ランクが高いほど学費も高い!?MBAランキングと留学費用

MBAランキングと留学費用
MBAイベント情報
QS主催の海外MBAツアーが開催されますのでお知らせいたします。

日時:3月13日(木) 日本時間18:00~

場所:ウェスティンホテル東京

UCバークレー(アメリカ)、NUS(シンガポール)、IE(スペイン)、エジンバラ(イギリス)、EDHEC(フランス)、UBC(カナダ)など、世界中から15校以上が参加

入学審査官と1 on 1で話す機会ですので、ぜひチェックしてみてください!

>> イベント登録はこちら(無料)
ねこ君
MBAの志望校選びはとりあえずランキング見とけば大丈夫でしょ?
にゃんこ先生
もちろん、ランキングは一つの指標にはなるよね。
にゃんこ先生
けど、ランキングが高いほど、学費も高くなる傾向があるって知ってた?
にゃんこ先生
例えば、ハーバードやスタンフォードは2年間で約1600万、逆に2年間600万ぐらいで済むトップ校だってあるんだよ。学費の安い学校は、生活費も若干安い場所にある傾向にあるので、私費にはさらに嬉しいよね。
にゃんこ先生
今日は、ランキングを見るに当たって、検討すべき点を解説するよ!学費・生活費のほか、難易度や今後のキャリアもイメージしながら学校選びができるとベストだね。

 

この記事の著者: Tempest

  •  横浜在住、40歳台前半の男性
  •  米国のMBAを取得、専攻は金融
  •  投資銀行マン等を経て、財務・法務系の翻訳家として独立(言語は英語・タイ語)

MBAランキングと学費

本稿では、いわゆる「MBAランキング」と「留学費用」についてご説明してみたいと思います。

ランキングと留学費用って何か関係があるのか? というご意見はあると思いますが、「世俗的」な意味では関係あります。

 

先に結論の一部となりますが、「費用対効果」という観点で、MBA留学費用は非常に高く(投資)、ランキングが高いほど良い就職口(リターン)があるという点でそうです。

本稿の最後でNPVの知識を使ってMBAの費用対効果について考えてみます。

 

さて、ビジネススクールのランキングにはジャーナリズムの「USニュース」によるものと「ビジネスウィーク」によるものが有名です。

以下、「USニュースMBAランキング2018」からの引用、米国トップ50です。学費が開示されているのでこちらを採用しました。

 

MBAランキングと学費一覧

学校名 フルタイムMBA学費/年
ドル 万円
1 Harvard University 72,000 809
2 University of Chicago (Booth) 69,200 777
3 University of Pennsylvania (Wharton) 70,200 788
4 Stanford University 68,868 773
5 Massachusetts Institute of Technology (Sloan) 71,000 797
6 Northwestern University (Kellogg) 68,955 774
7 University of California–Berkeley (Haas) 59,811 672
7 University of Michigan–Ann Arbor (Ross) 67,300 756
9 Columbia University 71,544 803
10 Dartmouth College (Tuck) 68,914 774
11 Duke University (Fuqua) 65,665 737
11 Yale University 66,650 748
13 New York University (Stern) 69,086 776
13 University of Virginia (Darden) 62,342 700
15 Cornell University (Johnson) 63,894 718
16 University of California–Los Angeles (Anderson) 58,458 656
17 Carnegie Mellon University (Tepper) 64,000 719
17 University of Texas–Austin (McCombs) 51,804 582
19 University of North Carolina–Chapel Hill (Kenan-Flagler) 58,138 653
20 Emory University (Goizueta) 73,600 827
20 University of Southern California (Marshall) 60,951 684
22 University of Washington (Foster) 47,541 534
23 Rice University (Jones) 55,500 623
23 Washington University in St. Louis (Olin) 57,900 650
25 Georgetown University (McDonough) 56,400 633
26 Vanderbilt University (Owen) 53,900 605
27 Indiana University (Kelley) 47,128 529
28 Georgia Institute of Technology (Scheller) 40,180 451
29 Arizona State University (Carey) 46,176 519
29 University of Minnesota–Twin Cities (Carlson) 48,936 550
31 Ohio State University (Fisher) 51,592 579
31 Pennsylvania State University–Park (Smeal) 40,874 459
31 University of Notre Dame (Mendoza) 52,188 586
34 University of Florida (Warrington) 30,130 338
35 Brigham Young University (Marriott) 45,000 505
36 Texas A&M University–College Station (Mays) 29,271 329
37 Michigan State University (Broad) 48,500 545
37 University of California–Davis 51,094 574
37 University of Wisconsin–Madison 42,704 397
40 University of Georgia (Terry) 32,112 361
40 University of Texas–Dallas 64,524 361
42 Boston University (Questrom) 51,916 583
42 University of California–Irvine (Merage) 51,480 578
44 Rutgers, The State University of New Jersey 45,689 513
44 University of Rochester (Simon) 46,000 517
44 University of Tennessee–Knoxville (Haslam) 29,432 331
47 University of Utah (Eccles) 59,000 663
48 Boston College (Carroll) 49,230 553
48 Southern Methodist University (Cox) 45,976 516
48 University of Maryland–College Park (Smith) 53,946 606
48 University of Illinois–Urbana-Champaign (^o^)丿 36,008 404

