




IELTSライティングでは、通常、答案への詳しいフィードバックは返ってきません。
「なぜ6.0だったのか」「7.0に上げるには何を直せばよいのか」がわからず、語彙や文法の勉強を続けている人も多いのではないでしょうか。
実際の答案は、Task 1・Task 2ともに内容・構成・語彙・文法に関する4つの基準で評価されます。
6.0から7.0を目指すには、まず自分のスコアを抑えている項目を見極めることが大切です。
この記事では、2023年5月更新のIELTS公式Band DescriptorsとIELTS Writing Key Assessment Criteriaをもとに、Band 6・7・8の違いを読み解きます。
実際の受講生が間違えた答案例も使いながら、失点の原因と改善方法を具体的に見ていきましょう。
この記事の著者:Chaoyi(チャオイー)
米・バブソン大学卒業。マーケティング修士号とMBAを取得し、Forté Foundation奨学金を獲得。中国の大手塾でTOEFL講師として勤務した後、留学コンサルティング会社を起業。カナダ移住後は国際NGOで、プレスリリースの作成やカナダ主要メディアへの配信など、広報業務を担当。TOEFL 107点/IELTS 8.0
目次
IELTSライティングは4つの採点基準で評価される
IELTSライティングの答案は、次の4項目で評価されます。
| 採点基準 | 評価されること |
|---|---|
| Task Achievement/Task Response 課題への対応 | 設問の要件を満たし、必要な情報や主張を十分に示しているか |
| Coherence and Cohesion 一貫性とまとまり | 情報や主張が論理的に並び、文や段落が自然につながっているか |
| Lexical Resource 語彙の幅と正確さ | 課題に合った語彙を、幅広く適切に使えているか |
| Grammatical Range and Accuracy 文法の幅と正確さ | 単文・重文・複文などの構文を、幅広く正確に使えているか |
4項目は、それぞれ同じ重みで評価されます。つまり、語彙と文法がよくても、設問への回答や論理構成が弱ければ、ライティングのスコアは伸びません。
Task 1とTask 2で異なるのは最初の採点基準
Task 1とTask 2では、4つのうち最初の採点基準が異なります。
| タスク | 採点基準 | 主に評価されること |
|---|---|---|
| Task 1 | Task Achievement | 課題の要件を満たし、必要な情報を適切かつ正確に伝えているか |
| Task 2 | Task Response | 設問に答え、立場や主張を理由・具体例で十分に展開しているか |
Academic Task 1では、グラフや表などから主要な特徴を選び、全体像を示したうえで、データを正確に比較・説明する力が問われます。
General Training Task 1では、手紙の目的を明確にし、指定された3つの要点、文体、トーンを適切に扱う必要があります。
Task 2では、与えられた問いに対する立場を示し、関連性のある理由や具体例で議論を展開します。
残りのCoherence and Cohesion、Lexical Resource、Grammatical Range and Accuracyは、Task 1とTask 2に共通する採点基準です。
本記事では両タスクに共通する基準を解説しながら、課題への対応については、既存の答案例が豊富なTask 2を中心に詳しく説明します。
Academic Task 1の書き方は、IELTSライティングTask 1の対策記事をご覧ください。
Band 6・7・8の違いを比較
Band 6|課題には答えているが、説明や正確さにムラがある
| Task Achievement Task 1 | 課題の要件をおおむね満たしているが、Overviewや重要な特徴の説明に不足が残る |
|---|---|
| Task Response Task 2 | 設問の主要部分には答えているが、説明の薄い部分や不明瞭な主張がある |
| Coherence and Cohesion | 大まかな流れはあるが、接続や段落分けが機械的・不明瞭な部分がある |
| Lexical Resource | 課題に必要な語彙はあるが、語彙の幅や単語選びの正確さに限界がある |
| Grammatical Range and Accuracy | 単文と複文を使えるが、複雑な文では正確性が下がりやすい |
前のBandとの違い|Band 5 → 6
Band 6では、課題の主要部分に答え、読み手が全体の流れと意味を追える答案が求められます。
Task Achievement(Task 1)
