インド洋と大西洋に囲まれ、美しい大自然に恵まれたオーストラリア。グレートバリアリーフやエアーズロックをはじめ数多くの世界自然遺産を保有する南半球最大の大陸国家です。
世界第6位の国土面積をもつオーストラリアは、内陸部の大部分が砂漠や草地であり、海沿いを中心に最大都市であるシドニーをはじめ、ブリスベン、メルボルン、アデレード、パースなどの主要都市が点在しています。
観光のイメージが強いオーストラリアですが、ワーキングホリデーの渡航先として人気があり、また世界的にも高水準な教育レベルを誇る教育大国の1つ。
英語圏の国として、アメリカ、英国に次いで留学生が多い国としても知られています。
今回は、人気の留学先オーストラリアにある大学の中から、タスマン海に面するニューサウスウェールズ州の州都シドニーにキャンパスを構える「シドニー大学」をご紹介。
シドニー大学は、規模、名声ともに総合大学として高い評価を受けている、同国屈指の名門大学です。
筆者紹介:Antieやや
タイ在住。語学力を活かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、イギリスの大学で心理学、大学院で戦略マーケティングを学んだ息子あり。
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。
目次
オーストラリアの名門校:シドニー大学とは
シドニー大学の基本情報と歴史
基本情報
名称:The University of Sydney(シドニー大学)
所在地:The University of Sydney NSW 2006 Australia
電話番号:+61 2 8627 1444
創立年:1850年
学校形態:大学・大学院
学生数:全学生数 74,000名(2021年3月時点の入学者数に基づく)
歴史
シドニー大学 (USYD) は、1850年に設立されたオーストラリア最古の大学。
19世紀半ばの大学の在り方について英国とヨーロッパで議論が行われ、宗教や社会地位に関係なく学生の入学を保証、また学生は学力試験に合格することで入学が許可される、という2つの原則に基づき設立されました。
その後、校舎建築などが始まり、正式に大学としてスタートしたのは1852年。古典、化学、数学に加えて、フランス、ドイツ、政治思想といった現代社会の科目に重点を置いた講義が行われ、1856年には最初の学位を授与しました。
そして、ほとんどの大学で女子の入学が認められていなかった時代の1881年には、革新的な門戸開放の理念に基づき女子学生の入学を許可した大学の1つとなります。
1920年代になると学生数の増加とともに新たな学部を新設し、1990年初頭からはいくつかの合併を経て大学の規模をさらに拡大。
卒業生にはオーストラリアの歴代首相、ノーベル賞受賞者、著名な文化人などの名前が挙げられるなど、オーストラリアを代表する大学の1つとして世界にその名が知られるようになりました。
シドニー大学の特徴と学部紹介
特徴
オーストラリア国内の中で、特に優れたトップ8校の総称としてGroup of Eightと呼ばれる大学群の1つであるシドニー大学。
生徒数が70,000人を超えるオーストラリア最大規模のシドニー大学は、国内の学生のみならず世界各国の優秀な留学生からも注目され、留学生が全体の22.6%* 1を占める国際色豊かな大学の1つとして知られています。
シドニー大学は総合大学として、広く一般教養および専門教育の学術を教授研究し、社会性、合理性、創造性豊かな人材を育成するとともに、広く社会の発展に貢献することを使命(ミッション)とし、大学が大切にする4つの価値観(バリュー)である「創造性」「個の尊重」「ダイバシティ」「オープンコミュニケーションとエンゲージメント」* 2を軸に、学生の多様な夢の実現に向けて、一人ひとりの個性や能力を発揮できる環境と機会を創出しています。
学部
シドニー大学は、学士課程レベルまたは大学院の過程を有する8つの学部(Faculty)に分けられ、それぞれが専攻分野をさらに細分化したスクールを設置。
幅広い学修分野の中から自身のニーズに合わせた履修科目を選択できます。
- 人文社会科学部(Faculty of Arts and Social Sciences)
- 工学部(Faculty of Engineering)
- 医学・健康学部(Faculty of Medicine and Health)
- 理学部(Faculty of Science)
- 建築・デザイン・計画学部(Faculty of Architecture, Design and Planning)
- シドニー大学ビジネススクール(The University of Sydney Business School)
