



グローバル化の進展に伴い、欧州の高等教育では国際化がますます重視され、各大学の国際的な活動も量・質ともに大きく変化しています。
従来の学生や研究者の交流に加え、近年ではカリキュラムの国際化が進み、英語を母語としない欧州の大学でも、英語による学位プログラムの導入が広がっています。
現在、英語で学べるプログラムは欧州各国で増加していますが、その進み具合には国ごとに差があり、なかでもオランダは英語プログラム数が特に多い国の一つです。
貿易立国として外国語教育を重視してきたオランダでは、初等・中等教育段階から英語教育が推進され、オランダ語と英語のバイリンガル教育を行う学校も数多く存在します。
そんなオランダの大学の中から、今回は「ライデン大学」をご紹介します。
国内外から多くの学生が集うライデン大学は、世界トップクラスの研究と教育環境を提供するオランダ屈指の名門大学です。
筆者紹介:Antieやや
タイ在住。語学力を活かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、イギリスの大学で心理学、大学院で戦略マーケティングを学んだ息子あり。
目次
オランダの歴史ある総合大学:ライデン大学とは

ライデン大学の基本情報と歴史
基本情報
- 名称:Leiden University(ライデン大学)
- 所在地:Rapenburg 70,2311 EZ Leiden The Netherlands
- 電話番号:+31 71 527 27 27
- 創立年:1575年
- 学校形態:大学・大学院
- 学生数:総学生数 33,474名
朝食
歴史
1575年、ウィリアム1世によって北部の街ロッテルダムに設立されたライデン大学。
オランダ最古、そしてヨーロッパでも最も歴史ある総合大学のひとつであり、その名声は、後にフランス生まれの哲学者・数学者ルネ・デカルト、オランダの法学者フーゴ・グローティウス、哲学者バールーフ・デ・スピノザといった著名な学者たちの活動拠点となったことで確立されました。
1640年代には、ヨーロッパ各地から500人を超える学生が入学し、ライデン大学はヨーロッパ最大のプロテスタント大学へと発展。
18世紀には、イギリスの地質学者ジェームス・ハットン、オランダの古典学者ヤコブス・グロノヴィウス、文献学者ティベリウス・ヘムスターハウスといった著名人たちがここで学び、学位を取得しています。
また、ライデン大学は日本との関わりも深く、1855年には世界初の日本語学科を開設。
日本語と中国語の研究で知られるドイツの言語学者ヨハン・ヨーゼフ・ホフマンが、初代日本語教授に就任しました。
ライデン大学の特徴と学部紹介
特徴
ライデン大学では、教育に対する姿勢を明確に示すため、「繋がり」「革新」「責任」「自由」という4つの基本的価値観(コアバリュー)を策定しています。
設立当初から社会と人々への貢献を使命とし、ライデン大学は教育を通じた価値創造に挑戦し続けています。
多角的な視点から進むべき道筋を描き、新たな価値を創造することが求められる現代において、ライデン大学はイノベーションを起こし、グローバル社会で活躍する多くの人材を輩出してきました。
現職のマルク・ルッテ首相をはじめ、歴代10人のオランダ首脳や、北大西洋条約機構(NATO)事務総長、国際司法裁判所所長など、司法界のリーダーも同大学に所属していました。
また、ライデン大学は、1581年にオランダ独立を宣言し、連邦共和国の初代総督(国王)となったウィリアム1世によって設立されたという背景から、現在もオランダ王室との結びつきが深い大学です。
ユリアナ女王、ベアトリクス女王、そして現国王ウィレム=アレクサンダーも、ライデン大学の出身者に名を連ねています。
学部
ライデン大学は、学士課程レベルまたは大学院(修士/ 博士課程)の過程を有する7つの学部で構成。
それぞれが、オランダ語および英語による幅広い分野に関連した学位プログラムを提供しています。
- 考古学部(Archaeology)
- ガバナンス・グローバルアフェアーズ学部(Governance and Global Affairs)
- 人文学部(Humanities)
- 法学部(Law)
- 医学部/ライデン大学医療センター(Medicine/ Leiden University Medical Center)
- 理学部(Science)
- 社会・行動科学部(Social and Behavioural Sciences)
- アフリカ研究(African Studies (BA))
- 考古学(Archaeology (BA))
- 芸術・メディア・社会(Arts, Media and Society (BA))
- 文化人類学・開発社会学(Cultural Anthropology and Development Sociology (BSc))
- 文化・歴史・社会(Culture, History and Society (BA Major of Liberal Arts and Sciences: Global Challenges))
- データサイエンス・人工知能(Data Sciences and Artificial Intelligence (BSc))
- オランダ研究(Dutch Studies (BA))
