監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。
目次
TOEFL iBTスピーキングの採点方法
全部で6問のスピーキングはどうやって採点されるのか?
- 各質問は一人のレーター(Rater)に0~4の点数(整数)がつけられる。
- 6問の回答は少なくとも3名のレーターに採点される。
- 3名のレーターがつけた6問の点数を合わせて平均点(0~4)を取る。
- 平均点を下記のように0~30点に換算。この換算結果は最終のスピーキングのスコアとなる。
さらに、成績表を見ると、Speaking about Familiar Topics(タスク1と2),Speaking about Campus Situations(タスク3と5),Speaking about Academic Course Content(タスク4と6)という三つの成績分析ある。
Good:3.5-4.0
Fair:2.5-3.0
Limited:1.5-2.0
Weak:0-1.0
これは、それぞれのタスクの点数の平均点によって決められる。Goodが何個ありFair何個あるなどによって、大体のスコアは推測できる。
スピーキングの採点基準
さて、レーターはどんな基準をもって0~4のレンジで点数をつけるのか?なぜテンプレートだけでは点数が伸びないのか?
ETS公式サイトで公開されているTOEFL iBTスピーキングの採点基準を見てみよう。
それぞれの基準を解説していこう。
- 発音とイントネーション
クリア、流ちょうさは一番大事。ただし、少しの発音やイントネーションのミスは許される。
つまり、はっきりした発音があれば十分、きれいなアメリカンイングリッシュやイギリスイングリッシュじゃなくて全然構わない。
自分の発音を検証する方法は簡単。iPhoneの言語を英語に変えて、Siriがあなたの言っている単語を9割聞き取れれば、発音のことでスコアを影響することはないと安心できる。
イントネーションについても、日本語と同じように自然に話せば大丈夫。
つまり日本語で「本当?」と言うときちょっとイントネーションが上がるね、「あ、そうか」という時下がるね、英語も同じ。
- 文法と単語
effective use of grammar and vocabulary。
インディペンデントタスクではベーシックな文法と単語を正しく使えれば大丈夫。
インテグレートタスクは基本内容の要約なので、複雑な文法があってもそのまま復唱すればよい。
ちょっとした間違いがあっても文の意味に影響がなければ許される。
- 構成と内容
一貫性がある。具体的な情報がある。テンプレートで解決できるのは構成だけ!
- 全体的に通じる
聞き手はあなたの回答を理解できる。最小限の間。アーとかウーとか言わない。
Independent Task (タスク1)
構成
- まず結論を出す(I think/I prefer/I agree with…)。次は理由と具体例を説明(Firstly because…+例、Secondly because…+例)。最後は一言でまとめ。
- 自然さと流暢さが大事なので、無理やりテンプレートを覚えるより、自分にとって一番言いやすい言葉、普段でよく使う言葉を使おう。口癖でも大丈夫だと思う。例えば、私はよく、「Well, personally…」で文を始めた。厳密的にpersonallyは余計な言葉だけど、無理に直さなくてもいい。
- 個人的には、理由は2点があれば十分。1点だけだと、事例を膨らませるのが大変、3点だと説明が不十分か時間内に終わらない可能性が高い。
内容
幅広いネタを集めることはいらない!さまざまな話題に通用できるいくつかのネタといくつかの理由を用意すればい良い。
自然に流れてくるまで練習しよう。ネタについては、このシリーズを参考して。理由について、例えば、便利、お金を節約できる、ストレス解消できる、など。
比較の問題(AとBどれがいい?)について、もしprefer Aを言いたいなら、Aのいいところを二つ述べるか、AのいいところとBの悪いところを違う切り口から述べる。
例えば、自炊が好きか、外食が好きかという質問で自炊がいいという話にするなら、自炊は健康的、安いという理由もいいし、自炊は健康的、外食は高いという理由もいい。
けど、自炊は安い、外食は高いというのは二つの理由として成り立たない。
時間
内容が自然に流れてくるようになったら、TOEFLのスピーキングは完全に時間感覚のテストになる。45秒という時間の把握は本当に難しい。
ここでの小さい技として、しゃべり終わってまだ数秒の時間があれば、どうでもいいセンテンスを加えること。
例えば、38秒ぐらいでしゃべり終わっちゃった!そしたら、Well this is just my opinion and other people may think differently…のようなどうでもいいことを追加する。
41秒ぐらいにしゃべり終わっちゃったら、I find it’s cool/helpful/a lot of fun!…と加えたりして、lapseを最小限にしよう。
Integrated Task(タスク2~4)
インテグレートタスクの中には、リスニングもリーディングのパートもあるので、first, also, because, but, yet, so などの言葉を必ず聞き取れようにしよう。
これらの言葉は文と文の関係性を反映するから、例え接続詞の後の内容は理解できていなくても、上下の文脈の関係が理解できたら、なんとなく内容を想像でき、自分の言葉で要約できる。
では、それぞれのタスクの構成と回答ポイントを見てみよう。
タスク2
50秒でリーディング(学校からの通知や手紙など)を読み、その内容に関する生徒同士の会話を聞く。準備時間は30秒で、60秒でリーディングと会話内容のサマリーを発表する。
学校の新しい決定、或いは学生からの提案についてAgreeかDisagreeか、どうやってまとめるか。
構成
- 一言で趣旨/総括を出す(学校はどんな決定をした、或いは学生はどんな提案をした)。The university decided to ___ / The student in the letter proposed that ___ .
