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オーストラリアの大学は、学士課程を3年間で修了できるコースが多く、大学進学準備課程やディプロマを経由する進み方も整っています。
一方、どのルートが使えるかは、日本の高校で学んだ科目、学校成績、英語力、志望専攻で決まります。
ファウンデーションを1年追加すれば、卒業まで4年間になります。ディプロマから大学2年次へ進める場合も、対象となる学部や進級条件の確認が欠かせません。
費用も大きな判断材料です。2026年の学部授業料は年4万~6万豪ドル前後の例が多く、住居費や医療保険、学生ビザまで含めると、3年間の総額が3,000万円前後になるケースもあります。
この記事では、オーストラリア政府、各大学、QS、QILTなどの一次情報と、RMIT大学のファウンデーションを経験した「てつ」さんの体験をもとに、進学ルート、費用、主要大学、入学条件、出願、大学生活、卒業後の進路を整理します。
この記事の著者:てつ
高校時代にニュージーランドの現地高校へ留学。その後、オーストラリアのRMIT大学で2020年にファウンデーションを修了しました。英語でエッセイやレポートを書く準備、少人数クラスでの学習、現地での大学選びを経験しています。
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル。英語圏への留学経験がない状態からIELTS 8.0、TOEFL 104、GRE 322を取得。コロンビア大学、ペンシルベニア大学、ニューヨーク大学、メルボルン大学教育大学院などへの合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。株式会社MAGEEEK代表として、海外大学・大学院の出願支援や進路設計に携わる。
記事の調査方法
本記事は、オーストラリア政府のStudy Australia・内務省・教育省、CRICOS、TEQSA、QILT、各大学の公式情報、QS世界大学ランキングをもとに編集しています(2026年8月12日調査)。日本円は、財務省税関が公表する2026年8月9日~15日の週間為替レートを参考に、1豪ドル=114円で概算しました。
- 進学ルート:大学1年次へ直接進むほか、ファウンデーション、ディプロマ経由がある
- 修業年数:一般的な学士課程は3年。専門職課程、複数学位課程、優等学士課程などは長くなる
- 費用:学費と生活費を合わせて年850万~1,000万円前後になる例もある
- 入学条件:高校の資格・成績、英語、専攻別の必須科目を審査する
- 卒業後:対象となる学士号の修了者は、条件を満たすと卒業後就労ビザを申請できる
目次
オーストラリアの大学へ進む3つのルート
日本の高校からオーストラリアの大学を目指すときは、候補校を探す前に、大学1年次へ直接進めるか、準備課程を挟むかを確認します。
オーストラリア政府のStudy Australiaは、大学への進学経路として、ファウンデーション、職業教育、英語課程などを案内しています。
日本の高校生が学士課程を目指す場合、中心となるのは次の3ルートです。
| 進学ルート | 進み方 | 向いている人 |
| 直接進学 | 日本の高校から学士課程1年次へ出願 | 大学が認める高校資格、成績、英語、必須科目を満たす |
| ファウンデーション | 6か月~1年程度の大学進学準備課程を修了し、学士1年次へ進む | 日本とオーストラリアの教育課程の差を埋め、英語で学ぶ準備をしたい |
| ディプロマ | 大学1年次相当の科目を学び、対象学部の2年次を目指す | 少人数の環境から始め、大学の単位も進めたい |
直接進学|日本の高校資格が認められるかを確認する
日本の高校から直接進学できる大学はあります。ただ、審査方法は大学・コースによってかなり違います。
日本の高校卒業資格と学校成績で審査する大学もあれば、SAT・ACT・APなどの試験を追加する大学もあります。
たとえば、メルボルン大学の日本向け入学条件では、日本の高校卒業資格と最終学年の成績に加え、SAT・ACT・APのいずれかを使って審査します。商学部や理学部では、数学などの指定科目も必要です。
英語力は、学士課程でIELTS 6.0~6.5前後が一つの目安です。
RMIT大学の標準的な学士課程では、IELTS 6.5・各技能6.0以上が求められます。医療、教育、法学などは、さらに高い基準を設定するのが一般的です。
直接進学を検討するときは、志望コースの公式ページで次の4点を照らし合わせてください。
1.高校資格:日本の高校卒業資格から出願できるか
2.学校成績:5段階平均でどの程度必要か
3.英語力:IELTSなどの総合点・各技能の最低点
4.専攻別条件:数学・理科の履修、作品集、面接、追加試験
直接進学が一般的か難しいかは、オーストラリア全体で一律に決まりません。
志望大学を2~3校選び、それぞれの日本向け条件を比べるのが最も確実です。

