997年までは当時のアル・ゴア副大統領の首席スピーチライターを務めた。
多くの書籍を執筆しており、それらの本は数多くの賞を獲得しているほか、38か国語に翻訳されている。現在は妻と3人の子どもとともに、ワシントンで暮らしている。
作品概要
未来を手にするのは、他の人々とは違うマインドを持った、他とは違う人々だ。
つまり、芸術家や発明家や著作家などの創造的でホリスティックな『正しい脳』を使って考える人々であり、この能力が前に進める人と進めない人とを分けるのである。
世界中からの研究に基づいて、仕事の成功と個人的に満ち足りた人生を送るために絶対必要な6つの基本的能力を説明する1冊。
May先生のおすすめの理由
中級程度までの語句が理解でき、文法構造も基礎から少し複雑なものまで読むことができる人向けの本。
多少見慣れない単語も出てくるとは思うが、どれも自己啓発本には頻繁に出てくる単語ばかりなので、自己啓発本を英語で読むのは初めてという人にも挑戦しがいのある1冊である。
この本に出てくる脳や認識に関する専門用語の中には日本語でも知らないような語句もあるかもしれないが、そういった単語の意味を自分で調べることで、より記憶が確かなものになっていくことだろう。
The Power of Mindful Learning

Lexile指数
1270L、TOEICリーディングスコア400から495
著者紹介
Ellen J. Langer、ランガーは社会心理学者である。女性教授として初めてハーバード大学の心理学科で終身在職権を手にした。
これまでに11冊の著書を出版しているほか、教育機関や公共のイベントにおいて多くの講演を行っている。その研究から『マインドフルネスの母』と呼ばれる。現在はアメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジ在住。
作品概要
この本は学習に対するあなたの見方を永遠に変えてしまうかもしれない。ビジネスでもスポーツでも、研究施設や家庭においても、間違った認識が学習の足かせとなっている。
著者は自身の研究から得られた興味深い事例に基づき、マインドフルネスという考え方を使って私たちの学習方法を劇的に向上させる。好奇心旺盛で知的冒険を求めるすべての人におくる1冊。
May先生のおすすめの理由
普段あまり使わないような語句、そして文法構造が含まれる文章であっても読むことができる人向けの本。
1文が少し長かったり、関係代名詞などで複雑に感じる文も含まれたりしているが、堅苦しい文章ではないのでそれほど読みにくくはないはずだ。
学習に関するこの本は、英語を勉強中の方々にとって非常に興味深いに違いない。この本の題にもなっている『mindful』という言葉は日本語としても最近よく使われるようになってきているので、ぜひ覚えておこう。
Finding Flow: The Psychology Of Engagement With Everyday Life

Lexile指数
1280L、TOEICリーディングスコア400から495
著者紹介
Mihaly Csikszentmihalyi、チクセントミハイは1934年に現在のクロアチアで生まれた心理学者。22歳のときにアメリカへ移住した。
シカゴ大学で心理学を学び、1969年から2000年まで同大学で教授として働いた。フローの概念を提唱したことで有名。著書も多数執筆している。
作品概要
なにが良い人生をつくるのだろうか? お金? 仕事? 休暇? 著者はこういったものに固執することで、人は進むべき道を見失うという。
ではなにが重要なのか? その答えは、心理学用語でフローという、完全にのめり込んだ状態が持つ隠された力にあった。単純なようで、実は人生をも変えるような教訓を秘めた1冊。
May先生のおすすめの理由
基本的な単語から例外的な意味を持つ単語まで理解することができ、複雑な文法構造の文章も読むことができる人向けの本。
多少複雑な文章ではあるが、英語のリーディング力アップのためにぜひ挑戦してみてほしい。この本に登場する『フロー』というのは心理学では非常に有名な概念であり、実は普段の生活の中でも見られるものである。
リーディング練習や新しい英単語を覚えるだけでなく、洋書を読んで今まで知らなかった知識を得ることできるのは、読書の本質的な楽しみだろう。
気になることがあったらその本だけで終わらせるのではなく、英語で書かれたホームページを読むなどすると、さらに学習が広がっていくはずだ。
この記事の著者:May先生
みなさん、こんにちは。Mayです。 これまでに、留学したり、独学で勉強して英検1級を取得したり、幼児英語教育に3年間携わったりしてきました。 英語はなかなか短期間で身につくものではありません。 でも自分に合った学習方法を見つけてどんどん上達していく人を、たくさん見てきました。 みなさんが英語をより楽しく身につけられるように、私の経験や知識をお伝えできればと思っています。
May先生のおすすめ洋書シリーズ
テスト対策にも!目標を定めて洋書を読もう!TOEIC600点〜
洋書は聞く!AmazonのAudibleを活用しよう
アマゾンで、洋書を聞けるAudibleというサービスを開始した。
まだ全ての洋書に対応している訳ではないが、ここで紹介している洋書も含め、かなり多くの本に対応している。プロのナレーターが朗読するため、発音もはっきりしていて英語学習者にも聞き取りやすい。購入前にサンプルを聞くこともできる。
初月無料のキャンペーンをやっているため、是非活用してみよう。基本は月1,500円で毎月一つの音源(本)を貰え、会員中は自由に買った本を他の本と交換できるシステムのようだ。
導入は簡単、下図のように各洋書の購入画面からAudible版を選んで購入画面に進もう。

洋書を読んで、聞いて、リーディングとリスニング力をバランスよく高めよう!!
» 参考: 洋書は聞く!?AmazonのAudibleを英語学習に活用しよう!
Kindleのすゝめ








