




通勤や家事の時間に英語を聞きたいと思ってオーディオブックを調べたものの、「有料サービスは高そう」「無料サイトはどれを使えばいいか分からない」で止まってしまった人は多いと思う。
実は、英語のオーディオブックは無料でも十分に聞ける。著作権の切れた名作から俳優が朗読する絵本まで、無料サイトだけで数千冊分の音声が公開されている。
大事なのは、サイト選びと使い方だ。
自分のレベルに合ったサイトを選び、聞き流しではなく「1章を使い切る」聞き方をすれば、オーディオブックは留学前のリスニング基礎体力づくりの強力な教材になる。
この記事では、無料で使える英語オーディオブックサイト8選と、Audibleとの使い分け、挫折しない作品の選び方・勉強法を紹介する。
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。
- 無料でも聞ける:LibriVoxなどの無料サイトだけで数千冊分。まずは無料から始めれば十分。
- 初心者の入口:StorynoryやStoryline Onlineの絵本・短いストーリーから。いきなり長編小説は選ばない。
- 挫折しない鍵:知っている話の1章だけを使い切る。聞き流しはBGMになって終わる。
- 有料の出番:最新のベストセラーやプロの朗読で聞きたくなったらAudible。無料で習慣を作ってからで遅くない。
目次
英語オーディオブックおすすめサイト8選【早見表】
まずは一覧から。自分のレベルに合いそうなサイトを1〜2個選んでみてほしい。
※表は横にスクロールできます。
| サイト | レベル | 内容 |
|---|---|---|
| Storynory | 初心者 | 童話・オリジナルストーリーの朗読 |
| Storyline Online | 初心者 | 俳優による絵本の読み聞かせ動画 |
| Book Dash | 初心者 | 無料絵本(音声つき作品あり) |
| Lit2Go | 初中級〜中級 | 物語・詩の音声+PDF |
| ESL Bits | 初中級〜中級 | 学習者向けの音声+テキスト小説 |
| LibriVox | 中級以上 | パブリックドメイン洋書朗読の定番 |
| Loyal Books | 中級以上 | 無料オーディオブック+eBook |
| Open Culture | 中級以上 | 古典・教養系の無料音源リンク集 |
| Audible(有料) | 全レベル | 最新書・ベストセラーのプロ朗読 |
※無料サイトは仕様やコンテンツが変わることがある。使う際は各サイトで最新の状況を確認してほしい。
まずどれを選ぶ?レベル別ジャンルと作品の選び方
8サイトの詳細に入る前に、「自分はどのレベルの、どんな作品から聞くか」を決めてしまおう。ここが決まれば、見るべきサイトは2〜3個に絞れる。
※表は横にスクロールできます。
| レベル | おすすめジャンル | 向いている人 | 避けたいもの |
|---|---|---|---|
| 入門 | 絵本・童話・短いストーリー | 英語の音とリズムに慣れたい人 | 長編小説・古典文学 |
| 初級 | 音声とテキストがある短編・児童書 | 文字なら分かる英語を、音で聞けるようにしたい人 | テキストなしの長い音源 |
| 中級 | YA小説・自己啓発・短めのノンフィクション | 現代的な語彙や表現を増やしたい人 | 描写の多い長編文学 |
| 上級 | 古典・小説・ビジネス書・専門書 | 専攻・仕事につながる語彙や教養を耳から増やしたい人 | 予備知識ゼロの専門書 |
迷ったら「知っている話・短い章・テキストあり」で選ぶ
レベルにかかわらず、挫折しない作品選びの条件は3つに集約される。
- 知っている話:筋を知っていれば、聞き取れない部分があっても置いていかれない
- 短い章:1章10分以内なら、繰り返し聞く学習が現実的になる
- テキストあり:聞けなかった部分を文字で確認できるかで、学習効率が大きく変わる
加えて、ナレーターの声との相性も数分聞いて確かめたい。特にLibriVoxはボランティア朗読なので、合わない読み手なら別の録音を探せば良い。


無料で使える英語オーディオブックサイト8選
選び方が決まったところで、無料サイトを8つ紹介する。全部読む必要はなく、自分のレベルの2〜3サイトを見れば十分だ。
初心者向け:絵本・短いストーリー
最初の1本は、短くてやさしい話から。「英語の本を1つ聞き切った」という体験を最速で作れるサイトを集めた。
Storynory

