



「TOEFLを受けたいけれど、種類が多すぎてどれが自分に合っているのかわからない」
「大学の掲示板でITPという言葉を見たけれど、iBTと何が違うの?」
海外留学や大学院入試を考え始めたとき、最初に迷うのがこの「テスト選び」です。特に、個人で申し込むiBTと、大学などの団体で実施されるITPは、かかる費用も試験内容も大きく異なります。
せっかく時間をかけて勉強しても、選んだテストが志望校で認められていなければ、その努力は形になりません。
この記事では、あなたが自信を持って正しいテストを選べるよう、以下のポイントを分かりやすく解説します。
- TOEFLの種類: 全体像と各テストの役割
- iBTとITPの徹底比較: 目的、難易度、受験料、試験形式の違い
- 目的別の選び方: 「正規留学」「交換留学」「院試」それぞれの正解
- スコア換算: ITPで何点取ればiBTの何点に相当するのか
まずはこの記事で「自分が受けるべきテスト」を確定させ、目標達成に向けた最短ルートを歩き出しましょう。
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。
- 💡 結論:海外への正規留学なら【iBT】、学内プログラム・交換留学なら【ITP】
- 名前は似ていますが中身は別物です。ITPは「団体・学内向け」のテストであり、個人の海外留学への公式な英語力証明としては使えません。
- 💻 iBTの特徴(4技能・PC受験・世界基準):
- スピーキングとライティングを含む4技能をPCで受験します。受験料は約3万円と高額ですが、海外の大学・大学院出願に必須の「世界公式パスポート」です。
- 📝 ITPの特徴(3技能・マークシート・学内向け):
- 話す・書くがなく、「読む・聞く・文法」を紙のマークシートで解きます。日本の大学受験に近く、学内の交換留学選考などで使われます。
- ⚠️ 要注意!日本の大学院入試は「要項確認」が必須:
- 日本の院試では、専攻によって「iBTのみ可」「ITPも可」などルールが異なります。対策を始める前に、必ず志望校の今年度の募集要項をチェックしてください。
詳しくは記事本編で徹底解説!👇
目次
TOEFLにはどんな種類がある?全体像をサクッと解説
「TOEFL」と一口に言っても、実は対象年齢や目的に合わせていくつかの種類に分かれています。
まずは全体像をつかむために、代表的な4つのテストを簡単な表で比較してみましょう。
| テストの種類 | 主な目的・用途 | 測定する技能 | 受験形式 |
|---|---|---|---|
| TOEFL iBT | 海外への正規留学・大学院入試 | 4技能(読む・聞く・話す・書く) | テストセンター / 自宅(PC) |
| TOEFL ITP | 学内のクラス分け・交換留学 | 3技能(読む・聞く・文法) | 大学などの団体会場(紙と鉛筆) |
| TOEFL Essentials | 手軽な英語力証明(一部の留学) | 4技能(日常・学術の半々) | 自宅のみ(PC) |
| TOEFL Primary / Junior | 小中高生の英語学習の進捗確認 | 2〜4技能(レベルによる) | 学校・塾などの団体会場 |
TOEFL iBT(アイビーティー)
世界中の大学で最も広く受け入れられている、いわゆる「TOEFLの本丸」です。
海外の大学や大学院への正規留学を目指すなら、原則としてこのテストを受けることになります。
パソコンの画面に向かって、読む(Reading)、聞く(Listening)、話す(Speaking)、書く(Writing)の4技能すべてを測定します。
2026年のアップデートにより、準備時間ゼロで答えるスピーキングや、タイピング速度が求められるメール作成など、より実践的なタスクが導入されました。
また、スコアも「1.0〜6.0のバンドスコア」で評価されるようになり、世界基準での英語力が正確に測れるようになっています。
2026年からの「新バンドスコア」の仕組みや、志望校ごとに求められる具体的なスコアの目安を知りたい方はこちらをチェックしてください。
TOEFL ITP(アイティーピー)
日本の大学や企業が「団体向け」に独自の日程で実施するテストです。
皆さんが大学の掲示板やシラバスなどで見かけるTOEFLは、多くの場合このITPを指しています。
最大の特徴は、スピーキングとライティングがなく、読む・聞く・文法の「3技能」のみをマークシート方式で測る点です。
日本の受験英語に近い形式のため馴染みやすいですが、スコアが公式に認められるのは「受験した団体の中だけ(学内のクラス分けや、提携校への交換留学など)」であることがほとんどです。