ファウンデーション|大学1年次へ進むための準備課程
ファウンデーションは、大学入学前に6か月~1年程度学ぶ準備課程です。
英語の授業もありますが、主な目的は、英語でレポートを書き、資料を調べ、大学の授業についていくための学習方法を身につけることです。
ビジネス、理工、情報、デザインなど、進学したい分野の基礎科目も学びます。
主に次のような人が利用します。
- 日本の高校資格や成績で、志望大学の直接進学条件に届かない
- 直接進学の条件は満たせるが、英語で大学教育を受ける準備をしてから進みたい
- 志望学部で必要な数学・理科・作品制作などの基礎を補いたい
RMIT大学のファウンデーションは通常1年間で、英語の目安はIELTS 5.5・各技能5.0以上です。
学士課程の標準条件であるIELTS 6.5より入り口は低く設定されています。
修了後は、指定された成績、英語、必須科目を満たして、対応する学士課程の1年次へ進みます。
私は2020年にRMIT大学のファウンデーションを修了しました。
1クラスは約20人で、英語の授業に加えて心理学や経済学の入門科目を履修しました。課題にはプレゼンテーション、エッセイ、レポート、期末試験があり、学士課程で求められる学び方を一通り経験できます。
特に役立ったのが、資料を探し、出典を示し、英語で自分の考えを組み立てる練習です。進学まで1年増えましたが、英語圏の大学でどのように学ぶのかを理解する時間になりました。

ディプロマ|大学1年次相当を学び、2年次を目指す
ここでいうディプロマは、高校卒業後に進む大学進学課程です。IB Diplomaなど、高校段階で取得する資格とは別の制度です。
対応する学部の大学1年次相当の科目を、少人数のクラスや手厚い学習支援のもとで学びます。
修了成績などの条件を満たすと、認定された単位を引き継いで、学士課程の2年次へ進めます。
ディプロマが向いているのは、次のようなケースです。
- 志望する学部に、2年次へ接続するディプロマが用意されている
- 大学1年次相当の科目を、少人数の環境から始めたい
- 学士課程の単位を進めながら、英語で学ぶ力も身につけたい
Part 2では大学1年次と同分野の科目を学び、指定された成績と必須科目を満たすと、対応するモナッシュ大学の2年次へ進めます。
一方、法学、医学、看護、薬学などは接続先に含まれず、ファウンデーションが案内されています。


オーストラリア大学留学の費用|年間と卒業までの総額
オーストラリア大学留学では、授業料に加えて、住居・食費、留学生向け医療保険、学生ビザ、大学諸費用、航空券などがかかります。
家庭が用意する総額は、年間授業料に志望都市の生活費を加えて計算します。
2026年の授業料を同じ分野・3年制で比べる
次の表は、ビジネス・商学系の3年制学士課程を中心に、2026年の留学生向け授業料を比較したものです。
| 大学・コース例 | 年間授業料 | 日本円の目安 | 3年間の授業料 |
| RMIT大学 ビジネス | 45,120 AUD | 約514万円 | 135,360 AUD 約1,543万円 |
| クイーンズランド工科大学 ビジネス | 45,000 AUD | 約513万円 | 135,000 AUD 約1,539万円 |
| シドニー工科大学 ビジネス | 48,816 AUD | 約557万円 | 146,448 AUD 約1,670万円 |
| アデレード大学 国際ビジネス | 50,500 AUD | 約576万円 | 151,500 AUD 約1,727万円 |
| メルボルン大学 商学 | 約57,856 AUD | 約660万円 | 約173,568 AUD 約1,979万円 |
| シドニー大学 ビジネス分野 | 56,300~60,600 AUD | 約642万~691万円 | 168,900~181,800 AUD 約1,925万~2,073万円 |
※2026年度の公表額による比較です。メルボルン大学は商学分野の科目単価を標準履修量で計算した概算で、選択科目によって変わります。各大学のRMIT料金表、QUTコース情報、UTS資料、アデレード大学資料、シドニー大学料金表を参照しています。

