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ヨーロッパには、英語でコンピューターサイエンス(CS)の学位を取得できる大学があります。
中東欧には年間総費用を300万円前後に抑えやすい課程があり、オランダやアイルランドでは年500万円を超える例もあります。
日本の高校から直接進学できるか、数学試験やSATが必要かも大学ごとに変わります。
この記事では、文系大学を卒業後、オランダのトゥウェンテ大学で2つ目の学士としてCSを学ぶ筆者が、ヨーロッパ7か国の大学・費用・入学条件・卒業後の進路を比較します。
語学学校や短期のプログラミング留学ではなく、大学で学位取得を目指す方のための記事です。
この記事の筆者:すん
自己紹介:都内私立大学を文系で卒業。1年間外資系IT企業でSE職の就業経験を経て、海外大学への進学を決意。現在、オランダの大学でコンピューターサイエンス学部(2個目の学位)に在学中。
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏への留学経験がない状態からIELTS 8.0、TOEFL 104、GRE 322を取得。コロンビア大学、ペンシルベニア大学、ニューヨーク大学、メルボルン大学教育大学院などへの合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。株式会社MAGEEEK代表として、海外大学・大学院の出願支援や進路設計に携わる。
記事の調査方法
本記事は、各国政府・移民当局、大学公式サイト、ACM・IEEE Computer Societyなどの一次情報をもとに編集しています(2026年8月調査)。
- 安さを優先:ポーランド、ラトビア、ハンガリー、ドイツの一部課程が候補
- 英語課程の探しやすさ:オランダ、フィンランド、アイルランドが比較しやすい
- 入学準備:IELTS 6.5を目標に、高校成績と数学を維持。SAT・独自試験は出願先による
- 学ぶ内容:プログラミングに加え、数学、アルゴリズム、データベース、OS、AI、セキュリティなど
- 卒業後:就職活動用の滞在制度は国ごとに9か月~2年程度。学生時代の制作・研究・実務経験も重要
目次
ヨーロッパ7か国のCS大学・費用を比較
まず、英語でCSまたは近い分野を学べる代表的な学士課程を、同じ基準で比較します。
この表は、候補国を絞るための入口です。各国平均ではなく、大学公式サイトで2026~27年度の条件を確認できた課程を例にしています。
| 国・代表課程 | 標準期間 | 年間授業料 | 生活費の目安 | 年間総費用の目安 |
| オランダ トゥウェンテ大学 | 3年 | 16,400ユーロ 約295万円 | 月1,000~1,500ユーロ | 約511万~619万円 |
| フィンランド アールト大学 (コンピューター工学/CS近接分野) | 学士3年 修士まで5年 | 学士12,000ユーロ 約216万円 | 月900~1,200ユーロ | 約410万~475万円 |
| ハンガリー エトヴェシュ・ロラーンド大学 | 3年 | 6,400ユーロ 約115万円 | 月約750ユーロ | 約277万円 |
| ポーランド ウッチ大学 | 3年 | 3,000ユーロ 約54万円 | 月330~430ユーロ (公的な基本生活費) | 約125万~147万円 |
| ラトビア リガ工科大学 | 3年 | 4,700ユーロ 約85万円 | 月740ユーロ~ | 約244万円~ |
| ドイツ インゴルシュタット工科大学 | 3.5年 | 1,600ユーロ(2026年から導入予定)+学期費・サービス費 約29万円+諸費用 | 月900~1,200ユーロ | 約223万~288万円+学期費 |
| アイルランド ダブリンシティ大学 | 4年 | 17,900ユーロ 約322万円 | 月1,540~1,940ユーロ | 約655万~741万円 |
