




今でこそ、USCPA(米国公認会計士)をキャリアの強力な土台だと実感している私も、大学生の時に日本の公認会計士試験に受かった直後は、こんなふうに思っていました。
- 日本にいるのにアメリカの会計資格を取っても意味ないのでは?
- 日本の会計士の方が難易度が高いから、USCPAは評価されないのでは?
まだ実務の現場を知らない学生だった頃の率直な疑問です。
しかし、日米の監査法人で働き、スタートアップのCFOとして採用に携わる中で、USCPAの実際の評価や活かし方が見えてきました。
今回は、日本の公認会計士・USCPAの両方に合格した経験と、ビジネス現場での視点から、ネット上で囁かれる「USCPAは無駄・使えない」という5つの誤解について解説します。
あなたの貴重な時間とお金を投資する価値が本当にあるのかどうか。この記事が、後悔のないキャリア選択のための指針になれば嬉しいです。
初めまして!Ryoです。大学在学中に日本の公認会計士試験に合格し、大手監査法人に勤めた後スタートアップでIPOや投資を経験。その後アメリカにMBA留学し、卒業後に現地の会計事務所に就職したことがキッカケでUSCPAの勉強を開始、アビタスを利用して約半年で全科目に合格しました。現在はスタートアップのCFOを務めています。
USCPAや英語学習に役立つYouTubeチャンネル始めました!!チャンネル登録よろしくお願いします!
- 💡 結論:「魔法の杖」ではないが、経験と掛け合わせれば最強の武器!
- 持っているだけで無条件に評価されるわけではありません。しかし、監査法人やグローバル企業など「評価される場所」で実務経験を積むための確実な切符になります。
- 📊 誤解①「合格率50%だからレベルが低い」:
- 大間違いです。厳しい受験資格(大卒・会計単位)と高い費用を払った「本気の人たちだけ」が受けているためであり、実際の試験難易度は決して低くありません。
- 🏢 誤解②「独占業務がないし、日本では無名で使えない」:
- 監査のサインをするのはごく一部の層のみ。実務ではUSGAAPや英語対応力が評価され、外資系企業や海外投資家相手のビジネス(スタートアップ等)では絶大な信頼を生みます。
- 🌱 誤解③「未経験じゃ結局転職できない」:
- 採用側は「これまでの経歴 × USCPAを取る意志」のポテンシャルを見ます。完全未経験でも、ジュニア層として監査法人やコンサルへキャリアチェンジを果たす人は多数います。
詳しくは記事本編で徹底解説!👇
目次
CFOが語る「USCPAは意味ない」と言われる本当の理由
ネット上で「USCPAは意味がない」という声が定期的に上がる根本的な理由は、資格を「持っているだけで人生が変わる魔法の杖」のように誤解しているケースが多いからです。
現在、CFOとして企業の採用に関わる立場からお伝えすると、「経験がないのに資格だけある」という状態をそのまま高く評価することはありません。
ビジネスの現場で求められるのは、実際に業務を前に進める力です。
資格はあくまで「基礎的な専門知識があることの証明」であり、現場での「実務経験」と掛け合わさって初めて評価の対象になります。
では、実務経験がないうちに取得するのは無駄なのでしょうか。
決してそうではありません。特に若手の場合、USCPAは「専門的な経験を積む環境に入るための切符」として機能します。
未経験から監査法人やグローバル企業の経理といったポジションに挑戦する際、この資格があることで、採用のスタートラインに立つことができます。
「資格を取ればゴール(=誰かが無条件で評価してくれる)」ではなく、「資格を使ってこれからどんな経験を積むか」が重要です。
この本質を見落としていると、取得後に「せっかく取ったのに使えなかった」という不満に繋がってしまうのです。
この前提を踏まえた上で、世間で言われている「5つの誤解」について、実際のビジネス現場の視点から一つずつ見ていきましょう。
USCPAは意味ない?使えない?5つの誤解
世の中には様々な資格がありますが、USCPAほど「意味ない」「使えない」と言われがちな資格も珍しいでしょう。
ここでは、日米の会計士資格を取得し、現在CFOとして実務にあたる視点から、ネット上でよく見かける誤解の真実をお話しします。
誤解1:試験の合格率が高いからレベルが低い?
USCPAの各科目の合格率は約50%です。
日本の簿記3級の合格率が約30%、公認会計士試験が約10%であることを引き合いに出し、「USCPAは簡単だからレベルが低い」と考える人がいます。
しかし、この比較は前提が間違っています。
簿記は数千円の受験料で誰でも受けられますが、USCPAは受験するだけでも「大卒以上の学歴」と「一定の会計・ビジネス単位」が必須です。
さらに、予備校代を含めて100万円近い費用がかかります。
つまり、USCPAの合格率が50%あるのは試験が簡単だからではなく、「100万円を払い、厳しい受験資格をクリアした本気の人たち」だけが母集団になっているからです。
日米の会計士試験を両方受験した私の感覚からしても、USCPAは決して簡単な試験ではありません。
日本の公認会計士試験は「全科目一発勝負」という形式上、精神的なプレッシャーが異常に高いですが、試験で問われる本質的な難易度において、USCPAが劣っていると感じたことはありません。
誤解2:独占業務がないから日本の監査法人には就職できない?
「日本の監査報告書にサインできるのは日本の公認会計士だけ。だからUSCPAを取っても監査法人には入れない」という声もあります。
事実として、サインができるのは日本の公認会計士のみです。
しかし、サインをするのは監査法人の中で「パートナー」まで出世したごく一部の人たちだけです。
日本の公認会計士であっても、10年も経てば9割が監査法人を退職して別のキャリアを歩みます。
私自身も約2年で監査法人を退職しており、独占業務の恩恵を受けたことはありません。
実務の現場では、スタッフからマネージャー層が行う日々の監査業務において、日本基準とUSGAAP(米国会計基準)の全体像に大きな違いはありません。
現在、BIG4と呼ばれる大手監査法人も、グローバル展開するクライアントへの対応力(英語力と会計知識のセット)を評価し、USCPAを積極的に中途採用しています。
将来パートナーを目指すのでない限り、独占業務の有無がキャリアの障壁になることはありません。
誤解3:日本では知名度が低いから使えない?
日本の伝統的な企業では、USCPAと言ってもピンとこない年配の方もいるでしょう。「日本では知名度が低いから意味がない」と言われるのはこれが理由です。
これに対する答えはシンプルで、「評価されない環境でわざわざ戦う必要はない」ということです。
伝統的な日本企業で評価されないのであれば、USCPAを高く評価する外資系企業やグローバル企業を主戦場にすればよいのです。
そしてもう一つ、実務の現場でお伝えしたい事実があります。
海外のビジネスパーソンや投資家を相手にする際、実は「日本の公認会計士(JCPA)」はそれほど信頼されません。彼らにとって馴染みがないからです。
一方で「USCPA」の肩書きは、世界中どこでも共通の信頼感を生みます。
スタートアップのCFOとして海外投資家とやり取りする際なども、名刺にUSCPAとあるだけで、会計に対するリテラシーを瞬時に証明できます。
グローバルな環境や、海外と接点のあるビジネスにおいては、日本の公認会計士以上に実用的な威力を発揮します。