Band 5重要な特徴の選択やOverviewが不十分
Band 6主要な特徴を選び、関連するOverviewを示す
Task Response(Task 2)
Band 5設問への回答が不完全で、主張の展開も不明瞭
Band 6設問の主要部分に答え、関連する立場と主張を示す
Coherence and Cohesion
Band 5文章の整理は見られるが、全体の流れが弱い
Band 6情報をおおむね一貫して並べ、全体の流れを明確にする
Lexical Resource
Band 5語彙が限られ、繰り返しや不自然な単語選びが目立つ
Band 6課題に必要な語彙を使い、意味をおおむね明確に伝える
Grammatical Range and Accuracy
Band 5構文の幅が限られ、複雑な文でミスが増える
Band 6単文と複文を使い分け、意味を妨げるミスを抑える
Band 7|明確に答え、論理的に展開できる
| Task Achievement Task 1 | 課題の要件を適切に満たし、明確なOverviewと主要な特徴を示している |
|---|---|
| Task Response Task 2 | 設問の主要部分に適切に答え、明確な立場を理由や具体例で展開している |
| Coherence and Cohesion | 情報が論理的に並び、段落内・段落間の流れが明確である |
| Lexical Resource | 十分な語彙の幅があり、ある程度柔軟かつ正確に意味を表現できる |
| Grammatical Range and Accuracy | 多様な複雑構文を使い、間違いのない文も頻繁に書けている |
前のBandとの違い|Band 6 → 7
Band 7では、課題へ明確に答え、主張を論理的に展開しながら、語彙と構文の幅を正確に示す必要があります。
Task Achievement(Task 1)
Band 6Overviewや重要な特徴の説明に不足が残る
Band 7明確なOverviewを示し、主要な特徴を適切に選ぶ
Task Response(Task 2)
Band 6説明の薄い部分や不明瞭な主張が残る
Band 7設問の主要部分に答え、主張を理由や具体例で展開する
Coherence and Cohesion
Band 6大まかな流れはあるが、接続や段落分けに不明瞭さがある
Band 7情報が論理的に並び、段落内・段落間の流れが明確になる
Lexical Resource
Band 6語彙の幅や単語選びの正確さに限界がある
Band 7十分な語彙を使い、意味を柔軟かつ正確に表現する
Grammatical Range and Accuracy
Band 6複雑な文では正確性が下がりやすい
Band 7多様な複雑構文を使い、間違いのない文を増やす
Band 8|十分に掘り下げ、自然かつ正確に伝えられる
| Task Achievement Task 1 | 重要な特徴を的確に選び、十分かつ明確に説明している |
|---|---|
| Task Response Task 2 | 設問に十分に答え、関連性の高い主張を詳しく展開・裏づけている |
| Coherence and Cohesion | 論理を容易に追うことができ、文章のつながりと段落分けが適切に管理されている |
| Lexical Resource | 幅広い語彙を柔軟に使い、細かな意味も正確に伝えられる |
| Grammatical Range and Accuracy | 幅広い構文を柔軟かつ正確に使い、誤りは時折見られる程度である |
前のBandとの違い|Band 7 → 8
Band 8では、明確さに加えて、主張の掘り下げ、文章の自然さ、語彙と構文の精度が一段高くなります。
Task Achievement(Task 1)
Band 7明確なOverviewと主要な特徴を示す
Band 8重要な特徴を的確に選び、十分かつ明確に説明する
Task Response(Task 2)
Band 7主張を展開・裏づけるが、一般化や説明の甘さが残ることがある
Band 8関連性の高い主張を十分に掘り下げ、詳しく裏づける
Coherence and Cohesion
Band 7論理的な流れが明確で、段落分けもおおむね効果的
Band 8読み手が容易に追える順序で情報を配置し、接続も自然に管理する
Lexical Resource
Band 7柔軟性と正確さがあるが、不自然な語句が残ることもある
Band 8幅広い語彙を柔軟に使い、細かな意味まで正確に伝える
Grammatical Range and Accuracy
Band 7多様な複雑構文を使い、間違いのない文も頻繁に書ける
Band 8幅広い構文を柔軟かつ正確に使い、文章の大部分を正しく書く