※円換算は2026年8月時点の比較用レート、1ユーロ=180円で概算。授業料は原則として日本人留学生に適用される非EU・EEA料金です。生活費は各国・大学が示す学生向けの実生活費を使い、年間総費用は「授業料+12か月分の生活費」で計算しています。航空券、保険、滞在許可、教材、大学固有の必須費用は含めていません。ビザ申請時の資金証明額は、後半の「資金証明と生活予算は分ける」で説明します。
英語でCSを学べる主要大学を見る
ランキング上位校を中心に、学費を抑えやすい大学も加えました。総合順位が300位を超えていても、英語でCSを学べる有力な選択肢があります。
| 国 | 大学・英語課程 | QS 2027 | 年間授業料の目安 (現地通貨/円) |
| オランダ | トゥウェンテ大学 Technical Computer Science | 223位 | 16,400ユーロ 約295万円 |
| オランダ | マーストリヒト大学 Computer Science | 254位 | 18,400ユーロ 約331万円 |
| フィンランド | ヘルシンキ大学 Science(Computer and Data Scienceを含む) | 123位 | 13,000ユーロ 約234万円 |
| フィンランド | アールト大学 Computer Engineering | 126位 | 12,000ユーロ 約216万円 |
| フィンランド | オウル大学 Computer Science and Engineering | 360位 | 10,000ユーロ 約180万円 |
| ハンガリー | エトヴェシュ・ロラーンド大学 Computer Science | 595位 | 6,400ユーロ 約115万円 |
| ハンガリー | デブレツェン大学 Computer Science Engineering | 600位 | 7,000米ドル 約109万円 |
| ポーランド | ワルシャワ工科大学 Computer Science | 504位 | 5,520ユーロ 約99万円 |
| ポーランド | ウッチ工科大学 Computer Science | 1001~1200位 | 18,000ズウォティ 約76万円 |
| ラトビア | リガ工科大学 Computer Systems | 751~760位 | 4,700ユーロ 約85万円 |
| ラトビア | ラトビア大学 Computer Science | 781~790位 | 3,340ユーロ 約60万円 |
| ドイツ | ザールラント大学 Computer Science | 588位 | 授業料なし+学期費 |
| ドイツ | インゴルシュタット工科大学 Computer Science and AI | 掲載なし | 1,600ユーロ(2026年から導入予定)+学期費・サービス費 約29万円+諸費用 |
| アイルランド | トリニティ・カレッジ・ダブリン Computer Science | 75位 | 29,570ユーロ 約532万円 |
| アイルランド | ゴールウェイ大学 Computer Science and Information Technology | 275位 | 27,640ユーロ 約498万円 |
| アイルランド | ダブリンシティ大学 Computer Science | 408位 | 17,900ユーロ 約322万円 |
※順位はQS世界大学ランキング2027の総合順位で、CS分野別順位ではありません。授業料は原則として2026~27年度の非EU・EEA留学生向け公表額です。日本円は2026年8月時点の比較用レート(1ユーロ=180円、1米ドル=156円、1ズウォティ=42円)で概算しています。課程・年度・為替により変わるため、出願年度の公式ページで再確認してください。
予算で候補国を絞る
年間総費用が約250万円の課程でも、準備課程や再履修で卒業が1年延びれば、学費と生活費がもう1年分かかります。
フィンランドのアールト大学は、学士3年・修士2年の5年一貫設計です。
学士までなら約1,230万~1,430万円、修士まで進むと授業料の違いも加わり、現在価格で約2,230万~2,560万円が目安になります。
一方、3年制のハンガリーやラトビアは、学費と生活費を抑えやすい課程があります。
