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「海外大学は年間1,000万円かかる」
「欧州なら学費無料で進学できる」
海外大学の費用について調べると、このように正反対の情報が出てきます。
どちらも一部の大学には当てはまりますが、実際の費用は国名より、大学と条件の選び方で決まります。
同じ国でも、公立・私立、留学生向け授業料、専攻、都市、住居、奨学金によって、家計の負担は大きく変わります。
学士課程が3年の国と4年の国では、年間費用が同程度でも卒業までの総額は異なります。
この記事では、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、フランス、オランダ、マレーシア、シンガポールの費用を、できるだけ同じ条件で比較します。
海外大学進学を検討する学生と保護者の方が、「うちの予算で、どの国・大学なら卒業まで通えるか」を考えるための費用マップとして活用してください。
※この記事では、海外大学の学士課程への進学費用を紹介します。修士課程の費用は、海外大学院留学の費用を10か国比較をご覧ください。
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏への留学経験がない状態からIELTS 8.0、TOEFL 104、GRE 322を取得。コロンビア大学、ペンシルベニア大学、ニューヨーク大学、メルボルン大学教育大学院などへの合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。株式会社MAGEEEK代表として、海外大学・大学院の出願支援や進路設計に携わる。
費用調査について
本記事は、各国政府・移民当局、政府系留学情報機関、公的統計、大学公式情報をもとに編集しています(2026年7月28日調査)。
日本円換算は、財務省・税関が公表した2026年7月26日~8月1日の週間為替レートを使用しています。
使用レートは、1米ドル=162.23円、1英ポンド=217.88円、1カナダドル=115.11円、1豪ドル=113.06円、1ニュージーランドドル=94.32円、1ユーロ=185.35円、1マレーシアリンギット=39.82円、1シンガポールドル=125.62円です。
- 費用の幅:年間総費用は200万円前後から1,000万円以上まで差がある
- 比較方法:授業料だけでなく、生活費・保険・諸費用を含む年間総費用を見る
- 卒業総額:3年制か4年制か、準備課程が必要かまで含めて計算する
- 低費用の候補:ドイツ・フランスの公立大学やマレーシアは、条件が合えば年間300万円前後も検討できる
- 家計の守り方:奨学金がなくても通える大学を含め、費用の異なる出願先を組み合わせる
【一覧】海外大学の学費・留学費用|10か国の年間費用と総額まとめ
まずは、主要10か国の年間総費用と、卒業までにかかる費用の目安を比較します。
費用感をつかむための目安としてご覧ください。
| 国・地域 | 年間学費の目安 | 年間総費用の目安 | 一般的な修業年数 準備課程は含まず | 卒業までの概算総額 年間総費用×修業年数 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ | 約517万~730万円 | 約826万~1,062万円 | 4年 | 約3,304万~4,248万円 |
| イギリス | 約248万~828万円 | 約484万~1,194万円 | 通常3年 スコットランドは通常4年 | 約1,451万~3,582万円 3年の場合 |
| カナダ | 約217万~573万円 | 約481万~837万円 | 3~4年 | 約1,923万~3,347万円 4年の場合 |
| オーストラリア | 約322万~690万円 | 約658万~1,026万円 | 通常3年 | 約1,974万~3,077万円 |
| ニュージーランド | 約347万~547万円 | 約535万~736万円 | 通常3年 | 約1,606万~2,207万円 |
| ドイツ | 無料 授業料無料の公立大学の場合。学期負担金は別途必要 | 約203万~283万円 | 通常3年 | 約608万~849万円 |
| フランス | 約54万円 公立大学の場合 | 約187万~321万円 | 通常3年 | 約562万~962万円 |
| オランダ | 約167万~371万円 | 約389万~704万円 | 3~4年 | 約1,168万~2,113万円 3年の場合 |
| マレーシア | 約78万~255万円 6%のサービス税を含む | 約192万~369万円 | 3~3.5年 | 約671万~1,106万円 |
| シンガポール | 約269万~383万円 授業料補助ありの場合 | 約394万~587万円 | 通常4年 | 約1,578万~2,349万円 |
算定根拠について
国全体の平均が公表されている場合はその数値を、ない場合は政府系留学サイトの公表値や大学の公式料金をもとに、費用の幅を示しています。授業料や生活費の算出基準は国ごとに異なるため、完全に同じ条件での比較ではありません。 各国の詳しい算出根拠や、総費用に含まれる項目は、2章の国別解説に記載しています。
この表を見ると、「海外大学の費用は、国によって大きく異なる」ことがわかります。費用の高さで諦める前に、候補を広げてみると、予算に合う選択肢が見つかるかもしれません。
ただし、同じ国でも大学・専攻・住む都市によって費用は変わり、準備課程の有無や奨学金によっても、卒業までの負担額は異なります。
表は気になる留学先を見つける入口として使い、費用に加えて、学びたい専攻、授業言語、入学条件、進学ルート、卒業後の進路も合わせて比較しましょう。
各国の費用の内訳と、実際の負担額を左右するポイントは、2章で詳しく見ていきます。
主要大学の学費例|ランキング上位校を中心に紹介
国別の費用の目安を確認したところで、実際の大学の学費例も見てみましょう。
以下では、QS世界大学ランキング2027の上位校を中心に、年間授業料と卒業までの授業料の概算を国別にまとめました。同じ国でも、大学や専攻によって学費がどう変わるかを見てみてください。
大学名のリンクから、各大学の公式料金ページを確認できます。
表の金額について
- 円換算は、冒頭の10か国比較と同じ為替レートを使用しています。
- 卒業までの授業料は、現在の年額を標準修業年数分支払う前提の比較用概算です。
- 大学諸費用、生活費、保険、将来の値上げ、奨学金は、個別に明記した場合を除いて含みません。
- 医学・歯学・獣医学など、授業料が大きく異なる専門課程は除いています。
アメリカの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| マサチューセッツ工科大学(MIT) | 1位 | 66,720米ドル 約1,082万円 | 4年:約266,880米ドル 約4,330万円 |
| ハーバード大学 | 5位 | 62,226米ドル 約1,009万円 | 4年:約248,904米ドル 約4,038万円 |
| カリフォルニア大学バークレー校 留学生の授業料・必須費用・保険を含む例 | 20位タイ | 62,550米ドル 約1,015万円 | 4年:約250,200米ドル 約4,059万円 |
| ワシントン大学 州外・留学生授業料 | 92位タイ | 44,460米ドル 約721万円 | 4年:約177,840米ドル 約2,885万円 |
※2026~27年度。大学によって授業料だけを示す場合と、必須費用・保険を含む場合があります。奨学金適用前で、住居・食費は総額に含めていません。
イギリスの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| インペリアル・カレッジ・ロンドン Computing BEngの例 | 2位タイ | 45,500ポンド 約991万円 | 3年:約136,500ポンド 約2,974万円 |
| オックスフォード大学 | 4位 | 37,380~62,820ポンド 約814万~1,369万円 | 3年:約112,140~188,460ポンド 約2,443万~4,106万円 |
| UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン) International Management BScの例 | 8位タイ | 42,700ポンド 約930万円 | 3年:約128,100ポンド 約2,791万円 |
| マンチェスター大学 Economics BScの例 | 40位タイ | 33,100ポンド 約721万円 | 3年:約99,300ポンド 約2,164万円 |
| ノッティンガム大学 | 97位タイ | 24,700~33,000ポンド 約538万~719万円 | 3年:約74,100~99,000ポンド 約1,614万~2,157万円 |
※2026~27年度。多くの学士課程は3年制ですが、工学・語学・留学年付きなどは4年以上になる場合があります。毎年の授業料改定は総額に反映していません。
カナダの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| マギル大学 Bachelor of Artsの授業料例 | 30位 | 54,000カナダドル 約622万円 | 4年:約216,000カナダドル 約2,486万円 |
| トロント大学スカボロー校 一般学部。2年次以降65,480カナダドルで計算 | 32位 | 初年度63,570カナダドル 約732万円 | 4年:約260,010カナダドル 約2,993万円 |
| ブリティッシュコロンビア大学(UBC) Scienceの例 | 45位タイ | 53,082カナダドル 約611万円 | 4年:約212,328カナダドル 約2,444万円 |
