



ひと言に「海外大学進学」といっても、その方法は一つではありません。
高校卒業後に海外大学へ直接出願するルートもあれば、準備課程を経由する方法、コミュニティカレッジから4年制大学への編入を目指す方法もあります。
また、国や大学、専攻によって、求められる成績や英語スコア、出願書類、必要な費用は大きく変わります。
そのため、海外大学進学を考え始めた段階では、最初から大学名を一つに絞るよりも、まずは進学ルート、費用、国・大学選び、準備スケジュールの全体像を整理することが大切です。
この記事では、海外大学進学を考え始めた高校生や保護者の方に向けて、海外大学に行くための基本的な流れと、最初に整理しておきたいポイントをわかりやすく解説します。
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。
目次
この記事は主に日本の高校から海外大学進学を目指す高校生と保護者の方に向けた内容です。すでに日本の大学に在籍していて、海外大学への編入や再出願を検討している方は、日本の大学生が海外の大学に進学する方法も参考にしてください。
日本の大学受験と何が違う?海外大学進学の全体像
海外大学の進学準備は、日本の大学受験とは大きく異なります。
日本の大学受験では、共通テストや大学ごとの個別試験など、入試当日の学力試験の結果が合否に大きく影響します。
一方、海外大学では、高校での成績、英語力、出願書類などをもとに総合的に審査されるのが一般的です。
「試験で何点取れるか」だけでなく、これまでの学習成果、英語で学ぶ力、志望理由、将来の目標などを通じて、大学で学ぶ準備ができているかが評価されます。
そのため、海外大学進学では、短期的な対策ではなく、段階的に必要な条件や書類を整えていくことが大切です。
- 国・志望校・進学ルートを考える
- 入学要件や締切日を確認し、出願書類を準備する
- 出願後、合格したらビザ申請などの渡航準備を進める
入学要件や必要書類は国や大学などによって異なりますが、焦って最初から志望校を一つに絞る必要はありません。
英語力や成績などの土台を整えながら、自分の状況に合った進学プランを少しずつ具体化していきましょう。
まずは以下のポイントを整理して全体像をつかむことが第一歩です。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| ① 進学ルート | 進学ルートは一つではありません。現在の英語力や成績に合わせたルート選びが重要です。 |
| ② 費用と資金計画 | ご家庭の予算や奨学金を踏まえた現実的な資金計画が重要です。 |
| ③ 国・大学選び | ランキングだけでなく、学び方、将来のキャリア、費用などを踏まえた選択が重要です。 |
| ④ スケジュール | 出願書類や英語試験、奨学金申請には準備期間が必要です。締切から逆算して計画を立てることが大切です。 |