童話・昔話・オリジナルストーリーの朗読を無料で公開している、子ども向け音声ストーリーの定番サイト。
1話が数分〜十数分と短く、プロ品質のクリアなナレーションで聞きやすい。多くの話にテキストも付いているので、聞き取れなかった部分の確認もできる。
- 短くやさしい話から始めたい
- 知っている童話で英語に慣れたい
- テキストを見ながら聞きたい
使い方:まずは「シンデレラ」など日本語で知っている昔話を1本。1回目は音声だけ、2回目はテキストを見ながら聞こう。

Storyline Online

ハリウッド俳優や有名人が、英語の絵本を読み聞かせてくれる非営利サイト。映像つきなので、絵本のイラストを見ながら聞ける。
読み手の表情や演技も含めて楽しめるため、「英語の音だけだと不安」という超初心者でも内容を追いやすい。
- 映像とイラストの助けを借りたい
- 絵本レベルから英語の音に慣れたい
- 子どもと一緒に使いたい
使い方:字幕機能をオンにして1本見たあと、字幕なしでもう1回。1本10分前後なので繰り返しやすい。

Book Dash

南アフリカ発の無料絵本プロジェクト。シンプルな英語の絵本をオンラインで読むことができ、音声つきの作品もある。
1冊が数分で終わるので、「英語の本を1冊読み切った」という成功体験を最速で作れる。多読・多聴の最初の一歩に向いている。
- とにかく簡単なところから始めたい
- 1冊を読み切る達成感がほしい
- 読む+聞くをセットでやりたい
使い方:1日1冊、寝る前の5分で読み切る。気に入った1冊は音読までやってみよう。

初中級〜中級向け:音声とテキストで学べるサイト
絵本を卒業したら、音声とテキストがセットになったサイトへ。「聞いて、確認して、また聞く」という精聴の練習ができる。
Lit2Go
南フロリダ大学が運営する無料サイト。物語や詩をMP3形式で聞け、作品ごとに再生時間・語数・要約・PDFが用意されている。
再生時間と語数が事前に分かるので、自分のレベルと時間に合わせて選びやすい。PDFを見ながらの精聴に最適だ。
- 音声だけだと聞き取れない
- テキストを見ながら精聴したい
- 短い物語でリスニングを鍛えたい
使い方:1作品まるごとではなく1章だけ選ぶ。1回目は音声だけ、2回目はPDFを見ながら、聞き取れなかった一文だけ数回聞き直す。

ESL Bits
英語学習者向けに、小説や短編を音声+テキストで公開している老舗サイト。ネイティブ向けではなく「学習者が聞き取れること」を前提に作られている。
多くの作品で再生速度の異なる音声が用意されており、テキストを目で追いながら聞ける。無料サイトの中では学習者への配慮が突出している。
- 学習者向けに整えられた素材がほしい
- 小説を聞きたいが速度が不安
- 聞く+読むを同時にやりたい
使い方:まず遅い速度の音声+テキストで1章。理解できたら通常速度で聞き直すと、伸びが実感できる。

中級以上向け:洋書・古典を無料で聞けるサイト
ここからは、本物の洋書を無料で聞けるサイト。著作権の切れた名作が中心なので、蔵書は古典寄りだが量は圧倒的だ。
LibriVox
世界中のボランティアが朗読した、パブリックドメイン(著作権切れ)の洋書を無料公開する、無料オーディオブックの総本山。
『不思議の国のアリス』『シャーロック・ホームズ』など、日本語で知っている名作の原書朗読が無料で聞き放題。ダウンロードして通勤中にも聞ける。
- 古典・名作を英語で聞きたい
- とにかく無料でたくさん聞きたい
- ダウンロードしてオフラインで聞きたい
使い方:日本語で読んだことのある名作を選び、Project Gutenbergの原文テキストと併用して1章ずつ進めよう。

Loyal Books

無料のオーディオブックとeBookをセットで探せるサイト。ジャンル別・言語別に整理されていて、LibriVox系の音源を見つけやすい。
音声(MP3・ポッドキャスト形式)とテキスト(PDF・Kindle対応)が同じページから手に入るので、「読みながら聞く」が1サイトで完結する。
- 音声とテキストをセットで入手したい
- ジャンルから作品を探したい
- Kindleでも読みたい
使い方:気になる作品のeBookを先にざっと読み、内容をつかんでから音声を聞くと挫折しにくい。

