




こんにちはSIM(シム)です。私は日本の大学に在学中にオーストラリアへ交換留学へいき、現地で一年ほど生活をしました。
日本で当たり前のように生活していては気付けなかったような経験をし、私自身の人生を変える大きなターニングポイントとなりました。
そのような大きな体験をより多くの人にしてほしいと思い、今回は交換留学の概要や、メリット・デメリット、奨学金についてお話ししたいと思います。
少しでも留学を迷ってる方の後押しになれば幸いです。また、今回は4年制大学に通う学生が英語圏に留学することを想定しています。それでは早速みていきましょう。
著者について:SIM(シム)
過去に二度の長期留学(オーストラリア・イギリス)をしました。留学前にTOEIC 900、IELTS 7.0取得。趣味は旅で去年はヨーロッパ周遊をし、今年はアジアを中心に回るのが目標です。
目次
学生ならやらないと損?交換留学の特徴や条件

交換留学とは?

まずはじめに交換留学(派遣留学とも言う)とは何かを説明したいと思います。
語学留学とは異なり、現地の大学生と一緒に授業を受けることになりますので、語学力が一定以上あることが前提となります。
つまり、「英語を勉強をする」のではなく「英語で勉強する」ことが語学留学との大きな差となります。
自分が専攻している分野を英語で学ぶという人もいれば、現地でしか受講できないクラスを受講する場合もあります。
交換留学は現地で取得した単位を日本の大学の単位と交換することができますが、あまりにも専攻と関係のない分野の単位を取得すると交換できない場合がありますので、基本的には自身の専攻に何らかの関係がある科目を受講することになります。
期間に関しては主に1年間(2~3セメスター)在籍することが通常です。
長期休みの前に帰国することもありますので、実際の留学期間は10〜11ヶ月となります。
また、希望すれば2年まで在籍することができる場合もありますが、その場合2年目の単位は交換できないなど条件がつきます。
交換留学で必要な費用

費用に関しては、おおよそですが合計250~300万円ほどかかります。以下が概要です。
- 準備費用(VISA・渡航費など)・・・30万円
- 学費(私立大学)・・・100万~150万
- 生活費(家賃・食費など)・・・100万
ヨーロッパや米国などへの渡航は航空券だけで10~15万円します。その他必要に応じてVISAやパスポートの発行などが必要です。
学費はどちらの大学に収めるのかによって変わってきますが、原則は日本の在籍している大学に支払い、留学先では免除されることが一般的です。
また、生活費に関しても、物価の安い国であっても現地で新しく生活を始めるので日本で生活をするより少し多くかかってしまいます。
とは言え、一見大きな費用にも思えますが、もし日本で一人暮らしをしている学生の普段の出費と比較すればそこまで大きな金額ではありません。計画的に貯蓄をしていけば十分に実現可能です。


何が必要なの?交換留学の資格・条件

交換留学生は大学の代表として留学に行くことになりますので、それなりの条件があります。
学校によって条件は異なりますので、個別で確認していただく必要がありますが、一般的には以下のような条件が必要になります。
- 修得単位数が満たされている
- 評定平均値(GPA)が一定以上である
- 英語力が一定以上である
- 修得単位数が満たされている
修得単位数が満たされている
まずはじめに交換留学をするまでに日本の大学で一定以上の単位を履修する必要があります。
大学と留学時期にもよりますが、参考までに私が通っていた大学では、2年生終了の時点で48単位以上、3年生終了の時点で80単位以上取得する必要があります。
またその中には必修科目が指定されている場合もありますので、単位は計画的に取得しましょう。
評定平均値(GPA)が一定以上である
次にGPAと呼ばれ欧米を中心に使われている数値も一定上でなくてはいけません。GPAとはこれまで取得した単位の評価を数値化し、平均をとったものです。
数値の計算の仕方も教育機関によって少し異なりますが以下の計算方法が一般的です。
-AA/S(90-100)・・・4point
-A(80-89)・・・3point
-B(70-79)・・・2point
-C(60-69)・・・1point
-D/F(59以下)・・・0point
GPA= (AAの単位数×4+Aの単位数×3+Bの単位数×2+Cの単位数×1)/総登録単位数(累計)
計算の例
AA・・・20単位
A・・・15単位
B・・・10単位
C・・・5単位
計・・・50単位
(20×4+15×3+10×2+5×1)÷50= GPA3.0
となります。参考までに、私が通っていた大学では出願時点で2.3以上必要でした。
このように、GPAは通常平均よりやや上に設定されていますので、普段から努力をしている人でしたら特に高い難易度ではありません。
しかし、GPAはこれまでの成績が反映される数値ですので、ちゃんと勉強しなかった人が突然交換留学がしたいと考えても、急にあげることができない数値です。
また、受け入れ先の大学によっては個別でGPAの基準を設けておりますので、そちらの確認も必要です。
例えば、マンチェスター大学などの有名大学ではGPA3.0以上が条件となります。

