海外大学院の奨学金一覧|返済不要の給付型・修士/博士の資金戦略

海外大学院の奨学金一覧 サムネイル
海外大学イベント情報
情報収集中
ねこ君
海外大学院へ行きたいけど、学費と生活費を合わせると何百万円もかかるよね。奨学金を調べても、自分が応募できる制度なのかよくわからないよ……。
にゃんこ先生
海外大学院の奨学金は、修士か博士か、専攻、年齢、現在の所属によって候補が変わるんだ。まずは金額より「自分が対象か」を確認しよう。
ねこ君
調べ始めたけど、財団だけで何十個もあるんだよね。全部の要項を読むなんて、正直無理だよ……。
にゃんこ先生
全部読まなくて大丈夫。年齢・課程・専攻で絞ると、候補はたいてい数個まで減る。資金源ごとの探し方と、締切からの逆算を一緒に見ていこう。

 

海外大学院の奨学金には、JASSOや国内財団、留学先政府、大学独自の支援など、複数の資金源があります。

一方で、修士だけを対象とする制度、博士・研究職向けの制度、日本の大学を通して応募する制度など、条件はさまざまです。

支給額だけを見て候補を選ぶと、年齢や専攻、応募時期、併給条件で対象外になることがあります。

この記事では、海外の大学院で学位取得を目指す日本人を対象に、返済不要の給付型奨学金と大学・政府の資金制度を整理します。

 

主要制度は同じ基準で比較し、対象が限られる制度は分野・地域別の一覧にまとめました。

海外大学院の費用を国別に把握したい方は、先に海外大学院(修士)の費用を10か国で比較した記事をご覧ください。

 

監修者:ウメンシャン

日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏への留学経験がない状態からIELTS 8.0、TOEFL 104、GRE 322を取得。コロンビア大学、ペンシルベニア大学、ニューヨーク大学、メルボルン大学教育大学院などへの合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。株式会社MAGEEEK代表として、海外大学・大学院の出願支援や進路設計に携わる。

奨学金調査について

本記事は、JASSO、各財団、留学先政府、国際機関、大学の募集要項・公式情報をもとに編集しています(2026年8月16日調査)。

2027年度の募集要項が公表されている制度は最新情報を使用し、未公表の制度は2026年度等の直近情報を参考にしています。

⚡️ 30秒でわかる!海外大学院の奨学金
  • 4つの資金源:日本の公的・民間奨学金、留学先政府、大学独自支援、TA・RA等から探す
  • 修士:国内奨学金や政府奨学金、大学の一部免除を組み合わせるケースが多い
  • 博士:学費免除と生活費が付く課程も多いが、資金の有無は大学・専攻・研究室ごとに確認する
  • 応募時期:大学の合格前に締め切る制度があるため、出発の1年半前から調べる
  • 最初の確認:支給額より、課程・年齢・専攻・居住地・所属・併給条件を見る

海外大学院の奨学金は4つの資金源から探す

海外大学院の費用を支える資金は、大きく4つに分けられます。

 

資金源主な支援相性がよい人
日本の公的制度・民間財団学費、生活費、渡航費など修士・博士。日本に居住・在籍している人を対象とする制度が多い
留学先政府・国際機関学費免除、生活費、保険、渡航費など対象国・専攻・職歴が制度の目的と合う人
大学・大学院の支援授業料免除、一部減免、給付金、博士向け生活費成績・研究実績・志望課程との相性を評価される人
TA・RA・研究職型ポスト給与、生活費、授業料免除の一部または全部博士、研究型修士、担当科目・研究に必要な能力を持つ人

 

修士と博士では資金の付き方が違う

修士課程は、学費を自己負担する課程が多く、JASSOや国内財団、留学先政府、大学の授業料減免が重要になります。

1つの制度で全費用を賄う人もいますが、学費と生活費を別の資金で補うケースもあります。

 

博士課程では、大学や研究プロジェクトから学費と生活費が支給される課程が増えます。

たとえばプリンストン大学は、通常在籍期間中の博士学生へ学費と生活費を含む資金を保証しています。

一方、同大学の修士課程の資金は学科ごとに扱いが異なり、大学院からの一律の支援は行っていません。

 

