褒めるだけではダメ!MBA留学、推薦状の書き方について

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ねこ君
MBA留学って、エッセイとかGMATの他に、推薦状も必要なんでしょ・・?
ねこ君
職場の上司から貰わないといけないんだよね?大丈夫かなぁ・・書いてくれるかな・・自分のことちゃんと伝えてくれるかなぁ・・・。
ねこ君
そもそも、おれのボス、英語できないから推薦状頼めないんじゃないかな・・。
にゃんこ先生
それ、自分で代筆しちゃった方が早いかもね。
にゃんこ先生
上司がMBA卒の外人で推薦状を書いたことがあるなら別だけど、ほとんどの場合、「推薦状なんて書いたこともない」「英語で文章なんて書けない」という問題があるのではないかな。
にゃんこ先生
であれば、MBA出願のプロジェクトマネージャーのねこ君は、全て自分でやって、最終的に上司の承認をとって、サブミットしてもらうのが、仕事を効率的に進める上で理想的なんじゃない?

 

本稿では、MBAプログラムへのアプリケーション(応募)に際して必ず2~3通は必要となる「推薦状」の書き方についてご解説したいと思います。

この記事の著者: Tempest

  •  横浜在住、40歳台前半の男性
  •  米国のMBAを取得、専攻は金融
  •  投資銀行マン等を経て、財務・法務系の翻訳家として独立(言語は英語・タイ語)
  •  Tempestの英語学習の記録

そもそも推薦状とは?

日本ではあまり行われていない慣行なので少し違和感を覚える方も多いと思います。

推薦状は、アドミッション(合否判定)の過程で選考材料の一部として用いられます。

まず英米は思ったよりネットワーク社会であり、特にビジネス界ではコネクションが大切とされているため、「第三者」から見てどうかという点も重要となるということです。

 

一方、エッセーや履歴書で「俺はこれだけスゴイんだ」と激しい自己主張をするのが普通のため、客観的視点も要るということもありましょう。

さて推薦者としては、通常の修士の場合大学の指導教官などが多いですが、職務経験を経てから入る実務系のMBAではアプリカント(応募者)の上司がメインとなります。

 

推薦状の重要性

アメリカの大学の入学選考過程は「入試一発・のるかそるか」の日本と違い様々な要素を勘案して決定されます。

MBAプログラムの場合一般に以下の6つです(あるいは提供を要求される情報です):

  • GMAT(スコアカード)
  • 職務経験(履歴書・職務経歴書)
  • GPA(英文成績証明書)
  • メイン・エッセー: 何故MBAか?(ドキュメント、X1)
  • サブ・エッセー: その他アピール(ドキュメント、X2~3)
  • 推薦状(ドキュメント、X2~3)

さてこれらの「ウェイト」はどうなっていますでしょうか? 忙しい留学準備期間における力・時間の掛け具合にも関わってきます。学校により好みはありますが、大まかに言って上の4つが重要で、下の2つは補完的な位置づけという感じです。

優れた生徒を受け入れると自身のスクールのランクも上がるので、善意だけでなく功利的な判断もされますが・・・

 

その意味でも定量的に(スコアで)基礎能力を測るGMATはまず大切です。

次に、主体性を重んじるMBAでは「自分は何をしてきた人間で、何故このMBAを追求したく、卒業後は何をしたい」という点をはっきり書かなくてはならないメイン・エッセーも非常に重要です。

職務経験も重んじる、というのが実務系のMBAの特殊なところで、あまり気にしない他の修士とは違います(そもそも大学卒業したらすぐに修士に行く方が普通ですネ。行くなら)。一方で学校は学校なのでGPAも気にします。どちらに対しウェイトが大きいかは実務寄りのスクール(私学に多い)とアカデミック寄りのスクール(州立に多い)で少し違いがあるようです。

 

下の二つのドキュメント、サブ・エッセーと推薦状はオマケというほどではありませんが、ウェイトは圧倒的に低いです。

しかしながら、優れたモノを作れば「足し」にはなりますので、なるべく工夫しましょうというのが本稿の主旨です。「既往」のGPA以外は全て改善・工夫の余地があります。

 

自分で自分を推薦する

さて推薦状とは一般に推薦者が自分で書いて当人に分からないよう「封をして」スクールに直接送るものです。

しかし日本からのMBA受験では、推薦をお願いしてモノは「自分で書いて」、内容を大雑把に説明し、最後サインだけしてもらう、というのが一般的です。日本語で書いてもらって英訳はこちらでする、という場合も無くはないようですが、基本メーキングは自分でやります。

 

これは何故でしょうか?