💡海外大学は本当に自分に合う?
海外大学では、日本とは学び方や大学生活、卒業後のキャリアまで大きく異なります。海外大学で学ぶメリットや、日本との違い、注意しておきたいポイントについては、 海外大学進学に進学する理由|メリット・デメリットを解説 の記事も参考にしてください。
【ポイント①】高校生が海外大学に行くための代表的な3つの進学ルート
海外大学へ進学する方法は一つではありません。
基本となるのは高校卒業後に大学へ直接出願する方法ですが、英語力や成績に不安がある場合は、準備課程やコミュニティカレッジなどを経由して段階的に進学することも可能です。
どのルートを選ぶかによって、求められる高校成績や英語スコア、出願書類、進学後の条件は変わります。
まずは代表的な3つの進学ルートを見てみましょう。
① 高校卒業後に直接進学する
高校卒業後に、海外大学の学位課程へ直接進学する方法です。
国によって評価方法は異なりますが、多くの大学では高校の成績(GPA)や英語スコア、エッセイ、推薦状などをもとに審査が行われます。
最短ルートで海外大学の学位取得を目指せる一方で、大学が求める成績や英語スコアの水準を満たす必要があり、出願書類の準備にも時間がかかります。
そのため、高1〜高2のうちから英語試験や成績対策、志望校リサーチを進められる場合に検討しやすいルートです。
② 進学準備課程(Foundation・Pathway・IYO)を経由して進学する
海外大学への進学を目指しながら、英語力や基礎学力を補うための準備プログラムを経由するルートです。
高校成績や英語スコアが直接進学の条件に届いていない場合でも、準備課程を通じて大学進学を目指せることがあります。
国や大学によってプログラムの名称やしくみは異なりますが、Foundation、Pathway、International Year One(IYO)など、大学進学に必要な学力や英語力を補うためのコースが用意されています。
特にイギリスやオーストラリアでは、留学生向けの一般的な進学ルートとして利用されることが多いです。
高3や高校卒業後に海外大学進学を考え始めた人、英語力や成績に不安がある人、いきなり大学の授業に入るのが不安な人にとって、検討しやすいルートです。
ただし、準備課程を修了すれば必ず希望する大学・専攻に進めるとは限らないため、進級条件や進学先は事前に確認しておきましょう。
③ コミュニティカレッジなどを経由して進学する
まず2年制の高等教育機関で学び、その後4年制大学へ編入するルートです。
特にアメリカでは、コミュニティカレッジで一定の単位を取得した後に、4年制大学へ編入する方法が広く利用されています。
入学条件のハードルが比較的低く、最初の2年間の費用を抑えながら海外大学卒業を目指しやすい点が特徴です。
高校卒業時点での成績や英語力に不安がある人、まずは海外の学習環境に慣れながら進学先を考えたい人にとって、検討しやすいルートです。
ただし、編入先はコミュニティカレッジ在学中の成績や履修科目によって変わるため、編入条件を確認しておくことが大切です。


【ポイント②】海外大学進学に必要な費用と資金戦略
海外大学進学を考えるうえで、多くの人が最初に高いハードルと感じやすいのが「費用」の問題です。
海外大学では、授業料だけでなく、寮費・食費などの生活費、医療保険料、教材費、ビザ申請費、渡航費といった費用も必要になります。
アメリカやイギリスの名門私立大学では、年間総額が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
しかし、海外大学進学は「高額な英米トップ校にすべて自費で行く」だけではありません。
カナダ、オランダ、マレーシア、台湾など、比較的費用を抑えやすい国や地域もあります。
また、奨学金や進学ルートによっても負担額は変わります。
最初から「海外大学は高すぎて無理」と決めつけるのではなく、複数の国や進学ルート、奨学金の可能性を比較しながら進学先を検討するようにしましょう。
【参考】国による費用感の違い
| 年間費用の目安 | 主な国・地域 |
|---|---|
| 700万円以上 | アメリカ、イギリス、オーストラリアなど |
| 400万〜600万円程度 | カナダ、ニュージーランド、オランダ、シンガポールなど |
| 150万〜300万円程度 | マレーシア、台湾、一部のヨーロッパ諸国など |
※学費と生活費を含めた概算。大学や都市によって大きく異なります。


💡もっと詳しく:
各国の学費・生活費の目安、見落としやすい費用、予算に合わせた併願パターンの作り方をこちらの記事で詳しく解説しています。
【ポイント③】国・大学選びのポイント
同じ「海外大学」でも、国によって学びのスタイル、費用、入学ルート、卒業後のキャリアは大きく異なります。
たとえば、アメリカは幅広く学びながら専攻を決めやすい一方、イギリスやオーストラリアでは入学時から専門分野を絞って学ぶケースが一般的です。
また、カナダやニュージーランドは卒業後の就労機会を重視する人に検討されやすく、アジアやヨーロッパには英語で学べる比較的費用を抑えやすい大学もあります。
同じ国の中でも、都会の大規模総合大学か、地方の少人数制大学かによって、キャンパスライフやサポート体制は大きく変わります。
最初から志望校を1つに絞る必要はありません。
まずは、自分がどのような留学をしたいのか、次のような視点で条件を整理してみましょう。
| 見るポイント | 確認したいこと |
|---|---|
| 国・地域 | 学び方、治安、物価、気候、卒業後の就労ビザ |
| 大学の特徴 | 大学の規模、立地、留学生比率、サポート体制 |
| 専攻・カリキュラム | 学びたい分野の強さ、就職とのつながり、実習・インターン機会 |
| 費用・入学条件 | 学費、生活費、奨学金、GPA、英語スコア |
| 卒業後の進路 | 現地就職、日本での就職、大学院進学、必要な資格 |
たとえば、費用を抑えつつ英語で専門分野を学びたい場合は、欧米だけでなく、アジアやヨーロッパの英語プログラムも候補になります。
現地就職を重視する場合は、学費の安さだけでなく、卒業後に働けるビザ制度やインターン機会も確認しておきたいポイントです。
このように、大学選びでは「世界ランキングが高いか」だけでなく、自分の目的や家庭の条件に合っているかを多角的に見ることが大切です。


