




瞬間英作文は、英語上達完全マップで有名な森沢洋介氏が考案した英語の勉強法で、そのとっつきの良さと「ぺらぺらになる」という謳い文句の元、英語学習者の中で根強い人気を誇る教材だ。
今日は、瞬間英作文でできるようになること、できないことを徹底的に議論しよう。
著者について:RYO
こんにちは!There is no Magic!!の運営者のRyoです。英語嫌い、海外生活ゼロ、純ジャパと3拍子揃った僕でしたが、試行錯誤と涙の結果、アメリカMBA留学を達成し、卒業後はアメリカで働いています。皆さんに最高のリソースと勉強法を届けるためにこのサイトを作りました!
英語学習や留学準備に役立つYouTubeチャンネル始めました!!チャンネル登録よろしくお願いします!
このブログが動画になりました!ご視聴よろしくお願いいたします!
目次
瞬間英作文トレーニングとは?


「瞬間英作文」とは、中学で習うレベルの文型で簡単な英語をスピーディに、大量に声に出して作るというものです。文型ごとに中1・中2・中3のレベルに分けて付属のCDと一緒にトレーニングしていきます。
簡単な英文さえ反射的には口から出てこない、相手の話す英語は大体わかるのに自分が話すほうはからきしダメ、という行き詰まりを打破するのにとても効果的なトレーニング方法です。このトレーニングを続けることで、頭の中に英語回路が出来上がり、学校で習った「知っている英語」が「使える英語」として生まれ変わります。
話せるようになるための確実なトレーニングとして、数々のブックレビューやネット上のクチコミがその効果を証明しているベストセラー!
瞬間英作文をやってみた!
私はかつて瞬間英作文に数百時間を費やし、「どんどん」「スラスラ」を10週ぐらいコツコツやってみた経験がある。将来英語が話せるようになることを夢みて。

結果はどうだっただろうか?
もちろん、英語は全く話せるようにはならなかった。3-4ヶ月は毎日1−2時間のトレーニングを行なったが、ペラペラになるどころかTOEICの点数すら横ばいだ。
そこで挫折し、英語学習とはほとんどの無縁の生活を数年送る事になる。
それから約10年後、私は海外MBA留学を目指し、英語力ほぼゼロから英語学習を本格化させ留学を達成、現在はアメリカで働いている。
完璧とはほぼ遠いが、英語でコミュニケーションを取るレベルにはここ数年で達成することができた。
瞬間英作文に英語ペラペラの夢を見ていた大学生の自分に、今回の記事を送りたい。
瞬間英作文の例文と使い方
どんどんより、瞬間英作文で行う練習の例文を抜き出してきた。
瞬間英作文は、簡単にいうと日本語を英文にすることで、左のページにある日本語をひたすら英語にして話すというトレーニングのやり方だ。

“瞬間英作文より引用”
ドリル形式で単純作業的に英作文・暗唱を繰り返すことにより、日本語から英文を作るスピードをあげることを目的とする。
本には日本語、例文入りのCDも付いているので、通勤・通学時間にブツブツ言いながら練習することも可能だ。
瞬間英作文の効果

日本語から英語に訳す能力アップ
これは確かにつく。英作文というより、どちらかというと日本語から英語に翻訳するスピードがアップするというイメージだろうか。
上記の例文であげたような単純な英語でさえ、普段英語を話さない初心者が、英語を話すとなるとなかなか口から出てこないものだ。
一方で、瞬間英作文に出てくるような例文は一生会話で使わないようなものが多いのも事実。文字通り、そこにある日本語をテンポよく英語にする能力が上達すると考えよう。
基本的な文法能力がつく
瞬間英作文は、文法要素的別に目次がわかれており、中学3年生までの基礎的な英文法が網羅されている。
“瞬間英作文より引用”
どんどんをマスターすれば、中学生で学ぶ英文法(話すためにはこれだけで十分)のルールが学べるというメリットはある。
例文で使われている英単語が覚えられる
単語帳を一から覚えるのはしんどいが、瞬間英作文の構文から知らない単語があれば覚えることができる。
難しい単語が網羅されている訳ではないので、TOEIC高得点などの語彙力のベースを作ることはできないが、中学校で学ぶレベルの単語は一通り復習することができる。
余談だが、単語帳のDUOで瞬間英作文をすることも考えたことがあるが、あれは単語のレベルが難しすぎるのと、日本語から英語への翻訳をスムーズに行えるほど構文が簡単ではないのでおすすめはしない。
TOEIC700点程度は達成可能
瞬間英作文のテキストで中学英語の英文法は学び直せる上、ある程度のボキャブラリーもつけることができる。
また、付属のCDや音声を使うことで、リスニング力の強化も可能だ。瞬間英作文を2-3冊マスターすれば、TOEIC600-700点程度は取れるようになることが期待できる。
一方で、TOEICでハイスコアを取りたいのであれば、瞬間英作文ではない形で英語の勉強をする方が効率的だ。
単調な瞬間英作文は継続が難しいと言うデメリットもあるため、TOEICが目的であれば下記の勉強法もチェックしてみよう。
» 1年でTOEICを300点UPするために、これ以外の教材は必要ない
» TOEIC940点の私が語る、900点突破の勉強法【誰でもできる】
瞬間英作文シリーズ