TOEFL Essentials(エッセンシャルズ)
iBTよりも短い時間(約1.5時間)で受験できる、比較的新しい自宅受験専用のテストです。
アカデミック(学術的)な内容ばかりが出題されるiBTとは異なり、日常会話とアカデミックな内容が半分ずつ出題されます。
手軽に受けられるのがメリットですが、出願の条件として認めている大学はiBTに比べるとまだ限られているため、受験前には志望校の募集要項の確認が必須です。
TOEFL Primary / Junior(プライマリー / ジュニア)
小中学生から高校生を対象とした、英語学習のステップアップを確認するためのテストです。
大学進学の要件として使われることはなく、日本の英語教室や中高一貫校などで「いま、どれくらい英語が身についているか」を測る、定期的な健康診断のような目的で導入されています。
TOEFL iBTとITPの「決定的な違い」を徹底比較
iBTとITPは、どちらもアメリカの非営利教育団体ETSが作成しているテストです。
しかし、その「目的」や「使い道」はまったく異なります。
間違って申し込んでしまうと、「せっかく高いお金を払ったのに出願に使えなかった…」という悲劇につながるため、まずは以下の表で全体の違いを整理しましょう。
【比較表】iBTとITPの違い一覧
| 項目 | TOEFL iBT | TOEFL ITP (Level 1) |
|---|---|---|
| 対象者 | 個人(海外への正規留学・進学を目指す人) | 団体(大学の授業やプログラムに参加する学生) |
| 評価される技能 | 4技能(読む・聞く・話す・書く) | 3技能(読む・聞く・文法) |
| 試験形式 | PC操作(マイク録音・タイピングあり) | 紙と鉛筆(マークシート方式) |
| 試験時間 | 約2時間 | 約2時間(115分) |
| スコアの有効範囲 | 世界中どこでも通用する(公式) | 受験した学内・団体内のみ(非公式) |
| 受験料 | 195USドル(約3万円前後)※為替で変動 | 約4,000円〜6,000円(実施団体による) |
| 満点 | 120点(※2026年からバンドスコア6.0) | 677点 |
違い①:スコアの「公式な証明力(使える場所)」
2つのテストの最大の違いは、「そのスコアを誰が見て評価してくれるか」です。
TOEFL iBTは、世界基準の「公式パスポート」です。
世界160カ国以上の大学や機関で正式な英語力の証明として認められており、あなたが個人的に海外の大学へ出願する際には、必ずこちらのスコアが必要になります。
一方、TOEFL ITPは、大学などの団体が学内向けに実施する「模擬テスト・実力判定テスト」のような立ち位置です。そ
のため、ITPでどれだけ高得点を取っても、自分で勝手に海外の大学に提出して「これが私の英語力です」と証明することはできません。
(※自分が通っている大学の「交換留学プログラム」など、学内での選考に限ってはITPが使えるケースが多くあります)
違い②:試験形式と問われる「技能」
試験の受け方や、問われる力も大きく違います。
TOEFL iBTは、すべてパソコンを使って受験します。
ヘッドホンをつけて英語を聞き、マイクに向かって話し、キーボードで英作文をタイピングする「4技能」のテストです。
特に2026年のアップデート以降は、準備時間ゼロで質問に答えるスピーキングや、素早くメールを打ち込むライティングなど、よりリアルな英会話の「瞬発力」が求められるようになっています。
TOEFL ITPは、日本の学校教育で慣れ親しんだ「紙と鉛筆を使ったマークシート方式」です。
スピーキングとライティング(話す・書く)がないため、心理的なハードルは低めです。
その代わり、長文読解、リスニングに加えて、文法の正確さを問う問題(誤文訂正など)がしっかりと出題されます。
違い③:受験料と申し込み方法
現実的なお財布事情と、手続きの方法も異なります。
TOEFL iBTは、公式サイトから自分でアカウントを作って個人で申し込みます。
受験料は195USドル(為替にもよりますが約3万円)とかなり高額です。
「とりあえず実力試しに」と気軽に何度も受けられる金額ではないため、しっかり対策をしてから本番に臨む必要があります。
TOEFL ITPは、個人では申し込めません。
自分が所属している大学の生協や国際交流センターなどを経由して申し込みます。
大学側がまとめて実施するため、受験料は4,000円〜6,000円程度と非常にリーズナブルです。
学内の英語クラスの振り分けテストとして、無料で(大学負担で)受けさせられることもあります。


