MBA出願先はどう決める?英米以外のビジネススクールの意味を考える

ねこ君
MBA留学したいと思ってるんだけど、やっぱりアメリカかイギリス?
ねこ君
これからはアジアが来ると思ってるんだけど、シンガポールとか香港のMBAはどうなんだろう。日本にもいくつかビジネススクールあるよねぇ。
にゃんこ先生
どこの国にするかは、今後のキャリアをどのように構築して行きたいのか、どこで働きたいのかと大きく関連する。
にゃんこ先生
ランキングももちろん大事だけど、自分の将来像を描きながら、国や学校を選ぶことも、長期的に自分が満足するキャリアを築く上では大切だよ。
にゃんこ先生
今回は、どういった観点から出願先を選ぶべきか、英米以外のMBAも視野に入れながら考えてみよう。

 

この記事の著者: Tempest

  •  横浜在住、40歳台前半の男性
  •  米国でMBAを取得、専攻は金融
  •  投資銀行マン等を経て、財務・法務系の翻訳家として独立(言語は英語・タイ語)
  •  Tempestの英語学習の記録

出願先選定「MBAなら何でもいい、のか?」

私のMBA時代はすでに過ぎ去っており、出願の際GMATの勉強で苦労したことや「推薦状を自分で書いてサインだけもらう」ことに違和感を感じたことなどを懐かしく思い出します。

さて、自身と留学予備校で知り合った人達の「出願先のラインアップ」を思い出しますと、

 

  • GMAT / GPA / 職務経験でとにかく行けそうなところに出す
  • その上で、なるべくランキングが高いところが良い + 滑り止め
  • やたらと出願してどこか受かればラッキー

 

という感じのアプリケーションが横行しており、中には10校以上応募している人もありました。審査費用や書類作成の手間もバカにならないのに・・・。

 

ちなみに私の場合、GMATは600後半に差し掛かるぐらいでマズマズだったのですが、大学のGPAが普通で職務経験が3年弱と少ないため中々受からず、6校ぐらい「どこでもいい」という態度で応募して、かろうじて全米ギリ50位程度の学校に一つだけ受かり、やれラッキーという感じで何も考えずに行って、何も考えずにただ卒業しました。これでいいものでしょうか?

 

MBAは一般に非常に学費が高く、フルタイムなら2年という膨大な時間を費やすことになります。機会費用としては、その間の給与・職務経験も失っていることになります。

なお学費については「MBAランキングと学費について」という稿で詳述しておりますので、ご興味があればそちらもご覧下さい。また「MBAとは何を学ぶところか」という稿もご参考になるかもしれません。

 

このように金銭・時間の面で多大な犠牲を払うのに、「どこでもいい」「なるべくランキングが高いところ」「聞いたことがある学校」というだけで出願先を選んでいいものでしょうか?

やはりなるべく自分のキャリアプラン・やりたい事に添う学校をピックすべきかと思います。

また、この方がエッセーで最も重要な「何故このMBAか? / 目標は何か?」(Statement of Purpose)も書きやすくなり、説得力が出て合格率も上がります。

 

参考記事

大学院留学に必須!スタンフォード大学が定義する良いエッセイとは?

海外大学院出願のエッセイとは?情報収集・構成から書き方まで

 

MBAを取得する意味

まず、一般にMBAを取得する意義として、

  1. 学ぶ内容
  2. 履歴書効果(ランキング)
  3. 言語習得
  4. ネットワーク作り

ということが言われます。

 

いずれも大切ですが、この中でどれが一番大切でしょうか?

 

まず、③言語習得④ネットワーク作りは、MBAに「ユニーク」ではありません。言い方を変えると他でも構築出来るものです。なので、やはり① 学ぶ内容 vs. ②履歴書効果になります。

現実的に、再就職やキャリアアップを考えると②履歴書効果の方が手堅いので、短期的にはどうしてもランキングに目が行きがちになります。上記の留学予備校で出会った人達や私などはそういう人種です。

一方、履歴書とは違い、目には見えにくいながら、「自分の思うような人生を生きる」ために必要なのは、タイトルより培われた実力・スキルが長期的には大切です。このため、まず学びたいことが学べるプログラムを選び、ランキングも考慮する、という方が賢明(健全)です。

 

各プログラムの評価には、一番目が行く総合ランキング以外に分野別のランキングや評判もあります。

分野別の例

  • 会計
  • 起業
  • ファイナンス
  • IT(Information system)
  • International・グローバルビジネス
  •  サプライチェーン、物流
  • マーケティング
  • 生産管理・オペレーション

 

例えば、西海岸にある「サンダーバード国際経営大学院」という学校があり、総合ランキングでは全米50位を外れていますが、国際ビジネスの研究・教育に非常に定評があり、グローバル・ビジネス部門のランキングでは常に上位に居ます。

このため、GMATが600後半ぐらいで総合ランキングではもっと上の学校を狙える場合でも、とにかくグローバルがやりたい! という人がサンダーバードを敢えて選ぶケースもあり、英断と言えるでしょう(名聞だけに左右されず、実質をトル)。

履歴書に「サンダーバード」とあり、年配の採用担当者にはSF人形劇のアレか? とチラッと思われても別にいいではないですか・・・。

 