- 地球・エネルギー・持続可能性(Earth, Enegy and Sustainability (BSc Major of Liberal Arts and Sciences: Global Challenges))
- 英語言語・文化(English Language and Culture (BA))
- グローバル公衆衛生(Global Public Health (BSc Major in Liberal Arts and Sciences: Global Challenges))
- ガバナンス・経済・開発(Governance, Economics and Development (BSc Major of Liberal Arts and Sciences: Global Challenges))
- 遺産と社会(Heritage and Society (BA))
- 国際正義(International Justice (BA Major of Liberal Arts and Sciences: Global Challenges))
- 国際関係・組織論(International Relations and Organisations (BSc))
- 国際学(International Studies (BA))
- リベラルアーツ&サイエンス:グローバルチャレンジ(Liberal Arts and Sciences: Global Challenges (BA/ BSc))
- 言語学(Linguistics (BA))
- 哲学:グローバル・比較視点(Philosophy: Global and Comparative Perspectives (BA))
- 政治学(Political Sciences (BSc))
- 心理学(Psychology (BSc))
- セキュリティ学(Security Studies (BSc))
- 南・東南アジア研究(South and Southeast Asian Studies (BA))
- 都市研究(Urban Studies (BA))
- 世界考古学(World Archaeology (BA))
- 世界政治(World Politics (BA Major of Liberal Arts and Sciences: Global Challenges))
- ライデン大学カレッジ・ハーグ(Leiden University College The Hague)※
※ Leiden University College the Hagueは、ライデン大学の一部として独立したユニバシティカレッジです。
ライデン大学が提供する学士課程(英語)についての詳細はこちら→Study Programmes/ Bachelor/ Full-time/ English
世界ランキングとその評価
世界各地の大学に進路の選択肢が広がる中、どの大学が検討に値するかを見極める指標のひとつが「世界大学ランキング」です。
世界大学ランキングとは、高等教育機関を対象に、教育、研究、論文被引用数、国際性、学生数/教員数、留学生比率といった指標で順位付けした国際的なランキングを指します。雑誌や新聞、個人、政府、企業、大学、第三者機関など、さまざまな主体がこれを作成・発表しています。
数ある国際的な大学ランキングの中でも、信頼性の高いランキングにおいて、ライデン大学はトップ100にランクイン。多様な学問分野に基づく先駆的な研究と教育が高く評価されています。
■THE World University Rankings
【総合ランキング】
- 第77位 Times Higher Education (THE)/ World University Rankings 2024
- 第81-90位 World Reputation Rankings 2023
【分野別ランキング】
ライデン大学は分野別でも高い評価を受けており、特に人文科学(26位)、法学(29位)といった分野で世界トップクラスにランクインしています。
また、社会科学(55位)、物理科学(65位)、臨床・前臨床・健康(79位)など、幅広い分野でも安定した高い水準を維持しています。

出典:Rankings
【オランダ国内ランキング】
第4位 THE World University Rankings/ Best Universities in the Netherlands 2024
■QS World University Rankings
【総合ランキング】
【分野別ランキング】
QSランキングでもライデン大学は専門分野で高く評価されています。
特に考古学(6位)、古典・古代史(10位)、政治・国際関係学(16位)、薬学・薬理学(15位)といった分野で世界トップ20にランクインしており、人文社会系分野を中心に世界的な強みを示しています。

出典:Rankings
【ヨーロッパランキング】
ライデン大学ランキングについての詳細はこちら→Rankings
ライデン大学の学費・留学費用と奨学金
学費
大学の授業料は、EU/ EEA圏内の学生か、それ以外からの学生かで金額が異なり、留学生の授業料は現地の学生よりも高めに設定されています。
英語による学位プログラム(学士課程)の授業料(2024-2025年度)は以下の通りです。