英語力が一定以上である

留学を目指す人の1番の難関はこの英語力ではないでしょうか。
一般的にTOEFLやIELTSと呼ばれる英語試験があり、留学先に合わせてどちらかを取得する必要があります。主に北米ではTOEFLを、イギリス圏ではIELTSを受けるものと考えてもらって構いません。
どちらとも非常に難易度の高い試験で1回で満足のいくスコアを取れる人はなかなかいません。
少なくともTOEFLでは120点満点中61点以上、IELTSでは9点満点中6.0以上のスコアを取得しなければならなく、各科目にも最低ラインが設けられている場合もありますので、総合的に英語力が高い必要があります。
私も交換留学の条件であった、IELTS6.0を獲得するためには苦労しました。
例えば、TOEFLの得点が(R:20, W:19: L:20 S:20)の79点の高得点であっても、W:20という最低ラインを設けている学校には入学することはできません。
TOEFL、IELTS共に受験料が非常に高いので、是非しっかり対策してからのぞみたいところです。

認定留学・私費留学との違い
交換留学とは別に、認定留学や私費留学という留学の仕方もあります。交換留学を深く理解するためにこれらの留学についても少し見てみましょう。
認定留学、私費留学とは自身で留学先を見つけてする留学となり、こちらも通常一年間の留学となります。
交換留学は大学が提携した海外の大学との間の交流でしたが、認定留学や私費留学はその限りではありません。これらの留学には、
- どの国のどの大学に行っても良い
- どの授業を受けてもいい
- 学費は留学先に払う
といった特徴が挙げられます。簡単にいうと、個人でやりたいことを勉強しに行く留学と言えます。
大学の数だけ選択肢が広がるのが魅力的です。
アメリカのアートを勉強したい、オーストラリアの植物学を勉強したい、オーストリアで音楽の研究をしたいなど、学びたいことが明確な場合は非常にオススメしたい留学の仕方です。
また、交換留学のような提携した大学周辺は概して治安が良い場合が多いですが、一方認定留学の場合は必ずしも安全な地域とは限りません。治安は絶対に調べましょう。


交換留学5つのメリット
次に交換留学のメリットをみていきましょう。

若いうちに多様性溢れた環境に入れる
交換留学は在学中に行くことになりますので、比較的若いうちに留学を経験することができます。
私も20歳の時にオーストラリアへ留学に行きましたが、そのオーストラリアへの留学が決め手となり、その後イギリスの大学院に進学することを決めました。
このように留学を早く経験するとその後の人生も大きく変わってきますので、もし留学を狙っているのであれば早めにできる交換留学がお勧めです。
単位参入ができる
交換留学は受け入れ先で取得した単位を帰国後に交換することが想定されていますので、十分に4年で卒業することができます。
わざわざ1年休学して留学に行く必要もありませんので、キャリアプラン的にも経済的にも得なことが多いです。
一方で認定留学、私費留学の場合は必ずしも単位が交換できるとは限りません。専攻から離れてしまうと交換ができない、あるいは休学して留学に行くことになりますので、4年で卒業することは難しくなります。
留学先の学費が不要
留学といっても正規留学とは異なり、あくまでも在籍するのは日本の大学ですので、日本の大学の学費を払えば良いという場合が多いです。
海外では年間200〜300万、ハーバードやスタンフォードなどの最難関校では年間700万円もの学費が必要となる大学もありますので、比較的学費が安い日本の大学に学費を納めればいいことはかなり大きなメリットとなります。
認定・私費留学の場合は留学先の大学に学費を支払うため、費用が多くかかることになります。
大学からのサポートが手厚い
交換留学は提携している大学間の交流になりますので、お互いに信頼があります。ですので、比較的書類も少なく、特別難しいことはなく留学に行くことができます。
また、交換留学生は大学の代表ですので、大学側のサポートも手厚いのが理由の一つとなります。例えば、学生VISAの取得が比較的容易になります。
自身でVISAを取得するとなるとややこしいことが多いですが、大学側が書類を準備してくれる上、交換留学という名目がありますのでVISAの申請が非常に楽になります。
また、寮やホームステイ先を手配してくれる場合もありますので安心です。
認定留学、私費留学の場合は所属する大学とは関係なく自分で準備をしなければならないため、大学を調べるところから、出願、寮をとるところまで全て自身でやることになります。
留学エージェントを利用してこれらの作業を代行してもらう人もいますので、交換留学の準備がいかに楽かが分かります。
大学から奨励金が貰える
私の大学では交換留学生は奨励金として30万円ほど援助をもらいました。大学によって100万円と大きな額をもらえるところもあります。
もちろんこれらはローンではありませんので、返済する必要もありません。留学にはかなりの費用がかかりますので、少しでも多くの資金調達することが鍵となります。
交換留学をするだけで多くの額をもらえるので、経済的負担が減ります。その他、大学以外の政府や民間の給付奨学金も豊富に存在します。