| アルバータ大学 | 96位 | 35,908~49,953カナダドル 約413万~575万円 | 4年:約143,632~199,812カナダドル 約1,653万~2,300万円 |
※2026~27年度の代表例。カナダは学部・専攻で留学生料金が大きく変わります。大学諸費用、保険、住居・食費は別途確認してください。
オーストラリアの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| ニューサウスウェールズ大学(UNSW Sydney) Commerce/Science複合学位の公式概算 | 19位 | 初年度59,000豪ドル 約667万円 | 4年:約258,500豪ドル 約2,923万円 |
| メルボルン大学 Arts系科目を標準履修した比較例 | 22位タイ | 約44,832豪ドル 約507万円 | 3年:約134,496豪ドル 約1,521万円 |
| シドニー大学 | 28位 | 49,200~60,600豪ドル 約556万~685万円 | 3年:約147,600~181,800豪ドル 約1,669万~2,056万円 |
| モナシュ大学 Bachelor of Artsの例 | 31位 | 44,600豪ドル 約504万円 | 3年:約133,800豪ドル 約1,513万円 |
※2026年度の代表例。オーストラリアは履修単位ごとに料金を計算する大学もあります。工学など4年制課程は、3年制より総額が増えます。
ニュージーランドの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| オークランド大学 | 67位 | 40,225~58,009NZドル 約379万~547万円 | 3年:約120,675~174,027NZドル 約1,138万~1,641万円 |
| オタゴ大学 2027年 Bachelor of Arts and Scienceの例 | 198位 | 42,735NZドル 約403万円 | 4年:約170,940NZドル 約1,612万円 |
| カンタベリー大学 | 257位 | 34,104~51,904NZドル 約322万~490万円 | 3~4年:約102,312~207,616NZドル 約965万~1,958万円 |
※医学などを除く代表例。課程により3年または4年です。オタゴ大学のみ2027年公表額を使用しています。
ドイツの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| ミュンヘン工科大学(TUM) 非EU学生の一般的な学士授業料 | 25位 | 4,000~6,000ユーロ 約74万~111万円 | 3年:約12,000~18,000ユーロ 約222万~334万円 |
| ミュンヘン大学(LMU) 授業料なし。学期納付金97ユーロ×2 | 61位 | 年194ユーロ 約4万円 | 3年:約582ユーロ 約11万円 |
| ハイデルベルク大学 非EU授業料と学期納付金の例 | 86位 | 約3,380ユーロ 約63万円 | 3年:約10,139ユーロ 約188万円 |
| アーヘン工科大学(RWTH Aachen) 授業料なし。学期納付金約320ユーロ×2 | 104位 | 約640ユーロ 約12万円 | 3年:約1,920ユーロ 約36万円 |
※州立大学でも州・大学・課程により授業料が異なります。表は授業料と学期納付金の比較で、生活費は含みません。英語で学べる学士課程の有無も確認してください。
フランスの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| ソルボンヌ大学 国の学士登録料。留学生の減免方針あり | 73位 | 減免適用時178ユーロ 約3万円 | 3年:約534ユーロ 約10万円 |
| PSL大学 英語のInternational BSc in AI | 34位 | 19,500ユーロ 約361万円 | 3年:約58,500ユーロ 約1,084万円 |
| エコール・ポリテクニーク(IP Paris) 非EU学生向け英語Bachelor of Science | 43位タイ | 19,200ユーロ 約356万円 | 3年:約57,600ユーロ 約1,068万円 |
※公立大学のフランス語課程と、選抜性の高い英語学士課程では授業料が大きく違います。学生・キャンパス生活負担金(CVEC)や生活費は別途必要です。
オランダの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| アムステルダム大学 PPLEの非EU学生料金 | 60位 | 19,100ユーロ 約354万円 | 3年:約57,300ユーロ 約1,062万円 |
| ユトレヒト大学 Economics and Business Economicsの例 | 113位タイ | 13,415ユーロ 約249万円 | 3年:約40,245ユーロ 約746万円 |
| エラスムス・ロッテルダム大学 一般学部の非EU学生料金 | 148位 | 13,500ユーロ 約250万円 | 3年:約40,500ユーロ 約751万円 |
| フローニンゲン大学 | 157位 | 14,000~19,800ユーロ 約259万~367万円 | 3年:約42,000~59,400ユーロ 約779万~1,101万円 |
※2026~27年度の非EU・EEA学生料金。専攻ごとに料金が異なり、授業料は毎年改定される場合があります。住居不足により、生活費も早めの確認が必要です。
マレーシアの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| マラヤ大学 Business Administrationの授業料総額から年換算 | 56位 | 年換算約22,029リンギット 約88万円 | 3.5年:77,100リンギット 約307万円 |
| モナシュ大学マレーシア校 | 31位 | 49,920~60,480リンギット 約199万~241万円 | 3年:約149,760~181,440リンギット 約596万~723万円 |
| ノッティンガム大学マレーシア校 | 97位タイ | 52,000~67,000リンギット 約207万~267万円 | 3~4年:約156,000~268,000リンギット 約621万~1,067万円 |
| マレーシア工科大学(UTM) | 158位タイ | 年換算約11,447~19,000リンギット 約46万~76万円 | 4年:約45,788~76,000リンギット 約182万~303万円 |
※マラヤ大学は2025~26年度、ほかは2026年入学向けの公表額を中心に比較。私立大学・海外分校の留学生には6%SSTが別途かかる場合があります。
シンガポールの主要大学を見る
| 大学・代表例 | QS 2027 | 年間授業料等 | 標準年数・授業料総額 |
| シンガポール国立大学(NUS) Humanities and Sciencesの非ASEAN留学生例。補助なし年36,650ドル | 10位 | 補助あり21,400シンガポールドル 約269万円 | 4年:約85,600シンガポールドル 約1,075万円 |
| 南洋理工大学(NTU) 一般学部。補助なし年36,350~40,600ドル | 12位 | 補助あり21,400シンガポールドル 約269万円 | 4年:約85,600シンガポールドル 約1,075万円 |
| シンガポール経営大学(SMU) 一般学部。補助なし年47,700ドル | 411位タイ | 補助あり26,200シンガポールドル 約329万円 | 4年:約104,800シンガポールドル 約1,316万円 |
※2026~27年度、非ASEAN留学生の例。MOE Tuition Grantを受ける留学生には、卒業後3年間シンガポールの企業等で働く義務があります。
【国別】海外大学の学費・生活費の傾向と注意点
ここからは、10か国それぞれの学費・生活費と、費用を考えるうえで押さえておきたい特徴を紹介します。奨学金、修業年数、進学ルート、住居など、実際の負担額を左右するポイントも確認していきましょう。
各国の表の下には、費用の算出に使用したデータや、総費用に含まれる項目を記載しています。
アメリカ|年間約826万~1,062万円
| 一般的な修業年数 | 4年 |
| 年間学費の目安 | ・公立(州外料金):約517万円 ・私立:約730万円 |
| 年間総費用の目安 | ・公立(州外料金):約826万円 ・私立:約1,062万円 |
| 4年間の概算総額 | ・公立(州外料金):約3,304万円 ・私立:約4,248万円 |
※College Boardの2025–26年度版レポートの公立4年制・私立非営利4年制大学の平均額を使用しています。学費は授業料・必須費用、総費用は住居・食費・教材費・交通費・個人費も含みます。
アメリカの大学留学は、学費と生活費を合わせると高額になりやすい傾向があります。ただし、大学が公表する費用と、実際に家庭が負担する金額は同じとは限りません。
大学によっては、家庭の経済状況に応じた支援(Need-based Aid)や、成績・実績などに基づく奨学金(Merit Scholarship)を留学生にも提供しています。支援を受けられれば、学費の高い私立大学でも自己負担を抑えられる場合があります。ただし、留学生への支援の有無や規模は大学ごとに異なります。
また、コミュニティカレッジで約2年間学び、4年制大学へ編入する「2+2ルート」も選択肢です。最初の2年間の学費を抑えられる場合があり、費用負担を軽くする方法として検討できます。
表の金額だけで諦めず、奨学金や進学ルートも含めて、自分に合う選択肢を探してみましょう。「州立だから安い」「私立だから高い」と一律に判断せず、卒業までの自己負担額で比較することが大切です。