Task 2はTask 1の2倍の比重
Task 1とTask 2は別々に評価され、各タスクの中では4つの採点基準が均等のウェイトで平均されます。
Writing全体では、Task 2がTask 1の2倍の比重で評価されます。そのため、Task 2で設問から外れたり、主張を十分に展開できなかったりすると、Writing全体のスコアに大きく影響します。
必要な語数と時間配分の目安は次のとおりです。
- Task 1:150語以上/約20分
- Task 2:250語以上/約40分
規定語数を下回る答案は評価に影響します。
かといって、長く書くほど有利になる試験でもありません。
必要な内容を十分に説明し、最後に見直す時間を残せる長さにまとめることが大切です。



採点基準1:課題への対応|Task AchievementとTask Response
最初の基準は、「与えられた課題を正しく理解し、必要な内容を過不足なく伝えられているか」を評価します。
高得点の条件は、まず設問が求めていることに答えていることです。
逆に、派手なアイデアでなくても、設問に正面から答え、必要な説明がそろっていれば評価につながります。
Task 1のTask Achievementで評価されること
Academic Task 1で問われるのは、グラフや表から「何を選び、どう伝えるか」です。公式基準では、主に次の力が評価されます。
- 主要な特徴を適切に選ぶ
- 全体の傾向や大きな違いをOverviewで示す
- 数値、変化、比較関係を正確に伝える
- データにない原因や意見を推測して書かない
Band 6では、関連性のあるOverviewを示そうとしていても、重要な特徴の選び方や詳しい説明に不足が残る場合があります。
Band 7以上では、明確なOverviewを示し、主要な傾向や違いをわかりやすく伝えることが必要です。
Task 1で優先すべきは、与えられた情報の全体像と重要な特徴です。
Task 2のように自分の意見を述べたり、グラフから読み取れない理由を推測したり、独立した結論段落を無理に加えたりすると、かえって評価を下げる原因になります。
General Training Task 1の場合は、手紙の目的、3つの指定事項、適切な文体とトーンがTask Achievementの中心です。
Task 2のTask Responseで評価されること
Task 2では、次の点が評価されます。
- 設問の主要な部分すべてに答えているか
- 回答を通して明確な立場を示しているか
- 主張が設問と関連しているか
- 主張を理由や具体例で十分に展開しているか
- 課題に合った形式で回答しているか
Band 6と7の差が出やすいのは、主張をどこまで展開できているかです。
たとえば「オンライン教育は便利だ」と書いただけでは主張の提示で終わっています。
「なぜ便利なのか」「誰にとって便利なのか」「その結果、何が可能になるのか」まで説明して、初めて論点が展開されます。
アイデアは2つでも十分に戦えます。その分、一つひとつの主張を、理由と結果が読み手に伝わるところまで書き切りましょう。
内容が正しくても、設問からずれると評価されない
Task Responseでよくある失点が、Off-topic(論点ずれ)です。
たとえば、次の問題を見てください。
Rich countries often give financial aid to poor countries, but it does not eliminate poverty, so rich countries should give other types of help to poor countries rather than financial aid. To what extent do you agree or disagree?
先進国は貧しい国々に財政援助を行うが、それは貧困をなくすことにはならない。したがって、先進国は財政援助ではなく、別の形の援助を行うべきである。この意見にどの程度賛成または反対ですか。
ある受講生は、賛成する理由として次の主張を書きました。
Rich countries can suffer from the washback of financial aid.
先進国自身が、財政援助のウォッシュバック(反動・逆効果)で苦しむ可能性がある。
この主張だけを読むと、内容としては成立しているように見えます。
しかし、問題が中心に置いているのは「貧困をなくすために、どのような援助が有効か」です。
先進国側の不利益を説明しても、貧困の解消に別の援助が必要な理由にはなっていません。
英語が正しくても、設問の中心から外れているため、Task Responseの評価を下げる可能性があります。
もう一つ多いのが、問題文の言葉を言い換える際に、対象そのものを変えてしまうケースです。
Some people argue that young children (age 3–8) should not be allowed to play any video games because video games can have negative impacts on them.
この問題に対して、理由を次のように書いたとします。
Video games can distract young students from studying.
問題文の対象は3〜8歳の「young children」ですが、「young students」に変えると、未就学児が含まれなくなります。
また、「勉強の妨げになる」という理由も、3〜8歳のすべての子どもに同じように当てはまるとは限りません。
パラフレーズで大切なのは、問題文の意味と対象範囲を保ったまま言い換えることです。
単語を機械的に置き換えるだけでは、この例のように対象がずれてしまう危険があります。