- シドニー音楽院(Sydney Conservatorium of Music)
- シドニー大学法学部(The University of Sydney Law School)
世界大学ランキングでの評価
USYDの愛称で知られるシドニー大学は、オーストラリアを代表する総合大学。多くの学問分野で優れたアカデミックプログラムと研究活動を提供しており、その教育と研究成果は国際的に評価されています。
出典:Our World University Rankings
国内トップクラスの名門大学であるシドニー大学は、2024年度QS世界大学ランキングにおいてトップ20の大学にランクイン(第19位)し、オーストラリア国内においては2位にランクイン。
また、QS世界大学ランキングによる科目別ランキング(2023年度)では、
- 解剖学と生理学 国内1位(世界13位)
- 芸術と人文科学 国内1位(世界12位)
- 英語と文学 国内1位(世界18位)
- 獣医学 国内1位(世界23位)
- 考古学 国内2位(世界45位)
- 土木工学 国内2位(世界20位)
- メディアとコミュニケーション研究 国内2位(世界35位)
など、30以上の科目が世界上位50位以内にランク入りしています。
※シドニー大学の各種ランキングはこちら→Our World University Rankings
シドニー大学の学費・留学費用と奨学金
学費と留学費用
1.学費
シドニー大学の学士課程では、学部/ 専攻により異なる学費 (426万円~554万円)を設定。また現地の学生と留学生によっても学費が大きく異なります。
2024年度入学生(留学生)の授業料は下記のとおりです。
Area of Study | Fees |
Architecture, design and planning | A$46,500 |
Arts and social sciences | A$45,000- 49,500 |
Business | A$49,500 |
Education and social work | A$49,500- 53,500 |
Engineering and computer science | A$53,500 |
Law | A$49,500 |
Medicine and health | A$53,500- 58,500 |
Music | A$45,500- 46,500 |
Science | A$49,500- 53,500 |
参照:International Student Tuition Fees
学費についての詳細は各専攻のページ、またはInternational student tuition feesにてご確認ください。
2.滞在費
留学全体でかかる費用は、キャンパス内 (On Campus)またはキャンパス外 (Off Campus)など、滞在方法によって大きく異なります。
① キャンパス内の寮に滞在
シドニー大学の寮には、寄宿舎 (Residential colleges) と学生寮 (University residences) の2つのタイプがあります。
それぞれの寮にはベッド、机、本棚、クローゼット等を備えた個室が用意されており、家賃は部屋の広さや設備(バス/ トイレ付きまたは共用、キッチン付きまたは共用)などによって異なります。
寄宿舎 (Residential colleges) | 1日3回の食事の提供、洗濯サービスの他、共有スペース、学習エリア、レクリエーション施設などを完備し、各寄宿舎に住むスタッフが学生の快適な滞在をフルサポート。 最初から生活の全てを自分でしなくてよいという点からも、学生が安心して学生生活に集中することができ、規則正しい生活習慣を得ることができやすい環境。 〈例〉St. Paul’s College A$36,000 (2 セメスター) ※その他の諸費用あり ※参照:St. Paul’s College Fees and Charges Undergraduate Community 2023 ※各寄宿舎についての詳細はこちら→Residential Colleges |
学生寮 (University residences) | 大学が管理する大学寮では、自炊するなど自分のペースに沿って、ある程度自立した生活を送ることができます。各寮では入居者同士が交流できる共用スペースが充実しており、また常駐のスタッフが学習面・生活面のサポートやアドバイスを行うなど、充実した学生生活を送るための支援体制を整えています。 〈例〉Queen Mary Building A$347~/ 週(1学年48週間または52週間) ※参照元:Queen Mary Building/ How much will it cost? ※各学生寮についての詳細はこちら→University Residences |
