



はじめまして、LDNN3と申します。現在はロンドン在住でイギリスの金融機関に勤めています。今回は英文レジュメの記載方法についての紹介です。
レジュメは留学や就職活動の際に自己紹介として提出されるものですが、日本での履歴書とは形式・内容ともに大きく異なり、戦略的に作成・提出することが重要となります。
この記事の著者:LDNN3
MBA留学のために2016年にIELTSを複数回受験し、MBA卒業後はロンドンで働いています。純ジャパの英語学習方法や留学・海外就業を通じて得た知見を共有します。
目次
レジュメ、CV、カバーレターの違いは?

Resumeとは
英文レジュメとは、一般的にはビジネスやアカデミックなポジションに応募する際に提出される1-2ページの書類で、応募者の連絡先や学歴、職歴、スキル、業績などがまとめられています。詳細は 2 で説明します。
日本の履歴書に近いように思われるかもしれませんが、志望動機などを直接的にアピールするものではなく、あくまで経歴を紹介するものです。また、昨今ではデザイン性に富んだレジュメも一般的になっています。
応募職種に応じて、Chronological/Functional/Combinationの3種類のレイアウトが存在します(詳細後述)。
レジュメを構成するパーツは、Chronological/Functional/Combination Resumeのいずれの場合も大きく変わりませんが、それぞれアピールするポイントが異なります。
また、昨今では大企業や大学では独自のオンラインフォームに入力する形式も増えていますので、就職・進学を希望する先の応募要綱をしっかりと確認してから着手しましょう。
CVとは
レジュメ同様、主に就職活動などで使われいる書類でCVがあります。これはラテン語のカリキュラム・ビタエを略したもので、「人生の経歴」を意味します。
日本や一部の国ではレジュメと同義で扱われる場合もありますが、アメリカ等の英語圏では明確に区別されています。
以下はあくまで一例ですが、一般的なCVの構成内容です。
- Contact: 名前・連絡先・住所。後段のResumeの注意点でも記載していますが、写真は特に求められていない限り一般的には不要です。また、性別や年齢も記載しません。
- Objective: 希望する職種、職務を記載します。
- Summary: 特に売り込みたいポイントを資格、学歴、職歴、業績などから抽出し、端的にアピールします。
- Professional History: 職歴。 各ポジションでの責任・成果を端的に記載します。具体的な数値を用いて表現することが重要です(e.g. xx人のチームをマネージした、xxのプロジェクトをリードし$xxmのコスト削減を達成した、等)。
- Education: 学歴。学位の取得時期、場所、言語(応募職種の言語以外の場合)についても触れてあげるとよいでしょう。
- Qualification/Skills: 保有する資格・スキル。もちろん応募職種と関係のない資格は記入する必要はありません。ただし、IT系の能力や、英語以外の言語等、職種に関わらず利用価値や応用可能性に高いものについては積極的に記載しましょう。
なお、レジュメと同様、新卒で職歴が無いときは、インターン経験やアルバイト、ボランティア等の社会経験を記載すればOKです。
ただし漫然と担当業務を羅列するのではなく、「TeamをLeadした」、「新しい仕組みを提案し実現した」などアピールにつながる書き方を心がけましょう。
レジュメとの主な違いとしてはその分量で、レジュメが経歴を概ね1-2ページに端的にまとめたものである一方、CVはそれに加えてこれまで携わったプロジェクト、出版物、受賞歴などまで詳細に記載することが一般的です。
とはいえ、現代のCVも1-2ページ程度に纏められることも多く、両者の線引きはあいまいになってきています。
一般の就職・転職活動ではレジュメで済ませる場合が多いですが、学術的なポジションや奨学金へのアプライなどでは詳細なCVが求められることが多いです。
なお、大学や研究機関によっては記載すべき項目が指定されていることもありますので注意が必要です。
CV例1

Source:https://www.vertex42.com/resumes/cv-template.html
アカデミックなポジションに対するCVで、スキルや業績の代わりに、所属学会や、参加した学術会議を紹介しています。
CV例2