1$=112.3円(2018/12/20時点)

ここでご注意頂きたいのは、「年あたり」の学費で、2年なので総計は2倍です。

他には、Financia Times MBA Ranking(グローバル)Economist MBA Ranking (グローバル)のランキングも参考になります。

 

ランキングと難易度

ランキングが高いほど難易度も高い?と思うかもしれませんが、合格率を比べてもると一概にそうとも言えません。

2017年のトップ1~10位の合格率を見てみると、最難関のスタンフォードは6.0%に対し、シカゴ大学は20.8%です。

 

11位以降は概ね20%代ですが、21位以降は30%~の合格率が多いようです。

簿記3級の合格率は30%程度、1級の合格率が5%~10%程度のことを考えると、海外MBAも頑張れば入れると思うのではないでしょうか。

 

関連記事

アイビーリーグは入りやすい?アメリカMBA合格率とランキング

 

ランキングはどうやって決まる?

まずランキングがどう決まるかというと、定量面で測った学生の質(平均)に、著名なビジネス関連の教授や業界リーダーの定性評価(アンケート)を加味して決める、というものです。

  • 学生の質: 大学院生のGPA(成績の単位加重平均) / GMATの点 / 卒業後の給料等
  • 学部の質: 大学院が擁する教授(ポーター・ドラッカーがいる等)、プログラムのコンテンツ、研究内容等

 

ランキングを出している主体によりやや順位が変わるところを見ると若干恣意的なところもありますが、ランキングは大きくはぶれません。

例えば、ハーバードやスタンフォードは両方常にトップ5ですが、今回USニュースではハーバードが1位でしたが、ビジネスウィークはスタンフォードが1位です。

 

いくつかの点がさっと見て取れます。

  • 理工系でもないのに目が飛び出るほど高い。
  • ランキングが上のほど、学費が高い傾向がある(統計的に有意かは不明)。
  • 公立(州立)より私学の方が高い。
  • アイビーリーグの学校がトップを占める(母体に依る面が大きい)。
  • Northwestern University (Kellogg)と見るとケロッグ・コーンフレークを思い出すが、このスナックを作るメーカーの創業家(ケロッグ家)が莫大な寄付してそのような通称になっているので、実は関係ある。
  • 私の母校が一番ケツに居る。あと、誰も高額の寄付をしないのか州立なのかでケロッグのような愛称が残念ながらナイ。

 

さて、実験も無いくせに高い、ランキングが上ほど学費が高い、という点については「プレミアム」という要素があります。

言い方は悪いですが、バッグなどブランドものが原価は安いのに高い、というのに少し似ており、出たら高い給料を貰えるんだからみかじめ料を収めろ、という感じです。

もちろん、普通の文系の学部よりコンテンツの作成に力を入れており運営費が掛かる、高名な教授を雇っているということもあります。

 

かかるのは学費だけではない

さて、留学費用総体という観点では、本丸の学費自体が高い上に、その他の付随費用もバカになりません。

なお企業派遣の場合は会社が何でも負担してくれるので楽ですが、ここでは一旦会社を辞めて私費で行くことを想定しています。

 

留学準備費用

まず、留学予備校、TOEFL / GMAT受験費、アプリケーション費用、渡航費用等、留学前の準備費用がかなり掛かり、場合によると百万円を越します。

 

教科書代

留学中も、学費以外で出費はかさみます。まず、上記の学費には「テキスト代」は含まれておらず、大学の経験でご存知かと思いますがそのような教科書はかなり高価です。

シェアしてコピーする、というせこい真似をしている学生も多く見掛けました。それほど喫緊ということです。

 

生活費

中でも、「家賃」が馬鹿になりません。

私の母校はド田舎にあり家賃は月4万円台でしたが、例えばNYU(ニューヨーク大学)やボストン、カリフォルニア等に行く場合は、ある程度のアパートに住もうとすると1500~2,500ドルに行くことが予想されます。

夏休みにグランドキャニオンなど色々旅行に行ってみたい場合はもっとですネ。

 