Task Responseのチェックポイント
- 設問の対象や条件を、別のものに変えていないか
- 質問が2つある場合、両方に答えているか
- 賛成・反対などの立場が、導入から結論まで一貫しているか
- 各主張について「なぜそう言えるのか」を説明しているか
- 具体例が主張の裏づけになっているか
- 関係のない一般論に広がっていないか
問題を読んだら、書き始める前に「誰について」「何について」「どこまで答えるのか」を短くメモしましょう。
それだけでも、論点ずれを防ぎやすくなります。


採点基準2:Coherence and Cohesion|論理的につながっているか
Coherence and Cohesionは、日本語では「一貫性とまとまり」などと訳されます。少し抽象的ですが、簡単に分けると次のようになります。
Cohesion:接続詞、代名詞、言い換えなどによって、文と文、段落と段落の関係が明確であること
公式基準では、文章全体の論理的な流れ、段落分け、段落内の情報の順序、接続表現、代名詞や言い換えによる参照関係などが評価されます。
Band 6と7の差は「読み手が迷わないか」
Band 6でも、文章全体にある程度の流れがあります。ただし、次のような問題が残りやすいです。
- 段落の中心となる主張がはっきりしない
- 主張から具体例へ突然飛んでいる
- 接続詞の使い方が機械的である
- this、they、itが何を指すのかわかりにくい
- 一つの段落に複数の論点が混在している
各段落が役割を持ち、段落内でも「主張→理由→説明・具体例」のように、読み手が自然に内容を追えます。
Band 8になると、接続や段落分けがさらに自然になり、読み手がほとんど立ち止まらずに議論を理解できます。
接続詞を増やすだけではスコアは上がらない


Cohesive devices(結束表現)は「接続詞のこと」と思われがちですが、実際にはもっと広い概念です。
たとえば、次のような要素もCohesionに関係します。
- 代名詞:people → they
- 指示表現:this problem、these measures
- 言い換え:government regulation → such legislation
- 省略・置換:同じ名詞や表現を繰り返さず、前の内容を自然に受ける
- 論理関係を示す表現:however、as a result、for example
大切なのは、前後の関係を正確に伝えることです。
また、IELTS Task 2の構成は自由です。5段落にするか、理由をいくつ挙げるかも、答案の内容次第で決めて構いません。
一般的には導入、2つ前後のBody Paragraph、結論という構成が使いやすいですが、それ以上に大事なのは、各段落に明確な役割があることです。
Cohesive Devices(接続表現)の一覧|機能別
その上で、論理関係を示す接続表現は「正しく選ぶための道具箱」として持っておくと便利です。
よく使うものを機能別にまとめました。
- 話を始める:first of all, to begin with, for one thing 等
- 話が変わる・対比する:however, whereas, in contrast, on the other hand 等
- 続けて説明する・補足する:in addition, furthermore, moreover, similarly 等
- 原因・理由・結果:because (of), due to, as a result, therefore, consequently 等
- 譲歩する:although, despite, regardless of, no matter how/what 等
- 例を挙げる:for example, for instance, such as, in particular 等
- 結論・まとめ:in conclusion, to sum up, overall, ultimately 等
繰り返しになりますが、大切なのは、前後の論理関係に合った表現を正確に選ぶことです。
Coherence and Cohesionのチェックポイント
- 各段落の中心となる主張を、一文で説明できるか
- 主張、理由、説明、具体例の順序が自然か
- 段落内に関係のない論点が混ざっていないか
- 接続詞を意味ではなく習慣で入れていないか
- this、it、theyなどが何を指すか明確か
- 接続詞を外しても、前後の論理関係が成立しているか
文章を見直す際は、英文の細部を読む前に、各段落の最初の一文だけを並べてみてください。
それだけで答案全体の主張がつながっていなければ、Coherenceに改善の余地があります。


