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「アメリカの大学って、いつ入学するの?」
そう疑問に思った方は少なくないはずです。
日本の大学は基本的に4月入学ですが、アメリカの大学では「9月(秋)入学」が一般的です。
つまり、日本の高校を卒業してすぐに入学したいと考えても、タイミングが合わないケースがあるのです。
また、アメリカには「春入学」や「夏入学」といった制度も存在し、出願スケジュールや合格後の準備も大学によって大きく異なります。
こうした違いを知らずに進めてしまうと、出願に間に合わない、奨学金が取れない、ビザが取れないといったトラブルにもつながりかねません。
この記事では、アメリカ大学の入学時期の種類・特徴・選び方をわかりやすく解説し、あなたにとってベストなタイミングを見つけるためのヒントをお届けします。
目次
アメリカの大学の入学時期はいつ?
アメリカの大学では、日本のように4月に一斉に入学するわけではありません。
多くの大学には年に複数回の入学時期があり、それぞれで出願スケジュールや学習環境が異なります。
秋入学:8〜9月が主流
アメリカの大学でもっとも一般的なのが、このFall入学(秋入学)です。
新学年のスタートにあたり、すべてのカリキュラムやイベントが整っているため、ほとんどの学生がこのタイミングで入学します。
特徴:
- 新入生向けオリエンテーションや歓迎イベントが充実
- 奨学金や寮などの選択肢が最も多い
- 授業の選択肢も幅広い
- 出願は前年の11月〜翌年2月頃が一般的
多くのアメリカの高校生もこの時期に大学へ進学するため、日本でいう「4月入学」に相当する王道ルートです。
春入学:1〜2月スタート
一部の大学では、Spring入学(春入学)も可能です。
秋入学と比べると受け入れ人数は少ないですが、日本の高校卒業時期(3月)と比較的近いため、ギャップを少なくして進学したい人にとっては選択肢のひとつになります。
特徴:
- 入学者数は少なめ(秋入学の1〜3割程度)
- 開講される授業数が限られることもある
- 一部の奨学金・寮が利用できないケースもある
- 新入生向けプログラムが簡略化されている場合もある
ただし、人気大学やリベラルアーツカレッジではSpring入学自体を設けていない場合もあるため、志望校の制度を事前に確認することが重要です。

夏入学:5〜6月スタート
Summer入学(夏入学)は、正規の学期というよりも、特別プログラムや早期スタートを希望する学生向けに用意されているケースが多いです。
特徴:
- 夏期集中講座や特別なサマープログラムが中心
- 単位を早く取得したい、英語の準備をしたい学生向け
- 正規の入学時期ではないため、利用できる制度が限られる
この時期の入学を利用する日本人は少数ですが、秋入学の前に語学研修を兼ねて参加するといった使い方もあります。

アメリカ大学の出願スケジュールはいつから?
アメリカの大学に進学するには、日本のように「一斉に出願・試験・合格」ではなく、入学時期や大学によって異なる出願スケジュールをしっかり把握する必要があります。
特に、秋入学(8〜9月)を目指す場合、高3の秋〜冬に出願を終える必要があるため、早めの準備がカギとなります。
アメリカ大学の出願方式と締切
アメリカの大学には、主に以下3つの出願方式があります。
出願方式 | 特徴 | 出願時期の目安 |
Early Decision(ED) | 合格すれば必ず進学する前提。合格率がやや高め | 高3の11月ごろまでに出願、12月に結果通知 |
Regular Decision(RD) | 一般出願。合格後に進学を決められる | 高3の1〜2月ごろまでに出願、3〜4月に結果通知 |
Rolling Admission | 募集枠が埋まるまで順次選考 | 出願開始は早く、秋〜春まで受付している大学も |
特にED(Early Decision)は締切が早いため、第一志望校として検討する場合は高3の夏前から出願準備を始める必要があります。
一方、Rolling Admissionは遅くても出せる分、早く出したほうが有利です。出願開始と同時に枠が埋まり始めるため、出すタイミングも戦略的に考えましょう。


