





「英語を話せるようになりたい」「リスニング力を伸ばしたい」と思っていても、教材選びや学習方法で迷い、なかなか学習を始められない人は多い。
そこでおすすめしたいのが、英語ラジオの聞き流しである。
スマホやパソコンで手軽にアクセスでき、通勤時間や家事の合間にも英語に触れられるため、習慣化しやすいのが大きなメリットだ。
特に、「ながら学習」を取り入れたい大学生や社会人にとって、英語ラジオは強力な学習ツールになる。
しかし、「本当に聞き流しで英語が上達するのか?」「どのラジオ番組を聞けばいいのか?」と疑問に思う人もいるだろう。
そこで本記事では、
✔ 英語ラジオの聞き流し学習の効果とは?
✔ 初心者・中級者・上級者別におすすめのラジオ番組
✔ 聞き流しを最大限活用するための学習法
これらのポイントについて詳しく解説していく。英語ラジオを活用し、楽しみながらリスニング力を鍛えていこう。
英語ラジオの聞き流し学習は効果があるのか?
「英語ラジオの聞き流しは本当に効果があるのか?」という疑問を持つ人は多い。
結論から言えば、リスニング力が一定レベルに達している場合は効果があるが、初心者がいきなり始めてもあまり意味がない。
英語ラジオを最大限活用するには、リスニング力に応じた適切な方法を取ることが重要だ。
本セクションでは、初心者から上級者までの活用法、聞き流しが向いている人・向いていない人の判断基準、さらに聞き流し学習のメリットとデメリットを詳しく解説する。
英語ラジオの効果的な聞き方(初心者・中級者・上級者向け)
英語ラジオの効果は、学習者のリスニングレベルによって大きく変わる。
以下のリストを参考に、自分に合った聞き方を実践してみよう。
初心者(TOEIC 500以下)
▶ いきなり英語ラジオを聞き流すのはNG!
英語ラジオはスクリプト(原稿)がないものが多く、初心者がいきなり聞いても単語が拾えず、ほぼ何を言っているのかわからない可能性が高い。
▶ まずはスクリプト付きの音声教材で「精聴」を
初心者は、まずスクリプト付きの教材(VOA Learning English、BBC Learning English など)を使って、「精聴(細かく聞き取る練習)」を行うのが先決である。
- 1回目:聞くだけで理解できるか確認する
- 2回目:スクリプトを見ながら、意味を確認
- 3回目:もう一度聞き、聞き取れる単語を増やす
中級者(TOEIC 800〜 / TOEFL 70〜 / IELTS 6.0〜)
▶ 知っている単語が多いラジオを選ぶ
中級者は、英語ラジオを活用することで、リスニングのスピードや発音のつながりに慣れることができる。
最初はニュース系や教育系のラジオを選ぶのがおすすめだ。
- なるべくスクリプトがある番組を選び、最初はスクリプトを見ながら聞く
- 聞き流しをする前に、ニュースの内容を日本語で把握しておく(理解が深まり、聞き取れる情報が増える)
- 英語の数字表現(100 million, 80 thousand など)を事前に復習する
- NHK World(日本関連ニュースが多く、内容が理解しやすい)
上級者(TOEIC 900〜 / TOEFL 85〜 / IELTS 6.5〜)
▶ ネイティブ向けのラジオ番組を活用する
上級者にとって、英語ラジオは「聞き流し」ではなく、「情報収集ツール」としての役割が強くなる。
アメリカのニュース番組やビジネス番組などを聞き、英語のリズムやイントネーションに慣れつつ、時事知識も深めよう。
- 新聞やニュースサイト(CNN, BBC, Bloomberg など)を読み、話題に慣れておく
- シャドーイングを取り入れ、ネイティブの発音を真似する
- CNN News(グローバルなニュースを英語で学べる)
- Bloomberg Radio(ビジネス・経済ニュースに強い)