採点基準3:Lexical Resource|語彙を正確に使えているか
Lexical Resourceでは、課題に合った語彙を、正確かつ自然に使えるかが評価されます。
公式基準が見ているのは、主に次の点です。
- 一般語彙とトピック別語彙の幅
- 同じ表現を避ける言い換えの力
- 単語選びの正確さ
- コロケーションや語句の自然な組み合わせ
- スペルと語形成の正確さ
Band 6と7の差は「難しさ」より「柔軟性と正確さ」
Band 6では、課題について書くために必要な語彙はおおむね使えます。
ただし、語彙の幅が限られていたり、広い語彙を使おうとして不自然な単語選びが増えたりすることがあります。
Band 7では、意味をある程度柔軟かつ正確に伝えられる語彙の幅が必要です。
一般的でない表現を使う力も評価されますが、スタイルやコロケーションを意識していることが前提です。
Band 8では、幅広い語彙を流暢に使い、細かな意味の違いまで表現できることが求められます。
イメージとしては、文脈に最も合う語句を自然に選べている状態です。
語彙のスコアを決めるのは「難しさ」より「正確さ」





たとえば、既存のIELTSライティング添削実例では、受講生が次の表現を使っていました。
Taking recycling domestic waste as a legal responsibility is beneficial to provide a motivation for people.
難しそうに見えますが、「beneficial to provide a motivation for people」という組み合わせが不自然です。
Making household recycling a legal responsibility would give people a clear reason to change their habits.
こちらの方が単語は平易ですが、意味と語句の組み合わせが自然で、読み手に正確に伝わります。
語彙の幅を広げるときは、単語だけを暗記せず、よく一緒に使われる動詞・名詞・前置詞までまとまりで覚えましょう。
Lexical Resourceのチェックポイント
- 同じ単語を不自然に繰り返していないか
- 類義語へ置き換えたことで意味が変わっていないか
- 動詞と名詞、形容詞と名詞の組み合わせが自然か
- thing、good、badなど曖昧な語に頼りすぎていないか
- 覚えた難語を、文脈を考えずに使っていないか
- スペルや語形のミスを繰り返していないか
書いた後は、「この単語が、自分の言いたい意味に最も合っているか」と問い直すのが効果的です。
採点基準4:Grammatical Range and Accuracy|構文の幅と正確さ
Grammatical Range and Accuracyでは、どのような文構造を使い、それをどの程度正確にコントロールできているかが評価されます。
公式基準では、次の点が確認されます。
- 単文、重文、複文などを適切に使い分けているか
- 構文に十分な幅があるか
- 文法ミスがどの程度あり、意味の理解に影響しているか
- 句読点を適切に使えているか
Band 6と7の差は、複雑な文でも正確さを保てるか
Band 6では、単文と複文の両方を使えていても、複雑な構文になると正確性が下がりやすい傾向があります。
文法や句読点の誤りは残りますが、意味の理解を妨げることはまれです。
Band 7では、多様な複雑構文をある程度柔軟かつ正確に使い、間違いのない文も頻繁に書けていることが求められます。
多少の文法ミスは残っていても、文章全体の明瞭さを損ないません。
Band 8では、幅広い構文を柔軟かつ正確に使い、文章の大部分を正しく書けている状態です。
誤りがあっても散発的で、意味への影響はごく小さくなります。
ここで注意したいのは、「Band 7なら正しい文が何%必要」といった公式の数値は公表されていないことです。
見るべきは、同じミスを繰り返しているか、複雑な構文を使えるか、誤りが読み手の理解にどの程度影響するか、の3点です。
構文は「長さ」より「幅と正確さ」で評価される
文法の幅を示そうとして、一文へ多くの内容を詰め込むと、次のような問題が起こります。
- 主語と動詞の対応が崩れる
- 従属節だけで文が終わってしまう
- 接続詞で文をつなぎすぎる
- 一文の中で論点が変わる
- 読み手が主張の中心を見失う
because、although、whichなどで論理関係を示しつつ、必要なところでは短い文も使う。これが「幅」と「正確さ」の両立です。
まずは自分がよく使う構文を正確に書けるようにし、練習の中で使える構文を少しずつ増やしましょう。

Grammatical Range and Accuracyのチェックポイント
- 主語と動詞が正しく対応しているか
- 冠詞、単数・複数、時制のミスを繰り返していないか
- 単文だけが続いていないか
- 長すぎて意味を追いにくい文がないか
- 従属節を使った文が、文法的に完結しているか
- カンマやピリオドを適切に使っているか
Grammarlyなどの英文校正ツールは、スペル、単数・複数、冠詞などの確認に役立ちます。
ただし、設問に答えているか、主張が十分に展開されているか、段落の論理が自然かまでは、ツールの指摘だけでは判断しにくい点に注意してください。