イギリス|年間約484万~1,194万円
| 一般的な修業年数 | 通常3年(スコットランドは4年が一般的) |
| 年間学費の目安 | 約248万~828万円 |
| 年間総費用の目安 | 約484万~1,194万円 |
| 3年間の概算総額 | 約1,451万~3,582万円 |
※British Councilの学費・生活費の目安を使用しています。総費用は留学生向け学部授業料と12か月分の生活費を合計した概算です。準備課程の費用、ビザ申請料・医療付加料(IHS)・渡航費は含みません。
イギリスの大学は、学士課程が通常3年です(スコットランドは通常4年)。そのため、年間費用だけを見ると高く感じても、4年制の国と比べると卒業までの総額を抑えられる場合があります。
ただし、日本の高校から進学する場合は、ファウンデーションコース(大学進学準備課程)を経由するケースも少なくありません。その場合は、準備課程の1年間にかかる費用も含めて総額を計算する必要があります。
また、ロンドンは地方都市より生活費が高くなりやすく、同程度の学費でも滞在する都市や住居によって総費用が変わります。
費用を抑えたい場合は、地方都市の大学も候補に入れ、学費と寮費・家賃を合わせて比較してみましょう。

カナダ|年間約481万~837万円
| 一般的な修業年数 | 3~4年 |
| 年間学費の目安 | 約217万~573万円 |
| 年間総費用の目安 | 約481万~837万円 |
| 4年間の概算総額 | 約1,923万~3,347万円 |
※学費は、カナダ統計局の2025–26年度の留学生向け州別平均授業料を使用しています。総費用は、これに生活費の計算基準として2026年7月時点のビザの生活資金要件(年間22,895カナダドル)を加えた概算です。保険・ビザ申請料・渡航費は含みません。
カナダでは、州によって学費に大きな差があります。例えば、留学生向け学部授業料の州別平均は、ニューファンドランド・ラブラドール州で年間約217万円、オンタリオ州で約573万円と、約2.6倍の開きがあります。
同じ州でも大学や専攻によって異なるため、州の平均を参考にしながら、志望大学の留学生向け授業料を確認しましょう。
また、トロントやバンクーバーなどの大都市では、住居費が高くなりやすい傾向があります。学費だけで判断せず、希望する大学の寮費や周辺の家賃を含めて、年間費用を見積もることが大切です。