Open Culture
無料の教育・教養コンテンツを集めたリンク集サイト。オーディオブックのページには、古典文学から現代作家の朗読まで幅広いリンクがまとまっている。
オーディオブック以外にも無料の大学講義・語学コース・映画などが集まっており、教養系コンテンツの入り口として使える。
- 古典以外の朗読も探したい
- 教養系の無料コンテンツに興味がある
- リンク集から掘るのが好き
使い方:まずオーディオブックページをブックマーク。気になる作家名で探すと、意外な掘り出し物が見つかる。

Internet Archive:膨大な音源アーカイブ。作品数は圧倒的ですが、初心者にはやや探しにくいのが難点です。
LearnOutLoud:教育系音声のディレクトリ。オーディオブック専門ではありませんが、無料セクションが充実しています。
Spotify・YouTube:オーディオブックの公式・非公式音源が見つかりますが、テキストの入手や作品探しは不安定。メインではなく補助として。
有料で現代の洋書を聞くならAudibleも選択肢

無料サイトの弱点は、蔵書が古典寄りなことだ。今売れている本や現代の小説を聞きたくなったら、AmazonのAudible(オーディブル)が選択肢になる。
Audibleで英語学習はできる?
できる。Audibleはプロのナレーターによる朗読で音質が高く、最新のベストセラーから児童書まで洋書のラインナップが豊富だ。
再生速度は細かく調整でき、スリープタイマーやブックマークなど、学習に便利な機能も揃っている。月額制の聴き放題で、無料体験から始められる。
初心者がAudibleで挫折しやすい理由
Audibleで最初に挫折する人の典型は、「話題のベストセラー小説」から入るパターンだ。
現代小説は1冊10時間前後あり、スラングや描写も容赦ない。洋書の多読でいきなり長編を選ぶと折れるのと同じことが、耳でも起きる。
月額を払っている分、「聞けない」が続くと罪悪感で退会…という流れになりやすい。
Audibleで選ぶなら何から聞く?
最初の1冊は、日本語で読んだことのある本の英語版か、児童書・自己啓発書がおすすめだ。
児童書は語彙がやさしく、自己啓発書は「主張→例→まとめ」の構成が明快で、小説より聞き取りやすい。ハリー・ポッターは定番だが、思ったより語彙が独特なので、児童書ならもう一段やさしいものから入ると安全だ。
内容を知っている本なら、聞き取れない部分があっても話に置いていかれない。
無料サイトとの使い分け
使い分けはシンプルで良い。聞く習慣を作る練習は無料サイト、現代の本を楽しむのはAudibleだ。
まず無料サイトで「1章を使い切る」聞き方に慣れ、毎日耳を使う習慣ができてから課金すれば、月額を無駄にしない。


