海外の大学院に留学するために避けて通れないのがTOEFL iBTテストだ。難しいと言われるテストだが、海外経験が無くても100点突破は可能だ。
実際、著者は帰国子女ではなく、留学経験も無かったが、TOEFL iBTでスコア101点を叩き出し、1年間オーストラリアに大学留学することができた。
今回は著者自身の経験を通して、TOEFL iBT勉強法と留学生活について解説していく。
この記事の著者 : Akira
海外経験無しで大学学部在学中にTOEFL iBT101点を取得後、交換留学にてオーストラリアの大学に1年間留学。TOEFLテストや留学に関する記事で読者の皆様の役に立てるように頑張ります。
目次
私はこうやってTOEFL iBT100点を攻略しました!
TOEFL iBTとは?
TOEFL iBTはアメリカやオーストラリア等の英語圏の国の大学/大学院留学を目指す人や日本の大学院入試で必要とされることのあるテストである。
リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4セクションで構成されており、各パートの配点が30点、合計して120点満点で採点される。
試験は最寄りのTOEFLテストセンターで開催され、紙ベースではなくパソコンを使用して受験を行う。
この試験の特徴は試験時間が約3時間半程度と長いこと、そして、日本人には馴染みの薄いライティングとスピーキングの試験が存在することだ。
各セクションでの目標得点
はっきり言って、WritingとSpeakingで高得点を取ることは非常に労力を必要とする。
その費用対効果の薄さゆえ、著者はReadingとListeningで高得点を取り、WritingとSpeakingは「そこそこ」の点数を目指す作戦で試験に挑んだ。
海外の大学や大学院は、留学志願者に対してTOEFLの総得点だけではなく、各セクションにも自らが設定した最低スコアを求めているケースが多い。
著者が応募した大学も然りであったため、難易度の高いWritingとSpeakingでは最低ラインを少し上回るが決して高得点では無い「そこそこの」点数である25点を目指した。
対して、ReadingとListeningは満点の30点を目指して勉強すべきだ。対策によって点数を上げやすいため、この2つのパートを重点的に対策することが総合点アップへと繋がる。
著者の目標点数
Reading | Listening | Speaking | Writing |
30 | 30 | 25 | 25 |
TOEFL iBT勉強法
対策に欠かせない参考書
TOEFLの勉強を始める時に必ず持っておきたい1冊。TOEFL試験の実施団体ETSが公式にガイドとして認めている本だ。
Reading、Listening、Writing、Speakingの4セクションの対策問題が豊富であり、試験に出る確率の高い単語を習得することができる。
本試験と同形式のテストを手持ちのパソコンで解くためのCD-ROMも収録されているので、TOEFL iBT試験の経験を積むことができる。
このテストは難易度も本試験に近いので、チャレンジしようとしている敵の強さを肌で感じ取ることもできる。
著者はこのテストを解いてみて、思ったよりも敵が手強いことに気づかされて危機感を持って勉強することができた。
リーディング対策
リーディングはとにかく単語が難しい。TOEFLの試験自体、英語圏の大学での授業に付いてこられそうかを判断するために作られたテストであるので、アカデミックな分野からの専門用語がバンバン出てくる。
例えば、皆さんは“limestone”という単語をご存知だろうか。これは石灰石という意味なのだが、こういうマニアックな単語が出てくるのがTOEFLの恐ろしいところだ。
経験から言うと、知らない単語の意味は文脈から推測できることもあるが、単語を知っておいて損はない。時間が足りなくても余ることは少ないReadingセクションで、語彙力は大いに助けになってくれる。
紹介する「TOEFLテスト英単語3800」という本は、頻出単語のうち、難易度の低いものから高いものまでカバーしてくれているので、公式問題集と合わせて持っておきたい。
Reading問題では長文が複数出題され、それに関連した問題を解く。文章は決まって長文で、問題数も多いので時間に余裕がなくなることが多い。
そこで長文読解のスピードを上げる訓練が必要となる。まずは長文問題をたくさん解いて慣れることが大事だ。
このとき、長文は文字数が本試験に出題されるものと同程度のものを選び、回答時間も本番を想定して取り組むことを意識しよう。
長文の問題をどこから用意すればいいのか分からない人には、トフルゼミナールの「集中攻略リーディング」をオススメする。
問題数が多く、長文の演習問題に困ることはなくなるだろう。解説も丁寧で、長文読解の考え方を理解するのに役立つはずだ。
リスニング対策
ListeningセクションでもReadingと同様に単語力が重要となる。ヘッドホンから流れてくる音声はスピードが早く、使われている単語は難解だ。