また、ハーバード大学公衆衛生大学院は、給付金や奨学金の数が限られ、学生の必要額をすべて満たすものではないと案内しています。

博士の「フルファンディング」で確認すること
  • 学費:全額免除か、一部自己負担が残るか
  • 生活費:年額・月額と、夏季を含む支給月数
  • その他:大学諸費用、医療保険、渡航費、ビザ費用を含むか
  • 条件:支給年数、更新条件、TA・RA等の業務、学外就労の制限

フルファンディングと書かれていても、保険や渡航費まで含むとは限りません。合格通知と資金提示書で、支給額・期間・条件を確認してください。

「博士なら必ず全額支給」「有名大学なら修士にも奨学金が多い」と一括りにせず、志望課程が公表する資金条件を確認することが大切です。

博士の資金が、大学の奨学金、教員の研究費、TA・RAの給与のどこから出るかによって、支給期間や業務も変わります。

アメリカの仕組みは、アメリカ大学院のTA・RAと学費免除で詳しく解説しています。

 

ねこ君
「博士はタダで行ける」って聞いてたのに、大学と研究室しだいなんだ……。合格通知が来てからが本番なんだね。

 

日本から応募できる給付型奨学金を比較

まず検討したいのが、日本の公的制度と民間財団です。

次の表には、幅広い専攻から応募できる制度と、支援額が大きい代表的な制度をまとめました。

MBAや専門職学位、1年制修士の扱いは制度によって異なるため、「修士」という表記だけで判断せず、課程の条件まで確認してください。

 

制度主な対象・重要条件支援内容・採用規模
JASSO大学院学位取得型海外の正規の修士・博士学位課程。修士35歳未満、博士40歳未満で、GPA・語学要件あり。原則として在籍・卒業大学を通して応募月17.7万~38.8万円。理系博士の特別枠は月22.7万~83.3万円
2026年度:683人応募・175人採用
伊藤国際教育交流財団海外の正規修士課程。修博一貫は初年度から進む人の最初の2年間。4月1日時点で29歳以下が望ましく、30歳以上は理由書が必要。日本在住者が対象で、勤務継続・復職予定者や外部奨学金受給者は原則対象外生活費月1,500~2,100米ドル相当、学費年最大390万円、往復旅費の実費。原則2年
2027年度:10人程度/6月29日~8月26日
平和中島財団海外大学院の修士・博士。国・分野・年齢の指定なし。応募時に日本国内へ居住し、TOEFL iBT 90、IELTS 7.0等の語学条件を満たす人月30万円+往復渡航費。最長2年
直近要項:20人
本庄国際奨学財団海外で個別の研究テーマに取り組む修士・博士。入学時に修士30歳以下、博士35歳以下。コースワーク中心のMBAは原則対象外支給期間に応じ、月1,875~2,500米ドル
2025年度:291人応募・4人採用
中島記念国際交流財団情報科学、生命科学、経営科学の修士・博士。30歳以下、日本在住。大学の授業料免除を除き、同種の外部奨学金は併給不可月40万円、学費年最大300万円、支度金50万円、帰国航空運賃
10人程度
しのはら財団2027年度に米国・英国・カナダ(英語課程)の学士・修士・博士、LLM、MD、MBA等へ1年次入学。1995年4月2日以降生まれ、世帯所得1,600万円未満年最大500万円、最長4年
2026年7月1日~9月18日
CWAJ海外留学大学院女子奨学金英語で学ぶ海外大学院へ進む日本人女性。所定時期まで日本に居住していること。MBAの採用実績もあり350万円
2026年度:2人
重田教育財団海外大学・大学院の入学許可を得た人。支援開始時点で2学年以上残ることが必要なため、1年制修士は対象外年2.2万米ドル、2年間
5人

※金額・人数は2027年度または調査時点で公表されている直近の募集要項・採用実績に基づきます。応募者数が公表されていない制度も多いため、採用人数だけで難易度を判断せず、対象課程や応募条件もご確認ください。

主要制度の締切目安:本庄国際奨学財団は2026年4月30日、伊藤国際教育交流財団は8月26日、しのはら財団は9月18日、CWAJは10月5日。JASSO大学院学位取得型は例年9月頃に要項が公開され、10月中旬に締め切られます。

大学経由で応募する制度には、公式締切より早い学内締切があります。必ず応募年度の要項と所属大学の案内をご確認ください。

 