参考記事

ランキングとフィット感どっちが大事?MBA学校選びで大切なこと

 

英米のMBAと他国のMBAの比較

MBAというと、どうしても発祥の地米国のMBAが想起されますが、近年では日本を含む他国の学校でも英語ベースの優れたMBAプログラムを提供しています。

例えば、フランス本拠の「INSEAD」のMBAプログラムなどが高名です。我らが日本では、一橋や早慶などで、ランキング的にはさほどではありませんが、内容は優れていると聞きます。例えば早稲田や神大の経営大学院は金融、特に金融工学の研究で高名です。

 

上記の4つの観点で、英米のMBAと他国のMBAを比較してみましょう。

  1. 学ぶ内容: ベースの内容はさほど変わらないが、より「ローカル色」が出る。
  2. 履歴書効果(ランキング): 英米のMBAの方がランキングは高い傾向があるが、海外の学校でも母体が良ければグローバル・ランキングでそこそこ行っている。
  3. 言語習得: 英語での授業ながら、こと英語という点では劣る(教授や周りの人にネイティブが少ないため)。一方授業外で現地言語に触れるため、別の言語もやる気があれば習得出来る。
  4. ネットワーク作り: 「ローカル色」のあるネットワークが構築出来る(でも総体には変わらずグローバル)。

 

経済のグローバル化が進んでおり、特に中国が躍進する中、もし特定の地域を中心としたグローバル・ビジネスに従事したいと考えている場合このように英米以外のMBAのメリットを考慮してみるのも一手です。

同じランキング上位のMBAでも、英米以外の学校は倍率が比較的低く、入学の難易度も下がるというメリットもあるかと思います。

 

日本のMBA紹介

国内なら、良い順に一橋・早稲田・慶応・神大、変わり所では新潟の国際大学、私学過ぎるグロービスあたりが名声を博しています。

実は、日本のMBAランキングという客観的な指標というのは、存在しておりません。世の中にグローバルMBAランキングはありますが、100位までしか公表されず、残念ながら日本のビジネススクールはランク外です。

 

勇気ある人達

上記のサンダーバードのケース以外に、GMAT / GPA / 職歴的に英米のいわゆるエリート校に入れたはずなのに、敢えて履歴書効果よりやりたい事を優先して学校を選び成功した例をケース・スタディとして以下にいくつか挙げます。

多少脚色がありますが、私が実際に目撃した例です(実名等は伏せます)。

 

日本人男性Kさん

  • 会計系の優れたキャリアを有し、エリート校にも入ろうと思えば入れた。
  •  一方で、サラリーマンよりは将来独立したいと考えていた。
  • そこで、総合ランキング的には50位圏外だが、「起業」部門で過去20年以上全米1位のバブソン大学MBAを選ぶ(専攻はそのまま起業)。
  • 同じ志を持つ級友や起業経験のある教授との交わりに大いに触発され、在学中にすでにITを駆使した起業のアイデアを練り着手している。

 

中国人女性Oさん

  • 小さい頃から日本のアニメ・ゲーム(特に「らんま1/2」)が好きで、趣味が嵩じて大学では日本語・日本文化を専攻。
  • 中国で日系企業で働いた後、早稲田でMBA取得(専攻はITマネージメント)。
  • そのまま日本のIT会社で現地就職。
  • そこで出会った日本人と結婚し、永住権取得後、最終的には帰化(日本人の姓名も別に作る!)。一生日本のエンタメ文化を満喫するつもり。

 

アメリカ人男性Rさん

  • ミニマリズム・禅・道教・断捨離などに凝る「非典型的」なアメリカ人。
  • GEに就職、伝統企業の縦社会で余計アメリカの世俗がイヤになり、アジア志向深まる。
  • 中国語を勉強していたこともあり、INSEADシンガポール校でMBA取得(専攻はグローバル・ビジネス)。
  • 母国語の英語に加え、中国語・マレー語も強化。
  • 香港で自由な感じのベンチャー企業に就職。中国の道教感に浸りながらも現代中国人一般がアメリカ人よりも世俗的(銭ゲバ)なのを目にして次はインドか? と考えている(いずれにせよ、選択肢は色々ある)。

 

悪い例として、タイ好きなのでタイの一流校のMBA(チェンマイ大学等)に行っておけば良かったが、何となくアメリカのMBAにしてしまい後悔している人間もあります。

 

まとめ

履歴書効果も大切ですが、学費・時間面で多大投資を要するMBAプログラムを選定する際に、ただタイトルだけで考えるのは損。

グローバル社会において自分が今後何をやりたいかを考え、それに添う学校・プログラムを選定すべきです。特に昨今では選択肢はいわゆる英米のMBAに限りません。

ちなみに最後の後悔している人間は私です(泣)。

 

にゃんこ先生
質問、要望、ツッコミ、おすすめ勉強法、なんでも遠慮せずにコメントしてね。閲覧者同士でのコミュニケーションも大歓迎だよ。
にゃんこ先生
読んでくれてありがと。FacebookTwitterから、最新情報を受け取る事が可能だよ。シェアもよろしくね。
 

コメントを残す

名前、メールアドレスの入力は任意です。メールアドレスが公開されることはありません。