アメリカの大学の卒業式とは?文化・雰囲気・日本との違いをわかりやすく解説

ねこ君
アメリカの大学って、卒業式までなんかドラマチックって聞いたけど…ほんと?
にゃんこ先生
うん、まさに“人生の節目”って感じ。キャップを空に投げるシーンとか、学生だけじゃなく家族もみんなで喜ぶ空気があるんだよ。
にゃんこ先生
単なるイベントじゃなくて、大学生活の濃さを表してる気がする。仲間と過ごした時間とか、自分で道を切り拓いた実感が詰まってるからこそ、感動も大きい。
にゃんこ先生
もし「自分の可能性を広げたい」って思ってるなら、大学選びの基準として“卒業後の姿”をイメージしてみるのもアリかもね。

アメリカの大学に進学したら、どんな学生生活が待っているのか。

その中でもひときわ印象的なイベントが、卒業式(Commencement)です。

黒い帽子を空に投げるあの光景――

映画やドラマで見たことはあっても、実際の雰囲気や意味を深く知っている人は意外と少ないかもしれません。

 

実はアメリカの大学の卒業式は、単なる区切りではなく「人生の新たな始まりを祝う一大イベント」として、家族みんなで盛大にお祝いする文化があります。

「子どもが卒業するなら絶対に出席したい!」という保護者の方も多く、式の日程や服装、旅行の準備など、知っておきたいこともたくさん。

この記事では、そんなアメリカの大学の卒業式が“いつ・どこで・どんなふうに”行われるのかを、文化の違いや体験談を交えながらわかりやすく解説します。

卒業式は“人生の始まり”を祝う大イベント

アメリカの大学の卒業式は、単なる「終わり」ではなく、“Commencement=始まり”を意味する特別なセレモニーです。

卒業生たちにとっては、学生生活の区切りであると同時に、社会へ踏み出す第一歩としての「人生の門出」を意味しています。

その背景には、アメリカの大学ならではの厳しい学びの環境があります。

多くの学生が奨学金やアルバイトで学費をまかない、時には途中で辞めざるを得ない人もいる中、4年間で無事に卒業するのは決して当たり前ではありません。だから

そ、卒業は本人にとっても、家族にとっても大きな達成であり誇りなのです。

 

卒業式当日は、学生本人だけでなく、親・祖父母・兄弟姉妹・親戚・友人までがこぞって出席し、まるでお祭りのように盛り上がります。

キャンパスには「Congratulations!」「We’re proud of you!」の文字があふれ、涙と笑顔が入り混じる特別な空気に包まれます。

アメリカの卒業式は、学生の努力だけでなく、それを支えた家族全員の物語を祝福する“家族の祝祭”でもあるのです。

 

アメリカの大学の卒業式はいつ?

アメリカの大学では、卒業式(Commencement)は主に5月中旬から6月上旬にかけて行われます。

新緑がまぶしいこの時期、各大学のキャンパスでは学生と家族が一堂に会し、華やかで感動的なセレモニーが開催されます。

アメリカの大学では卒業そのものは年に複数回(5月・12月など)あります。

たとえば、秋学期の終わりに必要な単位を取り終えた学生は、12月に卒業資格を得ることも可能です。

ただし、卒業式(Commencement)は基本的に年に1回、春学期終了後の5〜6月にまとめて開催されるのが一般的です。

そのため、12月に卒業した学生も、翌年6月の式に参加するために一時帰国や再渡米するケースも珍しくありません

 

日本とここが違う!アメリカの卒業式文化

アメリカの大学の卒業式は、その雰囲気も演出も、日本とはまったく異なるスタイルです。

一言で言えば、「厳か」よりも「華やかで自由」。学生だけでなく、家族や友人、恋人までもが集まる、にぎやかで心あたたまるイベントとして位置づけられています。

屋外開催が一般的

卒業式は多くの場合、キャンパス内の広場やスポーツスタジアムなど屋外で行われます。

青空の下、芝生の上に並べられた椅子、ステージ、音響設備が設置され、そこに数千人の卒業生とその関係者が集まる光景は圧巻です。

雨天対策がされる大学もありますが、そもそも「晴れるのが当たり前」という空気すらあります(ハーバード大学では“卒業式の日に雨が降らない”という伝説も)。

 

家族・友人・パートナーも全力参加

出席するのは学生本人だけではありません。親・祖父母・兄弟姉妹・親戚・恋人・友人などが一堂に会し、卒業生一人ひとりの名前が呼ばれるたびに歓声や拍手が沸き起こります。

日本の「粛々と進行する式」とは違い、感情を惜しみなく表現する文化が根づいています。

 

「Congrats!」バルーンやプラカードが飛び交う

観客席には、卒業生の名前が書かれた手作りのプラカードや、「You did it!」「So proud of you!」といったメッセージ入りのバルーンがたくさん並びます。

ホーンを鳴らしたり、泣きながらハグしたり、まるでスポーツイベントのような熱気です。

 

自由の象徴「帽子投げ」

式のフィナーレでは、卒業生たちが一斉に角帽(キャップ)を空に投げ上げる“キャップトス”が定番。

「学びをやり遂げた自由」と「新しい未来への出発」を象徴する瞬間として、多くの学生がこの一投に気持ちを込めます。
(ちなみに、帽子が誰のものかわからなくなるため“投げないで”と書かれた注意書きがあっても、多くの学生がやっぱり投げる…というのも“あるある”です。)

 