安さだけで決めず、学びたい分野、入学条件、卒業後の進路までつながるかまで見て選びましょう。
私が海外大学を調べ始めたとき、最初にぶつかったのが英語圏の学費でした。
そこで「英語でCSを学べること」を残しながら国を広げ、オランダ、ハンガリー、ベルギーなどを比較しました。
最終的にトゥウェンテ大学を選んだ理由は、当時の予算に収まること、ヨーロッパ各国へ移動しやすいこと、プロジェクト型の授業が自分の学び方に合っていたことです。
国を先に決めたというより、英語・CS・費用・授業形式の条件を残した結果、オランダが候補に残りました。

筆者提供:オランダ留学中の街並み

CS・IT・ソフトウェア工学の違い
「IT分野を学びたい」と考えていても、大学では複数の学び方があります。最初に違いをつかむと、学部名が異なる大学も比較しやすくなります。
| 分野 | 主に学ぶ内容 | 選択肢の目安 |
| コンピューターサイエンス | 数学、アルゴリズム、プログラミング、AI、データ、OS、セキュリティ | 仕組みを理論から理解し、AI・データ・研究などへ広げたい |
| IT・情報システム | クラウド、ネットワーク、情報管理、業務分析、IT戦略 | 企業や組織でITを導入・運用し、課題を解決したい |
| ソフトウェア工学 | 要件定義、設計、プログラミング、テスト、品質管理、チーム開発 | アプリやシステムを、チームで作る力を伸ばしたい |
| コンピューター工学 | 電子回路、コンピューター構成、組込みシステム、通信 | ハードウェア、ロボット、IoTにも関わりたい |
※国際的なCSカリキュラム指針CS2023では、アルゴリズム、AI、データ管理、OS、ネットワーク、セキュリティなどを主要領域として整理しています。
同じCSでも、AIやセキュリティを早くから学べる課程もあれば、3年目の選択科目に限られる課程もあります。学部名で決めず、1年目から卒業までの科目表を見てください。
筆者がトゥウェンテ大学を選んだ決め手の一つは、知識をテーマ別のプロジェクトで使う授業設計でした。
ランキングと学費に加えて、講義中心か、制作・チーム開発が多いかも比較すると相性が見えます。

ヨーロッパCS留学の入学条件
入学準備の軸は、高校の成績、数学、英語力の3つです。
なかでも、複数国へ使いやすく、準備に時間がかかるのが英語試験です。
志望校がまだ決まっていない高校生は、まずIELTS 6.5・各技能6.0を目標にすると、IELTS 6.0を求める課程にも、6.5を求める課程にも対応しやすくなります。
高校成績の扱いは課程ごとに変わります。成績で選考する大学もあれば、大学入学資格の確認資料として使い、SATや独自試験を重視する大学もあります。
「高校成績は関係ない」と考えず、数学を含む主要科目で5段階の4以上を準備目標にしましょう。
- 英語:IELTS 6.5・各技能6.0を目標に学習し、遅くとも高校3年の秋までに使えるスコアを作る
- 高校成績:主要科目で5段階の4以上を目標にし、数学Ⅱ・B・Cまで履修できる範囲を広げる
- 進学資格:候補校が決まったら、日本の高校から直接出願できるか、追加試験があるかを確認する
7か国の出願条件の傾向
次の表は、国全体の一律基準ではなく、この記事で紹介する代表的な課程を調べるときの目安です。「日本の高校から直接進めるか」と「何で選考されるか」に注目してください。
| 国 | 日本の高校から考える進学ルート | 英語の準備目安 | 代表例で見る追加条件 |
| オランダ | 研究大学はオランダの大学進学課程相当の資格を求める。日本の高校卒業資格だけでは直接入学できず、追加資格や大学での履修歴が必要になる例がある | IELTS 6.0~6.5 | トゥウェンテ大学は、大学進学資格相当の学歴、数学、IELTS Academic 6.0・各技能5.5以上などを確認 |
| フィンランド | 外国の高校資格で出願資格を得られても、選考方法は課程ごとに異なる。日本の高校生はSAT・ACTで選考される課程もある | IELTS 6.0~6.5を準備目標にする | アールト大学の2026年選考はSAT 1,350点・数学700点が最低基準 |