- 一言で結論を言う。賛成か反対か。And/But, the man/women in the conversation agreed/disagreed with this.
- 会話中の該当学生の理由を述べる。First because ______(detail). Second because _______(detail).
- 残りの時間の余裕によってThat is his/her opinion.みたいなことを加えたりする。
ポイント
- リーディング(文章)の中に述べた理由についてはrepeatしない。提案の内容のみ述べる。
- リスニング(会話)の二人の話について、賛成/反対を表明した人の内容を話す。もう一人の内容は全く言及しなくて良い。
タスク3
50秒でリーディング(アカデミックな内容)を読み、プロフェッサーによる補足のレクチャーが行われる。準備時間は30秒で、60秒でリーディングとレクチャー内容のサマリーを発表する。
構成
- 一言でリーディングで説明したコンセプト/定義を総括。The concept/definition of ____ is _____
- リスニングの具体例を説明。Just like the example(s) from the professor.(Example) _________(40秒程度)
- 残りの時間の余裕によってSo this is how ____(コンセプトを入れる) works.みたいなことを加えたりする。
ポイント
- コンセプトはリーディングの文章からコピー。事例はリスニングからまとめる。
- リスニングはリーディングをサポート/補足/具体的に説明しているという関係性を回答の中で表す。
タスク4
プロフェッサーによるレクチャーを聞く。準備時間は20秒で、60秒でレクチャーの内容のサマリーを発表する。
構成
- 「1+2」の形で、趣旨をまとめる。There are two ____ of ____. First _____ is ______. Second _____ is _____.
- それぞれの論点は「名前+定義+事例」の形で、重要な講義内容を述べる。(ポイント一つ目) means ______, like/for example ______. (ポイント二つ目) means ______, like/for example ________
- 残りの時間の余裕によってSo that is the _____のようなことを加えたりする。
ポイント
- 事例をよくメモする。分からない単語があっても、パニックせずに発音をまねして復唱すればよい。
- 時間のコントロール。二つのポイントとそれぞれの解説・関連事例を全部説明するので、一つ目の部分に時間をかけすぎないように。
よくある質問集
TOEFLスピーキングでよくある質問を下記にまとめてみた。その他にも疑問があれば、どしどしコメントで質問してほしい!
- スピーキング練習のため、例題やトピック集があると嬉しい!
インディペンデントタスクの初心者におすすめの基本的な問題やトピックは過去問100題で攻略!TOEFLスピーキング教材を、重要な過去問は TOEFLスピーキング 出題傾向と厳選過去問を参考にしよう。
- スピーキング練習におすすめのアプリはある?
TOEFLのTPO・過去問で練習できるおすすめアプリはいくつかある。
- Magoosh TOEFL Speaking Prep
- iBTimer
- 小站托福真題(Zhan)
- TOEFLスピーキング対策のための勉強法は?
スピーキング対策法は一つではないので、高得点獲得者の勉強法を参考に自分に合ったやり方を見つけよう。
» TOEFL110点、スピーキング28点の私(純ジャパ)が教える対策と勉強法
» 純ジャパがTOEFLスピーキング24点!テンプレートより、英語力をあげる自己訓練
- 英語のスピーキング力を上げるための勉強法は?
一つおすすめのはオンライン英会話。毎日25分を1年も2年も続けてやれば、違う風景が見えてくる。
スコアレンジのところってなぜ二つに分かれているのですか?
Goodでも、もともとのRawスコアは3.5の場合と4.0の場合があるので、例え同じくGood二つとFair一つ取ったとしても、最高の場合は(4.0+4.0+3.0)/3=3.67となり、換算したら28点になる。最低の場合は(3.5+3.5+2.5)/3=3.17となり、換算したら24点になる。
GoodやFairの個数から、だいたいこの点数とこの点数の間が取れそうだよということだ。