滞在費
ライデンの滞在費(学生向け住居、家具なし)は、1ヶ月あたり平均300~500ユーロ(48,000~81,000円)とされています。
オランダでは慢性的な住宅不足が続いており、現地の学生でさえ住まい探しに苦労する状況です。留学生の増加もこの住宅難に拍車をかけています。
学生は自身で滞在先を確保する必要があるため、住まい探しはできるだけ早く始めることで、より良い物件に出会える可能性が高まります。
ライデン大学がキャンパスを構える都市ライデンでも、学生向けの物件を見つけるのは簡単ではありませんが、いくつか方法があります。
特に留学生に対しては、大学が留学生向けの住居を最長1年間確保しているため、まずは大学に相談してみることをおすすめします。
ライデン大学留学中の滞在方法についての詳細はこちら→Housing
生活費
世界229ヶ国・2260都市の物価と生活費の目安を調べることができるExpatistanの生活費調査によると、ライデンから電車で20分以内の場所にあるオランダの都市ハーグ(デン・ハーグ)は東京の物価と比べて18%ほど高いとされています。

出典:Expatistan/ Tokyo vs Hague
また、ライデン大学公式サイトによれば、学生生活に必要な生活費は、月額およそ€968~€1,338(日本円で約16万円~21万円)と見積もられています(家賃込み)。

出典:Financial matters/ Monthly living costs
※為替レート:1€=約161円(2024年8月21日現在)
留学生向けの奨学金制度
ライデン大学ではいくつかの奨学金制度を提供していますが、そのほとんどが現地学生や特定の国・地域出身の学生、または修士課程への進学を希望する応募者を対象にしたものです。