| ハンガリー | 高校卒業資格と成績証明書で出願し、数学試験や英語面接を組み合わせる課程がある | CEFR B2、IELTS 5.5~6.0前後が目安 | ELTEは高校成績、特に数学を確認し、数学試験50%以上で英語面接へ進む |
| ポーランド | 高校卒業資格、科目ごとの成績、英語証明で出願できる課程がある | CEFR B2、IELTS 6.0前後を準備目標にする | ウッチ大学のCSは高校卒業証明、成績証明、英語証明を求める。科目の点数化は大学ごとに確認 |
| ラトビア | 高校卒業資格と成績を提出し、数学・英語のオンライン試験を行う課程がある | CEFR B2、IELTS 5.5~6.0前後が目安 | リガ工科大学の例では、高校成績に加えて数学試験と、必要な場合は英語試験を受ける |
| ドイツ | ドイツの大学入学資格に相当するかを確認する。日本の学歴によって、共通テストや大学での履修歴、準備課程が関係する | 英語課程はCEFR B2、IELTS 6.0~6.5前後が目安 | ザールラント大学は大学入学資格に加え、適性試験、科学系大会の実績、対面面接のいずれかの出願経路を設ける |
| アイルランド | 日本の高校卒業資格から直接進めるかは大学によって異なり、ファウンデーションを経る例もある | IELTS 6.5・各技能6.0を目標にする | DCUは日本の高校卒業資格では原則ファウンデーション。ゴールウェイ大学の英語基準はIELTS 6.5・各技能6.0以上 |
※同じ国でも、研究大学・応用科学大学、大学・課程で条件は変わります。表は候補国を絞るための目安で、出願時は課程公式ページの条件を優先してください。
高校成績は、合否を決める点数として使う大学と、出願資格や数学の履修を確かめる資料として使う大学があります。
対してIELTSは複数国へ共通して使いやすいため、早く始めるほど出願先を残しやすくなります。
追加試験は志望校を絞ってから対策する
SATや独自の数学試験は、すべてのCS課程で求められるものではありません。
アールト大学のようにSATを選考の中心にする課程もあれば、ELTEやリガ工科大学のように数学試験を行う課程もあります。
まずIELTSと高校数学を進め、候補校が3~5校に絞れた段階で追加試験へ時間を振り分ける方が効率的です。
私はハンガリーとオランダの大学へ出願し、どちらもオンラインで選抜を受けました。
ハンガリーでは高校数学の基礎問題と英語面接、オランダでは数学の知識に加え、初めて見る問題をどう考えるかを測る試験でした。
プログラミング経験を示すことより、数学の基礎を英語で理解し、考え方を説明できることの方が出願では重要でした。
9月入学から逆算して準備する
- 入学18~15か月前:候補国を調べ、日本の高校からの進学ルートを確認する
- 入学15~12か月前:IELTS 6.5を目標に受験し、必要な場合はSAT・数学試験を始める
- 入学12~6か月前:大学へ出願し、大学独自の試験・面接を受ける
- 入学6~3か月前:進学先を決め、滞在許可、資金証明、住居を手配する
オランダは住居不足が続いており、Study in NLも渡航前の住居確保を案内しています。出願と並行して大学寮と民間住居の条件も見ておきましょう。


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留学費用と卒業後の進路
卒業までの予算を作る
ヨーロッパのCS留学費用には、授業料と家賃のほか、保険、滞在許可、渡航前の準備費もかかります。
家計を作るときは、次の式で卒業まで計算します。
卒業総額=(年間授業料+年間生活費+保険・滞在許可・大学必須費用)×修業年数+渡航前費用
渡航前費用には、出願料、英語試験、証明書の発行・翻訳、航空券、住居の保証金などがあります。
さらに、現地通貨では同じ金額でも円安になると日本円の負担が増えます。現在価格で作った予算に10~15%程度の余裕を持たせ、家庭で負担できる上限も決めておくと安全です。
資金証明と生活予算は分ける