② キャンパス外の宿泊施設
シドニー大学ではキャンパス内の学生寮以外の選択として、キャンパスから徒歩圏内にシドニー大学学生専用の宿泊施設を提供。
公式サイトでは、各施設の家賃、部屋のタイプ、家賃に含まれているサービスなどを閲覧することができます。
その他、シドニー大学指定の宿泊施設プロバイダーのサイトでも物件を紹介。シドニー大学の学生を対象に割引や特典を提供しています。
3. 生活費
シドニーでの留学生の平均月間生活費は、住居、食費、交通などの基本的な費用を考慮すると、およそ1,800~2,500オーストラリアドル(17万~24万円)と言われています。
また、留学生がビザを申請する際には、滞在費(年間24,505オーストラリアドル:約232万円以上)を支弁できる能力を証明する財政能力証明書*の提出が必要。
この金額を目安とすると、宿泊費、食費、娯楽費などとして月額少なくとも2,042オーストラリアドル(約19万円)が必要という計算となります。ただしこれは一般的な目安であり、個人の生活スタイルによって変動します。
* Study Australia/ Change to evidence of finacial capacity for Student visa
オーストラリア政府のウェブサイトStudy Australiaでは、事前に予算を組む際に役に立つ情報を多数掲載しています。留学を決意したら、自身の予算と留学にかかる大体の費用を準備段階でしっかり調べて把握しておきましょう。
※為替レートには2023年10月22日時点での情報を参照し、1AUD=約95円で計算しています。
留学生向けの奨学金制度
シドニー大学では留学生向けにさまざまな奨学金制度を用意。これらの奨学金は、学生の国籍、学術成績、専攻分野などに基づき異なる条件が設けられています。
日本からの留学生が利用できる制度もいくつかありますが、奨学金を受給するためには必要書類を提出し、審査をクリアする必要があります。
自身が申請可能な制度であるかを確認の上、個別の奨学金制度の詳細をご覧ください。
以下は、シドニー大学で公募されている留学生を対象とした奨学金制度の一部となります。
- Sydney International Student Award
- Sydney Uni Sports and Fitness (SUSF) Sporting Scholarships and Elite Athlete Program
- The Rhodes Scholarships
奨学金制度についての詳細はこちら→International student scholarships
また、学生の勉学意欲に応えるための支援制度として、学部独自の学内奨学金が設けられています。対象となる学部および詳細はFaculty Scholarshipsよりご確認いただけます。
シドニー大学のキャンパスライフ
シドニー中心地に構えるキャンパス
オーストラリア最大の規模を誇るシドニー大学は、シドニー中心部のメインキャンパスを含め市内の複数の場所にキャンパスを持ち、学部ごとに学ぶ場所が分かれています。
また、世界遺産にも登録されているグレートバリアリーフに関する教育と研究を促進するために認可された世界で唯一の研究ステーションを有し、サンゴ礁生態系の保護、気候変動の影響、地質学、海洋観察における画期的な進歩の促進に貢献しています。
学生生活と学生組合(Student Union)の活動
自分自身やこれからの人生に大きな影響を与える大学時代。大学生の本業はもちろん勉強ですが、大学へ行く意味は専門的な学問を修めるだけではありません。
具体的な意味は人それぞれですが、新しいモノや人との出会いがある、人間的に成長できる経験を積める機会を得られるといったことが例として挙げられるでしょう。
シドニー大学では大学の理念や教育目標を踏まえ、正課教育や正課外教育の中での学生の自主的な活動を積極的に支援。
活気に満ちた学生生活が送れるよう、さまざまな体験活動を行う機会を提供しています。
学生組合について
シドニー大学には、在学生によって運営されている大学公認の学生組合 (Student Union) があります。
学生組合は、学生生活が豊かで充実したものになるよう、さまざまなサービスを展開。シドニー大学のキャンパスライフにおいて、コミュニティの中心を担う存在となっています。
- Club and societies(クラブとサークル)
学術系からスポーツ系、文化系、趣味のサークルまで250を超えるクラブやサークルが活動。
高校にはないようなさまざまな団体があり、初心者でも気軽に新たなことに挑戦できます。
- Sports and fitness(スポーツとフィットネス)