聞き流しが効果的な人・効果がない人の違い
英語ラジオの聞き流しが効果的かどうかは、自分のリスニング力に左右される。
以下のチェックテストを行い、自分が聞き流し学習に適しているか確認してみよう。
・スクリプトなしで、英語ニュースの内容を6割以上理解できる
・聞き取れない単語があっても、前後の文脈で意味を推測できる
・英語の発音やリズムにある程度慣れている
→ 3つとも当てはまる場合: 聞き流し学習が効果的!どんどん英語ラジオを活用しよう。
→ 1〜2つ当てはまる場合: 聞き流しをする前に、スクリプト付きの教材で「精聴」や「シャドーイング」を行うと効果がアップする。
→ 0個の場合: まだ聞き流し学習には早い。まずはスクリプト付きのリスニング教材で基礎力を鍛えよう。
英語ラジオの聞き流しのメリット・デメリット
英語ラジオの聞き流しには、多くのメリットがある一方で、効果が出にくいデメリットもある。
自分に合った学習法を選ぶために、しっかり把握しておこう。
メリット
- ネイティブの自然な発音・イントネーションに慣れられる
英語ラジオでは、ネイティブスピーカーが話すスピードのまま放送されるため、リアルな発音やイントネーションを身につけやすい。
特に、ニュース番組ではクリアな発音が使われるため、リスニング教材として最適である。
- ながら学習ができるので、忙しくても継続しやすい
スマホやパソコンで簡単に再生できるため、通勤中や家事の合間など、スキマ時間を活用できるのが大きなメリット。リスニングを習慣化しやすい。
デメリット
- 初心者には難しい
スクリプトがない英語ラジオは、初心者にとって内容がほぼ聞き取れず、ただの「英語の音」になってしまうことがある。
- 集中しないと効果が薄れる
「聞いているだけ」で満足してしまい、内容を理解しようとしなければ、リスニング力は向上しない。
意識的に「何が話されているのか?」を考えながら聞くことが大切だ。


英語ラジオを活用する前に!効果的な勉強法とコツ
英語ラジオを効果的に活用するためには、自分のリスニングレベルを正しく把握し、適切な聞き方を実践することが重要だ。
ただ何となく聞き流すだけでは効果が薄く、時間をかけてもリスニング力はなかなか伸びない。
このセクションでは、自分のリスニングレベルを知る方法と、英語ラジオを活かすための具体的な聞き方のコツを紹介する。
自分のリスニングレベルを知る
英語ラジオを最大限に活用するためには、自分のリスニングレベルを正しく把握し、適切な難易度の音声を選ぶことが重要だ。
レベルに合わないものを選ぶと、「全く聞き取れずモチベーションが下がる」「簡単すぎて成長しない」といった問題が生じる。
以下の「3段階リスニングチェック」を試し、自分のレベルを確認しよう。
❶ スクリプト付きのラジオ番組を1つ選ぶ(BBC Learning English, VOA Learning English など)
❷ 3回聞いて、内容の理解度をチェック
❸ スクリプトと照らし合わせ、どのレベルに該当するか確認
初級者(TOEIC 500以下)
- スクリプトを見ても、知らない単語が多く、内容の理解が難しい
- 2〜3回聞いても、話の要点をつかめない
▶ 対策:まずは語彙力と文法力を強化する
スクリプト付きのリスニング教材を使い、基本単語・文法をしっかり学んでから英語ラジオに移行しよう。
中級者(TOEIC 800〜 / TOEFL 70〜 / IELTS 6.0〜)
- スクリプトを見ればほぼ理解できるが、聞き取りでは不明な部分がある
- 英語の発音やリエゾン(音のつながり)に慣れていない
▶ 対策:「精聴」を取り入れて、リスニングの精度を上げる
ただ聞くだけではなく、シャドーイング(音声を真似して発話する練習)を取り入れることで、聞き取れる単語やフレーズが増える。
上級者(TOEIC 900〜 / TOEFL 85〜 / IELTS 6.5〜)
- 8割程度の単語を聞き取れるが、早口のニュースなどは難しく感じる
- 知らない背景知識のある話題だと理解しづらい
▶ 対策:ネイティブ向けのラジオ番組を活用し、時事知識を増やす
英語のニュースサイトを読み、トピックの知識を深めておくと、よりスムーズに理解できる。
英語ラジオを活かすための効果的な聞き方
英語ラジオは、ただ流しているだけでは効果が薄い。
リスニングの力を最大限に伸ばすためには、意識的に「内容を理解しようとする姿勢」が重要だ。
以下の3つのコツを実践し、効果的に英語ラジオを活用しよう。
① 知らない単語や細かい表現にこだわりすぎない
英語ラジオを聞いていると、知らない単語や表現が出てくることがある。
しかし、その都度調べていてはリスニングの流れが止まり、効率が悪くなる。
「全体の流れをつかむ」ことを意識し、 わからない単語が出ても止まらずに前後の文脈から推測しながら聞き続けよう。