目的別!あなたはどちらを受けるべき?
「結局、自分はどっちを申し込めばいいの?」という疑問に、目的別のシチュエーションでお答えします。
受験料や難易度で選ぶ前に、まずは自分の「ゴール」がどこにあるかを確認しましょう。
海外の大学・大学院へ「正規留学」したい → 迷わず【iBT】
現地の学生と同じように大学に入学し、学位(卒業資格)を取りたいのであれば、iBT一択です。
また、海外での就職や専門職のライセンス取得、ビザの申請などに英語力の証明が必要な場合も、iBTの公式スコアが求められます。
- 理由: 海外の大学の入学審査官は、あなたの4技能(特に話す・書く)を含めた総合的な英語力をチェックします。団体向けのITPは、正規の入学審査では「公式な証明」として認められないのが一般的です。
現在通っている大学の「交換留学」や「クラス分け」 → 基本は【ITP】
日本の大学が提携している海外の大学へ行く「交換留学」や、学内での英語クラス分け、あるいは特定の学内プログラムへの参加が目的であれば、まずはITPを確認しましょう。
- 理由: 日本の多くの大学では、学内で安価に実施できるITPを学内選考の基準に採用しています。ただし、派遣先の海外大学によっては「iBTのスコアも必須」と指定している場合があるため、まずは学内の国際交流センターなどの窓口で募集要項をしっかり確認してください。
日本の「大学院入試」に使いたい → 【要項を必ず確認】
日本の大学院(修士・博士課程)を受験する場合、ここは最も注意が必要なポイントです。大学院や専攻によって、採用しているテストがバラバラだからです。
- 確認のポイント:
- 「TOEFL iBTの公式スコア(Official Score Report)を提出」とあれば、ITPは使えません。
- 「試験当日にTOEFL ITPを実施する」あるいは「過去に受験したITPのスコアも認める」とあれば、ITPが使えます。
東大や京大などの難関国立大であっても、研究科によって「iBTのみ」「ITPも可」などルールが異なります。
数年前の情報は変わっていることもあるため、必ず「今年度の募集要項」を自分の目でチェックしてください。


TOEFL ITPとiBTのスコア換算・難易度比較
大学のクラス分けなどでITPを受験したことがある方は、「ITPで500点だったけど、iBTだと何点くらい取れるの?」と疑問に思うかもしれません。
ここでは、自分の現在のレベルを把握するためのスコア換算表と、実際にITPからiBTへ移行する際に多くの人がぶつかる「難易度のリアル」について解説します。
iBT(新バンドスコア)・ITP・CEFRの換算表
以下の表は、ETSのデータを基にしたおおよそのスコア換算目安です。
2026年からの新基準である「バンドスコア」と、これまでの「旧iBTスコア」、そして「ITPスコア」を見比べてみてください。
| TOEFL ITP (Level 1) | 2026 新バンド | 旧iBTスコア目安 | CEFRレベル |
|---|---|---|---|
| 627〜677点 | バンド 5.5〜6.0 | 107〜120点 | C1〜C2相当 |
| 587〜626点 | バンド 4.5〜5.0 | 86〜106点 | B2〜C1相当 |
| 543〜586点 | バンド 4.0 | 72〜85点 | B2相当 |
| 460〜542点 | バンド 3.0〜3.5 | 44〜71点 | B1相当 |
- 例:ITPで「500点」の場合 ≒ 旧iBTでは約「61点」≒ 新基準では「バンド 3.5(B1)」
- 例:ITPで「550点」の場合 ≒ 旧iBTでは約「80点」≒ 新基準では「バンド 4.0(B2)」
自分が目指す留学先に「iBT バンド4.0」が必要な場合、まずはITPの形式で「550点」を取れるだけの基礎英語力が備わっているかどうかが、ひとつの目安になります。
難易度のリアル:ITPからiBTへの移行は大きな壁がある
換算表を見て「ITPで550点あるから、iBTでもすぐにバンド4.0(80点)が取れそう!」と思った方は、少し注意が必要です。
実は、ITPで高得点が取れても、そのままiBTで点数が取れるとは限りません。そこには、同じ「TOEFL」という名前からは想像できないほどの大きな壁(形式の違い)が存在するからです。
1. スピーキングとライティングという「アウトプットの壁」
ITPは「読む・聞く・文法」のインプット能力だけを測るテストです。一方、iBTにはマイクに向かって英語を話すスピーキングと、英語の文章を作成するライティングがあります。
日本の学校教育で文法や読解をしっかり学んできた人ほどITPでは点数が取りやすいですが、「英語で即座に意見を言う」「英語でメールを書く」という訓練をしていないと、iBTのアウトプットセクションで大きく点数を落としてしまいます。
2. 紙と鉛筆から「PC・タイピング」への環境の変化
ITPは紙の冊子をめくり、鉛筆でマークシートを塗りつぶす形式です。
しかしiBTは、約2時間ずっとパソコンの画面上で英文を読み、キーボードで英作文をタイピングしなければなりません。
「英文をタイピングするスピードが遅くて時間が足りない」「画面で長文を読むと頭に入ってこない」という、純粋な英語力以外の「PC操作の慣れ」がスコアに直結します。