学生ビザや滞在許可で求められる資金証明は、審査上の最低基準です。
たとえばドイツは2026年時点で年11,904ユーロ、ラトビアは年9,400ユーロ、フィンランドは月800ユーロが基準です。
一方、フィンランドの公式留学情報は、実際の生活費として月900~1,200ユーロを勧めています。
オランダやダブリンでは、住居を確保できるかによって実際の支出が大きく動きます。資金証明に通る金額と、現地で暮らせる予算を分けて考えましょう。
私がオランダで学び始めた当時は、授業料が約160万円、生活費が約150万円で、年間約300万円かかっていました。
英語圏の大学と比べると現実的で、東京都内の私立大学へ進学して一人暮らしをする費用と近い感覚でした。
現在、トゥウェンテ大学の理系学士課程の非EU向け授業料は年16,400ユーロです。為替と学費の改定を反映すると、同じ大学でも当時の金額はそのまま使えません。
経験者の家計は生活のイメージをつかむ材料にし、自分の入学年度の授業料と現在の家賃で計算し直すことが必要です。
奨学金を含めた資金計画は、海外大学進学に使える返済不要の奨学金、国別の総費用は海外大学の学費・費用比較で詳しく解説しています。

卒業後の滞在制度と就職
現地就職を考えるなら、卒業後に何か月間、仕事を探せるかを最初に押さえます。
この期間中に内定を得て働き始め、期限までに就労を目的とする滞在資格へ切り替えるのが基本的な流れです。
アメリカのH-1Bのような年間枠による抽選は、次の国の代表的な卒業後ルートでは通常ありません。
一方、雇用契約に加えて、給与・職種・雇用主などの条件を満たす必要があります。
| 国 | 仕事を探せる期間 | 期間中の就労 |
| オランダ | 1年 | 雇用主の就労許可なしで働ける |
| フィンランド | 最長2年 | 就労時間・分野の制限なく働ける |
| ドイツ | 最長18か月 | 求職中は職種を問わず働ける |
| ハンガリー | 最長9か月 | 就職活動または起業準備を行う。延長不可 |
| ポーランド | 9か月 | フルタイム課程の卒業生は就労許可が免除される |
| ラトビア | 最長9か月 | 就職活動または起業準備を行う |
| アイルランド | 学士は通常12か月 | フルタイム就労可。自営業は不可 |
「ビザのスポンサーが必要か」は国ごとに仕組みが違います。
オランダの高度人材制度のように認定された雇用主が関わる制度もあれば、ドイツのように雇用契約と職務・給与条件をもとに本人が滞在資格を申請する制度もあります。
アメリカのH-1Bと同じ形で一括りにせず、卒業後の求職期間と、就職後の滞在資格を分けて考えましょう。
CSでは英語だけで応募できる求人もありますが、その数は都市や企業しだいです。現地語を学ぶと、中小企業、インターン、顧客と関わる職種まで応募先を広げやすくなります。
- 求人:卒業後の求職期間内に、留学生が応募できるCS求人がどの程度あるか
- 言語:英語だけで応募できる仕事と、現地語を求める仕事の割合
- 大学の支援:留学生の就職先、インターン提携先、キャリア支援、卒業生ネットワーク
大学には就職実績と現地語の必要性を聞き、滞在制度は各国政府の公式サイトで裏を取ってください。
学位に加えて、チーム開発、卒業制作、研究、インターンなど、応募先へ見せられる経験を在学中に作ることも重要です。

文系・社会人からCSを学ぶ方法
文系出身者がCSを学び直す方法は、2つ目の学士、転向者向け修士、自分の専攻に近い大学院への進学の3つに分けられます。
期間が短いという理由だけで修士を選ぶと、入学条件が合わないことがあります。現在の学位、数学、プログラミング経験、学び直す目的から選びましょう。
| ルート | 向いている人 | 特徴 |
| 2つ目の学士 | CS・数学の単位が少なく、基礎から体系的に学びたい | 通常3~4年。数学、アルゴリズム、システムを順に学べる |
| 転向者向け修士 | 他分野の学士を持ち、短期間でCSへ転向したい | 英国に1年制課程がある。授業の密度と費用は高い |
| 関連分野から修士・準備課程 | 情報系、工学、数学などの単位をすでに持つ | 不足科目を準備課程で補える大学がある |