③ 英語の数字表現をマスターする
英語のニュースやラジオでは、数字が頻繁に登場する。
特に経済ニュースや統計データの話題では、数字が聞き取れないと内容を正しく理解できない。
例えば、以下のような数字を瞬時に理解できるようにしておこう。
英語表現 | 日本語訳 | ポイント |
---|---|---|
Three hundred thousand | 30万 | 「hundred thousand」は「十万単位」 |
Seven hundred fifty thousand | 75万 | 「hundred thousand」の後にもう一つの数字が加わると混乱しやすい |
One million five hundred thousand | 150万 | 「one million + five hundred thousand」の組み合わせ |
Twelve million | 1200万 | 「million = 100万」だが桁が増えると混乱しやすい |
Forty-five million six hundred thousand | 4560万 | 長くなると聞き取りづらい |
One hundred twenty-five million | 1億2500万 | 「hundred million」と「million」の組み合わせ |
Two billion three hundred million | 23億 | 「billion」と「million」の組み合わせ |
Nine hundred billion | 9000億 | 「billion = 10億」なので桁を間違えやすい |
One point two trillion | 1兆2000億 | 「trillion = 1兆」だが小数点がつくと難易度が上がる |
Half a billion | 5億 | 「half a billion = 5億」だが感覚的にピンとこない人もいる |
特に「hundred thousand(十万)」「million(百万)」「billion(十億)」「trillion(一兆)」などは、日本語と桁の区切りが違うため、慣れるまで聞き取りが難しい。
③ 毎日少しずつ継続することが重要
英語ラジオのリスニング力を伸ばすには、長期間の継続が不可欠。
一週間や二週間で効果が出るわけではなく、数ヶ月〜数年のスパンで積み重ねることが大切。
通勤・通学時間、家事の合間、寝る前のリラックスタイムなど、「習慣」として英語ラジオを生活に組み込むのがポイントだ。


おすすめの英語ラジオ・ニュース番組
【英語字幕付き】ニュース番組


CNN News
アメリカ合衆国のニュース専門放送局、CNNのライブストリーム。
英語字幕あり でニュースを学ぶのに最適だが、スピードはやや速め。
ニュース英語に慣れたい人や、TOEFL・IELTSのリスニング対策をしたい人に向いている。
アメリカ国外では一部制限があり、一定期間後に有料になる 点に注意。
CBS News

アメリカ最大級のテレビ・ラジオネットワークCBSのニュース番組。
英語字幕あり・契約不要 で無料視聴できるため、英語学習者には貴重なリソース。
アメリカの最新ニュースを知りたい人におすすめ。
FOX News
アメリカのテレビネットワークFOXのニュース専門チャンネル。
英語字幕ありだが、1回10分の無料視聴制限がある ため、長時間の学習には不向き。
ニュースの内容は保守的な視点が強いため、CNNなどと比較しながら視聴するとバランスよく学べる。
ABC News

オーストラリアの国営ニュースチャンネル。英語字幕あり。
発音や表現がアメリカ英語とは異なるため、オーストラリア英語を学びたい人に最適。
ニュースの内容もオーストラリア国内の話題が多く、TOEFLやIELTS対策にも役立つ。
Bloomberg

金融・経済ニュースに特化したチャンネルで、マーケット分析や世界経済の動向をカバー。
専門用語が多く、話すスピードも速めなので、上級者向けのリスニング教材 として活用するとよい。
ビジネス英語を学びたい人や、海外MBAを目指す人におすすめ。
英語字幕あり。YOUTUBE Live Stream
【英語字幕なし】ニュース番組
NHKWorld

NHKの国際ニュース放送。日本のニュースを英語で聞ける ため、内容を理解しやすい。
英語字幕はないが、日本語のトピックを事前に知っていると理解しやすい。
初心者~中級者がリスニングの練習に使うのに最適。
CCTVNEWS
中国の国営放送CCTVの英語ニュースチャンネル。
中国のアクセントに慣れたい人や、アジアのニュースを学びたい人向け。
英語字幕なしなので、ある程度リスニング力が必要。
CNN News18
インドのCNN系列ニュース。インド英語のリスニングに挑戦したい人向け。
内容は主にインド国内のニュースやアジア圏の国際ニュース。
インド英語の発音・イントネーションは独特なので、リスニングの幅を広げるのに最適。
海外のラジオ番組




アメリカ
News Talk Radio 77 WABC New York

ニューヨークの人気ニュース&トーク系ラジオ。
時事問題や政治に関する議論が多く、ディスカッション形式のリスニング練習に最適。
KCBS All News 740 AM & FM 106.9
サンフランシスコを拠点にするCBS系列のラジオ。アメリカ西海岸の話題に特化。
KFI AM 640 More Stimulating Talk Radio
ロサンゼルスのニュース&トーク系ラジオ。
ニュースだけでなく、パーソナリティの会話も多く、カジュアルな英語表現を学びたい人向け。
イギリス