Source:https://zety.com/uk/blog/free-cv-templates
こちらは現代的なレイアウトで、スキルや業績については別の段組みで箇条書きするだけに留めています。
カバーレターとは
カバーレターは、レジュメやCVを提出する際に添付するOne Pagerですが、一般の書類に添付する送付状とは異なり、志望動機や自己PRを書くことができます。
そのため、書類選考においても重要な判断材料の一つなるものです。
以下はあくまで一例ですが、具体的な構成内容です。
1段目:応募するポジションや、いつから勤務ができるかを記載します。 Reference(推薦人)や紹介者がいる場合はここで触れておくとよいでしょう。
2~3段目:自己PRですが、詳細は添付のレジュメまたはCVに記載があるため、ここではサマリーにとどめます。新卒の方は、在学中の専攻の他、Honor等の実績やGPAが高ければアピールしてもよいでしょう。
最後に、「なぜこのポジションに応募したか」をこれまでのキャリアや専攻と結び付けてアピールすることが重要です。なお、文量次第では無理に2段落に分ける必要はありません。
4段目:感謝と結びのパラグラフです。シンプルに2~3文で十分です。
ポイントとしては、
まず、くどくどと書かずに、端的に表現することに尽きます。倍率の高いポジションにおいて、採用担当者は毎回大量レターとレジュメ/CVに目を通す必要がありますので、シンプルにアピールポイントを表現することが重要です。
また、レジュメ/CVにおいて過去・現在の経歴(=これまでやってきたこと)がまとめられていますので、カバーレターでは応募先でこれからやりたいことに自然とつながるように、一貫性のあるストーリーを書くことも重要です。
逆にキャリアチェンジなどこれまでのキャリアと応募先に断絶がある場合でも、それらを繋げるような説明をしてあげることで採用担当者の興味を引くことができます。
Cover Letter例

Source: https://www.incrediblehealth.com/blog/what-makes-a-great-nursing-cover-letter/
例として医療関係のポジションに応募する際のカバーレターをお付けします。応募者のこれまでの実績や、貢献できるポイントをアピールしています。
英文レジュメの書き方概論

英文レジュメにはテンプレートが存在するわけではありませんが、実務的には前述の通り以下の3種類に大別されます。
一般的な企業ではCombination Resumeが、アカデミックな職種ではChronological Resumeが使われることが多いと言われています。
いずれのレジュメも、SummaryをContactの次に挿入して、自身の人材としての特徴を1~2行で纏めることも可能です。
Chronological Resume
職歴・学歴を時系列で列挙するもので、日本の履歴書に一番近い形式です。
リサーチやアカデミックなポジションで、これまでの経歴を詳らかにアピールしたい場面で使用されます。
なお、職歴や学歴は直近のものが一番上に来るように書くことが一般的です。
- Contact: 名前・連絡先・住所。
- Objective: 希望職種。Web上のフォームで既に応募ポジションが明確化されている場合は記載する必要はありません。
- Professional History: 職歴。 各ポジションでの責任・成果を端的に記載します。具体的な数値を用いて表現することが重要です。(g. xx人のチームをマネージした、xxのプロジェクトをリードし$xxmのコスト削減を達成した、等)
- Education: 学歴。学位の取得時期、場所、言語(応募職種の言語以外の場合)についても触れてあげるとよいでしょう。
- Qualification/Skills: 保有する資格・スキル。もちろん応募職種と関係のない資格は記入する必要はありません。ただし、IT系の能力や、英語以外の言語等、職種に関わらず利用価値や応用可能性に高いものについては積極的に記載しましょう。
以下の例では、職歴を中心に、詳細な記述が時系列でなされています。
Chronological Resume例

Source:https://resumegenius.com/blog/resume-help/chronological-resume
Functional Resume
Chronological Resumeとは反対に、経験や業績に注力したレジュメで、応募職種に関係のある職歴/学歴を書く必要はありません。
専門職に応募する場面で使用されます。転職歴が多いことがネガティブな場合にも有用です。
- Contact: 名前・連絡先・住所。応募先や職種によっては、Facebook, LinkedinなどのSNSアカウントを載せることも有用です。
- Skills: 自身の強みについて、それを培った職歴やプロジェクトを交えつつ、端的に説明します。
- Educational Background/Qualification: 学歴
以下は秘書業務に関するレジュメのサンプルです。勤務先情報は必要最小限にしており、むしろ経験した業務(=スキル)に重点を置かれていることが分かります。
Functional Resume例