出典:NL Scholarships- Incoming Students
また、オランダ政府教育省は、ヨーロッパ圏外からの学部生・大学院生を対象とした奨学金「NL Scholarship」を用意しています。
この奨学金制度に参加する大学は毎年異なり、それぞれの大学が申請対象学部、募集人数、申請方法、締切日などの条件を個別に設定しています。
ライデン大学では2024年度、以下の英語による学位プログラム(学士課程)に入学する優秀なEEA圏外出身の留学生を対象に、奨学金を提供しています。
ライデン大学が提供する奨学金制度(学士課程)についての詳細はこちら→Scholarships
ライデン大学でのキャンパスライフ
ライデン大学のキャンパス全貌
ライデン大学が拠点を置くオランダの2つ都市(ライデンとハーグ)は、街並みが整然として美しく、歩車分離など安全にも配慮された「学園都市」の名にふさわしい街へと発展。
学生など若者が多いため街に活気があるだけでなく、大学で地域と連携した教育や活動が盛んとなっています。
ライデン・キャンパス
オランダ最古の大学であるライデン大学を擁するライデンは、学園都市としても知られています。
ライデン大学のキャンパスは、まさにライデン市そのもの。ライン川や運河が流れ、17世紀以前の歴史的な建造物が数多く残る美しい街並みの中に、大学の施設が点在しています。
ライデンについての詳細はこちら→Leiden student city
ハーグ・キャンパス
ハーグは、アムステルダムから電車で約45分、ライデン大学のメインキャンパスがあるライデンからは電車で約15分の場所に位置する小さな街です。
国際的な平和都市として知られるハーグには、国際司法裁判所や国連機関をはじめ、約160の国際組織やNGOが拠点を構え、学術ネットワークも非常に充実しています。
ハーグ・キャンパスでは、
- International law, peace and security(国際法、平和と安全)
- Globalisation and international relations(グローバリゼーションと国際関係)
- Politics, public administration and public finance(政治、行政、財政)
- Urban issues(都市問題)
- Health and patient care(健康と患者ケア)
という5つの主要分野に重点を置き、これらに関する英語学位プログラムが提供されています。
主なプログラムには、「国際関係と組織(BSc)」、「セキュリティ研究(BSc)」、「国際研究(BA)」、「都市研究(BA)」などがあり、都市環境を活かした学びを実現し、多彩な学習体験ができる環境づくりが進められています。
また、2010年にはライデン大学の付属校として、リベラルアーツ教育を提供するユニバシティ・カレッジ「Leiden University Collge The Hague (LUC)」が設立されました。
ユニバシティ・カレッジとは、通常の専門学部とは異なり、大学内に設置された独立性のある教育機関で、幅広い学問領域を横断して学べるリベラルアーツ教育を提供しています。
オランダの大学は通常、3年制の専門学部で構成されていますが、ユニバシティ・カレッジではより柔軟で学際的な学びが可能となっています。
- Leiden University College The Hagueについての詳細はこちら→Leiden University College The Hague
- ハーグについての詳細はこちら→The Hague student city
ライデン大学の学生団体と課外活動
勉強だけでなくキャンパスライフも楽しみたい留学生活。
課外活動は大学生活を彩る非常に重要な役割を持つコミュニティとなり、勉学やそれを通じた友人との交流だけでなく、他学部、他学年の学生とも交流すること、さらには社会人になるための心構え、必要な知識/ 経験を身につける機会を得ることができます。
ライデン大学では、大学生活における正課授業以外のもう1つの柱とし学生団体への学生の参加を推奨。
さまざまな学部、宗教、文化的背景のための組織だけでなく、学術・文化・スポーツの分野にわたってさまざまなクラブ団体が活動しています。
学生団体と課外活動についての詳細はこちら→Student associations
ライデン大学の学生サービス
学生一人ひとりが充実したキャンパスライフを過ごせるように、ライデン大学では学習・生活面においてさまざまな支援体制を用意しています。
学修サポート
ライデン大学では、大学での学びに慣れるための支援から、より深い学びを促進するための環境づくりまで、学生のための学修サポート体制を整えています。
各学部には、時間割、試験成績、科目選択など、学修全般に関する質問や相談に対応するアドバイザー/コーディネーターが常駐し、学生をサポートしています。
学生相談
ライデン大学では、学生生活を安心/ 安全に送ることができるよう、住まいや奨学金/ 金銭問題などの生活面をはじめ、健康面や学生の心のケアなど、専任のカウンセラーによる学生一人ひとりに寄り添った支援を展開しています。
学生カウンセラーについての詳細はこちら→Student counsellors
アカデミック言語センター
ライデン大学のアカデミック言語センターでは、オランダ語、英語、フランス語、イタリア語、その他7カ国語の語学コースを提供しています。
またオランダ語コース「Dutch & More」では、ライデン大学に留学する留学生のためのプライベートオンラインコース (SPOC) を年に2回(6月と12月)に開講。
テーマの異なる5つのレッスンで構成されるコースでは、語彙、文法、文章構成などを学ぶことができます。
留学生のためのオランダ語オンラインコースについての詳細はこちら→New online Dutch course for international students
ライデン大学を選ぶ理由

オランダ最古の大学
「思想および良心・言論の自由」という教育基本法のもと、個性、才能を伸ばす教育を4世紀以上にわたって提供し続けているライデン大学。
優れた人材を社会に送り出すことで、オランダの社会・経済の発展に大きく貢献しているなど、オランダ最古、ヨーロッパでも屈指の学問的伝統のある総合大学としてその名が知られています。
最先端の研究に触れることができる
ライデン大学は、ノーベル賞受賞者を16名輩出するなど、多くの優秀な研究者が全世界から集まる世界的な研究大学です。
学術研究分野において、質・量ともに優れている大学群「League of European Research Universities(LERU:ヨーロッパ研究大学連盟)」に加盟しています。
また、アジア・アフリカ研究においても中心的な役割を担っており、アジア、アフリカ研究・教育に特化した国際共同体「Consortium for Asian and African Studies(CAAS)」の中核メンバーでもあります。
国際的な教育環境
英語圏以外の国で高い水準の英語教育を受けることができるとして注目のオランダ。
国が英語教育に力を入れており「英語で学べる学士課程」のプログラムが多く開講されているほか、比較的英語が通じやすいとされていることや、治安が安定していることなど、海外渡航初心者の留学生にも安心の生活環境が整っています。
そんなオランダにある大学は立地条件も含め、ヨーロッパからの留学生を中心に進学先として非常に人気が高く、ライデン大学もその1つ。
120ヶ国から集まった約4,000人の留学生が学ぶ国際色豊かなライデン大学のキャンパスでは、多様な文化、価値観や考え方に触れながら、世界に繋がる学びの機会を得ることができます。
ライデン大学に進学する方法
ライデン大学の偏差値と難易度
ライデン大学の合否判定は基本的に書類審査によって行われ、志望プログラムの入学要件を満たすことで入学が認められるケースがほとんどです。
ただし、ライデン大学を含むオランダの大学では、一部プログラムに定員枠が設けられています。
この定員枠は「Numerus Fixus」と呼ばれ、定員を超える応募があった場合には厳正な審査が行われ、合格者が選抜されます。
Numerus Fixusに指定されるプログラムは大学によって異なりますが、一般的には薬学、医学、歯学、心理学など、特に人気の高い分野が対象となっています。
〈例〉ライデン大学政治学部の場合