  • そういう慣行は知らんのでよく分からん。自分でやってくれ。
  • しかも英語だと余計困る。

 

私も当時自分で内容を作成して英訳も自分でやっていたので、何か「自分で自分を推薦する」(自画自賛)のようで気恥ずかしく思った経験があります。

また現在も翻訳者として英訳の部分を担当することもあり、「日本語の方は自分でまずやりました」と明かされることが多々あります。

実は審査する側もこの慣行については重々承知していますので、一種異様な建前の世界になっています。ウェイトは低いからまぁどうぞ、ということでしょうか。

 

良い推薦状

さて裏事情は措いておき、印象深い推薦状とはどのようなものでしょうか。

推薦状なので褒め基調なのは確かですが、スゴイスゴイと大仰に褒めるだけよりは、「起承転結」「ストーリー」がある段落構成が好まれます:

 

  • 私は応募者のXX君に対しこういう立場で、どう接してきた(推薦の資格がある)。
  • XX君は何を担当し、こういう業績を上げてきた。また、こういう人間である。
  • 一方私から見てもまだこういう点で未開発なところがあり、その点を伸ばすことでさらなる成長を遂げるだろう。
  • これには、特にその分野で著名な貴校のMBAが最適であり、当人の経験からクラスにも貢献するであろう。

 

という感じがセオリー通りで、好まれます。ニーズ(needs)あるいはウォンツ(wants = 欠けているところ)と言いますか、に対する補完(MBA)という論理性も向こうは見ています。

このため、メイン・エッセーの論旨と結局ある程度ダブることになりますが、少し視点を変えて大所高所・鳥瞰的に見ている、ということになります。事実上自分で書いている場合なおそうでしょう。

分量的には1ページほどであまり長くする必要はなく、日本語の文章によくあるような挨拶・修辞は簡潔にするため最小限にします。

 

サンプル

架空の設定で、上記の構成に沿った具体的な当り障りのない推薦状を一例、日本語版(ドラフト)と英語版(送付用)でご紹介してきます。

設定

応募者:

  • A氏
  • 大学卒業後、大手IT会社K社の法人営業担当として5年働く
  • 積極的な新規・提案営業で所属している課の売上5%アップに貢献
  • L大学のMBAではマーケティング専攻を希望(企業派遣)

 

推薦者:

  • B氏
  • A氏の直属の上司(課長)で、A氏を買っている

 

推 薦 状

L大学

経営学部 MBAアドミッションご担当者殿

 

この度本推薦状にて、A氏を貴MBAプログラムに推薦したく存じます。私はA氏の直の上司として5年務めたBで、推薦の資格があると思っております。

我が社Kは日本の大手IT会社であり、A氏は大学を卒業後私が統括している「法人営業1課」で製造業を中心に顧客の新規開拓に打ち込み、我が課の売上を5%、額にして年商10億円伸ばすことに貢献してくれました。A氏は顧客ニーズを的確に捉え、簡潔に資料に落とし込み、適切なシステムを提案することに長けているためです。人間的にも非常に誠実で、顧客からの評判も大変良いものがあります。このため今般A氏は我が社の経営層より大きく評価され、奨学金を受け海外のMBAで学ぶこととなりました。