生活費を含めると3年間で約2,570万~3,080万円
RMIT大学の2026年費用ガイドは、メルボルンの生活費を年3万~4万5,000豪ドルとしています。
RMIT大学のビジネス学士を例にすると、授業料と生活費の合計は次のようになります。
年間:授業料45,120豪ドル+生活費30,000~45,000豪ドル
=75,120~90,120豪ドル(約856万~1,027万円)
3年間:225,360~270,360豪ドル
=約2,569万~3,082万円
このほか、留学生向け医療保険、学生サービス料、学生ビザ、航空券、教材、住居の保証金・初期費用がかかります。
ファウンデーションを1年追加する場合は、その授業料と1年分の生活費も加えます。
専門職課程、優等学士課程、複数学位課程を選ぶ場合も、標準修業年数を見てから総額を計算してください。
上の総額は2026年の金額を単純に3倍した比較です。
毎年の授業料改定、物価上昇、為替変動に備え、家庭の資金計画には10~15%程度の余裕も検討しましょう。
ビザの資金証明額は、家計予算の下限と考える
学生ビザの審査で資金証明を求められた場合、渡航費、最初の12か月の授業料、12か月の生活資金などを示します。
オーストラリア内務省が示す学生本人の生活資金は年29,710豪ドル(約339万円)です。内務省も、実際の生活費は居住地によって高くなると案内しています。
メルボルンの大学が示す生活費は年3万~4万5,000豪ドルです。住居の種類、通学距離、食事によって差が広がるため、大学公式の生活費と寮・賃貸の金額も家計予算に加えましょう。
2026年7月1日以降、学生ビザの申請料は2,500豪ドル(約29万円)です。学生ビザ保持者は、滞在期間全体をカバーする留学生向け医療保険にも加入します。

大学独自奨学金は「適用後の授業料」で比較する
オーストラリアの大学には、留学生向けに授業料の一部を減免する奨学金があります。
| 制度例 | 支援内容 | 確認すること |
| モナッシュ大学 国際メリット奨学金 | 年15,000豪ドル 最大75,000豪ドル | 年間20人。無条件合格後に審査対象となり、継続には所定の成績が必要 |
| シドニー工科大学 学業成績優秀者奨学金 | 授業料の15% | 2026年対象。入学出願に基づいて自動審査される |
| クイーンズランド工科大学 国際メリット奨学金 | 授業料の25% | 対象コースと入学成績を確認。継続には学期ごとの成績条件がある |
奨学金は、採用通知を受け取るまで家計の確定収入に入れない方が安全です。
国内財団やJASSOを含む制度は、海外大学進学に使える返済不要の奨学金で比較しています。