MBAは修士向け制度とMBA対象制度の両方から探す

MBAを募集対象として明記している国内制度は限られますが、しのはら財団だけが選択肢というわけではありません。

MBAで検討したい国内奨学金
  • しのはら財団:最新募集でMBAを対象に明記。米国・英国・カナダ(英語課程)へ1年次から進む人が対象
  • CWAJ:日本人女性が対象。2025年度のDuke Fuqua、2026年度のStanford MSxなど、MBA系課程の採用実績あり
  • JASSO:正規の修士学位課程として課程・年齢・GPA・語学条件を満たすMBAは応募対象になり得る
  • 伊藤国際教育交流財団:海外の正規修士課程が対象。MBAなどの専門職課程は、応募年度の要項と財団への確認が必要

本庄国際奨学財団のように、修士課程を対象としていても、コースワーク中心のMBAを原則対象外とする制度があります。

MBAを検討する場合は、制度名や「修士対象」という表記に加えて、専門職学位、コースワーク型課程、1年制課程が対象に含まれるかまで確認してください。

日本の制度に加え、留学先政府やビジネススクールが提供するMBA奨学金も並行して探します。

 

にゃんこ先生
「修士対象」の財団に問い合わせたら、MBAは対象外だった——という相談は本当に多いんだ。課程名より先に、応募資格の1行を見てほしい。

 

表の制度に当てはまらなくても、専攻、勤務先、在籍大学、留学地域を限定した奨学金があります。

次の一覧は、条件が合う人にとって支援額の大きい制度を中心に整理しています。

研究・理系分野を中心とした奨学金を見る
制度主な対象主な支援応募経路・注意点
船井情報科学振興財団情報・理工・生命・医療・経済・経営分野の博士生活費年3.6万米ドル程度、学費年最大1.4万米ドル、保険等。15人程度博士専用。他の奨学金は財団の承認が必要
リクルートスカラシップ対象大学・指定された理系分野。24歳以下学費実費と定額生活費等を制度上限内で給付。5人程度対象校・分野の確認が必要。学術等の顕著な実績を重視
吉田育英会 日本人派遣留学プログラム博士、博士研究員、特定の医療・公衆衛生専門職学位月2,500米ドル、学費・研究費合計250万円以内の実費、渡航費等。5人程度35歳未満、日本の大学に在籍。一般的な修士課程は対象外
経団連国際教育交流財団指定された日本の大学院に在籍する研究者志望者年500万円、1~2年。2人応募から留学まで指定大学院に在籍。所属大学の要件を確認
竹中育英会指定6大学の修士・博士在籍者学費・研究費年最大250万円、生活費・渡航費年最大250万円大学推薦。修士27歳以下、博士30歳以下
村田海外留学奨学会法学、経済学、理学、工学。修士・博士等授業料年2.6万米ドル、生活費年2.4万米ドル、支度金等。2~4人修士在籍者は25歳以下。課程・所属による年齢条件あり
地域・職歴・研究テーマが合えば検討したい制度を見る
制度向いている人主な支援・注意点
松下幸之助記念志財団アジア・アフリカ・中南米を対象に、人文・社会科学の研究を行う日本と関係のある人月20万円、往復渡航費。一般的な学位留学全般を対象とする制度ではない
INPEX教育交流財団インドネシア、オーストラリア、UAEなど、募集対象国と研究分野が合う人募集区分ごとに対象国・大学・支援内容が異なる
日本/世界銀行共同大学院奨学金開発分野で学ぶ日本人の中堅実務家。学士取得後3年以上の有給実務経験がある人学費、保険、渡航費、生活費等を最長2年。MBA、法学、医学、オンライン等は対象外
Japan-IMFスカラシップIMFでのキャリアを目指し、マクロ経済学等の博士号を取得する日本人2年間の学費、保険、生活費、渡航費、インターン等。年7人程度
ロータリー平和フェローシップ平和・開発分野で3年以上の関連実務経験を持つ人指定修士課程の学費、諸費用、住居・食費、渡航費、実地研修等。世界で最大50人
BCJA英国留学奨学金英国で3か月以上、研究・学習・芸術活動を行う日本在住者一律15万円、5人程度。全費用を賄う制度ではなく補助的な支援
日本スコットランド交流協会スコットランドの修士課程へ進む人一律20万円。協会奨学金とトンボ学生服奨学金の2制度があり、2026年度は各2人・計4人
髙橋&ハワット記念奨学金スコットランドの修士・博士課程へ進む人一律30万円、1~2人