オーストラリア|年間約658万~1,026万円
| 一般的な修業年数 | 通常3年(Honoursや専門職学位・複数学位などは4年以上の場合も) |
| 年間学費の目安 | 約322万~690万円 |
| 年間総費用の目安 | 約658万~1,026万円 |
| 3年間の概算総額 | 約1,974万~3,077万円 |
※学費は、サンシャインコースト大学・RMIT大学・UNSWの2026年の文系・理系学士課程の年間授業料例を使用しています。総費用は、これに生活費の計算基準としてビザの生活資金要件(年間29,710豪ドル)を加えた概算です。保険・ビザ申請料・渡航費は含みません。
オーストラリアの学士課程は、3年制のコースが多いのが特徴です。年間の学費は高めですが、4年制の国と比べると卒業までの総額を抑えられる場合があります。
ただし、日本の高校から進学する場合は、大学や学部によってファウンデーションコース(大学進学準備課程)やディプロマコースを経由する必要があります。
経由する課程の期間や大学で認められる単位によって卒業までの年数が変わるため、一律に「準備課程1年+大学3年」とは限りません。
生活費は、シドニーやメルボルンなどの大都市では住居費が高くなりやすく、都市や住居の選び方も費用を左右します。年数、準備課程の有無、都市の生活費を合わせて、総費用で比較することが大切です。
ニュージーランド|年間約535万~736万円
| 一般的な修業年数 | 通常3年 |
| 年間学費の目安 | 約347万~547万円 |
| 年間総費用の目安 | 約535万~736万円 |
| 3年間の概算総額 | 約1,606万~2,207万円 |
※学費は、オタゴ大学・オークランド大学の2026年の学部授業料例を使用しています。総費用は、これに生活費の計算基準として学生ビザの生活資金要件(年間20,000ニュージーランドドル)を加えた概算です。保険・ビザ申請料・渡航費は含みません。
ニュージーランドの学士課程は、通常3年です。4年制の国と比べると、卒業までの年数が短い分、総費用を抑えられる場合があります。
ただし、大学や学部、出願資格によっては、ファウンデーションコース(大学進学準備課程)を経由する必要があります。その場合は、準備課程の学費と、その期間の生活費も含めて予算を立てましょう。
また、オークランドなどの大都市では住居費が高くなりやすく、滞在先によって生活費が変わります。費用を抑えたい場合は、地方都市の大学も候補に入れ、学生寮やフラットシェア(共同生活型の賃貸住宅)の費用を比較してみましょう。
ドイツ|年間約203万~283万円(授業料無料の公立大学)
| 一般的な修業年数 | 通常3年 |
| 年間学費の目安 | 原則無料(学期負担金は別途) |
| 年間総費用の目安 | 約203万~283万円 |
| 3年間の概算総額 | 約608万~849万円 |
※学費は無料の公立大学を想定しています。学期負担金(授業料とは別に学期ごとに支払う諸費用)と生活費は、ドイツ学術交流会(DAAD)の目安を使用しています。ビザ申請料・渡航費は含みません。
ドイツは、多くの公立大学で学士課程の授業料が原則無料なのが特徴です。ただし、授業料とは別に学期負担金が必要です。
また、バーデン=ヴュルテンベルク州やバイエルン州の一部大学など、非EU留学生から授業料を徴収するケースもあるため、志望大学の料金を確認しましょう。
日本の高校からの進学では、出願資格によって進学準備課程(Studienkolleg)などが必要になる場合があります。語学学習も含め、入学前の準備にかかる費用と期間を見込んでおくことが大切です。
授業料を抑えられる分、予算を左右するのは生活費です。「学費が無料だから」と判断せず、希望する都市の家賃や学生寮の費用を確認しましょう。

フランス|年間約187万~321万円(公立大学)
| 一般的な修業年数 | 通常3年 |
| 年間学費の目安 | 公立:約54万円 |
| 年間総費用の目安 | 約187万~321万円 |
| 3年間の概算総額 | 約562万~962万円 |
※学費は、Campus Franceが示す2026–27年度の公立大学の非EU留学生向け学士課程の料金(年間2,902ユーロ)を使用しています。生活費は、同機関の生活費の目安を使用しています。総費用は公立大学を想定した概算で、ビザ申請料・渡航費は含みません。
フランスの公立大学では、学士課程などの登録料(学費)が国によって定められています。2026–27年度の非EU留学生向け学士課程は年間2,902ユーロ(約54万円)です。大学や学生の条件によって、登録料が免除・減額される場合もあります。
一方、私立大学やビジネススクールなどでは、年間6,000~18,000ユーロ(約111万~334万円)、またはそれ以上になることもあります。表は公立大学を想定しているため、私立を検討する場合は別途学費を確認しましょう。
また、パリは地方都市より住居費が高くなりやすく、学費を抑えられても生活費が大きな負担になる場合があります。
費用を抑えたい場合は、地方都市の公立大学も候補に入れ、学生寮の費用や利用できる生活支援制度を確認してみましょう。