A氏のキャリアを考えますと、上司としてはこのまま単なる一営業マンには留まってもらいたくなく、最終的には営業系の役員を目指してもらいたいと思っております。そのためには、MBAプログラムでもっと客観的・大所高所のマーケティング・戦略眼を身に付け、卒業後はさらに大型の法人顧客を責任者として担当してもらいたいと考えています。現状、ニーズをつかみ顧客に仕えるという点で機敏ながら、もっと根本的・潜在的なニーズを探り出すという力にやや欠けており、時に対症療法的なソリューションしか提案出来ていません。

このため、マーケティング・戦略諸般、特にリテール・法人含む顧客の購買動機・ニーズ発掘の研究・教授で世界に冠たる貴校のMBAプログラムはA氏にとってうってつけだと思っており、ここに推薦させて頂きます。また、A氏の営業の修羅場で鍛えたクリエイティブな側面と明るい人柄はプログラムにも多いに貢献すると考えております。

 

敬具

B

K社 法人営業1課 課長

2019/01/21

(サイン)

 

Letter of Recommendation

University of L, College of Business,

Those concerned with MBA admission,

 

I hereby sincerely hope to recommend Mr. A to your MBA program with this letter. I am Mr. B who has supervised him as his direct superior for 5 years; thus I believe I am qualified to do so.

Our company, K ltd. is a mega IT company in Japan, where Mr. A has worked for “Corporate Sales Section 1”, which I manage, for 5 years after graduation to successfully boost its annual sales by 5% or $1 billion with his dedicated development of new customers mainly around the manufacturing sector. This is because he is highly skilled at accurately capturing customer needs, concisely documenting such ideas and proposing appropriate systems to them. He is also a man of integrity, enjoying great reputation among his customers. Thus, as he has been highly evaluated by our top management, he is given a chance / corporate scholarship to study in an overseas MBA program.

In terms of Mr. A’s long-term career, I as his superior do not want him to remain a mere sales rep but hope that he will aim at the officer position in charge of marketing of our company. For this goal, he is advised to acquire more objective and encompassing marketing / strategic views and skills in an MBA program to be in charge of even larger corporate customers after graduation. For now, while he is very agile in grasping and catering to customer needs, he somehow lacks the command to explore more fundamental / potential needs, only able to provide short-term solutions some of the time.

Therefore, I believe that your MBA program renowned worldwide for marketing / strategy in general, especially your research and education on “buyers’ motive” and “needs development” of both retail / corporate ones is the most fitted to Mr. A, and thus I hereby recommend him to your program. In addition, as a tough man who has been tapped in the actual field of sales, he will contribute to your program greatly with his creativity and generosity.

 

Regards,

B

K ltd., Corporate Sales Section 1, Manager

21st January 2019

(signature)

 

こんな感じです。冗長になりますのでこれ以上例は挙げませんが、もしこの推薦状が上記の二段落目、「褒めてる部分」のみで三段落目の「課題」が無く、二段落目を膨らませ、最後に貴校のMBAにも貢献します、として終わっていたらどうでしょうか?

悪くはありませんが、「そこまで既に優秀ならうちに来る必要ナイんでは?」と審査官が感じるかもしれません。このため、例にあるような「ストーリー」が必要になります。

 

まとめ

箇条書きで行きます。

  • MBAの応募には推薦状というものが必須。
  • ウェイトはそう高くないが足しにはなる。
  • 日本では聞きなれないため、自分で作る必要があるのが大抵。
  • 基本褒め基調だが、敢えて隙間(スキ)を見せて、貴校のMBAが埋めてくれると持って行く。

 

TempestのMBA留学準備シリーズ

» エッセイ「志望動機書」の書き方と4つのポイント

» 英文レジュメ(履歴書)の作り方

» 純ジャパでも大丈夫!面接準備のポイントと質問例

 

推薦状の書き方シリーズ

にゃんこ先生
推薦状の書き方に一つの正解はないので、色々な側面からどんな推薦状を書くべきか検討してみよう!

» 海外大学院留学のための推薦状|書き方ガイドとテンプレート

» 海外大学・大学院留学に必要な推薦状 作成依頼から提出まで

 

ねこ君
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にゃんこ先生
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