出典:International Relations and Organisations (BSc)/ Application and admission
日本では偏差値が入学難易度の指標として用いられますが、オランダの大学では一斉試験による選抜がないため、偏差値という概念は存在しません。
このため、ライデン大学でも応募するプログラムによって合格ラインが異なり、特にNumerus Fixus指定プログラムは難易度が高い傾向にあります。該当プログラムを希望する場合は、事前に十分な確認が必要です。
※ 参考記事:Numerus Fixus at Dutch Universities: decentralised selection
ライデン大学留学のための出願資格
オランダの教育制度について
オランダの教育制度は日本と比べてかなり複雑な仕組みとなっていますが、大まかに説明すると、義務教育は5歳から18歳まで続きます。
12歳までは7〜8年間の初等教育が行われ、その後の中等教育からは、次の3つの進路に分かれます。
- 大学進学コース (VWO: Voorbereidend Wetenschappelijk Onderwijs)ー6年制
- 高等一般教育コース (HAVO: Hoger Algemeen Voortgezet Onderwijs)ー5年制
- 中等職業準備教育コース (VMBO: Voorbereidend Middelbaar Beroepsonderwijs)ー4年制
オランダで大学に進学するためには、6年制のVWOコースを修了し、全国共通の国家試験に合格することが必要です。
出願資格について
しかし、日本の高校卒業資格はオランダのVWOディプロマと同等とはみなされないため、日本の高校を卒業しただけでは、原則としてオランダの大学に直接出願することはできません。
オランダ国内の大学の中には、1年間のファンデーションコース(大学進学準備コース)を受講することで学部課程への進学を認めるところもありますが、ライデン大学ではファンデーションコースを提供していません。
同大学に進学を希望する際には、次項で解説する、大学が定める出願資格を満たす必要があります。
【参考:オランダの教育制度】

出典:ELAB/ Education system in the Netherlands
※ 名称(アルファベット表記)についての説明については、Wikipedia/ オランダの教育をご参照ください。
留学方法① 高校卒業後に直接進学
オランダでは、大学進学コース(VWO)を修了することが、大学出願資格となります。この資格がないと大学への進学はできません。
一方、オランダ国外から出願する留学生の場合は、大学が認める国際資格(たとえば国際バカロレア(IB)など)を取得し、必要履修科目や成績スコアといった要件を満たすことで、直接出願が可能となります。
※日本の高校卒業資格についても、高校での成績や希望する専攻分野によっては、直接入学できる場合があります。どの進学方法が自身に当てはまるかについては、まず大学に相談することをおすすめします。
〈例〉IB(国際バカロレア)の場合
ライデン大学への出願に必要な国際バカロレア(IB)資格要件は、以下の通りです。

