




社会人になって数年が経つと、ふとした瞬間に
「このままでいいのかな」「一度、海外で暮らしてみたい」「もっと広い世界で学んでみたい」
そんな思いがよぎることがあります。
でも同時に――
“行く理由をはっきり言えないままで動いていいのか?”
“大学院ってそもそも何をする場所なの?”
“キャリアにつながるのかな?”
といった不安や疑問も湧いてくるのが正直なところです。
実際、多くの社会人が海外大学院に興味を持つ理由は、最初からキャリアアップやMBAが目的というわけではありません。
「海外に住んでみたい」「英語に強くなりたい」という、シンプルな憧れからスタートする人も少なくありません。
そして、その“曖昧な興味”こそが最初の一歩になります。
海外大学院への進学は、情報を集めたり英語の勉強を始めたり、小さな行動を積み重ねるなかで、自分の目的や方向性が自然と形になっていくプロセスでもあります。
この記事では、
「なぜ行くのか?」「どうやって行くのか?」「今から何をすればいいか?」
これらをシンプルに整理し、迷っている社会人がまず一歩踏み出すための道しるべになることを目指しています。
目次
社会人が海外大学院を目指す理由
社会人が海外大学院を考える理由は“キャリアのため”という単純な一行では語れません。
実際には、もっと手触りのある感情や日常の違和感から始まることがほとんどです。
ここでは、そのリアルをいくつかのパターンに分けて整理します。
海外で暮らしてみたい・英語が話せるようになりたいという憧れ
多くの社会人は、キャリア戦略よりも前に、「海外に住んでみたい」「英語を使えるようになりたい」という“純粋な好奇心”から動き始めます。
- 海外旅行で感じたワクワクが忘れられない
- 英語で自然にコミュニケーションできる自分に憧れる
- 多国籍な環境に身を置きたい
- 海外の学生生活に興味がある
実はこれ、進学を考えるうえで立派な理由です。
なぜなら、最初のスタートは感情ベースで十分だからです。
海外大学院は、学問だけでなく「場所を変える」「環境を変える」行為。
“海外で暮らしてみたい”という一次感情は、その大きな一歩を踏み出す正当な原動力になります。
日本の環境から一度離れてみたいという気持ち
日本の働き方・評価軸・キャリアの固定化に息苦しさを感じ、「一度、外の世界に出たい」という思いで留学を考える人も多くいます。
- 上司や会社文化に合わせ続けることに疲れた
- 挑戦より“安定”を求められる組織に違和感がある
- 20代後半になり、将来のキャリアに不安が出てきた
- “自分の市場価値”を確かめてみたい
こうした“日本社会から少し距離を置いてみたい”という気持ちは、留学を決断するうえで非常に強いエネルギーになります。
海外大学院は、「今いる環境から一度離れて、自分をフラットに見つめ直す」という役割を果たしてくれます。
キャリアの視野を広げたい・未来の選択肢を増やしたい
「このまま今の仕事を続けていて、10年後どうなっているんだろう?」
そんな漠然とした不安から、キャリアの可能性を海外に求める社会人もいます。
- 海外駐在やグローバル案件に挑戦したい
- 専門スキルを持った人材としてキャリアを再設計したい
- AI・データ・ビジネスなどの先端領域を学びたい
- 外資系企業への転職を視野に入れている
特に20代後半〜30代前半は、「専門性 × 英語」を両方手に入れる絶好のタイミングです。
海外大学院は、単純な“スキル取得”だけでなく、自分のキャリアの軸を見つける作業にもなります。
キャリアチェンジをしたい・別業界に飛び込みたい
社会人になってから、「本当にやりたい仕事はこれだったのか?」と立ち止まる瞬間があります。
その延長で、データサイエンス、国際関係、公共政策、教育、環境領域など、これまでとは違う分野に挑戦するために留学を選ぶケースも増えています。
- 文系 → データサイエンス
- 日系企業 → 外資コンサル
- 営業 → 公共政策・国際開発
- 事務職 → 教育・TESOL
日本国内での“業界チェンジ”、“職種チェンジ”は難しい側面があります。
そのため、「大学院で専門性を身につけてキャリアを再構築する」という選択肢が合理的になります。
留学を考える社会人のほとんどが、最初から目的を明確にできていません。
それで大丈夫です。
- 英語の勉強を始める
- 気になる専攻を調べる
- 在校生の話を聞く
- 大学の説明会に参加してみる
こうした“小さな行動”を積み重ねることで、「自分は何を大事にしたいのか」「どんな未来をつくりたいのか」が少しずつクリアになっていきます。