BBCのストリーミングラジオで、ニュース・コメディ・カルチャーなど幅広いジャンルを提供。
発音がクリアで聞き取りやすく、イギリス英語を学ぶのに最適。
BBCが提供するドラマ、コメディ、子供向け番組を中心としたラジオ。
ニュースのような専門的な内容ではなく、物語や会話中心のコンテンツが多い。
特にイギリスのユーモアや文化に触れたい人におすすめ。

イギリスのFMラジオネットワークで、音楽、ニュース、トーク番組がバランスよく放送される。
ニュースに特化していないため、カジュアルな英語の会話を聞きたい人におすすめ。
イギリスのスポーツ専門ラジオ。サッカーやクリケットの実況解説が豊富。
スポーツ好きな人には特に楽しめる内容。
カナダ

トロントを拠点とするニュース&トーク系のラジオ局。政治、経済、スポーツ、社会問題など幅広い話題を扱う。
カナダのアクセントを聞きたい人や、英語でディスカッション形式の会話に慣れたい人におすすめ
バンクーバーを拠点とするラジオ局で、ローカルニュース、スポーツ、時事問題を扱う番組が充実。
オーストラリア
オーストラリアの国営ラジオで、ニュースから文化・科学・歴史まで幅広く扱う。
オーストラリア英語を学びたい人に最適。
シドニーのニュース&トーク系ラジオ。
オーストラリアの政治・社会問題を知りたい人向け。
アデレードのトーク系チャンネルで、ニュース・スポーツ・社会問題などを放送。

英語ラジオ以外のおすすめ学習リソース
英語ラジオだけでなく、ポッドキャストや学習アプリを活用することで、より効率的にリスニング力を伸ばせる。
自分のレベルや興味に合わせたコンテンツを選べば、飽きずに継続しやすくなるのもポイントだ。
ここでは、英語ラジオ以外におすすめの学習リソースを紹介する。
ポッドキャスト(リスニングレベルに合わせた番組選び)
ポッドキャストは、通勤・通学中などスキマ時間に手軽に英語を聞ける便利なツール。
特に、リスニングレベルに応じて適切な番組を選べるのが強みである。
- 初心者向け
- BBC Learning English(ゆっくり話してくれる学習者向けの英語)
- ESL Pod(英語学習者向けの分かりやすい会話)
- 中級者向け
- The Daily(New York Times)(時事ニュースを英語で学べる)
- TED Talks Daily(多様なテーマを扱うプレゼン)
- 上級者向け
- NPR News Now(リアルなニュース英語)
- The Joe Rogan Experience(ネイティブ同士の自然な会話)
ポッドキャストは、テーマの幅も広く、自分の興味に合った番組を見つけやすいのが魅力だ。

NHK語学ラジオ(初心者向け)
初心者向けに英語を基礎から学べるのが、NHKの語学ラジオだ。
国内の英語学習者向けに作られているため、スクリプトや解説が充実しており、基礎を固めるのに最適。
- 基礎英語1・2・3(文法や発音をしっかり学べる)
- ラジオ英会話(日常英会話を学ぶのに最適)
- ニュースで学ぶ「現代英語」(時事ニュースを題材にリスニング)
これらの番組はNHKゴガクアプリでスマホからも無料で聞けるので、手軽に学習できる。
英語学習アプリ(VOA、BBC、CNN)
ニュース系の学習アプリは、英語ラジオと併用することでリスニング強化に役立つ。
スクリプト付きやリスニング速度の調整機能があるものを選べば、初心者でも無理なく学習できる。
- VOA Learning English
- 特徴:英語学習者向けに、分かりやすい英語でニュースを提供
- おすすめポイント:スクリプトあり、ゆっくりのアメリカ英語
- BBC LearnEnglish Podcasts
- 特徴:BBCが提供する英語学習アプリ
- おすすめポイント:スクリプトや理解度確認の問題付き
- CNN: Breaking US & World News 12+
- 特徴:最新ニュースを動画・音声で学習できる
- おすすめポイント:はっきりしたアメリカ英語で記事も読める
これらのアプリを活用すれば、英語ニュースを効率的に学びながら、リスニング力を伸ばすことができる。
終わりに
英語ラジオの聞き流し学習は、リスニング力を向上させるための強力なツールとなる。
しかし、ただ漫然と流すだけでは十分な効果が得られない。自分のレベルに合った番組を選び、適切な学習法を取り入れることが重要だ。
毎日少しずつでも英語に触れる習慣をつければ、1年後には驚くほどのリスニング力の向上を実感できるはずだ。
本記事を参考に、自分に最適な英語ラジオを活用し、リスニング力を磨いていこう!