オランダ| 年間約389万~704万円
| 一般的な修業年数 | 研究大学は通常3年、応用科学大学は通常4年 |
| 年間学費の目安 | 約167万~371万円 |
| 年間総費用の目安 | 約389万~704万円 |
| 3年間の概算総額 | 約1,168万~2,113万円(研究大学の場合) |
※学費は、Study in NLの非EU・EEA学生向け学士課程の目安を使用しています。生活費は、同サイトの生活費の目安を使用しています。総費用は授業料と12か月分の生活費を合計した概算で、ビザ申請料・渡航費は含みません。
オランダは、英語で学べる学士課程が多いのが特徴です。非EU留学生の学費は、EU圏の学生より高く設定されています。
日本の高校卒業資格だけでは出願要件を満たさず、準備課程が必要になるケースがあります。志望校の出願資格は、早い段階で確認しておきましょう。
費用面で特に注意したいのが、住居の確保です。オランダでは学生向け住宅が不足しており、アムステルダムなどでは家賃も高くなりやすい傾向があります。出願先を検討する段階から、大学の住居サポートの有無と、実際に借りられる部屋の家賃を確認しておきましょう。

マレーシア|年間約192万~369万円
| 一般的な修業年数 | 3~3.5年 |
| 年間学費の目安 | 約78万~255万円 |
| 年間総費用の目安 | 約192万~369万円 |
| 卒業までの概算総額 | 約671万~1,106万円 |
※学費は、マラヤ大学のフランス語・言語学士課程と、モナシュ大学マレーシア校の2026年の一般学部料金を使用し、6%のサービス税(SST)を加えています。マラヤ大学の学費は3.5年間の料金を年間換算しています。生活費は、Education Malaysiaの目安を使用しています。保険・ビザ申請料・渡航費は含みません。
マレーシアは、欧米の主要な留学先に比べて、学費と生活費を抑えやすいのが特徴です。公立大学・私立大学に加え、イギリスやオーストラリアなどの大学の分校もあり、大学や専攻によって学費は異なります。
海外大学の分校では、本校のある国より学費や生活費を抑えながら、同じ大学の学位取得を目指せる場合があります。英国やオーストラリアの大学で学びたいけれど、費用が気になる人にとっても選択肢になります。
また、マレーシアで学んだあと、海外の提携大学などへ移るツイニング課程もあります。移動後は学費や生活費が変わり、渡航費・ビザ費用も必要になるため、マレーシア国内で卒業する場合と、途中で別の国へ移る場合の総費用を分けて考えましょう。
海外大学の分校の一例として、モナシュ大学マレーシア校の記事では、学費や学位、キャンパスの特徴を紹介しています。また、費用を理由にマレーシアを選んだ背景や現地での暮らしは、同校に進学した日本人学生の体験談も参考になります。

シンガポール|補助ありで年間約394万~587万円
| 一般的な修業年数 | 通常4年 |
| 年間学費の目安 | ・補助あり:約269万~383万円 ・補助なし:約420万~558万円 |
| 年間総費用の目安 | ・補助あり:約394万~587万円 ・補助なし:約545万~763万円 |
| 4年間の概算総額 | ・補助あり:約1,578万~2,349万円 ・補助なし:約2,181万~3,052万円 |
※学費は、シンガポール国立大学(NUS)の2026–27年度の非ASEAN留学生向け料金を使用しています。医学(看護学を除く)・歯学・音楽は対象外です。生活費は、NUSの生活費目安を使用し、学生寮への入居を想定しています。休暇期間の生活費・ビザ申請料・渡航費は含みません。
シンガポールでは、学費補助制度「MOE Tuition Grant」を受給できるかどうかで、負担額が大きく変わります。留学生の受給は自動ではなく、申請・選考などの手続きが必要です。
例えば、NUSの人文・理学系学部(Humanities and Sciences)では、非ASEAN留学生の年間授業料は補助ありで21,400シンガポールドル、補助なしで36,650シンガポールドルと、約192万円の差があります。
ただし、MOE Tuition Grantを利用する留学生には、卒業後3年間、シンガポールの企業等で働く義務があります。学費の安さだけでなく、卒業後の進路も踏まえて利用を検討しましょう。

学費が安い海外大学・国は?予算に合う候補の選び方
国別の費用を見て、「自分の予算では、どの国や大学が候補になるだろう」と気になった方もいるのではないでしょうか。
ここでは、年間予算の目安別に、検討できる留学先を紹介します。予算は学費だけでなく、生活費も含めて考えましょう。奨学金や進学ルートによって負担額は変わるため、まずは候補を広げる入口として参考にしてください。
年間300万円前後で検討できる国・大学
候補になりやすいのは、次の選択肢です。
- ドイツの授業料が無料の公立大学
- フランスの公立大学
- マレーシアの公立大学・一部の私立大学
気をつけたいのは、授業の言語と入学条件です。ドイツやフランスでは、希望する専攻を英語で学べるとは限りません。語学学習や準備課程が必要な場合は、その期間の学費と生活費も見込んでおきましょう。
マレーシアも、海外大学の分校や専攻によっては年間300万円を超える場合があります。国全体の印象だけで判断せず、希望するコースの学費と滞在先の生活費を確認してください。

年間500万円前後で検討できる国・大学
年間500万円前後では、次の選択肢が候補になります。
- オランダの授業料が比較的低い大学・学部
- イギリスの授業料が比較的低い大学・地方都市
- カナダの授業料が低い州の大学
- シンガポールの学費補助(Tuition Grant)を利用する場合
ニュージーランドの一部大学・学部も候補になりますが、今回の試算では年間約535万円からのため、500万円を超える予算が必要です。
また、表の金額に保険・ビザ申請料・渡航費などが含まれていない場合は、追加の支出も見込む必要があります。シンガポールの学費補助には卒業後の就労義務があるため、費用とあわせて条件も確認しましょう。