対策の違い:それぞれのテストに向けてやるべきこと
自分が受けるべきテストが「iBT」なのか「ITP」なのかが確定したら、次は勉強法をそのテスト専用に切り替える必要があります。
同じ「TOEFL」という名前がついていても、明日から机に向かってやるべきことは全く異なります。
TOEFL ITPの対策ポイント
ITPを受験する方は、日本の大学受験などで培ってきた「ペーパーテストのテクニック」を最大限に活かす戦略をとります。
文法セクションを最大の得点源にする:
ITPには「Structure and Written Expression(文法・語法)」というセクションがあります。ここは全40問を25分で解くスピード勝負ですが、出題される文法パターンはある程度決まっています。
スピーキングがないITPにおいて、この文法セクションのルールを暗記して満点近くを狙うことが、最も手っ取り早いスコアアップの近道です。
「先読み」などのテストテクニックを活用する:
紙と鉛筆で行うマークシート方式のため、リスニングの音声が流れる前に設問の選択肢に目を通しておく「先読み」や、長文読解で重要な箇所に線を引くといった物理的なテクニックがそのまま通用します。
本番と同じように、時間を測って紙の過去問を解く練習を繰り返しましょう。
TOEFL iBTの対策ポイント
iBTを受験する方は、まず「紙とペンを使った勉強」から卒業し、本番と同じPC環境に自分を慣らすことが最優先になります。
画面上の読解とタイピングに慣れる:
iBTでは、2時間ずっとパソコンの画面上で英文を読み、キーボードで答えを入力します。
「英語は読めるのに、タイピングが遅くてライティングの時間が足りなかった」「画面の文字を追うと目が疲れて集中できない」という事態を防ぐため、日頃からPCを使って英語のニュースを読んだり、キーボードで英作文を打つ練習をしてください。
新形式に必須の「瞬発力」を鍛える:
2026年のアップデートにより、iBTはよりリアルなコミュニケーション能力を測るテストになりました。
「準備時間ゼロで即座に話し始めるスピーキング」や「素早く状況を読み取って返信するメール作成(ライティング)」など、頭の中で日本語から英語に翻訳している余裕はありません。
簡単な単語で構わないので、英語を聞いて反射的に英語で返す「瞬発力」を鍛えるトレーニングが必須です。


本番とほぼ同じPC環境を使って、過去問(模試)を無料で解きながらタイピングや画面の操作に慣れることができる強力なツールはこちら。
終わりに:まずは「募集要項」を確認しよう!


TOEFLの勉強を始めようと思い立ったとき、一番やってはいけないのは「とりあえず本屋に行ってTOEFLと書かれた単語帳を買うこと」です。
ここまで解説してきたように、iBTとITPはまったく別のテストです。
まずは自分が提出する予定の大学やプログラムの「募集要項(Application Requirement)」を必ず自分の目で確認し、どちらのテストが求められているのかを確定させてください。
「自分は正規留学だからiBTだ」「学内のプログラムだからITPで大丈夫だ」とゴールが明確になれば、あとはそのテスト形式に特化した対策を進めるだけです。
あなたの留学や進学への第一歩が、正しいテスト選びからスムーズに始まることを応援しています!












CBTでライティングは300点満点の中に反映されてました。文法とライティングのSWセクションで30点でした。