国内の自治体・財団を含む候補をさらに探す場合は、JASSOの海外留学奨学金検索も活用できます。

約200件の制度から、課程、国・地域、専攻などで絞り込めます。

 

ねこ君
月40万円の中島記念は魅力だけど、本庄は291人応募で採用4人……。数字を見ると正直ひるむよ。
にゃんこ先生
だから1つには賭けない。締切の違う制度を2〜3個並行して出して、落ちても大学の減免やJASSOで巻き返す。これが現実的な戦い方だよ。

 

留学先政府・大学の奨学金と資金制度

日本国内の制度と並行して、留学先政府や大学が提供する支援も調べます。

政府奨学金、大学全体の奨学金、研究科独自の支援では、対象課程や応募方法が異なります。代表的な制度を整理すると、次のようになります。

 

国・地域代表的な制度対象と主な支援
アメリカ大学のフェローシップ、授業料支援、TA・RA、フルブライト博士は大学・学科による資金付き合格が中心。修士・MBAでは、大学独自の成績・実績型奨学金や経済状況型奨学金、外部奨学金を組み合わせる
イギリスチーヴニングクラレンドン奨学金、UKRIチーヴニングは1年制の対面・全日制修士が中心で、MBAの授業料支援は2.2万ポンドが上限。クラレンドンはMBAを含む対象修士・博士の学費全額と生活費を支援
EUエラスムス・ムンドゥス共同修士指定された共同修士課程が対象。奨学生から授業料・参加必須費用は徴収されず、渡航・ビザ・移転・生活費を含む一括支援として月1,400ユーロを支給
ドイツDAAD修士奨学金修士・大学院課程が対象。月992ユーロ、保険、渡航費、学修手当等を支援。大学が徴収する授業料は原則として別に用意する
オーストラリアResearch Training Program(RTP)、大学独自奨学金RTPは研究修士・博士が対象。MBAなどの講義型課程では、大学独自の成績・実績型奨学金が中心
韓国Global Korea Scholarship(GKS)修士・博士の学費、渡航費、語学研修、生活費等を支援。年齢、成績、韓国語研修などの条件あり
カナダ大学・研究科の入学時奨学金、CGRS D修士・MBAは大学独自支援、博士は大学資金やCGRS Dなどを確認。CGRS Dは、日本から入学前に応募する一般的な制度としては使いにくい

 

大学独自の奨学金は3つの応募方法に分かれる

大学公式サイトでは、学費のページだけでなく、奨学金がどのように審査されるかを確認します。

大学によって掲載場所が異なるため、「Funding」の1ページですべてを把握しようとせず、次の3つに分けて探すと整理しやすくなります。

 

応募方法仕組み確認する場所
大学出願で自動審査大学院へ出願すると、成績、職歴、試験スコア、リーダーシップなどから奨学金も審査される入試・学費・奨学金ページ、合格通知
奨学金へ別途申請大学出願後に、奨学金申請書、追加エッセイ、収入資料などを提出する奨学金検索、申請者用ポータル、研究科ページ
合格後に経済状況を申告本人や家族の収入・資産、過去の給与などから必要額を審査するFinancial Aidページ、合格者向け案内

 

たとえば、Indiana University KelleyやUniversity of Toronto RotmanのMBA奨学金は、原則として大学出願時に自動審査されます。

INSEADでは、MBA出願後に奨学金申請画面が開き、対象となる制度を選んで別途申請します。

Harvard Business SchoolやStanford GSBの大学奨学金は、合格後に収入・資産資料を提出し、経済的な必要性をもとに審査されます。

 

TA・RAは、主に研究型修士や博士で利用される仕組みです。

大学独自奨学金とは分けて考え、採用や給与が大学から正式に提示されるまでは、確定した資金に含めない方が安全です。

 

ねこ君
出願だけで審査される大学と、別の申請書がいる大学があるのか。願書を出して安心してたら、申請画面に気づかないところだったよ……。

 

MBAはGMAT・GREと出願時期が奨学金に影響する

MBAでは、GMAT・GREの高得点が大学の成績・実績型奨学金の審査材料になることがあります。

一方、一定のスコアを取れば自動的に授業料が免除される共通ルールはありません。試験スコアを重視する大学と、経済状況をもとに支援額を決める大学があります。

 