オーストラリアの主要大学を専攻・都市・予算で選ぶ
オーストラリアには、研究型の大規模大学、産業界とのプロジェクトを重視する大学、都市中心部にキャンパスを置く大学などがあります。
最初に目に入りやすいのが、研究集約型大学の連合「Group of Eight(Go8)」です。Go8は、オーストラリアの大学研究の約70%を担うと公表しています。
Group of EightとQS世界大学ランキング
次の順位はQS世界大学ランキング2027です。
| 大学 | 主な都市 | QS 2027 | 大学選びの入口 |
| ニューサウスウェールズ大学(UNSW Sydney) | シドニー | 19位 | 工学、ビジネス、情報系など |
| メルボルン大学 | メルボルン | 22位タイ | 幅広い学部教育と大学院進学を含む設計 |
| シドニー大学 | シドニー | 28位 | 多分野を持つ総合大学 |
| オーストラリア国立大学(ANU) | キャンベラ | 29位 | 公共政策、国際関係、自然科学など |
| モナッシュ大学 | メルボルン | 31位 | 薬学、医療、工学、ビジネスなど |
| クイーンズランド大学(UQ) | ブリスベン | 40位タイ | 生命科学、環境、工学など |
| 西オーストラリア大学(UWA) | パース | 77位タイ | 資源、環境、生命科学など |
| アデレード大学 | アデレード | 79位 | 2026年に開学した統合大学。工学、農学、健康、ビジネスなど |
※アデレード大学(Adelaide University)は、旧アデレード大学と南オーストラリア大学の統合により2026年に開学しました。古い比較記事には、旧大学名や旧コースが残ったままのものも見かけます。
Go8以外の主要大学を見る
| 大学 | 都市 | QS 2027 | 比較の入口 |
| シドニー工科大学(UTS) | シドニー | 87位タイ | 実務型教育、ビジネス、工学、情報 |
| RMIT大学 | メルボルン | 119位タイ | デザイン、建築、コミュニケーション、技術 |
| マッコーリー大学 | シドニー | 126位タイ | ビジネス、言語、心理、データ分野など |
| カーティン大学 | パース | 189位 | 資源、工学、建築、健康分野など |
| ウーロンゴン大学 | ウーロンゴン | 195位 | 工学、情報、ビジネス、地域環境 |
| クイーンズランド工科大学(QUT) | ブリスベン | 240位 | 実践型のビジネス、デザイン、工学、情報 |

ランキングの次に4つの条件を比べる
総合ランキングは、大学の研究力や国際的評価を知る入口になります。実際の進学先は、次の4つを志望コース単位で確認すると選びやすくなります。
| 比較する条件 | 公式サイトで見る場所 | 判断すること |
| 専攻の中身 | 必修・選択科目、評価方法、卒業制作・研究、実習 | 3年間かけて学びたい内容があるか |
| 都市と総費用 | 寮、民間住居、通学、キャンパス、標準生活費 | 卒業まで家計が成立するか |
| 専門職認証 | Professional accreditation、登録資格、実習時間 | 希望する職業・資格につながるか |
| 学生の成果と支援 | 学習支援、卒業生進路、就職支援、学生満足度 | 入学後に使える支援があるか |
オーストラリア政府が支援するComparEDでは、最大6校を選び、分野ごとの学生経験、学習支援、技能習得、卒業後の雇用などを比較できます。
医療、心理、教育、工学、建築などの専門職を目指す場合は、コースの認証も重要です。
TEQSAで大学・コースの登録を、CRICOSで留学生を受け入れるコースとして登録されているかを確認できます。
私がRMIT大学を選んだ理由は、メルボルン中心部で学べることと、パブリックリレーションズを学士段階から専門的に学べることでした。
現在のプロフェッショナル・コミュニケーション学士は、広告、パブリックリレーションズ、デジタル・コミュニケーションから専門を選びます。
パブリックリレーションズでは、企業・団体での実習または業界プロジェクト、実在する依頼主への企画にも取り組みます。
RMITで学べる専門分野とメルボルンでの生活を具体的に調べたことで、この大学を選ぶ理由が明確になりました。