Source: https://www.sampletemplates.com/resume-templates/functional-resume.html
Combination Resume
ChronologicalとFunctionalの両方の特徴を取り込んだレジュメで、一般的に使われるフォーマットです。
職歴・学歴ともに特に重要なものだけピックアップして記載し、その中での経験や業績を箇条書きで端的に表現します。
- Contact: 名前・連絡先・住所
- Skills: 資格・スキル
- Professional History: 職歴
- Education: 学歴
以下が例ですが、デザイン職のため、レジュメも多少カラフルにしてあります。内容としては、重要な職歴と、スキルがバランスよく配置されていることが分かります。
Combination Resume例

Source: https://novoresume.com/career-blog/combination-resume

英文レジュメのクオリティをあげる3Tips

多くの場合、企業のHRや学校のアドミニは膨大な業務の隙間を縫ってレジュメを選別しており、応募者の提出物すべてに目を通してくれるわけではありません。
そのため、以下のポイントに注意して、一目で落とされないレジュメにすることが肝要です。
文字数を抑える
一目見て文字数の多いレジュメは読む側にマイナスの印象を与えます。大前提としてレジュメは最大でも2ページまでに納めましょう。
一般的に適切なフォントは10-12ptのレンジと言われていますが、よりフォントが大きく文字数の少ない12ptのほうが良い結果になるとの調査もあるほどです。
文字数を抑える工夫としては、以下のようなものが考えられます。
1. 積極的に箇条書きを活用する。ただし可能な限り3つに絞る
プレゼンテ-ションでも「マジックナンバー3」と呼ばれており、何かを箇条書きでまとめる際には3つの事象にモレなくダブりなく分けることで読み手に伝わりやすくなると言われています。
うまくまとめられない方は、まずはご自身の業務経験ですべて洗い出したのちに、3つのグループにわけるだけでもかなり読みやすくなります。
前編・中編・後編のようにワークフローの段階別に分けたり、会社全体・チーム・個人のように構造別にしたり、または過去・現在・未来のように時系列で分けることも可能です。
2. 経験や実績を表現する際は、主語の I を省略し、文章を動詞で開始する
具体的には、”Managed a team of 5 people”, “Achieved the additional cost reduction of $5m p.a.”といった書き方が考えられます。
ただ与えられた業務をこなしたことを書くのではなく、応募者の意思が乗った行動を記載することでアピールにつなげることができます。
3. インフォグラフィックを活用する。ただし、下記のようにカジュアルに見えない範囲に限る。
上記のCombination Resumeの例のように、メールアドレスやLinkedinなどはアイコンを使うことで紙面上の文字数を減らすことができます。
レイアウトを統一する
インデント・フォント・フォントサイズに統一感を持たせることで、すっきりとした印象を与えることが可能です。また、両端揃えもしておきましょう。
具体例や数字を用いる
経験や実績をアピールする際、それが客観的に評価できるように具体例や数字を用いることが重要です(e.g. Managed 10ppl, Achieved cost reduction by $1m p.a.)。
一方で、応募先に理解されない固有名詞や表現は避け、必要に応じて意訳することは問題ありません。
プロフェッショナルであること
必要以上にカジュアルなレジュメは応募者の資質に疑義を抱かせる可能性があります(デザイン系などの例外的な応募職種を除く)。
カラーは多くても3色(できれば1~2色)、フォントもArial, Tahoma, Verdana, Times New Romanなど一般的なものにして不要なリスクを取らないようにしましょう。
不要な情報
欧米企業を中心に、ダイバーシテイの確保やバイアスの排除の観点から、顔写真や性別、年齢などは記載しないことが一般的です。以下が代表的な省略すべき情報です。
- 性別
- 年齢
- 顔写真(応募先企業に拠る)
- 宗教
- 国籍
- 家族構成
- 志望動機
- 希望年収・福利厚生等


英文レジュメ・CVのサンプル

以下にResumeおよびCVのサンプルをリンクします。
Randstad UK
: Free Cover Letter & CV Example Template Downloads
欧州最大手の人材サービス会社であるRandstadによるCVおよびカバーレターのサンプルです。業種別のものを無料でダウンロードすることが可能です。
Kelly Services
: Career Forward – Impress with your Resume
米系でかつ世界最大手のKelly Serviceによる、レジュメの作成ガイダウンスと、それに基づくサンプルです。比較的クラシックな見た目のレジュメになっています。
Robert Half
: Professional resume templates and examples
米系大手のRobert Half International レジュメのサンプルです。Accounting, Administration, Executiveから、Receptionistまで幅広いレジュメのテンプレートをダウンロードすることが可能です。
端的にまとまっておりすっきりとした見た目になっています。