1文の中に分からない単語が複数あるようでは、話されている内容の理解が難しくなる。ボキャブラリーはReading対策の箇所で紹介した本を使って増やしていこう。
また、このパートでも「慣れ」が大切だ。すでに書いたように、とにかく音声スピードが早いのでこの速度感に慣れるために、「TOEFLテスト集中攻略リスニング」を使って英語のシャワーを浴びまくろう。
ライティング対策
TOEFLライティングは2つの問題から構成されている。
1つ目は、音声を聞いた後にそれに関連した文章を読んで、それぞれの主張を文章にまとめるパートだ。
もう1つは、ある主張(例えば、「20年後、世界中の車の台数は現在よりも増えているだろう」)に関して、賛成か反対かの立場を明確にしてその理由を書く問題だ。
いずれもパソコンでのタイピングで回答を行う。
TOEFLライティングの採点基準は、語彙力や文章の論理構成、文字数である。
他にも採点基準はあるが、筆者の場合、論理構成が良く、文字数が多い時に高点数を取れる傾向があったので、この2点を強化する方針にした。
TOEFLを勉強し始めた人にとっては、論理構成の良し悪しを客観的に判断するのは難しいだろう。書いた文書を英語が得意な人(ネイティブが理想)に見てもらって、添削をしてもらおう。
制限時間内に文字数を稼ぐコツは、あらかじめテンプレートを用意しておくことだ。
問題は変わっても回答の文章構成は変えなくても良いことが多いため、決まった文章パターンを覚えておくことでスラスラと回答作成ができる。
スピーキング対策
TOEFLスピーキングセクションでは、マイクに向かって問題に答えていく。
出題形式は、ListeningやReadingを行った後にその内容を要約するものと、ある主張や文章に対して自らの考えを喋るパターンの2種類に大別される。
前者の問題では、ReadingやListeningで内容理解ができなければそもそも回答ができなくなってしまう。先に述べた方法できっちりとReading、Listening対策を行っっておこう。
これらの対策が十分にできていると仮定したときに、追加で必要となるのは語彙力と回答テンプレート作成だ。
語彙力は対策時間に対して、得点の上昇が緩やかであるため著者自身は対策を行わなかった。
一方で、回答の際に使用する雛形作りは十分に作り込んでおくべきだ。
短時間(約1分)でたくさん喋ることが重要なSpeakingでは、言葉に詰まってしまって回答文字数が少なくなることは避けたい。
汎用的なテンプレートを用意して、スラスラと話せるようにしておこう。
著者の試験結果
Readingは目標としていた満点を獲得。その他のセクションでは目標点数には届かなかった。
しかし、ReadingとListeningで高得点を目指し、その他のセクションでは必要最低限の少し上を狙うという戦略が功を奏して、総合得点で101点を獲得してオーストラリアの大学への留学必要要件を満たすことができた。
著者の最終成績(留学前)
Reading | Listening | Writing | Speaking |
30 | 26 | 23 | 22 |
楽しい留学生活
- 意気揚々と留学!しかし、英語がわからない…!?
英語を読むのは自信があるし、TOEFLで散々ListeningとSpeakingを勉強したのだから現地の人たちとのコミュニケーションは何とかなるだろう。
そう思っていた著者は、留学早々英語の壁にぶち当たった。話し言葉は試験の英語よりも早いし、話すときにはテンポのいい返答が出来ない。留学生活のスタートは不安から始まった。
- TOEFL iBTは木の陰。木自体ではない。
TOEFLで100点を超えたからといって現地で英語が通じるわけではない。
このことは、1本の木とその下に出来る陰に例えると分かり易い。現地での生活に必要な英語力が木だとしたら、TOEFLはその陰である。陰は木をいくばくか表すものではあるが、そのものを表現してはいない。
TOEFLの点数も然り。TOEFL力と現地で通用する英語力を身につけていることは絶対的にイコールではない。
- とはいっても…?
誤解して欲しくないのは、TOEFLの勉強は無駄ではないということだ。勉強中に身につけた単語や文章作成能力は、現地大学のレポートや授業の聞き取りで役に立った。
Speakingセクションでよく使ったフレーズは現地の人たちとの会話でも通用した。TOEFLすなわち英語力ではないかもしれないが、一生懸命勉強すれば役に立つものであることは忘れて欲しくない。
- 楽しい留学生活!
3ヶ月、半年と時が経つにつれて英語にも慣れてきた。現地の学生たちとも仲良くなり、週末には友人宅のパーティーに誘われて朝まで飲み過ぎてしまうことも。
平日は大学の授業や課題で大忙しだったが、夢だった留学先で勉強できていることが嬉しくて辛くはなかった。むしろ毎日が充実している感覚。これは自分の大学生活全体を振り返ってみても、1番2番を争うものだった。
これを読んでいる人たちの中に留学を考えている人がいて、TOEFLの点数で伸び悩んでいる人がいるなら是非諦めないで前向きに頑張ってほしい。頑張った先の留学はきっと最高の思い出になると思う。