退学のリスクも

さてこのように多大な出費を強いられるということ自体リスクですが、さらなる恐ろしいリスクがあります。

大体どのプログラムもセメスター毎に一定のGPA(3.0 / B平均等)を維持出来ないと放校、という規定をもうけており、しかも「相対評価」だったりするので、私のプログラムでも5%弱ぐらいの人が自発的に去るかキックアウトされていました。

 

アメリカの大学は日本の大学のように卒業はそう簡単ではありません。そしてその場合も、学費は一切返還されません。もちろん、場合によってはセメスター(半期)やモジュール(四半期)ごとに学費を取ることもあります。

特にHBS(ハーバード大学)がこの点容赦無いのが有名で、1年で放校になった場合、1年時間を無駄にして学位無し、学費800万円プラス他の費用ぶったくり、ということになります。

脅かしているわけではありませんが・・・。

 

MBAの費用対効果は?

さて、ランキングや費用、リスク等について話してきました。それでは、結局「MBAに行くべきか否か」「MBAはペイするかどうか」という費用対効果のことを検討するとします。

ここで、MBAで必ず扱われる「NPV」(Net Present Value, 正味現在価値)という概念・ツールを用いて考えてみましょう。

大まかに言うと、新規事業・プロジェクトの可否を検討する際に、定量的(金銭的)にペイするか、「ゴー」か「ノー・ゴー」かを判断するツールです。特に英米では実務でも広範に用いられているようです。

 

前提

  • 一旦会社を辞め、フルタイムで2年間行く
  • 費用面
    • 準備費用(留学予備校、GMAT受験費、アプリケーション手数料等):300万
    • 学費2年分:600万×2年
    • 生活費の「増分」(日本に居ても生活費は掛かるが、海外の引っ越しセットアップや家賃や生活費が日本より高い、等):150万×2年
    • 働いていたら入っていたはずの給料が2年分失われる:年収(手取)700万×2年
  • リターン
    • 卒業後、再就職し給料がぐっと上がる(現状からの増分のみ):年収(手取)1400万(増分700万)
    • 5年働く(本当は20~30年なんなんでしょうが、ダラダラするので引退まで5年とします。その分、額を多めにしています)
  •  利子率とリスクで割引率5%(会社を辞めてまで海外渡航、しかもお高いというのは本当にリスクがあります)

 

試算結果

やや「機会費用」「逸失費用」的な概念があり少し難解ですが、理解は頂けると存じます。さて試算結果は・・・

約200万の赤字です。ならやーめた、という判断になります。

大まかにサマリーすると、主に学費と生活費の出費で1,500万円超、その後給与が増える分2,100万円生涯年収で取り返すが、機会費用およびリスクを考慮して現在価値に割り戻すとペイしない、ということを示唆しています。

 

金銭面以外に得たもの

MBA出陣の可否判断ということで、占いの結果「否」と出ました。実際、特に私学の場合学費がとんでもない額なので、差し引きペイしない、という場合も多いかと思います。

その後投資銀行やコンサルで毎日終電まで働くなら別です。私もMBAホルダーですが、今考えると全然ペイしていません。

しかし、行って良かった、膨大なものを得たと考えています。

つまり、金銭面以外に色々な知識やスキル、ネットワークを得て人生の幅が広がった、何より英語力が抜群に上がった、良い海外見聞になった、などという非金銭的な要素があるためです。

 

まとめ

ランキングよりまず「何故 / 何をMBAプログラムで学びたいか」という点が最重要なのは言うまでもありません。

一方で、卒業後の給与(リターン)や名誉にも関わりますので、「世俗的」ですがランキングもある程度重要となります。

目安として、100位以内ならMBAのタイトルとしてOKで、そこから外れる聞いたこともない大学は、ボンボンのお遊びMBAと見られて再就職で却って不利になる可能性もあります。

 

また、キックアウトの可能性があるので、英語力やビジネススキル一般で自信が無いならあまり「ランキング的に背伸びしない」のも重要となります。上ほど周りの学生が優秀で必然的に相対評価での競争は激しくなるのです。

ランキングは目安、学費は恐ろしい事実。やりたい事・MBAで得たいもの、とこれらの定量データを総合的に勘案して出願先を選定して下さい。

 

にゃんこ先生
最後に、当サイトでは海外大学・大学院進学のサポートやTOEFL・IELTS対策専門のオンラインコースも提供しているよ!!留学準備や出願でお悩みの方は、遠慮なく連絡してね!

 

ねこ君
読んでくれてありがとう!!
にゃんこ先生
質問、要望、ツッコミ、おすすめ勉強法、なんでも遠慮せずにコメントしてね。
にゃんこ先生
There is no Magic!!のメールマガジンに登録しよう!英語学習や留学に役立つ最新の記事、イベント情報やTIPSをいち早くお知らせするよ。

コメントを残す

名前、メールアドレスの入力は任意です。メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です