高校1〜3年生の準備タイムライン
出願までにやるべきことは多岐にわたりますが、以下のように学年ごとに整理して逆算するのが効果的です。
高校生のアメリカ大学出願タイムライン(秋入学を想定)
学年 | やるべきこと |
高1 | 英語の基礎力づくり(英検・TOEFLなど)、学内成績の安定、興味ある大学や専攻のリサーチ |
高2 | 模擬TOEFL・SAT受験、部活動・課外活動の実績強化、出願要件の確認、エッセイの練習、サマースクール参加など |
高3前半 | TOEFL・SATの本番受験、出願校の決定、推薦状依頼、出願書類の準備(成績証明書、エッセイ等) |
高3後半 | 出願(ED:11月、RD:1〜2月)、合否通知(RDは3〜4月)、ビザ・入寮・航空券等の手続き |





入学時期はどうやって選ぶ?——実は“選ぶ”というより“決まってくる”
アメリカの大学進学では、「秋・春・夏、どの入学時期にしようかな?」と自由に選べるように思えるかもしれません。
でも実際は、自分の準備状況によって、現実的な選択肢が限られてくるのが実態です。
つまり、戦略的に「選ぶ」というより、英語力や出願準備の進み具合に応じて「決まってくる」と考えたほうが現実的です。
高校卒業とアメリカ大学入学のタイミング
日本の高校は3月に卒業し、アメリカの大学は通常8〜9月に秋学期が始まります。
そのため、多くの日本人学生にとっては高校卒業から入学までの半年間が生じますが、これは制度上当然のスケジュールであり、「空白期間」や「ギャップイヤー」とは見なされません。
とはいえ、進学戦略や準備状況によって、取り得る選択肢は複数あります。以下に代表的なケースを整理しました。
ケース | 進路の一例 |
高3在学中に出願を終えられる | → 現役で秋入学(制度上の王道ルート) |
春に日本の大学へ一旦進学し、その後に海外大学の合格を得る | → 日本の大学を中退して秋入学(出願期間中の身分を確保) |
できるだけ早く進学したい | → 春入学や夏入学を検討(大学・専攻により選択肢は限定) |
英語力が大学の基準に満たない | → Pathwayプログラムに春・夏から参加し、大学編入を目指す |
出願が間に合わない/もう少し準備したい | → 高校卒業後に準備を進め、翌年の秋に入学(ギャップイヤー) |
また、進学ルートを考えるうえで知っておきたいのが、日本の大学に一旦進学し、その後アメリカの大学に進学するという選択肢です。
これは、高校卒業後すぐに進学先が決まっていない場合でも、空白期間を避けながら出願準備を進める手段として現実的です。
実際に、春から日本の大学に在籍しつつ出願を行い、合格後に中退して秋に渡米するケースも少なくありません。
また、英語力に不安がある人にとっては、Pathway(進学準備)プログラムが重要なセーフティネットになります。
語学力やアカデミックな基礎力を固めながら、数ヶ月〜1年後に正規課程にスムーズに進学できる仕組みで、多くの大学が留学生向けに設けています。
さらに、ギャップイヤーを取って翌年の入学を目指す場合でも、期間の使い方次第で出願の質は大きく変わります。
語学試験の対策やエッセイのブラッシュアップ、課外活動の充実など、丁寧に準備を重ねることで、より志望校に近づくことができるのです。


実際にはどんな進路を選ぶ人がいるの?
入学時期や進学ルートは、英語力や準備状況によってさまざま。ここでは、実際に日本人学生がとっている代表的な進路パターンを紹介します。
あなた自身の状況と照らし合わせながら、進学までの道のりを具体的にイメージしてみてください。
● 高校在学中に出願 → 秋入学へ進学(王道パターン)
TOEFLやSATのスコアが早めに揃い、高3の秋までに出願を完了。
早ければ11〜12月に合格通知が届き、翌9月にはアメリカの大学に入学。進学までの数ヶ月間は英語力の強化や準備に集中するケースです。
例:高2の夏からTOEFL対策を始め、高3の10月にEarly Actionで出願。11月に合格通知をもらい、卒業後は留学準備に専念。
● 春に日本の大学へ進学 → 中退して秋入学
海外の進学先が決まらないまま高校を卒業したため、ひとまず日本の大学へ進学。
その後、海外大学への出願を進め、合格後に中退してアメリカへ。空白期間を避けながら準備を進めたい人に多いルートです。
例:春に国内の私立大学へ入学。秋までにアメリカの大学へ出願し、合格通知を得て翌9月に渡米。入学前に退学手続きを完了。