1年制の転向者向け修士
UCLのComputer Science MScは、CS・IT以外の学士を持つ人を対象とする1年制課程です。数学はA-level相当を求め、2026~27年度の留学生授業料は42,700ポンドです。
ブリストル大学の転向者向け修士も他分野出身者を対象とし、出願前に基本的なプログラミングへ触れておくことを勧めています。
一方、一般のCS修士は関連学位を求めることが多く、アムステルダム自由大学は、CSまたは関連学位と、主要分野を含む相当量のCS単位を条件にしています。
「文系からCS大学院」という検索だけで候補を集めず、転向者向けと、CS既修者向けを分けて探すことが大切です。
私は日本の私立大学を文系で卒業し、外資系IT企業でSEとして1年間働いた後、トゥウェンテ大学のCS学士課程へ進みました。
仕事でITに触れた経験はあっても、数学、アルゴリズム、コンピューターの仕組みを大学で体系的に学んだ経験はありませんでした。
そこで、短い大学院へ急ぐより、3年間かけて基礎から学ぶ2つ目の学士を選びました。時間と費用はかかりますが、数学やアルゴリズムの理論まで順に学べる点が、自分の目的に合っていました。

ヨーロッパCS留学のよくある質問
未経験でも出願できる?
未経験者を受け入れる課程があります。トゥウェンテ大学も事前のプログラミング経験を必須としていません。
入学後は進度が速いため、高校数学を固め、簡単なプログラムを自分で動かしておくと学習を始めやすくなります。
英語だけで卒業できる?
英語で全科目を履修できる学士課程があります。授業言語が英語でも、市役所、住居探し、アルバイト、就職では現地語が役立ちます。
大学公式サイトで「English-taught」または授業言語の欄を確認してください。
費用が安い国は?
今回の代表例では、ポーランド、ラトビア、ハンガリー、ドイツの一部課程が比較的低い費用帯です。
大学寮に入れるか、標準期間で卒業できるかによって総額は変わります。学費だけでなく、12か月の生活費と修業年数を足して比較しましょう。
日本の高校から直接進学できる?
高校卒業資格から出願できる課程もあります。
オランダの研究大学やドイツなど、追加の資格・試験・履修歴を求めるケースもあります。
大学の国別入学条件を確認し、不明点は成績表と履修科目を添えて入試担当へ問い合わせてください。
数学が苦手でも大丈夫?
CSでは離散数学、微積分、線形代数、確率・統計を使います。得意である必要はありませんが、避けて卒業するのは難しい分野です。
高校数学を学び直し、志望課程の1年目の数学科目と入学試験の範囲を確認しましょう。
文系からCS大学院へ進める?
英国などに転向者向け修士があります。
一般のCS修士は、CS・数学・工学の学位や所定の単位を求める場合が多いため、転向者向けか既修者向けかを最初に確認します。
基礎から学ぶ場合は、2つ目の学士も比較対象になります。
卒業後に現地就職できる?
各国の制度を使い、卒業後も一定期間就職活動を続けられる可能性があります。
採用では技術力、制作物、インターン、英語・現地語、在留資格が見られます。
大学1年目から応募条件を調べ、卒業時に見せられる経験を作りましょう。
終わりに:国名より「学び・費用・入学資格」を先に決める
ヨーロッパには、英語でCSを学べる3年制課程や、年間授業料を100万円前後に抑えられる大学があります。
同時に、オランダのように日本の高校資格からの直接進学に条件がある国、アイルランドのように生活費を含む総額が高い国、フィンランドのように修士まで5年間の設計を持つ大学もあります。
まず、次の3つを決めてみてください。
何を学ぶか:CS、IT、ソフトウェア工学、コンピューター工学のどれが近いか
いくらまで払えるか:奨学金がなくても卒業できる総額はいくらか
どこから出願できるか:現在の学歴、数学、英語で直接進学できる課程はどこか
この条件が見えれば、「ヨーロッパのどこか」だった候補を、出願できて卒業まで通える大学へ絞れます。

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