出典:General admission: diploma requirements 2025/2026
■入学要件
ライデン大学の入学審査では、高校での成績や履修科目、英語テストのスコアなどの書類審査のほか、学位プログラムによっては独自の入学試験を実施し、その結果をもとに最終的な合否を判断します。
この他、専攻するプログラムによっては追加の入学要件(高校/ 大学での必修履修科目等)を設けています。出願前に希望する学位プログラムの募集要項(入学要件等)をよくご確認ください。
- 入学要件についての詳細はこちら→Admission requirements
- 追加の入学要件(特定のプログラム)についての詳細はこちら→Specific diploma requirements for science and medical programmes
■英語力
ライデン大学の学部課程では、入学後すぐに専攻に分かれ、専門分野の知識や実践的なスキルを習得していきます。そのため、授業についていくためには高い英語力が求められます。
このため、ライデン大学へ出願する際には、一定以上の英語力を証明することが必要です。主な英語試験とスコアの目安は次の通りです。
IELTS Academic | 6.0~(各セクション6.0以上) |
TOEFL iBT | 80~(各セクション20以上) |
Cambridge C2 Proficiency in English or C1 Advanced | 各セクション169以上 |
※英語要件はプログラムにより異なる場合があります。専攻プログラム検索ページより希望するプログラムを選択し、Admission and application→ Check the admission requirements→Language requirementsより詳細をご確認ください。
■出願方法
デルフト工科大学の学部課程への出願手続きは、オランダ版共通願書であるStudielinkを介して、オンライン上で行います。
出願方法についての詳細はこちら→Application Procedure
■主な出願必要書類
- 高校の卒業証明書(IBディプロマ)または大学1年次(2年次)修了証明書
- 成績証明書
- 英語力証明書
- 履歴書
- パスポートのコピー
■出願費用
100ユーロ
留学方法② 日本の大学の学部課程で1年以上を修了
オランダでは、中等教育課程修了時にすでに大学進学のための専門教育が行われているため、大学の学部課程は通常3年間で、一般教養課程は設けられていません。
ライデン大学でも、入学と同時に1年次から専門分野の教育がスタートします。
このような教育制度の違いを踏まえ、ライデン大学では国別に出願要件を設定しています。日本から出願する場合は、以下の条件を満たすことが必要です。
【参考図:日本からライデン大学に出願するための要件】

出典:General admission: diploma requirements 2025/2026
ライデン大学では、日本の高校卒業資格に加え、評定平均4.5以上(各教科4.0以上)、さらに大学に1年または2年在学し、良好な成績を修めていることが求められます。
なお、これらの条件を満たしていない場合でも、追加試験の受験などを条件に、入学が認められる可能性もあります。自身の出願資格について不安がある場合は、必ず大学に直接確認してください。
If your diploma does not meet these requirements, you may still be admitted, on condition that you sit additional exams. You will receive more information once we have received your application for admission.
引用元:Admission requirements/ Minimum requirements
国ごとの出願資格の詳細はこちら→General admission: diploma requirements 2025/2026
留学方法③ 日本の大学の交換留学制度を利用
国際交流の盛んな大学として知られるライデン大学は、開学当初から「開かれた大学」を掲げ、海外とのネットワーク構築に積極的に取り組んできました。
現在では、アメリカやヨーロッパのみならず、中東、アジアなど多様な地域の大学と協定を結び、国際的な学術ネットワークを強化しています。
日本国内でも、大学の国際化を意識した取り組みが進み、交換留学、短期・長期留学(提携校または個人申請による)、ダブルディグリー制度など、多様な留学機会を提供する大学が年々増えています。
日本のいくつかの大学は、ライデン大学と提携を結び、学生の国際交流・学術交流を推進しています。
交換留学先は大きく分けて、すべての正規生を対象とする「大学間交流協定大学」と、特定の学部生を対象とする「部局間交流協定大学」の2種類があります。
どちらの協定を通じて留学できるかは大学によって異なるため、希望する場合は事前にしっかりと情報を確認することをおすすめします。
※この情報は2024年8月現在のものです。募集のたびに派遣先大学、派遣人数、応募資格などが変更される可能性があるため、必ず各年度の最新情報を在籍大学のホームページでご確認ください。
大学を代表して派遣される交換留学には選考試験があり、書類選考や面接、現地での学習についていくための十分な英語力の証明など、在籍大学が定める基準をクリアする必要があります。
また、選考に関するスケジュールも細かく決められているため、入念な準備が求められます。希望する場合は、在籍大学が提携する海外協定大学のプログラム内容や入学基準を、事前によく確認しておきましょう。