4つの採点基準から自分の弱点を見つけよう
IELTSライティングが6.0や6.5で止まっていると、「語彙力が足りない」「文法ミスが多い」と考えがちです。しかし、実際の原因は人によって異なります。
| 答案に見られる問題 | 確認したい採点基準 |
|---|---|
| 内容が設問からずれる、理由や具体例が浅い | Task Achievement/Task Response |
| 話が飛ぶ、段落の役割がわかりにくい | Coherence and Cohesion |
| 同じ単語が多い、表現が不自然である | Lexical Resource |
| 文型が単調、複雑な文でミスが増える | Grammatical Range and Accuracy |
答案を4回に分けて見直す
一度の見直しですべてを確認しようとすると、細かな文法ミスばかりに目が向きます。
練習では、同じ答案を次の順番で4回読み直してみてください。
- Task Achievement/Task Response:設問のすべてに答え、主張を十分に説明したか
- Coherence and Cohesion:段落の役割と、主張の流れが明確か
- Lexical Resource:語句の繰り返し、不自然な言い換え、コロケーションのミスがないか
- Grammatical Range and Accuracy:文構造の幅と、繰り返している文法ミスを確認する
自己採点だけでは見つけにくい弱点もある
公式基準を理解すれば、自己チェックの精度は上がります。
ただし、次のような点は、自分の答案を自分で読んでいるだけでは判断が難しいものです。
- 自分では説明したつもりでも、読み手には論理が飛んで見える
- 覚えた表現が、英語としては不自然である
- 言い換えによって、問題文の意味を変えている
- 4項目のうち、どれが現在のスコアを最も抑えているかわからない
まずは答案を自分で採点してから、講師の評価と比べてみてください。
採点基準は「弱点を直すため」に使う
Band Descriptorsは、学習者にとって、次に何を直すべきかを見つけるための地図にもなります。
Band 7を目指す場合も、直すのは一度にひとつで十分です。
- 設問からずれやすいなら、問題分析とアウトライン作成を練習する
- 論理が飛びやすいなら、各段落を「主張→理由→説明」の順で組み立てる
- 語彙が不自然なら、単語ではなくコロケーションで覚える
- 文法ミスが多いなら、繰り返しているミスから優先して直す
Task 1・Task 2の具体的な書き方は、Task 1対策とTask 2対策で詳しく解説しています。
学習の進め方から整理したい方は、IELTSライティングの総合対策もあわせてご覧ください。


IELTSライティング採点基準のよくある質問
採点基準(Band Descriptors)はどこで確認できますか?
IELTS公式サイトでは、2023年5月更新のBand Descriptorsが公開されています。Task 1・Task 2の各Bandについて、4つの採点基準で求められる特徴を確認できます。
本記事も、この2023年版をもとに解説しています。
Band 6.5から7.0に上げるには、何を改善すべきですか?
改善すべき項目は答案によって異なります。まずは4つの採点基準を分けて確認し、どの項目がスコアを抑えているのかを特定しましょう。
特にTask ResponseやCoherence and Cohesionは、自分では「説明できている」「論理的につながっている」と感じやすく、自己判定が難しい項目です。語彙・文法だけを直しても伸びない場合は、第三者の添削で内容と論理を確認する価値があります。
Task 1とTask 2、どちらを優先して対策すべきですか?
配点の比重が大きいTask 2が優先です。ただしTask 1は型が決まっている分、対策の効果が出やすいパートでもあります。
Task 1を型で素早く書き切れるようになるほど、Task 2に使える時間が増えます。
終わりに|次の1本から、答案は変わる
採点基準を知る前と後では、同じ練習でも意味が変わります。
これまで「なんとなく良い英語」を目指して書いていた人も、今日からは「どの基準の、どこを満たすか」を狙って書けるはずです。
まずは次の1本を、書く前に採点基準を眺めてから書いてみてください。
そして、自分では見えない部分を直したくなったら、第三者の目を借りるタイミングです。
There is no Magic!!のIELTS Writing 7.0+オンライン講座では、4つの採点基準に沿って答案を確認し、設問分析、論点の展開、構成から語彙・文法まで、改善点を具体的にフィードバックします。
「書いているのにスコアが伸びない」「自分の弱点がわからない」という方は、講座の内容をご確認ください。






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