都市と大学で3年間の総額はどれくらい変わる?
都市を変えると、住居費だけでなく、選べる大学や授業料も変わります。
そこで、3年制のビジネス系学士課程を例に、2026年の授業料と生活費を合計しました。
| 都市・大学 | 年間授業料 | 年間生活費の計算額 | 3年間の概算総額 |
| シドニー シドニー工科大学(UTS) | 48,816豪ドル | 29,710~37,037豪ドル | 235,578~257,559豪ドル 約2,686万~2,936万円 |
| メルボルン RMIT大学 | 45,120豪ドル | 30,000~45,000豪ドル | 225,360~270,360豪ドル 約2,569万~3,082万円 |
| ブリスベン クイーンズランド工科大学(QUT) | 45,000豪ドル | 29,710~42,540豪ドル | 224,130~262,620豪ドル 約2,555万~2,994万円 |
| ニューカッスル ニューカッスル大学 | 40,540豪ドル | 29,710~31,720豪ドル | 210,750~216,780豪ドル 約2,403万~2,471万円 |
※3年間の概算総額=2026年の年間授業料×3年+年間生活費×3年。1豪ドル=114円で換算しています。
※生活費は各大学の公表値を参考にし、下限が学生ビザの生活資金要件である年29,710豪ドルを下回る場合は、29,710豪ドルで計算しました。住居形態や生活スタイルによって実際の金額は変わります。
※授業料の毎年の改定、医療保険、学生ビザ、航空券、教材、入居時の保証金などは含みません。
シドニー工科大学とニューカッスル大学を比べると、同じ3年制のビジネス系でも、卒業までの概算総額には約283万~465万円の差が出ます。
一方、地方・中規模都市を選べば、すべての大学で学費まで下がるとは限りません。授業料の高い地方大学もあり、住居の選び方によって大都市の方が安く収まるケースもあります。
都市名だけで判断せず、候補コースごとに「年間授業料+年間生活費」×標準修業年数を計算することが大切です。

日本の高校から出願する条件と準備
オーストラリアの大学は、大学・専攻ごとに出願書類を審査します。主な確認項目は次の3つです。
1.学歴と学校成績:日本の高校卒業資格をどう評価するか、直接進学・準備課程のどちらに該当するか
2.英語力:IELTS、TOEFL、PTEなどの最低点と、技能別の条件
3.専攻別条件:数学・理科などの履修、作品集、面接、オーディション、追加課題
高校成績は5段階の平均3.0以上が一つの目安
ここでいう高校成績は、通知表や成績証明書に載る各科目の成績です。
日本の高校で一般的な5段階評価の場合、各科目を合計して科目数で割った平均値が審査に使われます。
基準は大学・専攻ごとに幅がありますが、RMIT大学が公表する日本の高校成績との対応表は、進学ルートを考える目安になります。
| RMITの進学例 | 5段階平均の目安 | 読み方 |
| ファウンデーション | 高校2年修了時に3.0 | 高校3年生になる前から出願できる準備課程の例 |
| 学士課程 豪州基準65%のコース | 高校卒業時に3.0 | 直接進学の比較的低い基準例 |
| 学士課程 豪州基準70~75%のコース | 高校卒業時に3.5~4.0 | コースの選考水準が上がると必要な平均も上がる |
※RMIT大学の公式換算例です。5段階評価の対象科目を平均します。最低基準は出願資格の目安で、実際の合格水準がここより上がることは普通にあります。
工学・情報・商学では数学、理学・医療系では数学や理科を指定するコースが目立ちます。デザイン・建築・芸術系では、作品集や選考課題を求めるコースもあります。
高校1~2年生のうちに候補コースを調べると、必要な科目を履修しやすくなります。
志望大学のコースページでは、入学成績、必須科目、作品集・面接などの追加選考まで目を通しておきましょう。
英語の公式ページでは、入学成績は「Academic requirements」、必須科目は「Prerequisites」、追加選考は「Selection tasks」などの見出しで掲載されています。