- 東京大学:全学交換留学
- 慶應大学:交換留学について
- 早稲田大学:中長期留学プログラム
- 東洋大学:交換留学
- 龍谷大学:交換留学とは
- 上智大学:交換留学
- 北海道大学:北大の交換留学制度
- 立命館大学:交換留学
- 明治大学:協定留学について
- 東工大:派遣交換留学
- 創価大学:交換留学
- 近畿大学:交換・派遣留学制度
- 日本大学:英語圏交換留学・韓国交換留学
- 関西大学:交換派遣留学
- 同志社大学:外国協定大学派遣留学生制度
- 法政大学:派遣留学制度(協定校留学)
- 立教大学:大学間協定に基づく派遣留学制度について
- 琉球大学:短期交換留学(派遣)制度
- 一橋大学:一橋大学海外派遣留学制度
- 南山大学:交換留学に必要な条件
- 神奈川大学:派遣交換留学
- 駒澤大学:交換留学
- 獨協大学:交換留学
- 芝浦工業大学:交換留学
- 学習院大学:協定留学プログラム
- 梨花女子大学:派遣留学制度(協定校留学)
- 西南学院大学:海外派遣留学制度
交換留学4つのデメリット

交換留学はメリットばかりではありません。メリットの裏返しとしてデメリットもあります。少しでも心の準備ができるように確認しておきましょう。
成績や英語能力のハードルが高い
先にも述べたように、留学の時点である程度の単位、TOEFLやIELTSの英語スコア、GPAが必要になります。普段から多くの単位を履修し、さらにはGPAを上げるために成績が良くなくてはなりません。
また、英語力スコアの取得も早くて3ヶ月から半年は必要になります。留学への気持ちが強ければ乗り越えられる課題ですが、それでも常に努力が必要です。
ひとつでも条件を満たさないと交換留学は道は絶たれてしまうので、遅く留学を決めた人は認定留学・私費留学を目指す傾向にあります。
しかし上で挙げたようなメリットがありますので、まずは交換留学を目指すことをお勧めします。
競争率が高い
交換留学を諦めるもう一つの理由としてその競争率が挙げられます。学校の規模にもよりますが、合格者は一校につき1〜3人ほどと非常に少ないです。
とくにTOEFLスコアやIELTSスコアが低くても構わないような学校には応募者が殺到します。
他者と差別化するためにもなるべく高い英語力をもって選択肢を広げられるようにしましょう。
留学先の選択肢が限られている
交換留学は提携された大学間の交流になりますので、あらかじめ行く大学が決まっています。その意味においては、通常のアメリカ留学やイギリス留学と比べると非常に選択肢が狭まってしまいます。
また、単位を交換することも前提になりますので、勉強できる科目も狭まってきてしまいます。
もしやりたいことが明確で、そこでしか学ぶことができないようであれば、認定留学・私費留学をお勧めします。
一方で、異文化コミュニケーション、英語力向上、海外を堪能すると言ったような目的であれば交換留学の選択肢の範囲内で十分に達成できます。
留年の可能性もある
もし教職課程をとり将来教師になりたいと希望する人はカリキュラムが非常にタイトになりがちです。
ある特定の時期にしか受講できない科目や、実際に学校で教えることもカリキュラムの中に含まれているので、留学時期とタイミングが合わなければ、留年する可能性があります。
個人的には留学は非常に刺激的ですし、留学経験のある先生は説得力があると思いますので、留年をしてでも留学に挑戦した方が良いと思います。
費用を心配しないで!申請できる給付奨学金