年間800万円以上になる国・大学もある
アメリカの州立・私立大学、カナダの授業料が高い州の大学、オーストラリアの一部大学・専攻、イギリスの授業料が高い大学などでは、年間800万円以上になる場合があります。
ただし、大学が公表する費用が、そのまま家庭の負担額になるとは限りません。特にアメリカでは、留学生向けの奨学金や経済支援によって、自己負担を抑えられる大学もあります。
奨学金が必要な候補は、受給できた場合と、できなかった場合の予算を分けて考えましょう。支給額だけでなく、支給期間や継続条件も確認することが大切です。


自分の予算で、どんな留学先を選べる?
希望する専攻や予算、奨学金の可能性も踏まえて、国・大学・進学ルートの候補を一緒に整理します。志望校が決まっていない方もご相談ください。
海外大学留学の予算の立て方|確認したい6つのポイント
ここまでの国別費用は、進学先を比較するための目安です。実際に必要な金額は、学費以外の支出や、進学ルート、卒業までの年数、滞在する都市・住居によって変わります。
気になる留学先が見つかったら、候補の国・大学・専攻に合わせて、卒業までにいくら必要かを試算してみましょう。
ここからは、自分の留学予算を立てるために確認したい項目を整理します。
1. 学費・生活費・保険・渡航費の4つを確認する
海外大学の費用を調べるとき、最初に目に入るのは「Tuition(授業料)」です。
しかし、実際には授業料以外にも、住居費、保険、ビザ、航空券などが必要です。
細かい費目を一つずつ見る前に、まずは「大学・生活・手続き・渡航前」の4つに分けると、全体像をつかみやすくなります。
| 費用の種類 | 主な内容 | 確認すること |
| 大学に払うお金 | 授業料、大学の必須諸費用、教材、実験・実習費 | 留学生料金や専攻別料金、毎年の値上げ |
| 現地で暮らすお金 | 寮・家賃、食費、光熱費、交通費、通信費、日用品 | 寮費に食事や光熱費、休暇中の滞在が含まれるか |
| 保険・ビザのお金 | 医療保険、ビザ申請料、健康診断、更新費用 | 加入が必要な保険と、ビザ申請時の資金証明 |
| 入学前(出願・渡航)のお金 | 出願料、英語試験、証明書・翻訳、航空券、寮保証金 | 初年度だけ発生する費用を年間予算と分ける |
特に見落としやすいのが、大学の必須諸費用、医療保険、ビザ、航空券などです。
大学を比較するときは、授業料だけでなく、この4つを合計した金額を年間予算として考えます。授業料は、その一部にすぎません。
2. 進学ルートと卒業までの年数で総費用が変わる
海外大学には、大学に直接入学するほかに、準備課程や、別の学校から大学へ移る「編入」を経由するルートもあります。どのルートで進学し、卒業までに何年かかるかによって、総費用は変わります。
例えば、日本の高校からイギリスの大学へ進学する場合は、ファウンデーションコース(大学進学準備課程)を経由するケースが少なくありません。
その場合は、準備課程の1年間の学費と生活費も含めて、予算を立てる必要があります。オーストラリア、ニュージーランド、ドイツなどでも、大学や出願資格によって、準備課程が必要になることがあります。
アメリカでは、コミュニティカレッジで約2年間学び、4年制大学へ編入する「2+2ルート」も選択肢です。最初の2年間の学費を抑えられる場合があり、費用負担を軽くする進学方法として選ばれています。
比較するときは、最初に通う学校から卒業までの学費と、その全期間の生活費を合計しましょう。
3. 都市・住居の選び方で生活費が変わる
同じ国、同程度の授業料でも、都市と住居の選び方によって年間総費用は変わります。
ロンドン、トロント、バンクーバー、シドニーなどの大都市にこだわらず、地方都市の大学も候補に入れてみましょう。
学生寮、ホームステイ、民間アパート、ルームシェアでは、家賃に含まれる項目も異なります。
- 食費や光熱費が含まれているか
- 休暇中も滞在できるか
- 保証金や荷物保管料が必要か
- 大学やインターン先までの交通費はいくらか
家賃の安さに加えて、安全性や通学時間、学外活動へのアクセスも大切です。

4. ビザの資金証明額だけで生活費を見積もらない
学生ビザの申請では、留学中の生活を支えられる資金があることを証明するよう求められる場合があります。
国が定める生活資金の金額は、ビザ申請のための基準です。「この金額があれば、実際の生活費も十分に足りる」という意味ではありません。
実際の生活費は、住む都市や家賃、食事などによって変わります。ビザの生活資金要件を予算の目安にする場合も、希望する大学の生活費情報や寮費を確認し、自分の暮らしに合わせて調整しましょう。
5. 留学生向けの奨学金・支援を確認する
候補の国や大学を比較するときは、学費だけでなく、日本人留学生が利用できる奨学金や授業料の減免制度があるかも調べてみましょう。公表されている学費が高くても、支援によって自己負担を抑えられる場合があります。
大学などの公式サイトで、次の点を確認してください。
- 対象者:日本人留学生や、希望する学位・専攻が対象か
- 支援内容:支給額や減免額はいくらか。生活費も対象になるか
- 支給期間・条件:卒業まで継続できるか。成績などの条件や別途申請があるか
利用できそうな支援があれば、支援を受けない場合の総費用と、受けられた場合の自己負担額を分けて試算すると、候補大学を比較しやすくなります。選考がある制度は、受給が決まるまでは確定した予算として扱わないようにしましょう。
6. 円安や値上げに備え、予算に余裕を持たせる
留学中に円安が進むと、現地の学費や家賃が変わらなくても、日本円で支払う金額は増えます。
例えば、年間の学費と生活費が4万ドルの場合、1ドル150円なら600万円ですが、165円になると660万円です。為替が変わるだけで、年間60万円の追加負担になります。
さらに、在学中に授業料や家賃が値上がりする可能性もあります。初年度の費用だけで卒業までの予算を組むと、途中で資金が足りなくなるおそれがあります。
- ドルやポンドなどの現地通貨で、1年間の学費と生活費を合計する
- 現在の為替レートで日本円へ換算する
- 円安や値上げに備え、10~15%程度を目安に予備費を加える
記事内の卒業までの総額も、現在の費用と為替レートによる概算です。その金額ぴったりで予算を組まず、追加の支出に対応できる余裕を持たせましょう。