【ポイント④】いつ何をする?海外大学出願のスケジュール
ここまで、進学ルートや費用、国・大学選びなど、自分に合った進学プランの考え方を解説してきました。
全体像が見えてきたら、「いつまでに準備するか」というスケジュールに落とし込んでみましょう。
出願時期や必要書類は国や大学、進学ルートによって異なりますが、一般的には次のような流れで準備を進めます。
| 時期 | 主な準備内容 |
|---|---|
| 高1 | 学校成績の維持、英語力の基礎固め、興味のある分野・国の情報収集 |
| 高2 | TOEFL・IELTSなどの受験、志望国・専攻・進学ルートの整理、候補校の絞り込み |
| 高3夏〜秋 | 出願条件・締切の確認、出願書類の作成、推薦状依頼、奨学金の調査・申請準備 |
| 高3秋〜冬 | オンライン出願、必要書類の提出、奨学金申請 |
| 合格後 | 進学先決定、デポジット支払い、学生ビザ申請、渡航準備 |
高1・高2の早い段階から、志望校を一つに絞り込む必要はありません。
この時期は、学校の成績や英語力の土台を作りながら、興味のある国や専攻、進学ルートを少しずつ調べていく段階です。
そのうえで、高2後半〜高3前半ごろまでに、志望国や進学ルート、候補校の方向性をある程度絞り込めると、出願準備を進めやすくなります。
もちろん、これはあくまで一般的な目安です。
国や大学によって出願時期は異なり、Foundation・Pathwayなどの準備課程や、出願時期が比較的柔軟な大学を活用できる場合もあります。
大切なのは、「今からでは遅い」と決めつけることではなく、今の学年・成績・英語力から考えられる選択肢を整理することです。
早い時期から準備できるほど選択肢は広がりますが、高3から海外大学進学を考え始めた場合でも、進学ルートや出願時期を工夫することで目指せるケースがあります。