キャップ&ガウンの意味と演出の自由さ

アメリカの卒業式といえば、角帽(キャップ)と黒いガウン姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

この伝統的なスタイルには、実は深い意味と自由なアレンジの文化が込められています。

 

由来は中世ヨーロッパの学僧

キャップ&ガウンの起源は、中世のヨーロッパの大学にまでさかのぼります。もともとは修道士の服装がベースになっており、「学問の世界に身を置く者の象徴」として定着しました。

アメリカでも、ハーバード大学の創設(1636年)頃からこのスタイルが使われています。

 

ガウンの種類で“学位”がわかる

ガウンには学位別のデザインルールがあり、見た目で「学士・修士・博士」の違いが分かります。

また、肩にかけるサッシュやフードの色・形によって、所属する学部や専攻、大学のカラーが表現されます。

優等生には「Honor Cord」と呼ばれる装飾が与えられることもあり、まさに「着る卒業証明書」のような意味合いです。

 

タッセルと“卒業の瞬間”

キャップに垂れ下がる「タッセル(房)」にも意味があります。

式の最初は右側に垂らし、卒業が宣言された後に左側に移動させることで、「正式に卒業した」ことを象徴します。

この動きはアメリカの多くの卒業式で最も感動的な瞬間の一つです。

 

デコレーションで個性を表現

最近では、キャップの上部にメッセージや写真を貼って自由に装飾する学生も増えています。

「Thanks Mom and Dad」「I did it!」「Next stop: Graduate School」など、思い思いの言葉が並び、その人らしさがにじむデザインばかり。

花飾りをつけたり、自国の国旗をあしらったりと、多様性と個性が尊重される演出もアメリカらしさの一つです。

 

スピーチで語られる「卒業の言葉」

 

アメリカの大学の卒業式に欠かせないのが、卒業生へのメッセージとして贈られるスピーチです。

このスピーチは、大学の学長や教授に加え、その大学の卒業生や著名人がゲストとして登壇することも多く、時には社会的に大きな影響を与えるような名言が生まれる場にもなっています。

 

著名人によるスピーチが名物に

毎年のように、大企業のCEOやアーティスト、政治家、社会活動家などが各大学の卒業式に招かれ、未来ある若者たちにメッセージを届けます。

たとえば、過去にはこんなスピーカーたちが登壇しています:

  • スティーブ・ジョブズ(Apple創業者)|スタンフォード大学(2005年)
  • バラク・オバマ(元アメリカ大統領)|ノートルダム大学(2009年)
  • マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)|ハーバード大学(2017年)
  • オプラ・ウィンフリー(司会者・起業家)|ハワード大学(2023年)など

スピーカーは、自身の経験や挫折、そこから学んだことを赤裸々に語りながら、卒業生にエールを送ります。

 

心に残る名フレーズとその背景

特に有名なのが、スティーブ・ジョブズが語ったこの言葉:

“Stay hungry, stay foolish.”(ハングリーであれ。愚かであれ。)

これは、「現状に満足せず、常に学び続け、新しい挑戦を恐れないでほしい」という彼の信念を表しています。
このフレーズは今も多くの卒業生に引用され、卒業式の象徴的な言葉として語り継がれています。

他にも、作家デヴィッド・フォスター・ウォレスによる

“This is water.”(これは水だ)
というスピーチでは、日常の中にこそ人生の本質があることを説き、深い共感を呼びました。

 

感動の言葉に出会う、人生の節目

こうしたスピーチは、単なるセレモニーの一部ではなく、卒業生にとって「人生に残る言葉」に出会う時間でもあります。

言葉の力に後押しされ、自分のこれからを見つめ直すきっかけになることも少なくありません。

アメリカの大学の卒業式が「感動的」と言われる理由の一つが、このスピーチ文化にあるのです。

 

まとめ|卒業式を知れば、進学後のゴールが見えてくる

アメリカの大学の卒業式は、単なる式典ではありません。

それは、何年にもわたる努力の積み重ねが実を結ぶ瞬間であり、学生本人だけでなく家族みんなで分かち合う「人生の節目」です。

帽子を高く投げるあのシーンの裏には、数えきれない試練や挑戦、支えてくれた人たちへの感謝の気持ちが込められています。

「卒業式に親を呼びたい」「あのステージに立ちたい」――そんな想いが、学びを続ける力になることもあります。

 

今この記事を読んでいるあなたが、高校生でも、保護者の方でも、アメリカの大学への進学を考えるうえで、卒業式という“ゴールのかたち”を知ることはとても大切です。

進学後の姿をリアルに想像できれば、目標への道筋がぐっと明確になります。

進学先を選ぶときは、大学のランキングや学費だけでなく、「4年後、どんな場所で、誰と、どんな気持ちで卒業を迎えたいか」を思い描いてみてください。

それはきっと、後悔のない進路選びにつながるはずです。

 

ねこ君
なんだか…アメリカの卒業式、ちょっと憧れちゃうな。あのステージに立てたら、泣いちゃいそう。
にゃんこ先生
うん、その「憧れ」が進学の原動力になることも多いよ。だけど、そこにたどり着くには、出願や準備もかなり大事なんだ。
にゃんこ先生
だからこそ、出願までの道のりを一緒に歩いてくれる人がいると心強い。There is no Magic!!の並走型出願サポートは、そんな“伴走者”になってくれる存在だよ。
にゃんこ先生
進路がまだぼんやりしていても、英語に自信がなくても大丈夫。まずは「卒業式に立ってみたい」って気持ちから、始めてみよう。
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にゃんこ先生
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