学生組合では、スポーツとフィットネスに関連する施設やプログラムを多数提供しており、学生や大学スタッフがアクティブで健康的なライフスタイルを維持できるようにサポート。
大学代表チームの一員として競技に参加するアスリートだけでなく、誰もが自分の興味やスキルに合ったクラブに参加できる環境を整えています。
- Student media(学生メディア)
シドニー大学には、学生がメディアとジャーナリズムに関わる機会を提供するメディア団体が存在。
学生が記事執筆、報道、写真撮影、編集といったメディア関連スキルを向上させる場所として機能し、毎週発行される学生新聞Honi Soitの他、デジタル情報誌Pulp、学生ラジオ局Surgeなどを通じて、大学内外の出来事や情報を発信する役割を果たしています。
- Student Presentation(学生代表活動)
大学運営に対し積極的に参加する役割を担う学生組織委員会 Student Representative Council (SRC)など、組織のリーダーとして必要となる指導力等を身につけることを目的としたさまざまな活動と発言の場を提供しています。
Welcome to the University of Sydney – Campus Tour
How to apply to the University of Sydney
シドニー大学を選ぶ理由
最先端の研究と優れた教育
国際的に卓越した研究の展開および経済社会に変化をもたらす研究と実績により、オーストラリア国内の名門8大学 (Group of Eight) に所属。
また環太平洋地域を代表する37の主要大学で構成される環太平洋大学協会 (APRU)の1校でもあります。
世界で最も住みやすい都市の一つ、シドニー
質の高い教育機会を提供
シドニーには、シドニー大学をはじめ世界的に評価される大学や教育機関が多く存在。
留学生は世界的に認められた大学の学位を取得することで、幅広い職種の雇用市場に備えることができます。
美しい自然環境
シドニーは、その美しい自然環境と国際的な都市の魅力が絶妙に調和したオーストラリア最大の都市。
世界遺産であるオペラハウスやハーバーブリッジといった建造物や美しいビーチ、動物園、水族館などの観光スポット、また郊外へ出ればブルーマウンテンなどの雄大な自然に触れることができます。
安全性
シドニーは、世界の主要都市の中で4番目に安全な都市*として知られており、留学生でも安心して生活できる環境が整っています。
*参照:Southwest Journal/ 10 Safest Cities in the World in 2023/ Living Without Worries
文化的な多様性
世界中からの移民が集まり、多文化で国際的な都市として知られるシドニー。
さまざまな文化や背景をもつ人々と交流しながら異文化理解を深めることができます。
また、文化フェスティバルやイベントも多く開催されており、多彩な文化体験を楽しむこともできます。
充実した学生サポート
シドニー大学では、学生支援のための総合相談窓口として学生サポート/ 相談室を開設。
学生一人ひとりが学びに専念し、充実した大学生活を送ることができるよう、大学の各部署の教職員と連携をとりながら、学習面から生活面まで、大学生活を総合的に支援しています。
ここでは提供している支援の一部をご紹介します。
- Learning Hub(学習支援センター)
学習支援センターでは、アカデミックライティング、リサーチスキル、スタディテクニックなど、学業に関連するさまざまなサポートを提供しています。
- Counselling and Mental Health Support(カウンセリングおよびメンタルヘルス支援)
学生の修学、進路選択および心身の健康等に対する支援として、専門カウンセラーによる学生相談室を開室。ストレス、不安、対人関係の問題など、さまざまな問題に対応しています。
- Health Services(健康サービス)
キャンパス内に保健センターがあり、学生や教職員の健康相談、診療、予防接種、健康相談などを随時受け付けています。
- Speak and Connect Workshop(スピーク&コネクト ワークショップ)
英語でのコミュニケーションスキルを向上させるための無料ワークショップを定期的に開催しています。
また、留学生数が22.6%*を占めるシドニー大学では留学生向けに手厚いサポートを提供。ビザや滞在許可の問題、学業支援、住居情報など、その支援内容は多岐にわたります。
*参考:International Students in Australia Statistics (updated, 2023)
偏差値は?シドニー大学への進学方法と入学条件
偏差値と難易度