誤解4:資格があっても実務で役に立たない?
「アメリカの資格だから日本の実務では役に立たない」「知識だけで実務はできない」という意見があります。
確かに、細かい仕訳の切り方などにおいては、日本の公認会計士試験を突破した人の方が強い面はあります。しかし、それは現場で日々の経理実務をこなす中で十分にカバーできる範囲です。
実務において本当に差が出るのは、「網羅的な会計知識(引き出し)を持っているかどうか」です。
現在、スタートアップのCFOとして、資金調達における厳しいデューデリジェンス(DD)や、監査法人との折衝を行っていますが、これらは単なる経理経験だけでは乗り切れません。
網羅的な知識の引き出しがないと、監査法人からの指摘の意図を正確に汲み取り、適切な反論や対応をとることが厳しいからです。
また、MBAを取得して経営を学んでも、それだけで会計実務が身につくわけではありません。
USCPAで体系的な会計知識の土台を築いているからこそ、数字の根拠を持って監査対応などの実務の最前線で戦うことができます。
誤解5:会計未経験者の転職には結局使えない?
「未経験からUSCPAを取っても転職できない」という声もあります。これについて、現在CFOとして採用面接を行う立場からの本音をお伝えします。
採用側がUSCPAの資格単体で評価を決めることはありません。見ているのは「これまでの経歴」と「なぜUSCPAを取り、今後どうしたいのか」という意志の掛け合わせです。
たとえば、「経理経験 × USCPA」の候補者であれば、実務のベースがあるため非常に高く評価します。
採用する側としては、単なる日々の経理作業にとどまらず、予算管理や管理会計、さらには経営企画といった一段上の業務も任せていきたいと考えます。
一方で、「完全未経験(営業職など) × USCPA」の場合はどうでしょうか。
正直なところ、即戦力としてカウントすることはできません。しかし、教育体制のある企業や監査法人であれば、ポテンシャルを見込んだジュニア層としては十分に採用の対象になります。
実際に、営業職からUSCPAを取得し、監査法人やコンサルティング会社へキャリアチェンジを果たす人は数多くいます。
未経験だから意味がないのではなく、自分の現在の立ち位置に合わせて、どのように資格と経験を掛け合わせていくかを考えることが重要です。