大学・ビジネススクール奨学金の考え方GMAT・GREとの関係
Indiana University Kelley大学出願時に自動審査。通常は年1.5万~3.5万米ドル、特に優秀な候補には授業料全額支援ありGMAT・GREを、成績、職歴、出願書類とともに審査材料として明記
Harvard Business School
Stanford GSB
留学生を含め、本人の収入・資産などから経済的な必要額を審査高いGMAT・GREスコアによって大学奨学金の給付額が増える仕組みではない
University of Toronto Rotman大学出願時に自動審査。約3分の1の学生が、1万~9万カナダドルの入学時奨学金を受給学業、職歴、リーダーシップなどを含む出願者全体の評価で決定
Melbourne Business SchoolフルタイムMBAの成績・実績型奨学金は一部支援が中心。留学生向けの授業料全額奨学金も別制度として公表奨学金審査を希望するフルタイムMBA出願者には、有効なGMAT・GREスコアを求める

GMAT・GREを受けるか迷う場合は、入学条件だけで判断せず、奨学金の審査条件も確認してください。

試験免除で出願できる大学でも、強いスコアを提出することで成績・実績型奨学金の審査に役立つ場合があります。反対に、経済状況型の奨学金では、スコアより収入・資産資料の準備が重要です。

また、大学の奨学金予算には限りがあります。自動審査の大学でも、遅い出願ラウンドでは支援枠が少なくなる可能性があるため、奨学金を重視する人は早いラウンドを検討しましょう。

 

ねこ君
スコアさえ取れば学費免除、という噂を信じかけてたよ……。HBSみたいに、スコアが給付額に関係ない大学もあるんだね。
にゃんこ先生
逆に、試験免除で出願できる大学なのに、奨学金を狙ってあえてGMATを受ける人もいる。何のためにスコアを取るのか、先に決めておきたいね。

 

応募できる奨学金を絞り、大学院出願と同時に準備する

大学院の出願準備に集中し、合格してから奨学金を探すと、国内財団や大学奨学金の締切がすでに終わっていることがあります。

志望国や専攻を考え始めた段階で、大学院の出願締切と奨学金の締切を一つの表にまとめてください。

研究計画、推薦状、英語スコア、GMAT・GRE、志望理由など、大学院出願と奨学金で共通する準備も多くあります。

 

最初に4つの条件で対象制度を絞る

支援額の大きい順に制度を見るより、対象外となる条件を先に確認した方が効率的です。

確認すること見る内容注意する例
課程・応募時の立場修士・博士、講義型・研究型、MBA等の専門職学位、日本居住・海外在住、合格前・在学中1年制修士、MBA、海外在住者、在学者は対象外など
本人の条件年齢、専攻、成績、英語力、実務経験、世帯所得30歳以下、特定分野、実務経験3年以上など
締切・応募経路大学合格前・合格後、個人応募・大学推薦、大学出願との締切差合格後に探し始めると、国内財団の募集が終了している
併給・勤務条件他の奨学金、大学の学費免除、勤務先支援、休職・復職との両立外部奨学金との併給不可、復職予定者は対象外など

 

応募できる制度を残したら、志望課程の費用と支援額を重ねます。

奨学金ごとに計算する自己負担額

自己負担額=修了までの学費・必須費用+生活費+渡航・ビザ等-確定した給付額

学費を全額支援する制度でも、住居費、保険、渡航費が残る場合があります。

生活費が支給されても、入学前の学費デポジット、航空券、最初の住居費は先に支払うことがあります。

併給可能な制度でも、他制度の支援額に応じて給付額が調整されることがあります。

複数制度へ応募できるかと、採用後に同時受給できるかを分けて確認してください。

 

予算は、奨学金が採用された場合と、採用されなかった場合の2通りを作ります。

後者では、費用の低い国・大学、日本の大学院も候補に残しておくと、結果が出た後に進路を選びやすくなります。

 

にゃんこ先生
自己負担額まで計算すると、学費が高い大学の方が奨学金込みでは安くなる逆転も普通にある。表の学費だけで候補を消すのはまだ早いんだ。

 