次に奨学金についてお話ししたいと思います。
最近増えてきましたが、直接海外の大学に在籍しない交換留学生でも奨学金をもらう(給付型・貸与型)ことができます。
有名な返済不要の奨学金をいくつか挙げてみましたので、時期や応募条件などを確認しましょう。
トビタテ奨学金

- URL:https://tobitate.mext.go.jp/univ/program/
- 対象:高校生、大学生、短大生、専門学生
- 支援額:月額12〜16万円、渡航支援金15/25万円
日本学生支援機構(JASSO)

- URL:https://www.jasso.go.jp/index.html
- 対象:大学生、短大生、専門学生
- 支援額:月額6〜10万円、渡航支援金16万円
松下幸之助国際スカラシップ

- URL:http://matsushita-konosuke-zaidan.or.jp/works/jpn/promotion_jpn_01.html
- 対象:日本の大学に学部生として在籍する者
- 支援額:月額16万円、渡航費1往復分相当の補助
公益財団法人 業務スーパージャパンドリーム財団 海外留学支援

- URL:https://www.kobebussan.or.jp/overseas.php
- 対象:6ヶ月又は 1 学期以上の大学間又は部局間協定に基づく語学研修を含まない留学プログラム
- 支援額:月額15万円
イノアック国際教育振興財団奨学給付金

- URL:http://www.ic.keio.ac.jp/keio_student/scholarship/guideline2017.pdf
- 対象:大学・大学院に在学もしくは在籍中の日本人学生で外国に留学しようとする者
- 支援額:月額10万円
その他の奨学金
以上に挙げた奨学金のみならず、自身が所属する市や県でも奨学金を出している場合があります。
是非周辺の自治体について調べてみましょう。
この他にも、在籍する日本の大学独自の奨学金や、留学先の大学の奨学金もありますので、漏れなくチェックしましょう。

交換留学を考えている方へのアドバイス

早め早めの準備を
交換留学は常に上記の通り非常に準備が大変な上競争率も高いです。
特に大変なのはTOEFL、IELTSのスコアをとることでしょう。
1回で満足のいくスコアを取ることは非常に難しいですし、一回の受験料も非常に高いです。
ですので、もし交換留学を考えているのならばできるだけ早めに準備をすることをお勧めします。
また、GPAもすぐに上げることができない数値ですので、普段から準備を怠らず真面目に授業にとりかかりましょう。
奨学金に関しても早い時期に応募を締め切ってしまうところも多いで、募集要項と申請時期は留学出願前から確認しておきましょう。
留学中は非常に大変な勉強の毎日が待っていますが、留学準備が終わるころにはそれに耐えられるだけの力がつきます。
是非近い自分の将来を見据えて行動しましょう。

とにかく楽しむ
交換留学は長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれですが、その期間に日本では味わえないようなたくさんの経験をします。
辛いこともあると思いますが、とにかく楽しむことが大事です。
スーパーで物を買うことすら初めは難しいかもしれませんが、意外となんとかなってしまいます。
日々のひとつひとつが全て前進と感じられるように前向きに考えて留学を楽しみましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は交換留学の概要・メリット・デメリット、奨学金についてお話ししました。
交換留学を目指したいけど何から始めていいのかわからない人や、留学を迷っている人がこの記事を読み前向きな決断ができれば幸いです。ありがとうございました。




わかりやすい情報をありがとうございました。
私は早稲田大学商学部に通っているのですが、留学でどの国に行くか、どの大学を選ぶかでかなり迷っています。
具体的には、できるだけレベルの高い大学に留学し刺激を受けるのか、バブソン大学のような、日本の大学では受けることのできない授業を受けに行くのか、もしくは中国に留学し中国語をマスターするのかなどです。
にゃんこ先生ならばどのような基準で留学先を選ぶのかを教えて頂きたいです。
こんにちは!将来やりたいことが明確に決まっていないのであれば、出来るだけトップスクールに行くのは良い選択になる。
また、起業など特定のやりたいことがあれば、バブソンのような尖った学校や、その分野で強い学校に行くのもありだよ。どこを選んでもアメリカは日本の教育方法とは違うので刺激を受けられるはず。
中国かアメリカかはかなり趣向が違うので、これもどんな自分になりたいのか、今後何を武器として活躍したいのかにもよるね。
個人的にはまだまだ経済的・教育水準的にもアメリカが強いので、特に希望がなければアメリカに行った方が良いとは思うけど・・。中国語のためだけに中国に留学をするのは勿体無いし言語だけなら別の方法で学べるので。