海外の大学には日本のような偏差値・入試という概念はなく、総合的な出願要件によってその難易度が判断されます。
シドニー大学では正式な合格率を公表していませんが、入学時から各専攻に分かれて専門分野を学ぶシドニー大学の入学難易度は、学部やプログラム、出願者の背景などによって異なり、一般的に人気のある学部やプログラム(例:ビジネス、工学)では応募者が多く、入学難易度が高くなる傾向にあります。
シドニー大学の入学審査では、まず高校の成績と英語力で入学可否が審査されますが、成績表の数値だけでは測れない志願者の人物評価が審査対象となる場合があります。
学士号取得を目的とするシドニー大学への留学方法は、
- 高校卒業後にそのまま直接入学(出願資格条件を満たす場合)
- ファンデーションコース(大学進学準備課程)を受講してから正規留学を目指す
という2通りの方法が一般的となっています。
高校卒業後に直接入学する方法
①出願資格
シドニー大学では、オーストラリアとは異なるカリキュラムにより教育が実施されている各国の学生ためにいくつかの出願資格を採用。
大学が認める入学資格と同等の国際資格を取得し要件を満たしている場合は、日本の高校を卒業後に直接出願することが可能です。
※シドニー大学が認めている出願資格の詳細はこちら→Recognized Qualifications
なお、日本のセンター試験の結果とIELTSやTOEFLなどの英語力試験のスコア、 SATのスコアなどが出願資格として認められることがあります。
出願資格に不明な点がある場合には、出願前に入学課へお問い合わせください。
②専攻を選ぶ
1年次から専攻分野を深く掘り下げて学習するシドニー大学。
学部課程で提供されている専攻コースは多岐にわたるため、「自分が学びたいものは何か」 をはっきりさせたら、カリキュラムの内容までしっかりと調べておくことが大切です。
求められる入学要件はコースにより異なり、それぞれが必須科目や成績などを含む諸条件を定めています。入学要件や申請プロセスにつきましては、志望する専攻コースの詳細にてご確認ください。
※専攻検索サイトはこちら→Course Search
③英語能力証明書
シドニー大学への入学には、TOEFL iBTやIELTS(英語を母語としない学生の英語力を測るテスト)のスコアを提出し、各コースが定める英語要件を満たす必要があります。
入学条件として要求されるスコアは各コースによって異なる場合があるため必ず事前にご確認ください。
〈例〉Bachelor of Science
出典:Bachelor of Science/ Admission/ English Language Requirements
④主な出願書類
出願フォームに必要な書類をアップロードまたは提出します。
- 高校の成績証明書
- 卒業証明書
- 英語能力試験の結果
- 奨学金申請書類(必要な場合)
出願書類は準備に時間を要するものがあるため、まずは何が必要かを確認することが重要。またオンライン出願開始前に書類を全て準備しておくとスムーズに出願が進みます。
なお、補足書類が必要かどうかは専攻により異なります。各コースの詳細ページからご確認ください。
⑤出願方法
シドニー大学の学部課程への出願は、志望する専攻コースページの[Apply Now]ボタンをクリックし、出願締切日までに大学へ直接送付。まずはアカウントを作成し、出願情報を画面の項目に沿って入力します。
※出願方法についての詳細はこちら→International Student Applications
※出願締切日についての詳細はこちら→Application Dates
⑥合否結果
アプリケーションの作成完了後、「Declaration(宣誓書:大学出願フォーム利用条件)」に同意。出願料(150オーストラリアドル)を支払い、申請が完了します。
シドニー大学は提出された出願書類を審査し合否を判定。審査には一定の時間がかかり、合否結果は「Unconditional offer(無条件合格)」「Conditional offer(条件付き合格)」「Unsuccessfull(不合格)」となり、その通知は直接メールを通じて出願者に届きます。
※ 無条件合格とはオファーをもらった時点で合格が決定。条件付き合格とは、提示された条件を満たした場合に合格が認められます。条件の例としては、公的機関(IELTSなど)の英語能力テストのスコア、最終学歴などが挙げられます。
大学進学準備プログラム(ファンデーションプログラム)からの入学方法
①大学進学準備プログラム(Preparation Programs)
日本の高校を卒業してシドニー大学への進学を目指す場合、まずは約1年間の進学準備プログラムを受講し、大学1年生レベルの学習課程を修了してから進学するのが一般的。