英語オーディオブックの勉強法|留学前の「耳の読書体力」を作る
英語オーディオブックは、聞き流しているだけでも気分は良い。通勤中に英語を流していると、勉強している感じもある。
でも、聞き取れない音声を何時間流しても、途中からBGMになってしまう。
特に洋書のオーディオブックは、ニュースや英語教材と違って、1章の中で場面が進み、人が動き、話が展開する。音を聞くだけでなく、話の流れを追う力が必要になる。
話の流れを追いながら、重要な部分を拾い、分からなかったところをあとで確認する。この力を、英語オーディオブックで少しずつ作っていこう。
1. 最初は「読みたい本」ではなく「聞ける本」を選ぶ
オーディオブックで一番多い失敗は、最初から好きな長編小説を選ぶことだ。
Harry Potter、Sherlock Holmes、Pride and Prejudice などは魅力的だが、英語で聞くとかなり重い。
最初の1冊は、「読んで面白そうな本」より「耳だけでも話を追えそうな本」を選ぼう。
2. 1回目は音声だけで聞き、細かい単語を追いすぎない
1回目はテキストを見ずに、音声だけで聞いてみよう。目的は、単語を全部聞き取ることではなく、話の大枠をつかむことだ。
聞き終わったら、日本語でいいので「誰が、どこで、何をした話か」を一言で言ってみる。これが言えれば、1回目としては十分だ。
3. 2回目はテキストを見て「聞けなかった理由」を分ける
2回目は、テキストを見ながら同じ章を聞く。ここでやることは、答え合わせではなく、聞けなかった理由の切り分けだ。
単語を知らなかったのか、文字で見れば知っている単語なのに音で消えたのか、内容の前提知識がなかったのか。ここを分けると、復習の質が変わる。
- 単語を知らなかった:語彙不足。3〜5語だけメモする。
- 文字なら分かるのに聞けなかった:音の連結・弱形の問題。音声に戻る。
- 話の流れを見失った:構成を追う力の問題。段落ごとに要約する。
- 内容そのものが難しかった:本のレベルが高い。作品を変えてよい。
知らない単語を20個拾うより、「聞こえなかった音」を2〜3か所潰す方が、次のリスニングに効く。
4. 聞き取れなかった一文だけを3〜5回聞く
章全体を何度も聞き直す必要はない。聞き取れなかった一文、話の流れで大事だった一文、自分でも言ってみたい一文だけを選ぼう。
その一文を3〜5回聞き、テキストを見て、もう一度音声に戻る。
特に、前置詞や冠詞、代名詞、助動詞は音の中で弱くなる。
読めば分かるのに聞こえない原因は、単語力不足ではなく、こういう弱い音に慣れていないことも多い。
5. 好きな30秒だけナレーターの真似をする
1章の中から、好きな30秒を選んで音読しよう。全部をシャドーイングする必要はない。やるなら短く、気に入った場面だけで良い。
ナレーターの声を真似るときは、発音を完璧にするより、リズムと間を真似る。
どこで息を吸うか、どこで声が上がるか、どの単語を強く読むか。そこを真似ると、英語の流れが体に入りやすい。
6. 最後にもう一度、音声だけで聞く
テキスト確認と音読が終わったら、最後にもう一度、同じ章を音声だけで聞く。最初に聞いたときより、かなりクリアに聞こえるはずだ。
この「さっきより聞こえる」という感覚が大事だ。リスニング学習は、成果が見えにくい。だからこそ、同じ章を使って、聞こえ方の変化をその場で確認する。
聞こえるようになった章は、翌日の通勤や散歩で流しても良い。すでに内容を知っている音声なので、聞き流しでも復習になる。



よくある質問(FAQ)
英語オーディオブックは無料サイトだけで十分ですか?
リスニングの練習台としては十分です。
LibriVoxやLit2Goなど無料サイトだけで数千冊分の音声があります。最新のベストセラーや現代小説を聞きたくなった段階で、Audibleなどの有料サービスを検討すれば良いでしょう。
聞き流しだけでもリスニング力は上がりますか?
すでに聞き取れる素材のスピード慣れには役立ちますが、聞き取れない音声を流し続けてもBGMになるだけです。
1章をテキスト確認・聞き直し込みで「使い切る」精聴と組み合わせるのが効果的です。
初心者は何から聞き始めれば良いですか?
StorynoryやStoryline Onlineの絵本・童話がおすすめです。
日本語で筋を知っている短い話を選べば、聞き取れない部分があってもストーリーに置いていかれません。
AudibleとLibriVoxはどちらが英語学習に向いていますか?
目的によります。
無料で聞く習慣を作る練習にはLibriVoxなどの無料サイト、現代の本をプロの朗読・調整可能な再生速度で楽しむにはAudibleが向いています。
無料で習慣化してから課金する順番がおすすめです。
まとめ|まずは無料サイトで「1章」から
英語のオーディオブックは、無料サイトだけでも十分に始められる。
初心者はStorynoryやStoryline Onlineの短い話から、慣れてきたらLit2GoやESL Bitsでテキストつきの精聴へ、その先はLibriVoxやAudibleで本物の洋書へ。
大事なのは、たくさん聞き流すことではなく、知っている話の1章を使い切ることだ。
今日、どれか1サイトを開いて、最初の1章を聞くところから始めてほしい。
レベル別おすすめ洋書:オーディオブックと相性抜群の多読。「読みながら聞く」の相棒になる1冊がきっと見つかる。
英語ポッドキャストおすすめ30選:本より短い素材で毎日聞くならこちら。通勤時間の使い分けにどうぞ。












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