書籍
瞬間英作文シリーズにはいくつか本が出版(Kindle版もあり)されており、中学校の文法をベースに作られた「どんどん」、色々な文法をランダムに出題する「スラスラ」、基本動詞をマスターする「バンバン」などがあるが、最初の一冊としては「どんどん」で良いだろう。
順番としては「どんどん」 =>「バンバン」=>「スラスラ」が推奨されるが、何冊も完璧にこなしても英会話を喋れるようになりたいという目的は一生達成はできないため、初心者はまず「どんどん」をやるだけで良い。
英語を話せるようにするためのより具体的なやり方は後ほど説明をしたい。
初心者:どんどん話すための瞬間英作文
中級:スラスラ話すための瞬間英作文 シャッフルトレーニング
基本動詞:バンバン話すための瞬間英作文
瞬間英作文をアプリで
瞬間英作文はスマホのアプリ版も出ている。
アプリ版だと音声の再生もCDやmp3不要ででき、持ち運びも容易なため、本よりも使いやすいはずだ。導入を検討してみよう。
DMM英会話で瞬間英作文
DMM英会話のユーザーであれば、「どんどん」「スラスラ」「おかわり」「ポンポン」を無料で使うことができる。
瞬間英作文を英語の先生と一緒に行いたい人は、DMM英会話も検討すると良いだろう。
なかなか継続が難しい単純作業も、先生がいれば毎日25分間挫折せずに続けることができるのではないだろうか?
意味なし? 瞬間英作文の英会話への効果



瞬間英作文がおすすめの人
英語教育業界ではずっと賛否両論(否のほうが圧倒的に多いが)になっている。あえておすすめするのであれば、英語初心者(ビギナーレベル)だろう。
初心者は、瞬間英作文を通じて常に条件反射的に答えて、英文を暗唱することによって、日常会話で良く使われる英語約2000語を割と早く身につけることができる。
ただ、自然な英語を学ぶと言うより、正しい語順をドリルして覚えていくだけだ。
そのため、瞬間英作文を何冊完了してもペラペラになるどころか、英会話が楽しめるレベルにもならないので、あくまで英語の体力作り程度に考えていてほしい。
ビギナー以上の英語力のある人、本当に英語を話せるようになりたい人、或いはコミュニケーションを目的とする英語学習者(ほとんどの人はそうであろう)にとって、瞬間英作文ははほとんど効果ない。
そして、瞬間英作文は「英語を話す」のではなく、単に日本語を英語に翻訳するだけの単純作業でる。機会的な暗記と翻訳の作業をするだけで、英語が話せるようになることは絶対にない。
英会話に効果がない4つの理由