「合格したけど払えない」を防ぐ出願戦略|学費ポートフォリオ
海外大学への進学では、「合格できるか」に加えて、「合格したら、卒業まで費用を負担できるか」も考えておく必要があります。
そこで役立つのが、「学費ポートフォリオ」という考え方です。奨学金が必要な大学、奨学金なしで通える大学、費用に余裕を持てる大学を組み合わせて出願します。
第一志望に挑戦しながら、奨学金を得られなかった場合にも、家庭の予算内で進学できる選択肢を残すための出願戦略です。
出願先を「挑戦校」「現実校」「安全校」の3つに分ける
まずは親子で、兄弟姉妹の進学など家族の今後の支出も踏まえ、家庭で負担できる年間費用と、卒業までの総額の上限を共有します。
そのうえで、候補大学を費用面から次の3つに分類してみましょう。
- 挑戦校:希望する奨学金が得られれば、家庭の予算内で通える大学(奨学金が得られた場合に進学)
- 現実校:奨学金を得られなくても、家庭の予算内に収まる大学
- 安全校:円安や授業料の値上げがあっても、余裕を持って卒業まで通える大学
これは費用面だけの分類です。合格できる可能性も別に確認し、費用と入学条件の両方が合う候補を組み合わせましょう。日本の大学も、候補に含めて構いません。


【モデルケース】年間450万円・卒業まで1,800万円を負担できる家庭の場合
年間450万円・卒業まで1,800万円を負担できる家庭が、以下の3校に出願する例を見てみましょう。
- A校:年間総費用900万円・4年制。年間500万円の給付型奨学金に応募できる
- B校:年間総費用400万円・4年制
- C校:年間総費用280万円・3年制
この条件を家庭の予算と照らし合わせると、A校は「挑戦校」、B校は「現実校」、C校は「安全校」に分類できます。
挑戦校であるA校は、年間500万円の給付型奨学金を4年間受給できる場合のみ進学すると、出願前に決めておきます。
| 志望校 | 分類 | 年間総費用 (奨学金なし) | 卒業までの自己負担 |
|---|---|---|---|
| A校 | 挑戦校 奨学金が必要な候補 | 約900万円 | 約1,600万円 奨学金受給時 (900万円-500万円)×4年 |
| B校 | 現実校 奨学金なしで通える候補 | 約400万円 | 約1,600万円 400万円×4年 |
| C校 | 安全校 費用に余裕を持てる候補 | 約280万円 | 約840万円 280万円×3年 10%増の場合は約924万円 |
※金額は分類の考え方を説明するための架空の例です。「挑戦校・現実校・安全校」は合格可能性ではなく、費用面の分類を示しています。
このように現実校と安全校を用意しておけば、挑戦校の奨学金に採用されなかったとしても、海外進学そのものはあきらめずに済みます。
子どもは第一志望に挑戦でき、保護者も「合格したら払わなければならない」という不安を抱えずに応援できます。


合格後は、提示された費用と奨学金で進学先を決める
出願前の費用は、大学公式サイトなどをもとにした見積もりです。合格後は、自分に提示された奨学金や経済支援の金額・条件を使って、卒業までの自己負担額を計算し直しましょう。
特に、奨学金の通知書(Award Letterなど)では、次の点を確認します。
- 記載金額は1年間の支給額か、在学期間全体の総額か
- 2年目以降も自動的に更新されるか
- 更新に必要なGPAや履修単位の条件は何か
- 授業料の値上げ分も奨学金で補われるか
- 授業料だけでなく、寮費や生活費も対象になるか
- ほかの奨学金を受給すると支給額が減額されないか
初年度は予算内でも、奨学金が翌年以降に続かなければ負担が増えます。不明な条件は大学に確認し、家庭で決めた上限と照らして進学先を選んでください。
必要な支援を得られなかった場合は、別の合格校を選ぶこともできます。合格の喜びと、卒業まで通えるかの判断を分けることが大切です。