海外大学院=キャリアアップの自動チケットではない
海外大学院について調べていると、「キャリアアップできる」「年収が上がる」「海外就職につながる」といったメリットが前面に出されることが多いです。
たしかに、専門性を身につけたり、英語力が大きく伸びたり、海外経験が自信や視野につながることは間違いありません。
ですが——“留学さえすればキャリアが好転する”という期待は、現実とはズレています。
キャリアや年収アップに繋がらない場合も
- 日本の大企業で年功序列+昇進ルートに乗っている
- 海外大学院の学費・生活費を考えると機会費用が非常に大きい
- 留学で2年離脱することで、社内でのポジションや評価が下がることもある
- 日本企業の多くは「海外大学院」を積極評価しない場合もある
- 留学後に日本に戻っても、給与が飛躍的に上がるわけではない
例えば、日系大手で順調に昇進している人なら、留学の2年間を国内で働き続けるほうが、結果として収入が高くなることも珍しくありません。
また、海外大学院を出たからといって、自動的に外資転職や海外就職につながるわけでもありません。
現実には、英語力・専門性・ネットワーク・行動力のすべてを自分で組み合わせて初めてキャリアが開けるのです。
海外大学院進学の本当の価値とは?
ここが、とても大事です。
たとえ合理的に見れば費用も時間もかかるとしても、「海外で暮らしたい」「環境を変えたい」「広い世界を見てみたい」といった感情は、社会人になればなるほど無視しづらくなります。
そして、その感情には、ちゃんと価値があります。
- 新しい環境に飛び込むことで、人生の軸が見える
- 海外で出会った人や経験が、その後のキャリア選択を変える
- 自分の可能性に気づけるのは、動いた人だけ
- “一度は海外に出たい”という想いが、その人の人生を前に進める
合理性だけでキャリアが決まるわけではありません。
特に「生き方」や「価値観」を変える選択は、数字やロジックだけでは説明できない部分があります。
海外大学院に行くことは、キャリア・年収アップの手段であるだけでなく、「自分の人生を自分の意思で決める」ための行動でもあります。
その過程で:
- 英語力が伸びる
- 視野が変わる
- 新しいネットワークができる
- キャリアの選択肢が増える
これらは“副産物”であり、行動の結果ついてくるものです。
大事なのは、「行きたい」と思った自分を信じて、一歩踏み出せるかどうか。
合理性だけで測れない“人生の変化”は、そういう一歩の先にあります。



社会人が海外大学院へ行く方法
海外大学院への進学は、情報が多すぎて複雑に感じるかもしれませんが、実は「やること」は驚くほどシンプルです。
以下の 4ステップ を押さえておけば、社会人でも無理なく準備を始められます。
Step1|国と専攻を決める
最初にやるべきは、「どの国で、どんな分野を学ぶか?」を大まかに決めることです。
これは、完璧に決める必要はありません。
むしろ、最初から固めようとすると止まってしまうので、“興味がある方向性レベル”で十分です。
- MBA(ビジネス全般)
→ マネジメント、経営、リーダーシップ - データサイエンス / ビジネスアナリティクス
→ AI、統計、プログラミング、新規領域のキャリアチェンジに強い - 公共政策 / 国際関係(MPA/MPP/IR)
→ 国際機関・行政・社会課題系 - 教育(TESOL / Education)
→ 教育者、EdTech、英語教育系 - 工学・環境・デザイン
→ 理系職や専門職としてキャリアを再設計したい社会人に
- アメリカ:専攻が幅広い・OPTで就労可能
- イギリス:1年制で社会人に人気・費用が抑えやすい
- オーストラリア / カナダ:移民・就職ルートも視野に入る
- アジア:費用が比較的安い・生活のしやすさ
最初は「データ系に興味がある」「アメリカも良さそう」くらいのレベルでOK。
情報集めを進めるうちに、自然と目的が整理されていきます。
Step2|英語試験(TOEFL / IELTS)に着手
社会人が最初にぶつかる壁が 英語試験 です。
- 忙しくて勉強時間を確保しづらい
- 学生時代の英語力が落ちている
- そもそも何点必要なのかも曖昧
こういった不安は誰もが抱えています。
まず一度、模試 or 試験を受けてみる
これが、最短で「今の位置」を掴む方法です。
- 目標との差が見える
- 専攻・学校ごとの必要スコアが理解できる
- 勉強の優先順位がクリアになる
社会人にとって、英語試験は最初のハードルになる存在。逆にここを避けると、全体像がつかめずに迷子になります。
- TOEFL iBT:80〜100点
- IELTS:6.0〜7.0
学校や専攻によって必要点数は変わるため、まずは“現状把握”が何より大事です。