ダブルホルダーが語る「USCPA × 経験」の最強キャリア
ここまでの解説でお伝えした通り、「経験がないのに資格だけある」状態では、実務の現場ですぐに通用するわけではありません。
しかし、USCPAは「厳しい勉強を乗り越え、体系的な専門知識を身につけた」という確かな頑張った証であり、評価の土台になります。大切なのは、その土台の上にどのような「経験」を掛け合わせていくかです。
具体的に、どのように資格を活かしていくべきか、現在の立ち位置別に整理します。
・未経験者や20代若手の場合
資格を「実務経験を積むための切符」として使いましょう。
まずはUSCPAを武器にして、監査法人や外資系企業の経理財務部門に飛び込みます。そこで現場の修羅場を経験することで、資格が本当の生きた知識に変わります。
・経理・財務の実務経験者の場合
これまでの実務経験に、USCPAの網羅的な知識を掛け合わせます。
これにより、単なる日々の作業担当者から抜け出し、監査法人対応や予算管理、経営企画など、より上流の業務を任されるポジションへとステップアップできます。
さらに、私自身が日米の会計資格とMBAを取得し、CFOとして実務にあたる中で強く実感していることがあります。
それは、会計の専門知識(USCPA)と経営の視点(MBA)、そして現場での「経験」が合わさることで、ビジネスの世界で非常に「硬い(堅実な)信頼性」が生まれるということです。
MBAなどでどれほど立派な経営戦略を語れても、会計や数字の裏付けがなければ説得力に欠けます。逆に、会計知識だけがあっても、事業を前に進めることはできません。
経験と資格が両輪となって初めて、経営陣や投資家からの強固な信頼を得ることができます。
USCPAは、決して意味のない資格ではありません。資格をただの飾りで終わらせるか、キャリアの武器にするかは、取得後のあなた自身の行動次第です。
終わりに:他人の評価ではなく、自分のキャリアに集中しよう
ネット上の「意味ない」「役に立たない」という声は、多くの場合、資格の活かし方を知らない人の意見や、断片的な情報に過ぎません。
他人の評価に振り回される必要はありません。大切なのは、あなた自身が現在の状況を把握し、「USCPAを武器にしてどうなりたいか」を考え、行動することです。




キャリアの選択肢(監査法人、FAS、外資系、経理など)の全体像と市場価値のリアルを、以下のポータル記事で詳しく解説しています。勉強のモチベーションアップにぜひ活用してください。


5つの誤解-.jpg)