日本語から英語への翻訳しかしない
瞬間英作文は結局英語を日本語に翻訳するだけなので、なんども繰り返しているうちに、単純作業で暗記を吐き出すだけになる。
言語の形は一つではない。ある質問に対する正解は、複数あるにも関わらず、テキストの解答以外は、間違えになる。
これは、生徒にとって言葉の使い方や、文法の応用、話し言葉を学ぶことに適していない。
暗記に頼り、想像力を使わない
上記でも述べたとおり、一問一答で練習をしているうちに、日本語から英語に翻訳するという作業も暗記になってしまう。
生徒は頭を使うことなく、単純作業的に暗記に頼り、その正解を口から出そうする。
英語を話せるようにするとは、双方向のコミュニケーションなので、人と人とのやりとりがあり、相手を理解し、相手の反応を見て、自分の頭で考えて英文を作り出すことが必要だ。
もちろん、教材に従った練習は、大人が英語を習い始める時には役に立つかもしれない。
しかし、瞬間英作文を使って学べる英語は、本来英語を学ぶ目的であるコミュニケーションを重視した英語ではない。
不自然な例文で会話として成り立たない
結局、初心者用も上級者用の教材も、「トムはベンよりも背が高いです」「私がもし鳥だったら空を飛びたいのに」のような、いくら覚えても実際の会話では一生使わない不自然な例文ばかり。
このような、覚えた解答を機械的に言えるようにするやり方で、実際の会話はできるようにならない。
実際の会話は、覚えた解答を条件反射的に言うのではなく、自分の頭で考え、相手の言うことに合わせて、自分で言葉を選ぶことが必要だ。
言い換えると、実際の会話はその瞬間瞬間で生きており、同じ質問だとしても、相手により、流れにより、状況により、変わってくる。
瞬間英作文のように、一問一答で学ぶ英語は、そもそも会話ではなく、実生活は一切役に立たない。
つまらないから続かない
本来言語学習は楽しくあるべきだと考える。瞬間英作文はいわゆる単純暗記に近く、まさに苦行。三日坊主になる人も多いのではないだろうか?
私は瞬間英作文への挑戦・挫折から英語学習をスタートし、最終的に米国MBA留学、現地就職までしたが、そこには瞬間英作文で英会話を学んだ人は誰一人いなかった。
「これをすれば話せるようになる」魔法の方法は英会話には存在しない。
英語を趣味にし、数ヶ月・数年毎日続けられる、さらに効果がある、自分にあった方法を見つける必要がある。私にとってそれは洋書多読とポッドキャストだった。
しかし、瞬間英作文を完全否定するわけではない。
瞬間英作文は、「英語がまったく喋れない」「単語は出てくるけど文章にできない」という人が1冊だけやることをおすすめする。
5-10周ぐらいして、文章をだいたい暗記してしまったらもう終わり。次のステップに進む。

では、どうすれば英会話が上達するのか?

英語を話せるようにするためには、とにかく話す機会をたくさん作ることが重要だ。
話すと言うのは、覚えた英語を機械的に言うのではなく、自分の意見を英語で喋ることである。
考え方を少し変えれば、英会話を上達させる機会を作る事はできるはず。以下の記事も参考にしてほしい。
» 参考:DMM英会話を1,000回やってわかった効果的な英語勉強法
単語は覚えた方がいい?

話すための英単語を暗記するのは相当難しい。読めて、聞けても、話すとなるとなかなか言葉が出てこない。
これを克服するためには、試験対策としてやりがちな「英語→日本語」の暗記だけでなく、「日本語→英語」の暗記も行う必要がある。
ただし、「日本語→英語」の暗記まで行うことは、相当負担になる。そして、暗記はつまらない。なかなか続かない。
暗記が得意でなければ、洋書を読む、ドラマをみる、オンライン英会話をするといった生の英語を通じて、「こういう使い方があったんだ」を100回繰り返すと使える英語を身につけることができる。

よくある質問集

瞬間英作文はどれぐらいに期間で効果が出る?
1冊を5~10週してマスターするのに1-2ヶ月はかかるはずだ。1冊マスターをすれば口からある程度英語を発することはできるようになる。
瞬間英作文ってTOEICにもおすすめ?
瞬間英作文がTOEICに直結するわけではないが、TOEICのための英語力をつけることはできる。
一方で、瞬間英作文のみを使ってTOEIC対策をするのは時間もかかり効率的なやり方ではない。
TOEIC受験を考えている人は下記の記事なども読んでみよう。
»【初心者向け】TOEIC300点から760まで上がった効率的な英語勉強法
英作文におすすめのアプリは?
瞬間英作文ではないが、下記の記事ではライティングの勉強に使えるアプリやサービスを紹介している。参考にしてみよう。
» 英作文添削・英文校正は無料で!おすすめアプリ・サービス12選