大学院出願と奨学金を一つの予定表で管理する

出発までの時期奨学金の準備大学院出願の準備
1年半~1年前対象制度を洗い出し、締切・応募経路・併給条件を一覧化する専攻・国・課程を絞り、英語試験と必要に応じてGRE・GMATを進める
1年前~9か月前国内財団・政府制度の研究計画、志望理由、推薦状を準備する志望校を決め、授業、研究環境、指導教員を調べる
9~6か月前奨学金面接、追加書類、大学独自支援へ応募する大学へ出願。博士は教員との研究上の相性と資金条件も確認する
合格後支給範囲、併給、報告義務、受給証明の発行時期を確認する複数校の学費、生活費、大学から提示された支援を同じ条件で比較する

 

選考では制度の目的に合わせて伝える

選考基準は、財団、政府、大学、研究室によって変わります。

選考する主体主に示したいこと書類でつなぐ内容
日本の財団財団の目的と本人の将来像が重なることこれまでの経験→留学が必要な理由→帰国後・将来の還元
政府・国際機関対象分野での実績と、公的な課題への貢献問題意識→学位で得る専門性→制度が目指す社会への貢献
大学・研究科学業・研究を遂行でき、課程へ貢献できることこれまでの学修・職歴→志望課程の資源→大学で取り組むこと
教員・研究室研究テーマ、方法、技能がプロジェクトと合うこと先行研究→研究上の問い→方法・技能→教員との適合

 

経験談|フルブライトの締切から逆算して準備

ハーバード大学公衆衛生大学院で学んだすみっこさんは、大学院出願と並行してフルブライト奨学金にも応募しました。

推薦状を依頼したい人には、受験の約1年前から連絡。フルブライトの締切に合わせ、出願年の5月末には簡単な研究計画、7月末には具体的なエッセイを提出できるように進めています。

書類の土台にしたのは、なぜこの大学院で学ぶのか、大学院で何をしたいのか、修了後に何をするのかという3つでした。

奨学金と大学院で設問は変わっても、本人の経験、問題意識、留学後の方向性は共通します。推薦者との関係づくりまで考えると、出願直前だけで準備するのは難しいことがわかります。

推薦状の依頼方法は海外大学・大学院の推薦状ガイド、大学院へ提出する文章はStatement of Purposeの書き方も参考にしてください。

 

ねこ君
奨学金、英語試験、研究計画、大学出願で締切が別々だと、自分だけで全体を管理するのは大変そうだな……。
にゃんこ先生
だから出願校を決める前から、費用と奨学金も一緒に設計するんだ。There is no Magic!!では、専攻・大学選びから英語試験、書類、奨学金まで一つの計画として整理しているよ。
複数メンターが伴走 奨学金獲得実績多数

大学選び・出願準備・奨学金対策まで。 海外進学を一気通貫でサポートします

成績・志望・予算に合わせて、最適な進学プランを一緒に考えサポートします。

\ まだ具体的に決まってなくても大丈夫 /

無料カウンセリングに申し込む

 

海外大学院の奨学金でよくある質問

海外大学院の奨学金はいつから探せばよいですか?

目安は出発の1年半前です。国内財団や政府奨学金には、大学院の合格前に締め切る制度があります。

応募に英語スコア、研究計画、推薦状が必要な場合もあるため、制度探しと出願準備を同時に始めましょう。

 

大学院に合格する前でも応募できますか?

制度によって異なります。JASSOや国内財団には入学許可前に応募できる制度があり、合格後の証明提出を条件とします。

一方、本庄国際奨学財団のように、入学許可を得た人や在籍者を対象とする制度もあります。募集要項の「応募時点」と「支給開始時点」を分けて確認してください。

 

GPAが高くなくても奨学金を取れますか?

最低GPAを定める制度では、基準を満たす必要があります。基準を設けていない財団でも、成績は学修・研究を継続できるかを判断する材料になります。

そのうえで、実務経験、研究実績、社会課題への取り組み、将来計画を重視する制度もあります。成績だけで候補を諦めず、自分の経験と制度の目的が合う応募先を探しましょう。

 

修士でも学費と生活費を全額支援してもらえますか?

JASSO、チーヴニング、エラスムス・ムンドゥスなど、支援範囲の広い制度があります。伊藤国際教育交流財団も生活費・学費・往復旅費を支援しますが、それぞれ上限があります。

大学・課程・本人の条件によって対象が限られ、採用枠も多くありません。

全額支援だけに絞らず、費用の低い課程、大学の一部免除、国内財団を組み合わせた場合の自己負担額も比較してください。

 

MBAでも奨学金を利用できますか?