これには教育制度の違いが関係しており、オーストラリアの教育システムでは、高校の最終学年までに日本の大学1年生にあたる一般教養課程を修了しているためです。
出典: Taylors College/ The University of Sydney Foundation Program
シドニー大学では、学士課程への進学を目指すための準備プログラムを大学提携の教育機関 Taylors College Sydney(テイラーズカレッジ・シドニー校)で提供。プログラムを既定の条件を満たして修了した学生は、シドニー大学の学士課程1年次への進学が保証されています。
②出願資格
- 高校を好成績で卒業
- 各プログラムが設定する英語要件を満たす
③提供されている準備プログラム
テイラーズカレッジでは、学業習熟度別に異なる「標準コース」と「成績優秀者を対象としたコース」の2つのプログラムを提供。自身の成績や英語習得レベルに合わせたカリキュラムを選択できます。
- 標準コース
The University of Sydney Foundation Program (USFP)
受講期間
Standard Program 52 weeks
Intensive Program 40 weeks
Extended Program 75 weeks
学習内容
英語要件
Course | Extended (75 weeks) | Standard (52 weeks) | Intensive (39 weeks) |
IELTS (Academic) | 5.0 (no band less than 5.0) | 5.5 (no band less than 5.5) | 6.0 (no band less than 6.0) |
TOEFL PB | 483 (TWE 3.5) | 506 (TWE 4) | 534 (TWE 4) |
TOEFL iBT | 56 (writing no less than 14) | 62 (writing no less than 16) | 73 (writing no less than 16) |
参照:English Language Entry Requirements for USFP
成績要件
Course | Extended | Standard | Intensive |
Japan | Kotogakko/ Upper Secondary School Certificate Year 2 Grade 3-4 in academic subjects | Kotogakko/ Upper Secondary School Certificate Year 2 Grade 4-5 in academic subjects | Kotogakko/ Upper Secondary School Certificate Year 2 with Superior grades in academic subjects |
参照:Country Specific Entry Requirements for USFP
- 成績優秀者を対象としたコース
The High Achievers Preparation Program (HAPP)
受講期間
~14 weeks
学習内容
英語要件
Test | Qualifications |
IELTS Academic | IELTS 6.0 with no band score less than 5.5 for programs that have a direct entry overall IELTS cut-off score to the University of IELTS 6.5
|
IELTS 6.5 with no band score less than 6.0 for programs that have a direct entry overall IELTS cut-off score to the University of IELTS 7.0
| |
IELTS 7.0 with no band score less than 6.5 for programs that have a direct entry overall IELTS cut-off score to the University of IELTS 7.5
|
参照:English Language Entry Requirements for HAPP
※ ビジネススクール入学希望者のIELTS必要スコアは6.5以上となります。
成績要件
Country | Academic standard |