英語は準備課程と学士課程で基準が違う
必要な英語スコアはコースごとに設定されます。目安をつかむため、公式に確認できる例を並べます。
| コース例 | IELTS Academic | 読み方 |
| RMIT大学 ファウンデーション | 総合5.5 各技能5.0以上 | 大学進学準備課程の例 |
| モナッシュ大学 学士課程の標準条件 | 総合6.5 各技能6.0以上 | 専攻により高い基準を設定する場合がある |
| シドニー工科大学 ビジネス学士 | 総合6.5 Writing 6.0以上 | 技能別条件は大学・専攻によって異なる |
スコアを満たしても、高校成績や必須科目が不足すれば直接進学は認められません。
反対に、英語だけが不足している場合は、大学指定の英語課程と組み合わせられることもあります。
IELTSの試験内容と準備方法は、IELTS対策の完全ガイドで解説しています。

出願から渡航までの流れ
オーストラリアの大学は、大学公式サイトまたは大学が認定する代理店を通して出願します。一般的な流れは次のとおりです。
| 段階 | 行うこと | 確認すること |
| 1 | コースと進学ルートを決める | 直接進学、ファウンデーション、ディプロマのどれに該当するか |
| 2 | 入学条件と締切を確認する | 高校成績、英語、必須科目、追加選考、入学時期 |
| 3 | 書類を提出する | 成績証明書、卒業・卒業見込み証明書、英語結果、正式な英訳 |
| 4 | 合格通知の条件を読む | 無条件合格か条件付き合格か、必要な最終成績・英語・支払額 |
| 5 | 入学を受諾する | 保証金・学費、留学生向け医療保険、入学確認書(CoE) |
| 6 | 学生ビザと渡航準備 | 資金、健康診断等、住居、航空券、オリエンテーション |
準備開始は、入学希望時期の6~12か月前が一つの目安です。締切は大学・コースで異なり、作品集や単位認定を伴う出願には時間がかかります。
オーストラリア政府は、2026年と2027年の海外からの新規留学生について、大学・職業教育を合わせた全国計画水準を295,000人としています。
これは、教育機関ごとの受け入れ状況をビザ審査の優先順位に反映する全国計画水準です。志望大学の締切を確認し、合格後は必要書類をそろえて早めにビザを申請しましょう。
詳しくは、オーストラリア教育省の留学生受け入れ管理の最新情報をご確認ください。


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オーストラリアでの大学生活と卒業後の進路
オーストラリアの大学では、講義、少人数授業、グループ課題、レポート、試験、実習などを組み合わせて学びます。
授業形式は専攻ごとに違うため、コースページの評価方法や週間学習時間も見ておきましょう。
ファウンデーションで経験した授業とサポート

私が在籍したRMIT大学のファウンデーションでは、課題の締切が重なる時期に、レポートの構成や評価基準を確認するセミナーが開かれていました。
カウンセラー、医療スタッフ、ITスタッフなどへ相談でき、勉強以外にもスポーツ、ハイキング、郊外への行事がありました。留学生同士で関係を作るきっかけにもなります。

支援が用意されていても、自分から相談しなければ使う機会を逃します。入学後は、オリエンテーションの段階で学習支援、健康相談、住居、キャリアの担当部署を押さえておくと安心です。

アルバイト収入は生活費の一部として考える
学生ビザ保持者は、授業期間中に2週間で最大48時間、大学が定める休暇中は時間制限なく働けます。
アルバイトは英語や現地経験を得る機会になりますが、授業料を支える主な財源にすると負担が大きくなります。
RMIT大学の2026年試算では、ビジネス学士の学生が授業料と生活費に年約77,000豪ドルを使う例に対し、授業期間中に2週間で約20時間働いた年収例は税引前約8,000豪ドルです。
仕事が決まる時期や勤務時間も読めないため、アルバイトを始める前の資金で学費と生活費を用意しておきましょう。