Step3|必要書類を準備する
海外大学院の出願では、次の書類がメインになります。
- SOP(志望動機書)
- CV(職務経歴書)
- 推薦状(会社 or 大学の指導者)
ここで大事なのは、英語の上手さではなく、「自分のストーリーが筋通っているか」 です。
- 過去:これまでどんな経験をしてきたか
- 現在:なぜ今、海外大学院が必要なのか
- 未来:大学院で何を学び、どう活かしたいか
完璧に整理されていなくても、この流れが“ゆるやかに”つながっていれば合格レベルです。
Step4|出願 → 面接 → 合格
書類とスコアが揃ったら、次は出願です。
- 書類提出
- 面接(Zoom)
- 合格通知
- 学費支払い
- ビザ申請
- 渡航準備
面接は想像より“フレンドリー”。一問一答ではなく、会話を通して人柄や目的を見られるイメージです。



ひとりで迷わないための“並走型出願サポート”
社会人の海外大学院準備は、仕事・英語・書類・リサーチが同時進行になるため、「何から始めればいいのかわからない」状態になりがちです。
実際、多くの受講生が最初に抱える不安は、「目的が曖昧」よりも“正しい順番で進めているか自信が持てない”という部分です。
そこで役立つのが、出願プロセスを横で一緒に進めてくれる「並走型出願サポート」という選択肢です。
① やるべきことの優先順位がすぐわかる
実際の受講生が一番助かったと語ったのはこれです。
「英語のスコアを粘るべきなのか、書類に移るべきなのか。
自分では判断できない時に、“今はここに集中しましょう”と軌道修正してもらえた」
海外大学院準備は、英語・出願校研究・SOP・推薦状・面接準備などタスクが多く、“どれから手をつけるべきか”が見えなくなりやすいです。
並走型では、あなたの背景・専攻・スケジュールを踏まえて「最短で合格に近づく動き方」を明確にしてくれます。
② 自分だけでは気づけない強みを言語化できる
社会人が特に苦戦しやすいのが、SOP(志望理由書)やPHS(パーソナルステートメント)です。
- 何を書けばいいかわからない
- 過去→大学院→未来の流れがつながらない
- 自己分析が深掘りできない
これは独学の人が最もつまずきやすいポイント。
「面談で質問を通して深掘りしてもらい、
自分ひとりでは絶対に書けない内容に仕上がった」
書類の完成度は合否に直結します。だからこそ、“横で対話しながら作り上げる”価値が大きいのです。
③ 不安な時に支えてくれる“ひとりじゃない環境”
社会人の留学準備は孤独です。
- 英語スコアが伸びない
- 仕事で疲れて勉強ができない
- 自分が受かるのか不安
- 進路について相談相手がいない
実際、受講生の多くが「精神的な支えが本当に大きかった」と語っています。
「出願直前で追い込まれていた時、
“ここは気にしなくてOKです、優先順位はこっち”と
メンタル面まで支えてもらえた」
Zoom面談やSlackでの即レス相談など、“ひとりじゃない”状態が保たれることが、合格の大きな支えになります。
海外大学院を考えているけれど、何から始めればいいか迷っている方は、一度ご相談いただければ方向性を一緒に整理できます。
無理に決める必要はなく、“今の自分にとって最適な一歩”を見つけるお手伝いをします。

最後に|迷いがあっても、一歩踏み出した人から未来は動き出す
海外大学院に興味を持つと、「目的がはっきりしていないとダメなのでは?」と不安になる人が多いですが、最初は曖昧で大丈夫です。
動いてみると、必要な情報も、自分が本当にやりたいことも、少しずつ輪郭を帯びてきます。
まずは、
- 英語試験を一度受けてみる
- 気になる専攻や大学を軽く調べる
- 自分のキャリアをざっくり棚卸しする
この3つだけで十分、道が開けます。
完璧な理由がなくても、一歩踏み出した人から世界は変わり始めます。
迷っている気持ちごと、その一歩を大切にしてください。