留学生の就職活動を支えるライデン大学のキャリア支援

海外大学への進学では、卒業後のキャリアについて早い段階で考え、目的意識を明確にしておくことが重要です。しかし、留学生が陥りやすい落とし穴のひとつが「就職活動への危機感が芽生えにくい」ことです。
その理由のひとつは、慣れない海外生活や英語での授業など、留学生活が非常に忙しく、就職活動に意識を向ける時間がなかなか取れないためです。
留学中に良い結果を出すためには、早めの行動がカギになります。準備を早く始めることで、夏インターンへの参加や、OB訪問、会社説明会での情報収集を有利に進めることができ、就職活動をより有利に展開できるでしょう。
ライデン大学では、キャリア支援の一環として、「就職活動を始めたいが何から手をつけてよいかわからない」「周囲が就活を始めて焦りを感じているが、相談できる先輩がいない」といった留学生に向けて、就職活動のスケジュール作成からキャリアスタートに向けた実践的なサポートを提供しています。
- ライデン大学が提供するキャリアサービスについての詳細はこちら→Career Services
- キャリアゾーン(キャリアプランニング)についての詳細はこちら→Leiden University Career Zone
ライデン大学卒業後の現地就職について(ビザ申請)
オランダで現地就職する場合、雇用主となる企業が移民局から就労ビザ(労働許可証)を取得する必要があります。ただし、オランダに留学し学位を取得しても、新卒の留学生がすぐに就労ビザを得るのは簡単ではなく、これまでは留学後にそのままオランダで働くことは現実的ではありませんでした。
こうした状況を改善するため、オランダ政府は「オリエンテーション・イヤー・ビザ(Residence Permit for Orientation Year)」を設け、オランダで教育を受けた外国人卒業生の就職を支援しています。

出典:Octagon people/ Orientation year: guide for international graduates in NL
オリエンテーション・イヤー・ビザ(オランダ語でzoekjaar)は、EU域外の学生がオランダで高等教育課程を修了した場合に申請できるビザで、卒業から3年以内に手続きを行えば、就業または就職活動を目的として最長12か月間オランダに滞在することが許可されます。
このビザを取得することで、オランダの労働市場において制限なく自由に働きながら就職活動を行うことが可能となり、仕事の経験を積むことで、今後オランダでキャリアを積みたいと考えている場合に必要となる高度スキル保持者ビザ(Highly Skilled Migrant Visa)の申請資格を得る道も開かれます。
なお、オリエンテーション・イヤー・ビザの手続きや条件は事前通告なしに変更されることもあるため、申請を考えている場合は、日本国内にあるオランダ大使館や現地の移民局(IND)に確認し、必ず最新の情報を入手するようにしてください。
オリエンテーション・イヤー・ビザについての詳細はこちら→Immigrate-en Naturalisatiedienst(オランダ移民局)
最後に
年々関心が高まるヨーロッパ留学。その中でも、留学生に人気の国のひとつがオランダです。その理由のひとつに、国民の高い英語力が挙げられます。
オランダの公用語はオランダ語ですが、英語力も非常に高く、Education Firstが発表した2023年度版「非英語圏の英語能力指数ランキング(EF EPI)」では、オランダが世界第1位に選ばれました。世界で最も英語が通じる非英語圏の国といっても過言ではありません。
そんなオランダにあるライデン大学は、英語で学位を取得できるプログラムの提供に力を入れており、幅広い分野の学びが英語で可能です。世界中から留学生が集まる国際的な環境の中で、多国籍な仲間と切磋琢磨しながら、グローバル社会で活躍する力を養うことができるでしょう。
ライデン大学が留学先候補に挙がった際には、ぜひ本記事を参考にしてみてください。




Fajny wpis o Leiden! Ale jak to jest z tymi cenami w Holandii? Ktoś poleca link do https://ceny-swiat.pl/niderlandy/ceny, ale czy to na pewno aktualne dane? Nie wiem, czy tam można ufać, co myślisz?