予算に合う大学選びや奨学金に迷ったら
ここまで読んで、「国ごとの違いはわかったけれど、自分の家庭に合う組み合わせを作るのが難しい」と感じた方もいるでしょう。
海外大学出願では、大学選び、英語試験、エッセイ、推薦状に加えて、奨学金の応募時期と費用条件も同時に管理する必要があります。
- 自分が応募できる奨学金を整理できない
- 大学公式サイトの費用項目を読み解くのが難しい
- 奨学金が取れなかった場合の出願先を決められない
- 親子で予算について話すと対立してしまう
There is no Magic!!の並走型・海外大学出願進学サポートでは、合格だけをゴールにせず、大学選びから奨学金出願、合格後の進学判断まで一緒に整理します。
1.大学・国をまたいだ出願校選び
学びたい専攻、入学可能性、家庭の予算を整理し、挑戦校・現実校・安全校を組み合わせます。
2.奨学金を含む出願スケジュールの設計
大学出願と国内財団・大学独自奨学金の締切を整理し、必要なエッセイや面接の準備を進めます。
3.海外大学進学経験者による伴走
海外大学への出願や奨学金獲得を経験したメンターが、本人が納得して進路を選べるようサポートします。
Rayさんは、地方に住み、周囲に海外大学を目指す仲間が少ない環境から北米大学への出願に挑戦しました。
エッセイが問いに正面から答えられているかを第三者の視点で確認し、月3~4回のカウンセリングを受験準備のペースメーカーとして活用。グリネル大学と柳井正財団奨学金に合格しました。
◆奨学金適用後の自己負担額で、進学先を選択
のんさんはアメリカの複数大学に合格し、すべての合格校から奨学金を獲得しました。
第一志望のパーソンズ美術大学にも合格しましたが、奨学金を差し引いても自己負担が大きいため進学を断念。その後、奨学金交渉によって支給額が年5万ドルまで増額されたオハイオ・ウェズリアン大学を進学先に選びました。
「うちの予算では、どの国・大学を候補にできる?」
「奨学金が取れなかった場合も含めて、どう併願すればいい?」
まずは、現在の希望と不安をそのまま相談してください。
大学選び・出願準備・奨学金対策まで。 海外進学を一気通貫でサポートします
成績・志望・予算に合わせて、最適な進学プランを一緒に考えサポートします。
\ まだ具体的に決まってなくても大丈夫 /
無料カウンセリングに申し込む海外大学の学費・留学費用に関するよくある質問
海外大学は卒業までにいくらかかりますか?
一般学部の現在価格による概算では、約560万円から4,000万円超まで大きな幅があります。
ドイツ・フランスの公立大学やマレーシアでは1,000万円以内が候補になる一方、アメリカの平均予算では4年間で3,000万~4,000万円を超える水準です。
学士課程の年数は、国によって異なります。
イギリスや欧州などの3年制課程は、卒業までの年数で比較してください。
学費無料で通える海外大学はありますか?
ドイツなどには、州立大学の学士課程で授業料が原則かからない例があります。
ただし、学期負担金、生活費、保険、ビザ、資金証明は必要です。
州・大学・私立課程による例外もあります。
「学費がかからない」と「留学費用がかからない」は別です。
海外大学の学費が安い国はどこですか?
公立大学の授業料制度だけで見れば、ドイツ・フランスは低費用の候補です。
英語で学べる課程、生活費、日本の高校からの入学条件まで含めると、マレーシアも現実的な候補になります。
最安の国を一つに決めるのではなく、学びたい専攻、授業言語、卒業までの年数で比較しましょう。
海外大学への留学に使える奨学金にはどんなものがありますか?
大学独自の奨学金や授業料の減免、留学先の政府による支援、日本の財団などが提供する海外進学向けの奨学金があります。
対象となる国・大学・専攻や、応募資格、支給額は制度によって異なります。返済不要の給付型と、返済が必要な貸与型の違いも確認しましょう。
具体的な制度や応募条件は、海外大学・大学院正規留学の奨学金制度で紹介しています。
奨学金だけで海外大学へ進学できますか?
授業料と生活費の大部分を支援する奨学金はありますが、採用枠は限られます。
全額奨学金だけを前提にせず、奨学金が得られなかった場合にも進学できる候補を併願してください。
アメリカの大学は年間1,000万円かかりますか?
College Boardの2025–26年度平均を現在の為替で換算すると、私立非営利4年制大学の平均予算は年間約1,062万円です。
公立州外の平均予算も年間約826万円です。
ただし、地域、大学、住居、大学独自奨学金によって実質負担は変わります。
志望大学のCost of AttendanceとFinancial Aidを確認してください。
イギリスとアメリカでは、どちらの費用が安いですか?
一般的には、年間平均ではアメリカの方が高くなりやすく、イギリスは通常3年で卒業できるため総額を抑えられる場合があります。
ただし、イギリスでも高授業料のコースやロンドンでの生活、ファウンデーションを含めると総額が高くなります。
国の平均だけでなく、志望コースの授業料、生活費、卒業までの年数を並べて比較してください。
海外大学留学の費用は、アルバイトでまかなえますか?
学生ビザの条件によっては、留学中にアルバイトができます。
例えば、授業期間中はイギリスで週20時間、オーストラリアで2週間48時間、ニュージーランドで週25時間まで働けます。アメリカは原則として学内で週20時間までです。実際の就労条件は、自身のビザで確認してください。
ただし、アルバイト収入は生活費の補助と考え、収入を前提に留学予算を組まないことが大切です。
まとめ|年間費用ではなく卒業までの総額で考えよう
海外大学の年間総費用は、国・大学によって200万円前後から1,000万円以上まで幅があります。
重要なのは、「海外大学は高い」「この国なら安い」というイメージで判断せず、同じ条件で数字を並べることです。
お金を理由に、挑戦する前から海外大学を諦める必要はありません。
一方で、根拠のない「何とかなる」を前提にするのも危険です。
まずは親子で、「毎年いくら出せるか」「卒業までの上限はいくらか」を話し合ってください。
予算がわかれば、その範囲で学べる国・大学と、奨学金が得られたときに挑戦できる大学を分けて考えられます。
「お金が足りない」で話を終わらせるのではなく、家計を守りながら、どこまで選択肢を広げられるかを親子で一緒に探していきましょう。
次に読む記事|費用を詳しく調べて進学プランを具体化しよう
気になる留学先が見つかったら、国別の詳しい費用や利用できる奨学金を確認し、自分に合う進学プランを考えていきましょう。
- アメリカ大学の学費・留学費用
州立・私立の学費や生活費、奨学金、コミュニティカレッジ編入など、費用を抑える選択肢を詳しく確認できます。 - イギリス大学の学費・留学費用
大学・専攻別の学費や都市別の生活費、準備課程を含む進学ルート別の総費用を比較できます。 - オーストラリア大学の学費・留学費用
大学別の学費や都市別の生活費、準備課程を含む進学ルート別の総費用を確認できます。 - 海外大学・大学院正規留学の奨学金制度
日本の財団、各国政府、海外大学などの奨学金を調べ、応募できる制度を探せます。