💡もっと詳しく:
出願書類や準備スケジュールの基本から、「出遅れた場合は?」「学力が足りない場合は?」などのケース別戦略まで詳しく解説しています。
自分に合う海外大学進学プランを整理したい方へ
ここまで、海外大学進学のルート、出願準備、費用、国・大学選びについて紹介してきました。
ただ、実際には同じ海外大学進学でも、
- どの国を選ぶべきか
- どの大学が現実的な候補になるのか
- 奨学金を目指すべきか
- 日本の大学と併願するか
- 今から何を優先して準備すべきか
は、一人ひとり異なります。
特に、
- 高3から海外大学進学を考え始めた
- 英語力やGPAに不安がある
- 費用や奨学金について相談したい
- 志望国や専攻がまだ決まっていない
という場合は、早い段階で選択肢を整理しておくことで、その後の準備を進めやすくなります。
There is no Magic!!では、海外大学進学を目指す高校生・保護者向けに無料相談を実施しています。
志望校が決まっていない段階でも、現在の学年・成績・英語力・予算・興味分野をもとに、考えられる選択肢や今後の準備の進め方を整理できます。
海外大学進学を具体的に検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
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海外大学進学は家族でどう考える?保護者と話し合いたいこと
海外大学進学は、本人の希望だけで決められるものではありません。
学費や生活費、渡航後の安全面、卒業後の進路、日本の大学との比較など、家族で確認しておきたいことが多くあります。
「海外に行きたい」と伝えるだけでは、保護者は不安に感じやすいものです。
特に、費用がどれくらいかかるのか、卒業後にどのような進路があるのか、奨学金が取れなかった場合にどうするのかは、早めに話しておく必要があります。
海外大学を目指すからといって、日本の大学をすぐに選択肢から外す必要はありません。
日本の大学と海外大学を併願し、奨学金や合格状況を見ながら最終的な進学先を決める方法もあります。
たとえば、「奨学金が取れたら海外大学に進学する」「費用面が合わなければ日本の大学も検討する」「直接出願だけでなく、FoundationやPathwayも含めて探す」というように、複数の選択肢を並べて考えると、家族とも話しやすくなります。
保護者と話すときは、気持ちだけでなく、費用・安全面・卒業後・併願・準備計画をセットで整理しておくとよいでしょう。
| 話し合いたいこと | 確認したいポイント |
|---|---|
| 費用 | 学費・生活費・奨学金・家庭負担の目安。年間でいくら必要か、卒業までに何年分の費用が必要かを確認する。 |
| 安全面 | 国・都市・滞在先・大学のサポート体制。寮や留学生サポートの有無も確認する。 |
| 卒業後 | 現地就職、大学院進学、日本帰国後の就職など。学んだ分野をどう活かすかを整理する。 |
| 併願 | 日本の大学も受けるか、奨学金次第で海外進学を決めるか。リスクを減らす進め方を考える。 |
| 準備計画 | いつまでに英語スコア、出願書類、奨学金申請を進めるか。締切から逆算して確認する。 |
最初から完璧な計画を作る必要はありません。
ただ、費用や併願の考え方を早めに共有しておくと、あとから「家族の理解が得られない」「奨学金の締切に間に合わない」といった状況を避けやすくなります。


海外大学進学を具体的にイメージしてみよう
海外大学進学の全体像がわかったら、先輩の体験談や具体的な大学情報を見ながら、イメージを膨らませてみましょう。
先輩の体験談を読む
先輩たちががどのように国や大学、専攻を選んだのか、どのように準備を進めたのかを知ることで、自分に合った進学プランをイメージしやすくなります。
「奨学金を使って海外大学に進学した人」「地方出身から海外大学進学を実現した人」「ファウンデーションコースを経由して進学した人」など、気になるインタビューを探して読んでみてください。


海外大学を探す
専攻、学費、強み、卒業後の進路、出願戦略など留学に役立つ情報をまとめた大学情報を掲載しています。
「学費を抑えて進学したい」「トップ大学を狙いたい」「英語力やGPAに不安がある」「理系・STEMに強い大学を探したい」「リベラルアーツで幅広く学びたい」など、目的別の候補校もチェックしてみましょう。
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まとめ
海外大学進学には、直接進学、準備課程経由、コミュニティカレッジ編入など、さまざまな進学ルートがあります。
また、出願に必要な準備や費用、国ごとの制度や大学の特徴も大きく異なります。
そのため、「海外大学に行きたい」と思ったら、まずは全体像を把握することが大切です。
特に重要なのは、大学名やランキングだけで進路を決めるのではなく、自分の学力や英語力、予算、学びたい分野、卒業後の目標に合った選択肢を探すことです。
海外大学進学の方法は一つではありません。高1・高2から準備を進める人もいれば、高3から進路を見直して海外大学を目指す人もいます。
まずは自分に合った国や大学、進学ルートを知り、必要な準備を一つずつ進めていきましょう。
次に読む記事|各国の特徴や進学の流れを詳しく見てみよう
海外大学進学といっても、進学ルートや出願方法、必要な費用、卒業後のキャリアは国によって大きく異なります。
気になる国がある方は、以下の国別ガイドも参考にしながら、自分に合う進学先を考えてみましょう。