Japan | Stream 1: Upper Secondary School Year 3- Exemplary average (90-100%) in all content-based subjects |
Stream 2: Upper Secondary School Year 3- Very Good average (80%) in all content-based subjects |
参照:Country Specific Entry Requirements for HAPP
④各プログラムのスケジュール(2024年度)
⑤開講場所
テイラーズカレッジ(シドニーの中心部からバスで20分ほど)
⑥費用
出典:Fees
2023年10月為替レート:1A$=約95円
⑦主な出願書類
- 高校の成績証明書
- 卒業証明書
- 英語能力試験の結果
⑧出願方法
Taylors College が提供するシドニー大学進学準備プログラムへの申請は、公式サイト内Apply nowより行うことができます。
出願方法についての詳細はこちら→How to Apply
シドニー大学卒業後のキャリアと就労ビザ
キャリアサービスとサポート
シドニー大学では、就職/ 進路の支援を目的としたキャリアサービス部門による幅広い支援プログラムを用意。
キャリアアドバイザーによる個別相談(キャリア相談)をはじめ、就職活動支援イベント、各種情報提供まで、支援内容は多岐にわたります。 以下にその一部をご紹介いたします。
- 1対1のキャリアコンサルティング
学生のキャリア計画と就職活動を支援するための1対1のキャリアコンサルティングを提供。学生がより良いキャリアを築けるための就職の選択やスキルアップの方法など、相談者一人ひとりの状況に合わせたキャリアの道筋を提案しています。
- キャリアフェア、ワークショップ、イベント
シドニー大学では年間を通じて、在校生・卒業生と企業の方々が出会う場として学内キャリアフェアや、キャリア関連のイベント、キャリアスキルを開発するためのトレーニング、ワークショップを定期的に開催しています。
- 留学生向けキャリアサポート
キャリアセンターでは、留学生の就職活動をサポートするための相談コーナーを開室。
オーストラリア国内、母国、その他の国での就職を希望する外国人留学生のため進路相談、就職活動の流れ、情報収集の方法、エントリーシートの書き方、面接対策など、さまざまな支援プログラムを実施しています。
※キャリアフェア、ワークショップについての詳細はこちら→Fairs, Workshops and Events
※留学生向けキャリア支援についての詳細はこちら→Career Support for International Students
オーストラリアの卒業ビザについて
通常、オーストラリアでは学士号以上の学位を取得後、卒業生ビザ (Temporary Graduate Visa) の申請が可能。このビザを保持することで卒業後の一定期間、フルタイムでの就労が可能となります。
卒業ビザには3種類のタイプがあり、保持する学位によりビザを取得するための条件や滞在可能期間が異なります。
① Graduate Work Stream
Skilled Occupation List(職業リスト)に記載されている職業に関連する2年以上のプログラムを修了している場合に申請できるビザで、取得後は18ヶ月の滞在が認められます。
② Post-Study Work stream
就業する分野は関係なく、Bachelor Degree(学士号)以上の学位を取得していることが条件のビザで、取得した学位により滞在可能期間が異なります。
③ Second Post-Study Work stream
「Regional Area」と呼ばれる指定地域にある大学を卒業した場合に申請できるビザで、これら地域で卒業し、卒業ビザを得てからもその地域に滞在することが条件となります。
なお、卒業ビザの申請条件や滞在可能期間などの内容は、事前通知なしに変更される場合もあります。詳細はオーストラリア政府内務省 (Department fo Home Affairs) のサイトを参照し、最新の情報を入手してください。
最後に
シドニー大学は、国内のビジネス界や政界で活躍する卒業生を数多く輩出し、世界ランキングでは常に上位にランクインするなど、規模、名声ともに国内屈指の総合大学として高い評価を得ています。
そんなシドニー大学進学には高いハードルがあるように感じますが、シドニー大学では、個々の学力、英語力に合わせてステップアップできる準備プログラムで進学をサポート。
ほとんどの学部が3年制であるシドニー大学では、準備プログラムを経由しても日本の大学と同じ4年間で大学を卒業することができます。
シドニー大学に興味をもった方は、本記事を参考に自分に合った方法で進学を目指してみてください。