利用できます。しのはら財団はMBAを対象に明記しており、CWAJにもMBA進学者の採用実績があります。条件を満たす正規修士課程であれば、JASSOなどへ応募できる可能性もあります。

大学独自の成績・実績型奨学金や、英国のチーヴニング、オックスフォード大学のクラレンドン奨学金なども候補です。

一方、コースワーク中心のMBAを対象外とする国内財団もあります。課程名だけで判断せず、MBA、専門職学位、1年制課程の扱いを確認してください。

 

GMAT・GREが高いとMBAの授業料を免除してもらえますか?

大学によっては、GMAT・GREのスコアが成績・実績型奨学金の審査材料になります。

成績、職歴、リーダーシップ、面接、出願書類を含む総合評価で決まるため、特定のスコアだけで授業料免除が保証されるとは限りません。

Harvard Business SchoolやStanford GSBのように、経済状況をもとに大学奨学金を決める学校もあります。志望校の奨学金が成績・実績型か、経済状況型かを先に確認しましょう。

 

奨学金に落ちた場合、貸与型や教育ローンを使うべきですか?

返済額が将来の収入に対して無理のない範囲か、慎重に判断します。数百万円から1,000万円を超える借入を、未確定の海外就職や年収上昇だけで正当化するのは危険です。

給付型が不採用だった場合は、費用の低い国・大学、日本の大学院、翌年度の再応募も含めて比較します。貸与型は、返済可能性を確認したうえで不足額の一部を補う選択肢として検討しましょう。

 

社会人・既卒でも海外大学院の奨学金へ応募できますか?

応募できる制度があります。しのはら財団、フルブライト、チーヴニング、CWAJなどは、条件を満たす社会人・既卒者も候補になります。

一方、年齢、日本での居住、現在の勤務・復職予定、実務経験、日本の大学への在籍など、制度ごとに条件が異なります。特に伊藤国際教育交流財団は、勤務を続けたままの留学や現職への復職予定者を原則対象外としているため、社会人は勤務条件まで確認してください。

 

柳井正財団やトビタテは海外大学院進学に使えますか?

柳井正財団の海外奨学金プログラムは、海外大学の学士号取得を目指す人が対象で、修士・博士課程は対象外です。

トビタテ!留学JAPANの大学生等対象は、日本の大学・大学院に在籍したまま行う留学や実践活動を支援する制度です。海外大学院へ進学して学位を取得する費用には利用できません。

 

終わりに:奨学金は大学院選びと一緒に考える

海外大学院の奨学金は、制度名を多く知ることより、自分が応募できる制度を見つけ、大学院の費用と締切に重ねることが重要です。

まずは、希望する課程が修士か博士か、講義型か研究型かを決めます。

次に、日本の制度、留学先政府、大学・研究科の支援を調べ、併給後の自己負担額を計算してください。

今すぐ志望校を1校に絞る必要はありません。奨学金が採用された場合、採用されなかった場合の両方で修了まで払える候補を残しておけば、費用を理由に進学の可能性を早く閉じずに済みます。

 

ねこ君
何百万円という数字に圧倒されてたけど、「応募できる制度に絞って締切に間に合わせる」。やることは意外とシンプルなんだね!
にゃんこ先生
お金の課題は、半分は情報の課題なんだ。締切に間に合ううちに動き出せば、選択肢はまだたくさん残っているよ。

 

次に読みたい記事

海外の大学院に行くには?
進学のメリット、修士・博士の違い、出願準備の全体像を整理します。

海外大学院(修士)の費用を10か国で比較
国別の学費・生活費と、修了までの総額を確認できます。

アメリカ大学院の費用
大学が公表する総費用と、一般修士・MBA・博士のお金の違いを解説します。

イギリス大学院の費用
1年制修士の学費・生活費と、修了までの資金計画を整理します。

海外MBAの費用
一般修士とは異なるMBAの学費、機会費用、資金調達を比較します。

 

ねこ君
読んでくれてありがとう!!FacebookXのフォローもよろしくね!
にゃんこ先生
質問、要望、ツッコミ、おすすめ勉強法、なんでも遠慮せずにコメントしてね。
にゃんこ先生
海外の大学・大学院進学に役に立つメールマガジンに登録しよう!おすすめ記事やイベント情報をいち早くお知らせするよ。

コメントを残す

名前、メールアドレスの入力は任意です。メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です