卒業後就労ビザは就職活動の時間になる
対象となるオーストラリアの学士号を修了し、年齢、在学期間、英語、申請時期などの条件を満たすと、卒業後就労ビザ(サブクラス485)を申請できます。この記事で扱うのは、その中でも大学などの高等教育を修了した人に向けた区分です。
現在の制度では、学士号修了者の滞在期間は通常2年間です。地域や国籍などによる別条件もあります。
このビザを取得すると、期間中は就労時間の制限なく働けます。就職先は自分で探します。
オーストラリア政府が支援する2025年QILT卒業生調査では、オーストラリア国内で学んだ留学生の学部卒業者について、修了4~6か月後のフルタイム就業率は50.8%、何らかの雇用に就いている割合は70.7%、国内でフルタイム勤務する人の年収中央値は70,000豪ドルでした。
2025年は労働力の集計方法が変わっているため、前年以前との単純比較には向きません。
結果は専攻によっても違います。将来を考える際は、大学名とビザの年数に加え、在学中に研究、実習、インターン、制作物、人とのつながりを積み上げられるかも見ておきたいところです。

オーストラリア大学留学のよくある質問
日本の高校からオーストラリアの大学へ直接進学できますか?
直接進学できる大学・専攻があります。大学ごとに、学校成績、英語、必須科目、SAT・ACT・APなどの追加条件を確認してください。
条件が合わない場合は、ファウンデーションやディプロマを経由します。
ファウンデーションとディプロマは何が違いますか?
ファウンデーションは大学進学前の準備課程で、修了後に学士1年次へ進む形が中心です。
ディプロマは大学1年次相当の科目を含み、対象学部の2年次へ進める場合があります。進学先、認定単位、進級条件を比べましょう。
オーストラリアの大学は3年で卒業できますか?
一般的な学士課程には3年制が多くあります。
工学などの専門職課程、研究を深める優等学士課程、2つの学位を組み合わせる複数学位課程は、修業年数が4年以上に延びます。
ファウンデーションを経由すれば、準備課程を含めて通常4年です。
IELTSは何点必要ですか?
ファウンデーションでは総合5.5前後、学士課程では総合6.0~6.5前後の例があります。
医療、教育、法学などは高めの点数を求める傾向があります。総合点と各技能の最低点を、志望コースの公式ページで確認してください。
オーストラリア大学留学は総額いくらかかりますか?
RMIT大学のビジネス学士を例に、授業料とメルボルンでの生活費を現在価格で3年間計算すると、約2,570万~3,080万円です。
医療保険、学生ビザ、航空券、教材、住居の初期費用も必要です。大学・専攻・都市・為替によって総額は変わります。
留学中にアルバイトはできますか?
学生ビザの条件を満たせば、授業期間中は2週間で最大48時間、所定の休暇中は時間制限なく働けます。
学業との両立が前提で、仕事や収入は確定しません。生活費の一部を補うものとして考えましょう。
大学を卒業すればオーストラリアで働けますか?
対象となる学士号の修了者は、条件を満たすと通常2年間の卒業後就労ビザを申請できます。
このビザで得られるのは、オーストラリアで仕事を探し、働ける期間です。
就職先は自分で探し、専攻、実務経験、英語力、求人市場も結果に影響します。
終わりに:卒業まで通える進路を作る
オーストラリアには、世界的に評価される研究大学から、産業界とのプロジェクトを重視する大学まで、多様な選択肢があります。
直接進学、ファウンデーション、ディプロマという複数の入口があることも特徴です。
候補校を考えるときは、何を学びたいか、どのルートなら進めるか、卒業まで家計が成立するかの3つを並べてください。
この条件が見えれば、オーストラリアが自分に合うのか、ほかの国や日本の大学も含めて判断しやすくなります。
出願準備は、候補コースを3つ選び、入学条件・3年間の授業料・学べる科目を一枚に並べるところから始めましょう。



進学の全体像から整理したい人は
→ 海外の大学に行くには?高校生向け進学ガイド
ほかの国と費用を比べたい人は
→ 海外大学の学費・費用を10か国比較
費用の負担を減らしたい人は
→ 返済不要の奨学金まとめ(JASSO・財団・大学独自)
オーストラリア以外も視野に入れたい人は
→ 世界大学ランキングTOP100(QS・THE)