● 空白を最小限にしたい → 春・夏入学を活用
9月まで待たずに、春(1月〜2月)や夏(5月〜6月)に入学できる大学を選び、できるだけ早く大学生活をスタートさせるパターン。
ただし入学時期の選択肢は限られます。
例:高校卒業後すぐに英語力の要件をクリアし、1月入学可能な州立大学へ進学。新入生の数は少ないが、授業には問題なく適応。


● 英語力が不足 → Pathwayプログラムで準備
TOEFLやIELTSのスコアが大学の直接入学基準に達していない場合、Pathway(進学準備)プログラムに参加。数ヶ月〜1年の集中学習を経て、正規の学部課程へ進学する方法です。
例:TOEFL50点台で大学進学は難しいと判断し、大学付属のPathwayに春から入学。翌年秋に正規の学部へスムーズに編入。


● 出願が間に合わない → ギャップイヤーで再挑戦
出願締切に間に合わず、高校卒業後に1年間の準備期間を取って翌年の秋入学を目指すルート。
語学力強化、課外活動、サマースクールなど、内容次第で出願の質を大きく高めることが可能です。
例:卒業後に語学学校と留学エージェントの支援を受けながら準備を進め、翌年のRegular Decisionで3校に合格。
このように、それぞれの状況に応じて柔軟に進学ルートを選ぶことができます。焦らず、自分にとって最適なタイミングと方法を見つけることが、海外大学進学の第一歩です。





よくある質問(FAQ)
日本の高校を3月に卒業したら、アメリカの大学にすぐ入れますか?
一般的なアメリカの大学の入学時期は8〜9月なので、高校卒業後すぐに入学するのは難しいです。
ただし、これは制度上の自然なズレであり、春から秋までの期間を利用して準備を整えるのが一般的です。
この期間はギャップイヤーとはみなされず、多くの日本人学生が同じスケジュールで進学しています。
春入学でもアメリカのトップ大学に進学できますか?
一部の大学では春入学(1月〜2月)を受け入れていますが、多くのトップ大学やリベラルアーツカレッジでは春入学の制度がありません。
また、春入学は募集人数が少なく、開講される授業や奨学金の選択肢も限られることが多いです。第一志望がある場合は、その大学が春入学を提供しているかどうかを必ず確認しましょう。
英語力がまだ足りないのですが、秋入学を目指せますか?
英語力が大学の入学基準に届いていない場合、直接入学ではなく「Pathwayプログラム」から始めるルートがあります。
春や夏にスタートするPathwayを経由して、正規課程に編入することで、将来的に希望する大学で学ぶことも可能です。英語力に不安がある人には、安全かつ現実的な進路です。
出願に間に合わなかった場合、どうすればよいですか?
出願が間に合わなかった場合は、翌年の秋入学を目指してギャップイヤーを取ることが一般的です。
この期間を使って英語力を高めたり、課外活動やエッセイを充実させたりすることで、翌年の出願でより良い結果を得られる可能性が高まります。
春に日本の大学に進学してから、アメリカの大学へ変更できますか?
はい、可能です。出願期間中に日本の大学へ仮進学し、その後アメリカの大学に合格して中退・編入するケースは珍しくありません。
空白期間を避けながら準備を進められるため、特に受験後に進学先が決まらなかった人にとっては有効な選択肢です。
ただし、各大学の出願条件や単位認定の方針には注意が必要です。
まとめ:入学時期は「自分の準備」に合わせて選ぼう
アメリカの大学進学では、入学時期として最も一般的なのは秋入学(8〜9月)です。多くの大学で新学年が始まるタイミングであり、奨学金やサポートも充実しています。
一方で、春入学や夏入学、Pathwayプログラムなど、個人の準備状況や英語力に応じて選べる柔軟な選択肢も存在します。
大切なのは、「秋入学が正解」ではなく、自分の現状と目標に合わせて最適なタイミングを選ぶことです。
英語力や出願準備が万全なら現役で秋入学を目指すのが王道ですが、準備が間に合わない場合はギャップイヤーや仮進学などのルートを取ることで、より納得感のある進学につながります。
迷ったときは、焦らず立ち止まって、「なぜ海外に行きたいのか」「どんな環境で学びたいのか」を考え直してみるのも一つの手です。
入学時期は、あなたの留学生活のスタート地点。だからこそ、タイミング選びも“自分らしい留学”の第一歩になるのです。






